IS 月は出ているか?   作:ドロイデン

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タイトルでもうお気付きの皆さん、あえて言います、やり過ぎました( ̄▽ ̄;)


というわけで今回もどうぞ( ゚д゚)ノ


Episode27 ニュージェネレーションの狂気

「今回のISコア強奪にお前達が関わっているのか?」

 

 俺は電話の相手にそう聞いた。相手の方は憤っているのか、電話越しにですら殺気が飛んでくる。

 

『…………恐らく、私達とは別のセクションの人間だろうな。私達の組織は一枚岩ではない、それは貴様も分かっているのだろ?』

 

「そりゃあな、俺は()()()()であの組織に所属……いや、()()()()()()()()()()()()()()()

 

『貴様……やはりアイツの……』

 

「おっと、その先は言いっこなしだ。俺もお前も、こっちじゃ赤の他人、よっぽどのことが起きない限り此方からコンタクトを取ろうとは思ってもないからな」

 

『そうか……ならば別にいい』

 

 電話相手はほぼほぼ平淡に、口調の波が一切無い言葉でそう言った。

 

「それじゃあ済まなかったな。とりあえずお前を作り出したやつの親父に言っとけ、『俺はお前達が何をしようと感知しないが、そっちから俺に仕掛けてきたらすぐにでも殺りにいく』ってな」

 

『了解した。確かに伝えておいてやろう』

 

 俺はそれを聞くと電話を切ろうとした。

 

『そうだ、貴様に少しだけ良いことを教えてやる』

 

「んあ?」

 

『南沢泉里についてだ』

 

 俺はその言葉に眉をピクリと動かす。

 

「……」

 

『そいつは今も生きている。お前とは別の人間に成り変わってな』

 

「お前の能力は電話越しでも発動できるのかよ……そうか、名前は……いや、アイツは俺の事を知ってるわけ無いか」

 

 何せ俺が転生前に知り合った人間だ。彼女が俺の事を覚えてるはずがない。というか転生した人間が生前の人間と関わるのはあまりよろしくないだろう。

 

『ついでにそいつは来年、IS学園に行くことになる。そうなれば、()()()()でISを動かしてるお前にとっては、色々とお前も楽しめるのではないのか』

 

「…………なら何としても、彼女がIS学園に来るのをとめろ。何があっても、絶対にだ」

 

『引き受けた。貸し一つとしておこう』

 

 そう言うと相手は電話をきってしまい、後には特有のピー音が聞こえるだけだった。

 

「…………さて、盗み聞きとは本当に失礼ですね、楯無さん」

 

 俺はポケットにスマホをしまうと、うんざりするように後ろに隠れている少女に声をかけた。

 

「あら?まるで私に聞いてほしいみたいな感じがしてたけど?」

 

「……なら俺の能力がなんであるか、あんたにも分かったのか?」

 

「ええ、といってもほんの少し程度だけどね」

 

 そう言ってる彼女の目は、かなり殺気の籠っていて恐ろしかったが、俺にはそこまでではない。

 

「まず貴方が私に見せたあのサンドバッグの出来事、あそこでも言ったけど、普通あんな現象は狙っても出来るものではない。それはまず良いわよね?」

 

「ええ、続けてどうぞ」

 

「そして私と本音ちゃんに剣を見せたあと、簪ちゃんにも同じ剣を見せた。私も本音も簪ちゃんの部屋の天井裏から見てたけど、そこで不可思議な現象を見た」

 

 楯無さんはそう言うと目を鋭くしてこちらを見据えてくる。

 

「あの剣、どういうわけか()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……少し待ってください。ということは、本音には二回目も剣は見えた、ということで良いんですか?」

 

 俺は大事なことなので聞いてみる。

 

「ええ、本音にはちゃんと見えていたけど、私にはさっぱり、影も形も見えなかったわ」

 

「そうですか…………」

 

「続けるわよ、ここから導き出されるのは、その能力……というか剣は特殊な素養又は状況下でのみ見ることができるということ。違うかしら?」

 

「正解です。厳密に言えば少し違いますけど、まぁ同じでいいでしょう」

 

「そして貴方が言った2009年の9月から11月……この時期が示す事象はたった一つだけあった。それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ニュージェネレーションの狂気』という、最悪な連続事件だけ、ね」

 

 俺は覚悟はしてたが、再びその言葉を聞くことになるとは思わなかった。

 

「ニュージェネレーションの狂気……別名ニュージェネ事件、七件の連続した殺害、自殺を含めた怪奇事件。そのどれもが犯人も動機も分かっていない、そしてそんな事件の後に起こった12月の渋谷地震を含めて、東京は未曾有の危機に陥った」

 

「…………」

 

「そして渋谷地震にはある噂があった。それはある秘密結社が謎の機械を動かす過程に起こってしまった、人為的災害であるということが、ね」

 

 よくもまぁそんな噂を聞いたものだ。そんなもの、他のやつらが聞いたら眉唾ものだ。

 

「今私に分かるのは、貴方の能力がその時に有名になったある人物と似た力を持っていること、そしてその能力が、()()()()()()()()()()()()()()()という、突拍子もない代物であること……それだけよ」

 

「そうですか…………なら、貴方にはこの力の事を教えておいた方がいいかもしれませんね。ついでにお願いしたいこともありますし」

 

 そう言うと俺は彼女に完全防音の個室があるか聞いた。彼女も事の重大さが分かっているからか、素直に案内される。

 

 連れてこられたのは地下の一室、まるで取調室のような作りをした白い部屋に俺は来た。鍵を掛け、盗聴機の有無を確認し、俺は再び彼女に俺の剣を見せた。

 

「まずこの能力……というより能力を持った人間の事をギガロマニアックスと呼びます」

 

「ギガロマニアックス……誇大妄想狂という意味ね」

 

「そうです。能力は簡単に言えば二種類あって、まず楯無さんが言ったように妄想を現実化させること。能力者達はこれをリアルブートと呼んでいます」

 

 俺は実際に机に花瓶が現れるという妄想を浮かべると、何もなかった机の上に本当に花瓶が出現した。

 

「こういう風に、俺が起こしたい現象を強く妄想することによって、世界の物理法則やらなんやらを一切合切無視して事実として現実へと変換させてしまう事ができます」

 

「ということは『もし○○が死ね』という妄想を貴方がすれば、その対象は本当に……」

 

「ええ、ただしこの能力は目撃する他人がいなければ発動しない。ギガロマニアックスの能力といっても結局は妄想、その妄想を視覚で共有しなければ能力は発動できない」

 

「つまり完全に一人じゃ使えない……さっき言った妄想なら、被害者及び第三者がその死を視覚によって知覚しなければならないということね?」

 

「いいえ、そこがこの力の最も嫌らしいところで、この能力の厄介な所は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だということです」

 

 しかも楯無さんが言ったような『○○が死ね』等と言った抽象的な妄想では発動しない。発動させるには強固な妄想が必要となり、どうやって死ぬか、そこまで強く妄想しなければならないというデメリットもある。

 

「つまり、リアルブートの発動条件は『人及びカメラ等の視覚がある他人が、起こす現象の側に居て発動するそれ(妄想)を目撃しなければならない』……ということかしら?」

 

「まぁ少し大雑把ですけど、だいたいそんなものです。そしてその能力を発動させるための鍵となるのが、この剣です」

 

 そう言って俺は手元のディソードを彼女の前の地面に突き刺す。

 

「この剣…………俺達はディソードと呼んでいます。今は俺のリアルブートで楯無さんにも知覚できますけど、本来なら適正を持ってる特殊な精神状況下の人間にしか視覚することができない代物です」

 

「そうみたいね。けど、いったいどこにそんなものをしまってるのかしら?例え妄想だとしても、それをいつでも視界に入れておけるわけじゃないんでしょ?」

 

「…………ディラックの海という言葉を知っていますか?」

 

 俺は試すように聞いてみると、楯無さんは難しい顔をしている。

 

「えっと…………確か量子力学だったかしら?真空状態が負のエネルギーで占められているとか……なんとか……」

 

「いえ、そこまで分かっていれば充分です。ディソードはその存在自体は今言ったところの負のエネルギー、リアルブートを使えば使うほど自分の肉体を滅ぼしかねないうえに暴走の危険性もあります」

 

「え……ということは、あなた……今日だけで少なくとも三回はリアルブートしてるわよね?それって」

 

 確かに俺は今日、サンドバッグ相手に一回、楯無さんと本音に見せるために一回、そして今もう一回使った。が、

 

「……まぁ俺は少し特別なんで、あと数年は能力を使っても問題ないですよ。それでさっきの質問ですけど、ディソードは本来剣ではなく、リアルブート用の端末でありさっき話したディラックの海でいうところの負のエネルギーの集合体だ。それは普段は妄想という名のディラックの海にしまってあるということ」

 

「ならつまり、そのディソードっていうのは自由自在に取り出し可能なわけね……厄介なこと……」

 

「それでお願いがあるんですけど、この能力は、簪と本音以外には絶対に誰にも喋らないでください」

 

 そういうと彼女はなるほどと呟いて頷く。

 

「まぁ当然ね。このISが幅を利かせてる世の中で、その超能力は天敵といっても過言ではないもの」

 

「ええ。この力は男女どちらでも発現可能な力です。しかもやろうと思えば、能力で男がISに乗ることができたり、最悪、絶対防御を無視してISパイロットを乗ったまま殺すことさえできてしまう」

 

「その言い方……やっぱり貴方はISに乗ってるわけね……」

 

「隠しても仕方ないんで否定はしないですけど、ともかく、この能力を知られれば科学者達はモルモットにしようと、能力者探しに躍起になる。そしたら簪や本音にも危険が及ぶ事になる」

 

「そうね。とりあえずその事については了承するわ。それで、貴方はこれからどうするつもりなの?」

 

 その言葉に俺は苦笑を浮かべる。それを見た彼女はジトリとした目を浮かべる。

 

「どうせ、『自分の専用機とか使って奪った奴等を探しにいく』……とかなんとか言うつもりなんでしょ?」

 

「まぁ取引先で起こった事件だからな。探しにいくのは当然じゃないのか」

 

「そんなわけないでしょ。というか、あなたは自分の能力で寿命を削りかねないんだからやめなさい。本音ちゃんが悲しむわよ?」

 

「いやなんでそこで本音の名前が…………あぁ……いや、何でもないです」

 

 俺が聞こうとしたときに楯無さんからのジト目を向けられた為にどういう意味か悟った。うん、いつ俺フラグ立てたっけ?

 

「まぁそれは置いといて、ともかく俺は自分なりに探してみるさ。どっちにしろ、()()が関わってるなら見つかる可能性は少ないだろうけどな」

 

「そういえばさっきから気になっていたけど、貴方が言ってる奴等ってなに?」

 

「あぁ、簡単に言えば、ギガロマニアックスを研究してるマッドサイエンティストが所属してる組織であり、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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