IS x 龍騎〜インフィニットストラトス:鏡の戦士達 作:i-pod男
ゾルダとリュウガを乗せた二台のライドシューターはその時速900キロ以上のスピードと巨体を活かし、オルタナティブと龍騎ごとシアゴースト達を吹っ飛ばす。ライドシューターのハッチが開き、二人のライダーが現れた。一人は龍騎と姿が酷似しており、もう一人は緑色の体に機械的なデザインを持ち、マガジンが銃身の下にあるモーゼルの様な銃を腰から抜いた。そのスライド部分で肩をトントンと叩いている。
「あたし達以外にもいたの?!それも私にそっくりだし!!」
「お前達は一体誰だ?コイツらは何なのだ?!」
だが、二人は答えず、デッキからカードを抜き取った。
「どいていろ、怪我をするぞ。素人ども。(一夏、戦いにくいのは重々承知だが、我慢してくれ。)」
正体がバレない様に若干声が淀ませたリュウガは鼻で笑う。そしてその直後にゾルダに聞こえる位の声で囁いた。
『ストライクベント』
ブラックドラグバイザーから発されたくぐもった音声と共にドラグブラッカーの頭の形をしたドラグクローが右手に現れる。
「テストも兼ねてやってみるか・・・」
『シュートベント』
両肩に巨大な砲門、ギガキャノンが現れた。二人はシアゴースト達を蹴散らして行き、僅か数分で数が半分以下に減った。
「仕上げだ。」
ギガキャノンを外すと、マグナバイザーの秒間百二十発と言う驚異的な連射を活かしてシアゴーストに銃弾を浴びせた。
『ソードベント』
更にドラグセイバー片手にリュウガがシアゴースト達を雑草を刈るかの様に斬り伏せ、二人の契約モンスターは殆どのエネルギーを摂取した。
「さてと。」
リュウガとゾルダは龍騎とオルタナティブに向き直る。
「お前らは何故ライダーになった?」
「証明する為だ!私が・・・・・私が相応しいと!」
「お父さんとお母さんを、取り戻したいから・・・!!」
リュウガの質問に、二人はハッキリとそう答える。
「
ゾルダは二人に背を向けてライドシューターに向かおうとしたが、突然二人が襲いかかって来た。だが、当然リュウガがそれを見過ごす筈が無い。再びデッキに手を伸ばし、カードを装填する。
『アドベント』
「グォオォォォォオオオオオオオ!!!」
ドラグブラッカーの尻尾が二人を弾き飛ばし、壁に叩き付けた。
「やったわね?!」
『アドベント』
逆上した龍騎も己の契約モンスターを召喚し、ドラグブラッカーと戦わせる。龍騎自身もリュウガに殴り掛かったが、まるでハエでも振り払うかの如く簡単にあしらわれ、攻撃も全く通らない。
『ソードベント』
ドラグセイバーを召喚したが、その直後に弾かれてしまった。宙を舞うドラグセイバーはリュウガの手に渡り、逆に二刀流で追い詰められて行く。
「貴様、よくも!」
オルタナティブは黒い大剣スラッシュダガーを振り回してリュウガに攻撃を仕掛けようとする。だが、その攻撃はゾルダの銃撃により防がれた。
「お前の相手は俺だ。(あの動き・・・・間違い無いな。)」
オルタナティブが放つスラッシュダガーの攻撃をいなし、腹に銃口を押し付けた。
「なっ?!」
「ツメが甘い。」
至近距離で銃撃を食らわせる。地面に倒れ込んだ所で蹴り飛ばし、拾い上げたスラッシュダガーを右手に持った。それをオルタナティブに一度だけ叩き付け、どこかへ投げ捨てた。
「お前は戦いが何たるかを分かっていない。あそこにいる龍騎もだ。 それに動機が不純過ぎる。そんな自己中心的且つ独善的過ぎる願いを持ってライダーになったんだったら、ならない方が良かったんじゃないか?」
「何だとっ・・・・?!」
「誰に相応しくなりたいかは知りたくもないが、向こうの都合は考えたのか?相手の視点から物事を分析するのもまた一つの手だぞ。せいぜい
それだけ言うと、ライドシューターに乗ってミラーワールドを後にした。
「キャアッ!!」
龍騎は壁に叩き付けられ、交差させたドラグセイバーを喉元に突き付けられる。
「両親を取り戻したい?それは結構だ。だが、今のお前じゃ誰かを取り戻すどころか、自分を守る事すら出来てないぞ?そんなちっぽけな願いしか頭に無いなんて、お前はよっぽど欲が無いんだな。」
「そ、そんな事は」
「あるだろう。それに、欲しいと思う事自体は悪くない。それをどうするかは、お前次第だがな。もし必要なら、俺達が協力しても良い。まあその気になったら俺達を探しに来い。」
ドラグセイバーを両手でクルクルと振り回し、龍騎のドラグセイバーを投げ捨てると、彼もまたライドシューターに乗って姿を消した。
「まったく・・・・・さっきのオルタナティブがライダーに相応しい筈が無い。俺が行ってデッキを取り戻して来ます。」
「確かにな。だが、もう一人の方は、確か・・・・・鳳鈴音とか言ってたか?あいつの方はいくらか希望があるぞ?」
「え・・・・龍騎は、鈴が・・・?!」
「ああ。皮肉だな。だが、気付いてるんだろう、お前も?」
「・・・・・・何を言って」
「とぼけるな。あいつらがお前を好きなのは見れば分かる。その為に、あいつらは恐らく戦うだろう。特に、あの篠ノ之箒が今の所一番警戒すべき相手だと思う。あいつの経歴を洗ったが、要人保護プログラムの所為でかなり精神的に参ってるらしい。あんなんでもあの天才の妹だ。彼女を握れば束の生殺与奪を握る要因になるかもしれないが、逆に握ってる奴が滅ぶ事をも意味する。」
「善くも悪くも要人って事ですか。」
「そうだ。だが、あいつはISを作り出した姉を嫌っている筈だ。ISを作った所為でお前と引き離されてしまったからな。あいつはお前に依存している傾向がある。想いが溢れたら、何をしでかすか分かった物じゃない。お前も充分気をつけろ。顔、見られるなよ?人前でライダーに変身する事も多くなるだろうからな。俺が言った事、忘れるな。これを渡しておく。何枚か作れたからな。」
「はい。」
一夏はゾルダのデッキを返還すると、アドベントカードを数枚手渡された。それを黙ってポケットに突っ込み、帰って行った。一夏が歩き去るのを司狼は腕組みをしてずっと見ているが、こう呟いた。
「まだ、渡す時期じゃないよな。こいつは。」
司狼の手に握られた
(あの二人は俺達の正体にはまだ気付いていない・・・・後はシザースが誰なのかを突き止めなきゃな・・・・・・あわよくばどちらかに消してもらいたいが・・・・)
そう思いながら携帯を取り出した。
「憲司。」
『あ、社長さん。何か用事?』
陽気な声が司狼の耳に飛び込んで来る。
「二つある。一つはシザースが誰なのかを突き止める事。もう一つはウチの弁護士とその秘書に連絡。近い内に訴状の用意をする様にってね。」
『了解です。あ、そうそう、知り合いのフィクサーさんから
「詳しく話して。」
『操ってる企業の内部にクーデターの動きがあるそうだから、それを止めて欲しいって。黒幕は代表取締役副社長と社長秘書。金に糸目は付けないから防いで欲しい、必要な物はそちらの指示通り全て取り揃える。そう言ってるけど。』
「オッケー。早速ウチの弁護士の仕事開始だ。連絡頼むよ。」
『ウィ〜ッス。』
「ふう・・・・・」
その頃、一夏は部屋で一息ついていた。人も余り来ない為、静かだ。だがそんな時、内線でスコールから電話がかかった。
「どうしたんですか?」
『貴方に会いたい人がいるみたいよ?』
「俺に?」
『中国の・・・・』
「すぐに出ます。待たせといて下さい。」
一夏はデッキを引っ掴んでカードの順番を確認すると、直ぐにロビーに出た。ソファーには鈴音が足をパタパタさせながら座っている。
「鈴・・・・・どうした?」
「あの、ね・・・・・その・・・・・約束、覚えてる・・・?」
「ああ。『料理が上手くなったら、毎日酢豚を食べてくれる?』だったか。で?それを言うからには上手くなったんだろうな?」
「勿論!はい。」
自信たっぷりに小さいタッパーを差し出される。その中身は言わずもがな、酢豚である。一緒に渡された割り箸を使って一口食べてみた。
「おお、美味い!」
「でしょ?」
逡巡していたが、意を決して一夏は思い切って鈴音に聞いてみた。
「鈴。正直に答えてくれ。お前・・・・・ミラーワールドで戦って何をしていた?その戦いで何を望んでいる?」
「ミラー、ワールド・・・?何それ。」
目が泳いでいるのを見て、一夏は確信した。間違い無く、彼女はライダーと深く関わっていると。
「お前の契約モンスター、無双龍ドラグレッダーが、俺には見えている。お前も知ってるんだろう?ライダーの事を。まあ、俺だって鬼じゃない。無理矢理聞き出したくはないからな。話す気になったら、俺を探しに来い。クラス対抗戦でまた会おうぜ。」
それだけ言うと、酢豚の残りを完食してタッパーをテーブルの上に置き、部屋に戻った。鈴音はそれを呆然と見つめていた。
「何で・・・・アンタが知ってんのよ・・・・?」
感想、指摘、評価、お待ちしております。
このストーリーではお互い知った仲なので直ぐに正体が分かるでしょう。原作の龍騎では互いの声は別にボイスチェンジャーを使っている訳でも無いのに誰なのか分からないのが子供の頃何故か引っ掛かっていました(笑)。そして今でもやっぱり好きな変身ポーズはRX、そしてタイガの奴です!どっちもキレッキレですから!