私の今世は頓挫しました。   作:kageyori

1 / 2
初投稿ですが、楽しんでいただければ幸いです。


第1話

 どうしてこうなった。

 

 いえ、原因は私であることは間違いないんです。でも現実逃避くらいしたって罰は当たりませんよね……?

 

 事の始まりは、私が前世の記憶を思い出してしまったところから始まります。

 

 

 四歳になってすぐ、原因不明(ということになっていますが、多分記憶を思い出す副作用的なものだったのでしょう)の高熱にうなされ続けた私。

 今なら「ああ、あの子ならそのくらい」とか、「どうせすぐ治る」とかひどい評価ばかりされるでしょうが、あの時の私は本当に何も知らない幼児だったんです。

 両親も知り合いもひどく慌て、私の看病をしていてくれた時でした。

 

「ああ、どうしましょう。薬なんてこんな辺境の地じゃ手に入らないわ」

「どうにかするしかないだろう」

「……そういえば、昔に念で作ってもらった薬があったわ!」

「よし、それを飲ませよう」

 

 大体こんな会話だったと思います。両親の会話が聞こえてきました。

 前世の知識が脳内に満ち、今世の私という人格を型作っていた私にとってはそれはとても重要な発言で……。

 

「HUNTER×HUNTER、ですか……」

 

 絶望するまもなく私の意識は落ちました。

 

 意識が回復すると、心配性な両親がさらに心配性を拗らしており、色々と大変でした、ええ本当にもう。

そんな中で私が即できたことと言えば、現状確認位のものです。

--------------------------------------------------------------------------

前世

まごう事なきオタク。そして貴腐人でもあった。

三十路越え未婚、仕事はそれなりにできていたと思う

死んだ記憶なし

 

今世

なんか森の中。よく言えば超森の中、悪く言えば辺境過ぎて異次元。

両親は駆け落ちしてここで暮らしているらしい。

念が存在するらしい⇒ここはHUNTER×HUNTERの世界では?

夫婦喧嘩しているとき見たが、両親ともに念能力者。しかも目が赤くなってたところからクルタ族かもしれない。

--------------------------------------------------------------------------

 ……ええ、ええ。死亡フラグや何やらが乱立している気がします。里にはいませんがクルタ族ですし……。

 今世は狩られておしまい、なんてこともあるかもしれませんね……覚悟だけはしておきましょう、と死んだ魚のような目で思ってみたりしました。

 

そんな思考回路で

「そういえば、どうして両親の喧嘩の時に念が見えたんでしょうか?」 

そんな思考が回ってしまったのが運のツキ。

両親に聞くが否や修行の毎日。

 

 生きるための修行とはいえ、辛いものがありました。生きることを否定したくなる程度には。

 やっと立ち直り始め(腹を括ったともいう)思考回路が復帰しこの矛盾に気づいたころ、晴れて私は両親に合格をもらいました。

 そんな過程で、「何あの子成長度ぱない」「俺らよりよほど強くなる。ガッハッハ!」などと言われ、自分も化け物の仲間入りしてしまったのだなーとひしひしと思いました。

 

 人間やめた感があるなーとは思ってましたが、両親にまでそう思われているとは思いませんでした。捨てられたりせず、わかりやすく愛情注いでくれてるから傷ついたりはしませんが。

 

 もう魔獣なんて怖くありません……って、いや嘘ですありは勘弁してください。

 

 

 

 

 そんなこんなで家事を手伝いつつ、練の練習をしていたある日。母様が言いました。

「そういえば、水見式と発だけまだ触れてないわね」と。

 母ェ……そういえばやった記憶がありませんが。

 水見式やらずに全部の練習やらされてたんですか……。

 

という訳で、夕食の席でレッツチャレンジ。結果。

 

「特質とか……強化系からほど遠いじゃないですか、やだー」

 

 私としては回復能力に定番のある強化系がよかったんですが。

 人生ってままならないものですねと思いつつ、水と一緒に飛び散ったグラスの破片を拾い集めました。……ええ、夕飯にも飛び散って、強制的に夕飯抜きですよ。解せぬ。

 

 

 

 

 空腹でしょうがないので、隠していたお菓子(お手製)をつまみつつ思考していました。

 もちろん能力についてです。クルタ族なので、二つ特質を考えなければいけないという難しさ。

---とりあえず、話し相手欲しいな。家族以外と話したことないし。

---どうせなら、強い能力よりも生き残る確率の高い能力がいいよね。

 

 この時の私はどうにかしてたんです。ウトウトしていたのも原因の一つかもしれません。

 眠りかけの瞳が最後に映したのは。

 

「はぁーい?」

 

……妖精さんでした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。