IS 月は出ているか?   作:ドロイデン

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Episode2 月下銃士

「さて……日本に最高速でもかなりの時間がかかるから……な!!」

 

 現在、俺はアメリカ方面から射ち上がる核弾頭を相手にチマチマと破壊活動を行っていた。領空侵犯だとか何とか五月蝿かったが、とりあえずビームライフル一発を直撃すれすれで牽制し、追い返した。

 

 実際、2千発以上ある核弾頭を全部消し飛ばせるとは思って無いが、それでも世界やあのウサギに存在をアピールしておけば、何かしらのアクションを起こしてくるに決まってる。

 

 それに、いくら原作で白騎士が一人で解決できたといって、目の前で一人だけ孤軍奮闘させるには忍びないしな。

 

「くそったれ!!どんだけアメリカは核を作ってやがったんだよ!!」

 

 悪態を付きながらも、その実ライフルの照準は外さない。誘爆も含めてかなりの数を撃ち落としたはずだが、それでもまだ視界には300近くの核が射ち上がってくる。

 

「あのウサギめ、会う機会があったらゼッテェにサテキャをぶちこんでやる」

 

 まぁもっともあのウサギはそれさえ耐えてケロリとしてそうだがな。ていうかあれは本当に人間なのだろうか?

 

 と言ってるうちに全ての核を撃ち落とし、俺はそのまま反転、祖国に戻ろうとする。機体自体にジャミング装置は無いから監視衛星に引っ掛からず、なおかつシャルと母さんにバレないように戻るには、もう移動を始める他ない。

 

「……って、何か飛んできた?」

 

 だいたい数十分過ぎた辺りで、何かしらの物体が高速で、しかも俺の『ルナーク』に追い付く勢いで飛んでくる。まぁだいたい予想はできるけどね。

 

 仕方なく止まると、数分経って『それ』は来た。

 

「…………」

 

 白い剣に鎧、まるで中世の騎士のような姿をしたそれは、正しく、昼間に見たそれとまったく同じだった。

 

(白騎士…………後のブリュンヒルデ、か。厄介極まりないな)

 

 白騎士は何も言わず、ただ剣を構えるだけ、俺はライフルを構えてわいるが、それでも冷や汗は止まらない。

 

「…………!!」

 

(来た!!)

 

 白騎士は一気に加速して此方の間合いを詰めてくる。俺も後退しつつ銃で牽制する。が、やはり白騎士のスピードは早く、まるでニュータイプなのかというほどに正確に避けてくる。

 

(ライフルじゃ追い付けない!!だったら!!)

 

 俺は拡張領域からパッケージを『ディバイダー』へと換装し、マシンガンをぶっ放す。

 

「……!?」

 

 白騎士もそれに反応して避けてくる。が、それでもマシンガンの弾速にじわりじわりと、しかし確実にダメージが入ってるようだった。

 

 俺はそれに追い討ちを掛けるように、ブレストバルカン含めて攻撃する。一発一発は弱いが、それでも数当たればなんとやらだ。

 

「…………!!」

 

 と、いきなり白騎士は自身の剣を投げてくる。まさかの行動に驚いて俺は体勢を崩しながらも回避する。が、奴はそれを狙ったかのように高速で剣を回収するや否や再び此方へ急接近してくる。

 

「…………!!」

 

 迎撃にバルカンを放つが、それさえも避けながら接近し、なおかつ一瞬にして間合いへ入ってくる。そして右手の剣を降り下ろしてくる。

 

(させるかっての!!)

 

 迫り来る剣をディバイダーで受け止め、俺はマシンガンをしまってビームサーベルを抜く。

 

(こいつで!)

 

 下段切り上げの太刀筋を、白騎士は平然と自身の剣で防ぎ、鍔ぜり合いへと持ち込まれる。が、それこそが狙いだった。

 

 シールドとして使っていたディバイダーを、白騎士の体ギリギリ、奴が油断するギリギリまで持っていく。鍔迫り合いに夢中なのか、白騎士はそれに気付いていない。

 

(今なら、こいつで!!)

 

 俺はディバイダーの中央部の砲口を一瞬で開く。まさかの事に白騎士は驚いて引こうとするが、時既に遅しだ。

 

(くらいやがれってんだよ!!)

 

 俺は一気に引き金を引いた。19連装のビームの熱線に、白騎士は右肩と右足を直撃し、さらに自慢の聖剣も真ん中からへし折れる。

 

「…………」

 

 白騎士は自身の状態を確認するかのように沈黙し、やがて此方に背を向けて撤退していった。

 

(なんとか……か……)

 

 不本意だが、またこいつを相手にISで戦う事になるかもしれないと思うと、俺はため息と共に頭痛がしてくるような錯覚をおぼえるのだった。

 

 余談だが、この戦闘のせいでフランスに戻るのにだいぶ時間がかかり、帰ってくる頃には母さんが既に起床していて誤魔化すのに苦労したのは、また別のはなしだ。

 

 

 

???side

 

「束どういうことだ!?ISは今は()()だけではなかったのか!!」

 

 私は憤慨しながら目の前の友人に問いかける。アレが発表されたのは昨日の夕方頃、そして核弾頭が発射されたのは数時間前、そんな短時間でアレと、いやアレ以上に強力なISが出てくるなんて誰が思おうか。

 

「ちーちゃん落ち着いて!!私もあんな機体が出てくるなんて知らなかったもん!!」

 

「お前の知らないISだと?そんなものが存在するのか?」

 

 友人は戯けるようにそういった。が、それでも私は訝しんで聞き返す。

 

「それも分からない。そもそもビーム兵装なんて理論上でも製造が難しいんだよ、それこそ、ISでもレーザー兵装が限界かな~ってくらいに。私でも今時点じゃ絶対に造れないかな」

 

 私にはそういった知識は皆無だったが、目の前の友人は物理学やら機械工学に関しては天才的な才能と知識を持っているの。その彼女ですら無理だというのだ、しかもおふざけ抜きで、だ。詰まる所そういうことなのだろう。

 

「そうか…………因みに今のところ奴の機体の呼称はなんてなっているのだ?」

 

「そうだね~、こっちの機体は白騎士だから…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『月下銃士』、そんな感じかな?」

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