「あー、暇だな~」
クリスマス近くから既に約一ヶ月、日本ではそろそろ高校受験の二次試験の真っ最中だろう。各言う俺も、ハイスクールの受験勉強をしてる連中を見ながらホットドッグをかじる。
「珍しいな、クロトがそんなことを言うなんてよ」
目の前には友人のディオが、難しい参考書片手にエッグマフィンを食べてる。
「そりゃあよ、俺は他の連中と違って内定が決まってるからな。やる勉強も無いから暇で暇で」
「あー、そういやお前の親父さんフリーデン社の社長だもんな。良いよな~自分の親の会社に就職なんて、しかも旧デュノア社から続く大企業だし」
「お前だって、国立の偏差値高い大学の推薦貰ってるじゃないか」
そうは言うがよ~、とディオは溜め息を付きながら言う。
「推薦は推薦でも一般推薦だからな。良いよな~お前は、しかもシャルっちは春から日本のIS学園に通うんだろ?」
「それな、ほんとそれ。まぁフランスの代表候補生だし、うちのテストパイロットもやってるから妥当な所なんだけど」
最近では愛機の『C・Vカスタム(シャル自身はベルフェって呼んでるが)』と一緒に、現フランス代表と戦って互角に渡り合った為に代表になるのではと言われてる。
「しかもお前は日本で彼女作ってと、リア充だなぁオイ!!」
「ほっとけ。っとメールだ」
慌ててメール内容を確認すると、送り主は親父だった。
「なになに……急いでテレビのニュースを見ろ?」
「なんだ?何が起こった?」
俺たちは何事かと思ってスマホのテレビモードを起動させる。数秒経ってニュース画面にすると、親父の言う内容がよく分かった。
『再びお伝えします。日本時間で15時近く、世界初の男性IS操縦者が見つかりました。名前は織斑一夏、及び織斑春秋の2名で、あのブリュンヒルデである織斑千冬の弟であるそうです。日本政府はこれにより――』
「ま、マジかよ……」
ディオはまるであり得ないとでも言うような表情で震えてる。
「そういうことか……(原作の開始はこの日だったのか……)」
「おいおい、何をボンヤリしてるんだよクロト、こんな大ニュース、世界中探してもそんなにねぇぞ!!」
「あ、あぁ……ていうか、驚きが凄すぎて……」
まぁ確かにな、というディオはまるで世界が変わるといった表情をしてる。
「もしこれを期にISを使える男が現れたら、今の女尊男卑を言ってる奴等は暴走する。下手すりゃ世界戦争に成りかねねぇ!!」
「……まぁ、大袈裟じゃないからな」
実際フランスでも多かれ少なかれテロ活動が行われ、その度に一般人が女権の連中によって殺されてる。ICPOとか政府組織も問答無用で壊滅させたいと言ってるのだが、女権の中にはテロではなく、男性によって心理的外傷を負った女性を保護する団体まであるために、中々強制摘発できないのが現状らしい。
「それに、日本に居たなら俺たちのいるフランスにも居る可能性だって否定できない。つまるところ……」
「あぁ……確かにな」
現に原作には居なかった俺や『織斑春秋』、さらに『藤原総士』というイレギュラーが存在するということは、他にも転生した人間が居ないとも限らない。
「始まった……始まっちまったんだ」
そう、世界は止まることはない。常に加速していく……それが希望か絶望かは、人類には未だに分からない。
フリーデン社
「オーちゃん!!急いでIS学園にいく準備をしてくれない!!私はクー君の方で色々とやらなくちゃいけないから」
「分かってる、今回の騒動で恐らくアイツらも動いてくる……そうなったら」
「そうね、私の方から千冬に連絡しておくわ。学園も腕のたつ人材が欲しいところでしょうしね」
裏に身を置いていた三人も動き始める。自分達の理想を守るために
「……そういや久し振りに会うことになるな……マドカ」
日本 海鳴市
「そうか、一夏達が……」
篠ノ之箒は驚いた。そして同時に嬉しくも思った。
「もうすぐ会えるな……そうだろ?」
『Yes. My lord!!』
中国
「一夏達が!!」
凰鈴音は驚愕した。たった数年の友達がまさかISを動かすなんて思っても見なかったからだ。
「そういえば国から学園に行けって言われてたっけ……いい機会ね!!今度こそ……」
イギリス
「日本で初のIS乗り……しかもあのブリュンヒルデの実弟ですの」
セシリア・オルコットは微笑んでいた。それは格下を見下すそれではなく、どれ程の実力かを知りたいと見る目をしていた。
「……恐らく彼も来ますわよね……クロトさん」
ドイツ
「学校……ですか?」
「ふむ、ボーデビッヒ少佐、君は先程のニュースを見ただろ?君には日本のIS学園に行き、我が国の第三世代機のテストをしてもらいたい」
ラウラ・ボーデビッヒは嗤っていた。まさか目的の方から来てくれるとは思っても見なかったからだ
「分かりました。ラウラ・ボーデビッヒ、これよりその任を受けさせてもらいます」
更識家
「へぇ……織斑千冬の弟が……」
「てことは、クロ君も来るかもしれないね~かんちゃん」
「そうだね、本音」
彼女達も動き出そうとしていた。親友と、そして大事な人が来るかもしれないという事実によって
「私、頑張るから……」
「かんちゃん、私達、だよ?」
「そうだね……私達のタッグなら、誰にも負けないから」
それぞれが、それぞれの目的の為に動き出す。しかしそれは――
???
「――そう、もうあの日になったのね」
「ええ、ええ分かってるわ。だからこそ、私はこの世界を……」
闇も同時に動き出す。
次回からIS学園!!ついに原作本編へと入ります。もっとも、原作とは色々と解離してますがねw