「…………ここか」
俺は監視衛星をハッキングし、奴等の居場所を突き止めると、上空から奴等の基地を確認する。
レーザー圏外から見たところ、どうやらかなりの大きな建物のようだったが、それでも警備はかなりザルだった。
(一発サテキャを射つか?いや、あれは威力が高すぎるし何よりシャルを巻き込みかねない。それにまだあれと交信してないからそもそも使えない)
そう考えると、『Xパック』も『魔王パック』も使用は不可能、もし『0024タイプ』のパッケージがあれば、『ディバイダー』込みで少なからず余裕があっただろうが、無い物ねだりは出来る分けない。
「仕方ない、か」
換装して『ディバイダーパック』になると、シールドをバックパックに取りつけ、そして、
「突貫じゃあぁぁぁ!!」
一気に急降下を敢行する。当然ながら警報がなるわけだが、そんなもん関係ない。ビームマシンガンをぶっ放し、周辺の車やら壁などを一気に破壊する。
着陸すると、どうやら相手方のIS……デュノア社製第二世代型量産機、『ラファール・リヴァイブ』が数機、姿を現した。
『貴様、ここがどこだか分かってるのか!!』
『我々、女性権利団体の活動拠点を良くも!!』
相手はアサルトライフルやらキャノン砲を構えているが、俺にはどうでもよかった。
「…………死ね」
俺は左手にビームサーベルを抜き、一気にスラスターを吹かせて斬りかかる。
当然ながら相手はそれを避けようとするが、右手に持ったビームマシンガンの牽制によって思うように動けず、こちらの間合いへと詰める。
そして一気に逆袈裟に切り上げると、パイロットは絶対防御があると高を括っていたのか、何もせずにそれを受ける。が、ビームの刃にそんなちゃちなシステムが効くわけもなく、肉体ごと切り裂かれ、女は何が起こったか分からないまま機体と共に爆破された。
『リザ!!リザァァァ!!』
『そんな、いくらレーザー兵器とはいえ、絶対防御が聞いてないなんて!!』
「…………ビーム兵器を舐めすぎだ、テメェらは」
俺は聞こえないようにそう呟いた。
元々、武器としてのレーザーとビームは同じ光熱線を圧縮して使われるのだが、その二つは威力に大きな違いがある。
レーザーは交信用などに応用が効くほど、熱源としてはそこまで高くなく、高くても鉄を焼ききる位だ。
だがビームは、熱源としてはかなりの温度を持ち、『08小隊』で凍った湖を一瞬にして温泉ほどの温度へ変え、MSの装甲さえも焼ききるどころか溶かしてしまう。それほどに違う兵器なのだ。
そうこうしてるうちに、残った機体も順々にスクラップにしていき、女どもは一人を除いて、何も言わない肉塊へと変貌した。
「…………貴様らが奪った女の子はどこだ」
ボイスチェンジャーを使い、ビームサーベルで脅しながらそう聞く。女は冬場の寒さと、死への緊張感からがくがくと震えていた。
「お、奥の、だ、第三セクター!!お、恐らくあの方と一緒にいる筈よ!!」
「……嘘じゃないな?」
俺が脅しを込めて確認すると、女は頭をかなりの早さで上下する。どうやら嘘は付いてないようだ。
「…………死にたくないなら、さっさとここから離れることだな」
「ひ、ヒィィィ!!」
俺がサーベルを退けると、女はISスーツのまま、町の方へと走っていく。俺はそれを見届けると、格納庫らしきところから機体と共に侵入する。途中何度かISが出てきたが、どれもこれも武器とスラスターを壊して戦闘不能にし、目的の場所の入口へと到着する。
そこはまさしく、人体実験の結果というべき存在がうようよと、檻にたくさんの少女達が、光の無い目で何処かを見つめていた。
(これが人のやることか…………)
少女達はどれもこれも、まだ自分と変わらない年齢の少女ばかりで、なかにはジュニアスクールに通う前の子供の姿さえあった。
「…………シャル」
俺は彼女達に祈りを捧げ、大きな扉へと近づく。途端、扉は唸りをあげて開かれ、中の姿が暴かれる。そこにあったのは……
「…………嘘……だろ?」
白いフォルムに特徴的な鋏のような両腕、特徴的な胸部装甲と、冑のようなその頭部、それはまさしく前世で、それも何度も見たことのある機体のそれと、全く酷似していた。
そして、その頭部ユニットから流れるブロンドの髪は、見間違えるなんてあり得ないほどに、その現実を物語っていた。
「シャル…………なのか?」
シャルの機体はいったい何ガンダムなんだ(すっとぼけ
次回はシャル対クロト、悲しき兄妹対決です。