IS x 龍騎〜インフィニットストラトス:鏡の戦士達   作:i-pod男

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オリジナルのIS武装が登場します。では、どうぞ。


Vent 12 :クラス対抗戦

そして数日後、クラス対抗戦が開かれた。最初の対戦カードは・・・・・なんと一夏と鈴音だった。

 

「運命の悪戯にしちゃ出来過ぎてるな。まあ、お前なら問題無くやれるだろう。途中でちょっとしたサプライズが起こるかもしれないが、心配するな。」

 

「サプライズ?・・・・・まさか束さん、ですか?」

 

「良くご存知で。物わかりの良い奴は好きだ。武装の調子はどうだ?」

 

「大丈夫でした。中々に面白い物で。俺もこれで使える武装が増えましたよ、拡張領域に入れる必要が無い物でしたし。『DD( ダークダート)ウィング』の実戦データもたっぷりと集まりそうです。甲龍( 向こう)の武装も把握しました。」

 

「じゃ、行って来い。負ける要素は見当たらない。勝利は確定も同然だ。」

 

司狼の言葉に一夏は無言で頷き、アリーナに射出された。上空では鈴音が既に待機している。

 

(鈴、ライダーになるって事は、生易しい事じゃないんだ。お前を死なせたくない。)

 

試合開始のブザーがなると同時にダークバイザーを使って攻撃した。鈴音はそれを青龍刀の双天牙月で受け止め、押し返す。数合か打ち合うと、鈴音が両肩のアンロックユニットから放つ衝撃砲を使用した。

 

『Guard Vent』

 

だが、当然それを見越し、ウィングウォールによって全て防がれた。

 

「え?!嘘!」

 

「訓練時は使わなかったからな。勝負中に手札って物はおいそれと見せる物じゃないぜ!」

 

近付きながらウィングバインダーから銃型の武器を引っ張り出した。一対の翼の形をしたパーツが左右に弓の様に開き、黒い矢が放たれる。鈴音は咄嗟にそれを避けたが、回避の瞬間に爆発の余波と熱でダメージを受けた。

 

「こんのお!!」

 

接近して来るのを迎え撃ちに行く為、イグニッションブーストを使って更に速く肉薄し、ダークバイザーを振るおうとした瞬間・・・・・爆発が起き、アリーナのシールドが破られた。

 

「おいおい・・・・(サプライズってのはあれか?!)」

 

現れたのは自分と同じフルスキンタイプのISであり、腕が異様に長く、砲門やブースターがそこかしこに付けられた物だった。

 

「なんだありゃ・・・うおっと?!」

 

一夏は突然攻撃を仕掛けて来たISから距離を取った。

 

「何なのコイツ?!アリーナのシールド突き破るなんて・・・・こんなの食らったら只じゃ済まないわよ?!」

 

「そう言う事か・・・だったら、遠慮はいらないな。鈴、下がってろ。」

 

「え?何言ってんのよ!アンタ一人置いて行ける訳」

 

「お前のISじゃ、あいつには傷を付けられない。山田先生、織斑先生、コイツは俺が足止めしますけど、良いですよね?」

 

『良いだろう。上級生達が現在システムのクラックを行っている。それまで時間を稼げ。そのまま倒してしまっても構わん。』

 

その言葉に一夏は仮面の奥でニヤリと口の端を吊り上げて笑った。久々に全力で戦える事に少なからず喜びを感じているのだ。

 

『お、織斑先生?!』

 

「十・・・・いや五分もあればどうにかなります。その間に避難誘導をして下さい。あのビームがもし観客に当たったら、死人が出ますよ。」

 

通信を切ると、DDウィングをしまい、ダークバイザーにカードを装填した。

 

『Nasty Vent』

 

ソニックブレイカーで思考回路がおかしくなったのか、そのISは奇怪な動きを始めた。

 

「消えろ。」

 

「待って一夏!こいつ人が乗ってるのよ?!」

 

「それは無い。生体反応がゼロだ。思いっきりぶち壊してやるよ。」

 

『Trick Vent』

 

「そんな・・・・無人機なんて聞いた事無いわ!!ISは人が乗らないと動かないのに!」

 

確かに、入門編の教科書でもそれは常識として明記されている。だが、製作者(・・・ )常識の壁等、とうに超越して更に上まで登った天才なのだ。常識を覆す事は、日常茶飯事である。

 

「俺がコイツをこの場で潰す。今は頗る気分が悪いんだ。折角色々と聞き出せる場が設けられたのに、水の泡になってしまった。」

 

八人に分身して、零落白夜を最大で発動、四人はDDウィングを一斉発射、残り四人は謎の無人ISをダークバイザーでバラバラに切り裂いた。

 

「ふう・・・・・っち!」

 

『Final Vent』

 

気配を感じ、上空に現れたもう一体の未確認( アンノウン)も飛翔斬を食らわせて破壊する。爆発の中から、バラバラと鉄屑の残骸が降って来た。

 

「汚い花火だ。」

 

肩にウィングランサーを担いで首を回した。

 

(凄い・・・・あの無人機をたった一人で、それも二体とも・・・・勝てる筈、無いわ・・・!!)

 

鈴音はここで初めて一夏の実力を目の当たりにして震え上がった。通常、初めて戦地に赴く者は殺す事に対して『躊躇』する。だが、一夏にはその躊躇が微塵も感じられない。最小限の能力を最大限に活かし、ここぞと言う場面で出し惜しみ無しの総攻撃を仕掛けるその姿は、一人の人間がまるで一つの戦闘部隊に見えた。

 

「ふう・・・・」

 

ウィングナイトを解除すると、残骸の中からISのコア二つを摘出した。

 

「先生、これ、無登録のISコアです。」

 

『分かった。良くやった織斑。教師部隊がすぐそこに向かう。待機していろ。事情聴取もある。』

 

『あー、そうそう、一夏。ちょっと俺からのお知らせ。』

 

突然司狼が会話に割り込んで来た。

 

「司狼さん?お知らせって?」

 

『お前の幼馴染みが別の管制室のマイク分捕ってお前を応援したいやら戯言ほざいてたから森次に捕縛させた。あの状況で余計に混乱するかもしれないからさ。どうする?幼馴染みとしてさ。』

 

『く・・・・離せ、貴様!!』

 

僅かだが、箒が暴れる音が聞こえた。一夏はうんざりした様子で答える。

 

「教師陣に任せた方が良いと思う。」

 

ピットに戻った一夏は管制室に向かった。そこでは、森次のワイヤーに縛られている箒がいた。千冬はそれを睨み付けている。

 

「あの時私に出来る事はあれしか」

 

「ふざけるなよ、小娘。お前一人が何か行動を起こした所で状況が何か変わる訳でもない。変わったとしても、お前が場を更に混乱させるだけだ。結果的には死人、怪我人は出なかったが、もし出ていたら、お前はどう責任を取る?どう詫びるのだ?死人は戻らんのだぞ?」

 

千冬の底冷えする様なドスの効いた声に、箒は竦み上がった。

 

「普通ならば軍法会議物だが・・・・一週間の自室謹慎処分とする。次は無いぞ。」

 

「森次、離してやれ。」

 

司狼の号令で森次はワイヤーを収納し、彼の後ろに下がった。立ち上がった箒に、一夏はこう囁いた。

 

(お前じゃ、ライダーにはなれないな。その内死ぬぞ。力とは、使い方次第では己の破滅を招く。今のお前は、破滅の一途を辿っているだけだ。次にふざけた真似してみろ、こっちも考えがある。)

 

「DDウィングの実戦データもそれなりには集まった。改良の余地はまだあるかな。(その為のカードも作ってるし。)一夏、一先ず帰るぞ。」

 

箒を取り残し、管制室は空になった。

 

(何故だ・・・・・私は、私は一夏の為に・・・・)

 

握り締めた手からは、血がポタポタと流れ出していた。

 

 

 

 

 

「あーあ・・・・これで試合は中止か。残念だ。」

 

事情聴取を終えた一夏は廊下から窓の外を眺めてそう言った。

 

「一夏・・・・」

 

「何だよ?」

 

鈴音が廊下の角からひょっこり頭を出して来た

 

「その・・・・・あの、ね・・・・・私は」

 

「一夏さん!!」

 

後ろからセシリアが駆け寄って来た。

 

「セシリア。他の皆は大丈夫だったか?」

 

「ええ、御鏡さんの的確な指示で皆事無きを得ましたわ。一夏さんこそお怪我はありませんでしたか?」

 

「俺は見ての通りさ。あー・・・・・ちょっと鈴と話があるから、少し外しててくれるか?」

 

「分かりましたわ。(話とは・・・・・まさか鈴さん、一夏さんに・・・!!)」

 

セシリアがいなくなったのを確認すると、再び鈴音に向き直る。

 

「で?何を言いかけてたんだ?」

 

「私が、ライダーになった理由・・・・それはお父さんとお母さんとまた三人で一緒に暮らしたいから・・・・それでまた、昔みたいに一夏や弾と一緒に馬鹿やって騒いで・・・・だがら・・・っ!」

 

鈴音の目には涙が浮かんでおり、段々と涙声になって来ている。

 

「分かった。俺は別に構わない。だが、一つだけ。Once a Rider, always a Rider.ライダーになったら、その宿命からは死ぬ事でしか逃れられないと言うのを理解しろ。それを承知の上での行動なら俺は止める気は無いし、何も言わない。だからもう泣くな。いざとなれば俺が協力する。」

 

「・・・・っうん!」

 

(ふーん、あいつの願いはあれか・・・・まあ、不純な動機じゃないだけマシか。親を捜し出すのは、簡単だがな・・・・問題はこれから起こる事だ。)

 

別の廊下から二人のやり取りを聞いていた司狼はスマートフォンを弄くっていた。

 

「社長。」

 

だが、直ぐに視線を声の主に向けた。アタッシュケースを左手に引っ下げている、弁護士を表す天秤を描いたバッジをスーツのジャケットに止めた男に。

 

「おお、斉藤さん。ワザワザありがとうね。」

 

「いえいえ、再び法曹界に返り咲けたのは社長の恩恵があってこそですから。今回の訴訟もかなり儲かりそうですしね。今度また、お食事にでもご一緒して頂きたい物です。しかし、フランスが相手とは、私も腕が鳴ります。」

 

斉藤は、弁護士らしからぬ好戦的な笑みを浮かべていた。

 

「気合い十分で何よりだ。では、いつも通り、成功報酬の20~25パーセントは」

 

「分かっています。それが契約ですし、私の義ですから。」

 

「結構。それより・・・そんな所で何をしているんですか?織斑先生。盗み聞きとは感心しませんよ?」

 

観念したのか、千冬が二人の前に姿を晒す。だが、その目付きは警戒一色で二人を睨んでいた。

 

「何故弁護士がここにいるのだ?」

 

「俺の、というか企業の顧問弁護士。早速餌に食らい付いて来た奴がいるからね、目星がつき次第潰すつもり。訴状とか下準備の為に来てもらっただけですから、ご心配無く。」

 

「・・・・・・お前・・・・・一体何が目的で・・・・・?!」

 

「俺はこの世界を変える。そして、色々と暴こうかと思ってる。表沙汰に出来ないゲスい高官中の高官しか知らない、真っ黒いトップのカク秘+α。」

 

司狼の口が紡いだ言葉に、千冬はまるで心臓を鷲掴みにされたかの様に息を飲んだ。

 

「例えば・・・・白騎士が誰なのか、とか。事件当時本当に怪我人や死者が出なかったのか、とか。ね?面白そうだと思わない?」

 

司狼のその顔に、千冬は悪寒を感じた。その奈落の様な底知れぬ瞳に・・・・




如何でしょうか、一夏の無双っぷりは?(笑)

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