「あー、これからクラスの代表を決めようと思うんだが、自薦他薦問わずさっさと言いな」
何とも疲れたような声でオータムは言うが、これを適当に言われるのはかなり困る。俺の精神衛生上特に。
「誰でも良いから名前を上げてみな?ほれほれ」
だから煽らないでくれよ!!
「クロト君が良いです!!」
「私も!!」
「うんうん!!」
はいやっぱり来ましたね分かります。なら、
「……俺は春秋に一票」
「げ!!逃げれると思ったのに!!」
どうやらアイツは俺に擦り付けるつもりだったようだ。全くもって許しがたい。
「悪いな、男がもう一人いるんだから使わない手はないしな」
「ぐぅ……面倒ごとは嫌いなのによ……」
「カッカッカ!!なら男二人だけで良いのか?他に推薦するやつは居ないか?」
「……なら私も!!」
と、手を上げたのはシャルロット……ってヤバイヤバイ!!
「あのぉ、シャルロットさん?本気で仰有ってるのでしょうか?」
「大丈夫だよクロト兄、少なくともここにいる
その言葉に回りに居た女子達がピクリと頬をひきつらせる。まぁそりゃ彼方からしたらどこぞの誰とも知らない馬の骨が自分達よりも強いと平然と言ってのけたんだ、当然ながらいい反応をするわけがない。
「あのシャルロットさんでいいのかな?」
「うん、大丈夫だよ。君は?」
「私は相沢亜香里、それでシャルロットさん?それって私達が弱いって言いたいの?」
その質問をした少女に俺はため息を付きたくなった。が、それに答えたのは俺にとっても意外な別の人物だった。
「そりゃそうだろ。何せそいつはフランスの『
そう、まさかの春秋だった。しかもこの世界のシャルの公式の二つ名まで知ってやがった。
「オル……ドゥ……?」
「オル・ドゥ・デビル、日本語では『金色の悪魔』、ついたのは最近だけど、その専用機の破壊力とパイロットの操縦センスに、現役のフランス代表と互角に渡り合ったって話だ。
奴の説明に相沢さん含めシャルを見てたメンバーが一斉にシャルを再び見る。しかしその目は寧ろ驚愕という色が大きかった。
「ついでに言えば、そこのクロトはその金色の死神の実兄だ。少なくともIS使わない体術や剣術とかなら、軍人相手でもないかぎり勝てるわけない。言いたいこと分かるか、
まさかかのブリュンヒルデの実弟にそんなことを言われるとは思ってなかったのか、相沢さん達は苦虫を噛むように席へ座る。
「お前……」
「なに、同じ境遇の奴の妹が周りから浮くのは忍びないと思っただけだ」
まぁこいつが言わなかったら俺が言ってたとこだから問題はないんだが、少し毒が強いんじゃねぇか。
「んじゃ、うちのクラスから候補者は三人か……クロトもシャルロットも専用機は持ってるみたいだが……春秋、お前は?」
「もうあります。つい最近兄と一緒に渡されましたから」
「ならよし、だったら明日早速使えるように手配しておく。ルールは……うん、一対一のソロマッチでいいな?」
「「「はい!!」」」
一夏side
「まずクラス代表を決める。クラス代表は文字通りクラスのリーダーとなる生徒だ、自薦他薦は問わない」
千冬姉のその言葉に、大半の女子が俺に一斉に目を向けてきた。
「織斑くんが良いです!!」
「私も!!」
「同じく!!」
はい、やっぱり来たよ。予想はついてたけどホントに言うんだな女子って。
「待ってくれ千冬姉!!アギャ!!」
「織斑先生だ、言っとくが推薦を受けたんだ、拒否権は無いぞ」
「そんな……」
ガックリと項垂れる俺を見もせず、女子達は一層俺が良いと騒いでる。うん、もうどうにでも……
「……私も自薦というか、意見をしたいのですが、よろしいですか?」
と、一人の女子生徒が手を上げる。殆ど決まりかけてた空気の中でまさかの事に皆驚いてる
「ふむ、イギリスのセシリア・オルコットか。自薦というんだから、それなりに理由はあるんだろうな?」
「はい。その前に質問を、織斑……一夏さんはまだ殆どISを動かしたことが無いんですわよね」
その質問に俺はコクりと頷く。実際ISを動かしたのは二、三回ぐらいだし、時間も一時間そこらぐらいだ。
「私自身、一夏さんがクラス代表になる事じたいは賛成してますが、それでもやはり素人、学校内でクラスの代表として戦うには実力不足だと思います」
「……つまり、一兄さんが弱いって言いたいの?」
これには流石にキレたのか、マドカが睨み付けている。
「そうではありません、ですが学校のイベントスケジュールには、数週間後に一年生のクラス代表トーナメントがあります。そこまでに勝ち上がる実力を付けるのは難しいといってるのです」
「それって、つまりは一兄さんが何もできずに負けるって言いたいだけだよね」
「なら教えておいてあげます。少なくとも三組……代表がフランスのクロト・D・フェブリエないしシャルロット・D・フェブリエがなれば、運が悪ければ間違いなく……」
死にますわ……、彼女のそこ言葉に全員が押し黙った。
「死ぬって……ISには絶対防御があるじゃん」
女子生徒の一人があり得ないとでもいうが、セシリアの目は冷やかだった。
「言っておきますが、彼らは少なくとも既に
俺を含め、全員が想像してみる。が、誰も彼も暗い表情を浮かべるだけだった。
「分かりましたか、はっきり言って実力が無ければ負けるんです。そして負けは戦場では死を意味する……それでも」
「そこまでだオルコット」
そこで千冬姉が待ったをかけた。その表情も疲れたそれと同じで、厄介になったとでも言いたいようなそれだった。
「つまりはまず、その二人の実力に追随できる実力へ押し上げるのが先決……そう言いたいのか?」
「ええ、ですので織斑先生、私と一夏さん、二人で試合をさせてもらいたいんです。実力を付けさせる為に」
「……織斑、お前はどうする」
千冬姉が俺に聞いてくるが、俺の中の答えは決まっていた。
「……拒否できないって言ったの、千冬姉……織斑先生だろ?」
「よろしい、なら一週間後に試合を行う。ついでに今しがた、例の三組の方で明日試合をすると来たからな。メンバーは、織斑春秋、そして――」
――フェブリエ兄妹だ。
オマケ二十三 その頃……
四組担任「それじゃ、うちのクラス代表は簪さんで決まりね」
簪「は、はい……よろしく……お願いします」
簪(はぁ、嫌だし、目立ちたくないし……クラス代表戦の時に仮病使おうかな……)
担任「あ、私保険医資格持ってるから、仮病はダメよ」
簪(心読まないで!!)