IS 月は出ているか?   作:ドロイデン

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Episode38 クロトvs春秋 前編

「ひゃぁ……観客多いなおい」

 

 俺はピットからスタジアムの様子を見てそう呟いた。どうやら一年の全クラスの生徒が居るらしく、これでもかと満員になっていた。

 

「クロ君、機体のチェックしたけど、これで大丈夫?」

 

 と、心配した本音が声を掛けてくる。現場での臨時メカニックとして連れてきたのだが、どうやら俺以上に緊張して見えた。

 

「今のところは問題ない。本音の実力なら俺が疑う必要は無いからな」

 

「そっか~、ありがとうクロ君」

 

 ぎこちなく微笑む本音に微笑を浮かべながら、俺は少しだけ息を整える。そして目をつぶり、再び開いて自らの分身の剣を抜く。

 

「(……まだディソードは抜けるし振るえる。けど……)」

 

「クロ君、もしかしてアレを確かめてるの?」

 

 本音は俺の僅かな手の動きを見てそう呟いた。シャルにこそ話してはいないが、俺がISを動かせる理由を本音や楯無さん、簪は知っている。そういう意味で聞いたのだろう。

 

「……まぁな、俺がISを動かせるのはこの力の恩恵だ。だからもし使えなくなったら……」

 

 その時を考えると少しだけ体が震える。だが、そればかり考えてたらいけない。

 

「ま、今はそんなこと無いからな、存分に蹴散らしてくるさ」

 

「クロ君、程ほどにね」

 

 分かってる。俺はそう言って『ラファール・イノベイク カスタム』を展開してカタパルトに足をつける。バックパックにはノワールを装着させてる。

 

「そんじゃ……クロト・D・フェブリエ、『イノベイク・カスタム』発進する!!」

 

 そして黒く塗られた革新の疾風はスタジアムへ飛び出した。

 

 

 

 どうやら同じタイミングで発進したらしい春秋の機体を確認して少しだけ驚いた。全身が蒼く塗られたカラーリングに肩の特徴的な四角い箱、そして白いVアンテナ、ティターンズ系とは予想していたがまさかこれが来るとは思っても見なかった。

 

「……『markⅤ』か」

 

「正解だ。もっともこいつはファーストシフト前だから、本来の特典の姿とは違うんだがな」

 

「なるほど、どちらにしろインコム装備の機体なわけか、面倒な事で」

 

 ため息を付きたくなったが、まぁ言っても仕方ない。俺はビームライフルショーティーを両方抜いて構える。相手も手持ちのライフルを構える。

 

 そして、戦いのブザーがなった。

 

「いけ!!インコム!!」

 

 先に動いたのは春秋、背中に装備されたインコムを二つ全てを射出した。さらに肩のミサイルを開いて弾頭を約10近い数を撃ち込んできた。

 

 俺もショーティーのビームを連射させミサイルを迎撃し、フラガラッハを抜いて持ち前の機動性で爆発の煙のなかを突っ込む。これには予想外だったのか、春秋はすぐにビームサーベルを抜いて鍔迫り合う。

 

「いきなり奇襲たぁどんだけだよ!!」

 

「インコム相手なら近寄れば不用意に射てないからな!!」

 

「ふざけんなっての!!」

 

 春秋の叫びと共に放たれた頭突きに俺は怯んで距離を取る。その瞬間、後ろと横から円盤からの射撃が飛んできた。

 

「チィ!!」

 

 慌てて機体を操作して射撃を避けるものの、春秋自身のビームライフルも飛んできて肩を被弾する。その瞬間1000あったSEが880までさがった。

 

 俺も負けじとショーティーを乱射し春秋に弾幕をぶつけるが、半分くらいが手持ちのシールドに防がれ、SEも890までしか下がってない。

 

「だったら!!」

 

 俺はバックパックを変更し、重火力のヴェルデ、さらに背中にガンバレルを二重展開させ、四つの移動砲台を組み合わせた集中砲火を放つ。

 

「ちょ!!二つ同時とかねぇだろ!!」

 

「だったらさっさと落ちろ!!」

 

「やなこった!!」

 

 春秋はそう言ってその場から離れて回避運動にはいる。幾らシールドがあるとはいえ、ヴェルデの火力を防ぎきれるかは微妙なところだし、何よりガンバレルを相手に足を止めるのは自殺行為だ。

 

 さらに俺はガンバレル二つと右肩に装備されてるミサイルポットを開放し、大量のミサイル弾頭を飛ばす。これには春秋もギョッとしており、回避しようと逃げまくるも、やがて一発当たった所で雪だるま式に大爆発。その結果SEは半分どころか残り200まで落ちる。

 

「くそ!!あのミサイルはウザすぎだろ!!」

 

「喋ってる暇があるのか!!」

 

 そして俺は残りのガンバレルと左肩のポットを開放する。

 

「グッ!!冗談きついって!!」

 

 そう言って春秋もビームライフルとインコム、さらにミサイルを開放し迎撃するが、如何せん火力が足りない。

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

 四分の三ほど撃ち落とされたが、そこで迎撃が足りずに被弾しようとした瞬間、奴の機体が光輝きだし、全てのミサイルを弾き飛ばし、辺りに爆風が吹き荒れる。

 

「……一次移行か」

 

 俺はその事に瞬時に気づいてバックパックをノワールに切り換える。

 

 そして現れたのは、青いショルダーパーツに先程より長くなったビームライフル、さらにヘッドギアには特徴的なVアンテナと赤いパーツ、さらにレッグパーツのビーム砲。

 

「おいおい……勘弁してくれよ……」

 

 その機体……いやガンダムの名は語るまでもない。それほどに強大な機体なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、ここからが本番だぜ!!」

 

 

「織斑春秋……いや……スペリオルガンダム!!」

 

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