「……なぁ、ここは俺の部屋だよな?」
放課後、オータムから渡された寮の鍵を受け取って荷物整理をしようとしてたんだが、
「なんで男組全員がここにいるんだよ!!」
そう、一夏、春秋、そしてどうやら二組の代表になったらしい総士がなぜかここに集合してた。
「まぁ同じ境遇なんだし、自己紹介含め親睦を深めようと思って」←一夏
「俺は一夏兄さんに無理矢理連れられて、」←春秋
「僕はただ単に部屋が一緒だから」←総士
総士はともかく織斑兄弟、お前らはプライベートタイムという言葉を知らんのか。まぁ近々俺も似たようなことをしようと思ってたから別に構わないが。
流石にお茶とかは用意してないから、織斑兄弟には机の椅子にとりあえず座ってもらって、俺も窓際のベッドに腰を掛ける。
「……で、だ。誰から自己紹介するんだ?」
「そこは言い出しっぺの一夏兄さんじゃね?」
「当然の流れだよね」
そうして俺ら三人がジトリと睨むと、奴はため息を一つ付いた。
「あー、もう分かってるとは思うけど、織斑一夏、日本生まれ日本育ち、クラスは一組で、趣味は料理……こんなんでいいか?」
「良いと思うよ、じゃあ続いて俺が一夏兄さんの弟の春秋、趣味は柔術とか武術、暇なときはサイクリングとかもしてるな。クラスは三組」
「じゃあ続いて、俺はクロト・D・フェブリエ。フランスの田舎町出身、趣味は料理と機械いじりだ。クラスは春秋と同じく三組」
「なら最後は僕だね。名前は藤原総士、名前の通り日本出身、趣味は釣りとサバゲーかな。クラスは二組で、成り行き上クラス代表になってます」
総士はそれはもうどんよりとした空気を醸し出しており、事情というか原作を知ってる俺と春秋は軽く同情した。
「それで、とりあえず自己紹介はすんだけど、これからどうする?」
「う~ん、まだ夕食にも早いからな……あ、そういや部屋割りって春秋達って同室なのか?」
俺は原作を思い出して聞いてみると、これまた春秋の方はどんよりとしてる。
「あー、いや。残念なことに俺と兄さんの部屋は別で、俺は一人部屋なんだよ……」
「「あ……(察し」」
今度は俺と総士が同情した。これまた暫くしたら彼女がやって来るのを知ってるため、色々と大変な予感がした。
「それじゃ、僕のちょっとした適性検査でもやってみる?」
「「「適性検査?」」」
総士の言葉に俺達は異口同音で聞き返す。
「うん、僕の知り合いから教えてもらったやつでね、ちょっとしたゲームでの立ち回りに関する質問で戦闘スタイルとか個人の治すべきところがそれなりに分かるんだ」
「ふーん、面白そうだな」
俺が若干興味をもつと、総士はこれ幸いと笑顔を向ける。実際こういった質問で適正を図るやり方は結構存在してるから、かなり面白そうだ。
「それじゃあ簡単に五つ、選択肢のある質問をするから、三人は直感で答えてね」
「「「おう/あぁ/いいぜ」」」
「じゃあ一つ目、ドラ○エみたいなRPG系ゲームで、自分が選ぶとしたら三つのうちどれをえらぶ?①戦士、②魔法使い、③僧侶」
一つ目の質問はある意味オードソックスな質問だった。
「俺は魔法使いだ。呪文とか唱えるの面白そうだし」←俺
「戦士だな。やっぱ剣で戦いたいから」←一夏
「俺は僧侶。戦士も良いけど、回復やバフは必要不可欠だし」←春秋(以下同じ順番)
と、初っぱなから三つに別れた。まぁ一夏が戦士を選ぶのはだいたい予想は出来てたけど。
「じゃあ次、今度は対人FPS……つまりシューティングゲームで自分が使いたい得物は?①ハンドガン、②、アサルトライフル、③スナイパーライフル」
今度は少しだけマニアックな質問をしてきやがった。
「……俺はアサルトライフルだな。ハンドガンより弾保ちが良いし、スナイパーライフルみたいに扱いが難しく無いからな」
「俺もアサルトライフル、ハンドガンも良いけどあれって一発で倒すのは難しいって聞くし」
「俺はスナイパーライフルだな。無防備な相手をヘッドショットしたときなんかスゲェ快感があるし」
今度は春秋だけが別の方向へ行ったが、まぁ予想の範囲内だろう。
「そんじゃ次だ。今度はポケ○ンとかそういうので、最初に選ぶのはどれだ?①炎、②水、③草」
これまた王道、しかしこの質問は結構人によってばらつきがあるため、結構別れやすいものだ。
「俺は草だ。火力は火に劣るし応用では水に負けるけど、草は連続攻撃とか自己回復系の技を覚えるのが多いからな」
「俺は炎!!一発の火力が文字通り大きいし、何より映像が格好いいし!!」
「俺は水だな。確かにそこまでの派手さは無いけど、そのぶん堅実な戦い方ができるし」
そして予想通り三人とも別れる。まぁ元々俺は絶対草を選ぶって決めてるし、草タイプサイコー主義だし。
「じゃあ四つ目、今度は謎解きゲームで、問題に行き詰まった時どう行動する?①直感で行動する、②ヒントにすがる、③自力で解き明かす」
うわ、これはこれで面倒な質問だ。どれもプレイヤーなら必ずはやる行動だし、結構これも別れやすい質問だ。
「俺はヒントを使う。あるものは使うし、使わなきゃ損だろ?」
「俺は自力だ。ヒントを使うかもしれないけど、その前に自分で解けないか考えるのが醍醐味だし」
「俺はヒントを使うよ。理由はクロトと同じ、あるのは使ってこそだし」
……どうやら一夏は直感で行かないようだった。原作通りなら直感に頼って行動すると思ったが、それと同時に、一夏は結構観察力とか洞察力が高かった事を思い出した。
「んじゃ最後だ。最後は格ゲー、自分が使うならどれだ?①癖は強いが当たれば大きいパワー型、②全体的に平均的なバランス型、③パワーはそこまでだがコンボを繋ぐスピード型」
最後、これもまた王道、故に自分の性格が一番よく現れるとされてる。
「俺はスピード型だな。パワー型は隙が大きいし、バランス型は決め手に掛ける時があるし」
「俺はパワー型。格闘ゲームなんだからパワーのぶつかり合いこそ花形だろ」
「俺はバランスだね。決め手に掛けるけど、その分癖がないから扱いやすいし」
質問を終えた俺達は総士の事をみる。肝心の主は成る程と少し考えると、フッと笑った。
「うん、皆の適正がよくわかったよ」
「そうか、なら早速判定してもらってもいいか?」
春秋がそう聞くと、彼はコクりと頷いてまず俺を見る。
「まずはクロト、君は中遠距離主体の射撃型だね。魔法使い、アサルトライフル、この二つから特に射撃ないし遠距離での戦い、それも短期決戦を好む。違うかい?」
「……当たってる」
実際俺はスピードを活かした攪乱&奇襲を主体としてるつもりだし、『イノベイク』の武装も射撃武器を主体にしてる。
「しかも場が混乱してれば尚の事、自分が使えるのは例え敵が捨てたものでも使う。けどその分、組織だった相手は苦手で、長期戦を持ち込まれたら即アウト……でしょ?」
「正鵠を射過ぎてて逆に気持ち悪いわ、認めるけど」
「そりゃどうも、だからクロトは正攻法でも勝てる戦い方を覚えるのが重要になるよ、今後は特にね」
胸に留めておく、と言って俺は肩を落とした。
「次に一夏、君は完全な近接格闘型、それもパワー主体のね。一撃一撃が高パワーな攻撃を好むけど、それ以上に周りが見えないタイプだね。クイズでの要素が特にそう」
言われてる一夏はそうか?と首を傾げてるが、これに関しては俺もそうだと思ってた。
「戦士、炎、自力、そしてパワーと近接型の四拍子揃ってるからね。だから一夏の場合はタイマンとかならまだチャンスはあるけど、それ以外なら真っ先に落ちるタイプ。周りを見て、自分が何をするべきか考えることが一番重要だね」
ここまで言われて漸く分かったのか、一夏は成る程と頷いてる。
「それで最後は春秋だけど、君は完全な遠距離支援型、自衛はできるけど基本的に他人のサポートに回ってるって感じかな。けど潜在的にはバランス型で、どれも鍛え上げれば一級品クラスにはなる」
「まぁ一夏兄さんの学校での後処理やらなんやらで、色々と大変だったからな……」
弟の呟きに兄の方はなんの事かさっぱりといった表情で、俺個人としてはその苦労に少しだけ頭が下がる思いだった。
「けど他人をもり立てすぎて自分の事をおざなりにしてる。というか自分自身を卑下してるのかな?だから春秋の場合は自分に自信を持つことを始めたほうがいいよ」
「……おう」
春秋は何かを考えるそぶりをすると、丁度良く時計が六時の音を鳴らした。
「……そんじゃ、夕飯に行くとしますかね」
「「「賛成!!」」」
オマケ二十四 女子会in簪ルーム
シャル「クロト兄の洋食の腕はプロ並みなんだよ!!もう☆二つは貰えるんじゃないかな」
マドカ「一兄さんの料理のほうが美味しいから!!特に魚の煮物なんか、中学の時のクラスの女子達からownするほどなんだから!!」
簪「……お姉ちゃんの料理も上手だよ……前にお節料理を一人で全部作ったこともあったし……」
シャル「なにさ!!」
マドカ「なに!!」
簪「ムッ……」
シャマ簪「「「…………」」」バチバチバチ!!
本音「うう……修羅場だよ~」
布仏本音、寮の部屋が簪と同じ為逃げようにも逃げることができず、この戦いは六時の音がなるまで続いたそうな……