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「クロト・フェブリエが何者か、そう聞かれたらどう答えれば言いと思う?見習いくん」
ここは神界、クロトが第二の生を為すために強制的に連れてこされた空間、そして今、一人の神見習いが転生させた神……つまり私に問われていた。
事の発端は数刻前だった。彼が転生した世界が謎の異常を示したことを見習いが見つけた事が始まりだった。
当然私はすぐに異常の原因を探し始めた。そして浮かび上がった結果が、彼……クロト・フェブリエという存在だった。
「……私は直接会ったことはありませんが、彼も人間、その世界で凡百な人間のようにハーレムだのを作りたい等ということを考えてるような人間なのでは」
見習いはまるで当たり前とでも言うかのように聞き返すが、私はその答えに苦笑を浮かべるだけだった。
「残念ながら不正解だ。寧ろ彼は、
「と、いいますと?」
「まずクロト……いや、ここは彼と呼ぼう。彼は転生のリストを見たときこう言った、『どれもこれも死亡フラグ満載じゃないか』ってね」
「それは仕方ないのでは、私もそのリストは拝見させて貰いましたが、どれもこれも下手すれば一発退場しかねないものばかりです」
見習いは苦笑ながらにそう言うが、私にとってはその答えこそ苦笑ものだった。
「なら聞くが、『Muv-Luv』世界や『ブラック・ブレット』の世界なら兎も角、『
「?それは、『とある』世界は魔術師やら超能力者による事件に巻き込まれる事を恐れたとか、『リリカル』世界なら戦争クラスの事件に巻き込まれたくないとか……」
「いや、『とある』にしろ『リリカル』にしろ、確かにシナリオには絡むことになるのは転生者の運命のようなものだ。だがね屁理屈を言えば、特に『リリカル』なんかは、アニメなどでスポットライトの当たりづらいサブキャラと行動すれば、シナリオには絡むことにはなるが戦いの方とは極力避けることが出きるかもしれないと考えることだってできたはずだ」
まぁそんなことになる確率は少ないだろうがね、と私は言う。
「さて、そこで彼が選んだ特典を確認してみよう。まず『機体』、これについては然程関係はないね。寧ろ、
次に『織斑一夏と別のクラスにさせること』、これは原作乖離を嫌いとしてるという性格ならば問題ないでしょうが、実際は違う
そして『頭脳の強化』、一番おかしいのはここだ。ISの世界に行くのならば、確かに頭脳面でも強化はそれなりに必要だろうが、それ以上に肉体面も強化しなければならない筈だ。ISがいくらイメージインターフェーズで動かしてるとはいえ、結局は肉体……体力が必要になる。なのに彼はそれを要求しなかった」
さて、ここから分かることは色々ある。
「まずISの世界に行く者は、特典として『自分もISを動かせるようになる』という特典を付ける。例えISを持っていても、動かせる能力が無ければ意味がない。つまり、彼には『
「そんな馬鹿な、至って普通の人間がそんなことを事前に知ってるはずがないです!!」
「その通りだ見習いくん。だが彼はついさっき、自分の能力をこう言っていた、『妄想を現実に変革させる力』だとね。そう考えると、三つの特典にも辻褄があう。
彼の転生前の能力『ギガロマニアックス』を使えば、『
「ですが、他の二つは!!二つとどういう関係が!!」
見習いは苛立つように聞いてくる。
「見習いくん、もしもの話だが、君が科学者だとして、彼のような能力者の存在を知ったら、君ならどうするかい?」
「それは……他にも同じような能力を持った人間が居ないか調べて…………ッ!!」
「気付いたようだね」
私は笑いながら彼を見つめる。
「そう、同じ能力を持った人間が居るか探し、そして、
人間とは浅ましく、強欲な生き物だ。例え一人でも普通と違う、異端な人間が存在すれば、親しき者達はその存在に恐怖し、第三者からは奇異の目で見る。
そしてその奇異の目を向ける人間は、ある時からこう思うようになるのだ。
「結果、その浅ましい程の探求によって、それは人間達の教育、医学、科学として発展していき、人間で言うところの、予備校などの教育施設や、理論的にだが人クローンの作成等を可能にした」
「ということは、彼はその異端側の人間だと?」
「うん、僕も最初はそう思った。けどね、真実は逆なんだよ」
私はそう言うと、彼の基本データを映し出した。
「これは?」
「彼が転生する前の過去のデータだよ。彼の体は、
「まさか……遺伝子操作による人クローンですか!!」
あり得ないと見習いくんは言ってるが、そう考えれば辻褄があうのだ。
「そうだ。そして彼のベースとなった人間……それこそが、真のギガロマニアックスとしての能力を持っているということだ」
「真の…………ギガロマニアックス……」
「そうだ。もしも、彼が最高レベルのギガロマニアックス能力使えたのだとしたら、最悪私達と出会った瞬間に、私達は存在を無に消される可能性だってあったからね」
その事を想像すると、ホントに自分達は幸運だったと思えるくらいだ。
「…………それで、彼の残った二つの特典は……」
「ん?簡単な話さ。二つ目は確かに原作乖離を嫌うという理由があったのかもしれないが、その実、
三つ目は、これは単純に自分の能力を強化する為だろうね」
「能力の強化……ですか?」
見習いくんは分からないように言ってる。
「良いかい、『ギガロマニアックス』というのは妄想……つまり脳の海馬やらなんやらをフル稼働させて使う、いわば禁断の業。そんなもの、何のデメリットが無いというわけがない。寧ろデメリットのオンパレードだ」
「そ、そんなにですか?」
「そう。彼がついさっき説明してたみたいに、第二者が居ないと発動できないという点もあるけど、もう一つ、かなり重大な見落としがあるんだよ」
寧ろこれを説明しなかった彼は何を考えてるのか、私にはさっぱり分からないがね。
「ギガロマニアックスの能力を使うと、脳はかなり肥大してしまうのさ。数ミリとかそんなレベルじゃない。酷ければ自分自身が狂気の妄想に取り憑かれてしまう程のね」
「な!!そ、そんなことになれば」
「あぁ、当然寿命は縮むだろうし、何より使う度に強烈な頭痛が肉体を襲うだろう。だからこそ、脳の処理能力等を特典によって強化させたんだろう」
最も、それも精々雀の涙だろうがな。
「ですが、白騎士のコア等が紛失してしまっては、原作はかなりずれる可能性が……」
「もとより転生者がいる世界だ。それも
「ですが……いえ、神がそう言うなら仕方ありませんか……」
見習いくんはもう何も言わないと言った表情で頷くと、軽く頭を下げて部屋から出ていった。
「…………さて、世界はこれでどう動くのかな」