IS x 龍騎〜インフィニットストラトス:鏡の戦士達   作:i-pod男

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二十三話です。司狼がいかにして仲間を集めたか、と言う物を本編終了後に書きたいと思います。今回は司狼のISが待機状態でもチートだと言う事をお見せしたいと思います。


Vent 23: 超えなければならない壁

福音戦から数週間、一夏は整備室でウィングナイサバイブの定期点検をしていた。

 

(サバイブがセカンドシフトの能力を完全に開花出来る様になってるか。言うなればハーフシフト、なのかな?まあ、このままでも充分戦えるから別に良いんだけど・・・・)

 

あれこれ思考を巡らせる。

 

「あー、駄目だ・・・・エネルギー節約の目処が全然立たねえ。後にも先にも何もねえし・・・・もう使わずに勝って行くしか無いのかな?」

 

そう、サバイブを使った事でセカンドシフトの能力をフルに使う事が出来る。だが、エネルギーの使用量が増えてしまう。課題が折り重なり過ぎている上、整備は不得手なのでスクリーンを消すと背もたれに体重を預けて両腕を投げ出した。

 

「おりむーどうしたのー?」

 

間延びした声が後ろからした。見ると、だぼだぼの袖に改造してある制服を着た女子が立っていた。

 

「ん?ああ、のほほんさん。実は俺のIS、エネルギーの燃費が悪いからどうにか節約出来ないかなと思って。確か、整備科だったよな?」

 

「そーだよー。」

 

「良かったー・・・・じゃあさ、少しアドバイスくれないか?配線とか調整とかはある程度なら出来るんだが、専門的な事になるとメカニックに任せきりでさ。」

 

「いーよー、デザート奢ってねー。一番高い奴。」

 

見た目とは裏腹にかなり現金である。

 

「それだけで良いの?ふーん。安いもんだ。ありがとな。」

 

簡単なレクチャーを受けると、本音はそのままどこかへ行ってしまった。一夏は彼女のアドバイスを元にキーを暫く叩いており、ようやく消費エネルギーを三割近くカットする事に成功した。

 

「はあ・・・・終わった・・・・」

 

ガッシャーーーーン!

 

大きな音が聞こえ、音のした方に一夏は駆け出した。見ると、そこら中に部品や資料が散乱しており、運んでいたであろう人物が倒れている。

 

「おい、大丈夫か?おい!」

 

とりあえず抱き起こして壁を背にさせ、呼び掛けてみた。水色の頭髪に眼鏡をかけている。リボンの色から同級生であると言う事が確認された。

 

「ん・・・・・」

 

「いやー、驚いた・・・大丈夫か?いきなりデカい音がしたから飛んで来たんだが・・・・転びでもしたのか?」

 

「貴方には・・・・関係、無い・・・・」

 

「あれは・・・・そうか・・・・そう言う事か。」

 

一夏は作りかけの黒とグレーの機体を見て納得した。

 

「お前、四組の更識簪だな。俺のISの開発の所為で人員を割かれた。確か、打鉄弐式だったか?それを引き取って残りは自分で組み立てようとしている。そうだろう?その事に関しては、俺もつい最近まで知らなかったんだ。本当にすまない。」

 

「別に、良い・・・・・」

 

「この様子じゃ、お前徹夜続きだったろ?一旦休め。根詰めても何も良い事無いぞ?」

 

簪は立ち上がろうとしたが、体に力が入らないのか、再び座り込んでしまう。

 

「ほら見ろ。お前の体はエネルギー不足なんだよ。ビタミン剤とかじゃ死にはしなくても、体には悪い。外の空気でも吸いに行けよ。」

 

「貴方に!貴方に何が分かるの!?」

 

「・・・・あ?」

 

簪は目に涙を浮かべて感情を爆発させた。

 

「私は・・・こんな事で負けられない・・・・あの人に追い付くまで・・・・」

 

「あの人・・・・成る程、あいつ( ・・・)か。IS学園唯一の国家代表にして自由国籍持ち、並びに学園最強の四文字を堂々と掲げる生徒会長更識楯無。確かに分からないけど、同じ下の兄弟として言える。必ずしも相手が得意とする分野で勝てるとは思わない事だ。誰にでも得手不得手は必ずある。俺もそうだ。・・・・っ!」

 

キイイィイイイイィイイイイィィィィィィイイイイ!

 

「どう、したの・・・?」

 

(ここで変身する訳にも行かない・・・コイツを使うか。)

 

一夏は後ろ手に隠し持ったデッキから封印のアドベントカードを取り出して近くにある窓ガラスに向けると、直ぐに耳障りな音が消えた。

 

「いや、何でも無い。兎に角、一旦休憩しろ。お前を心配する奴だっているだろうに。」

 

「・・・・・分かっ、た・・・・・」

 

「さてと、休日だし俺も昼寝に行こうかね。んじゃあな。(ちっ・・・・やっぱ戻ってきやがったか!?)」

 

角を曲がった所で変身し、ミラーワールドに飛び込んだ。

 

「ディスパイダーか・・・・まったく・・・・」

 

『ソードベント』

 

『コピーベント』

 

二本のウィングランサーを両手に持ち、飛んで来る糸を全て切り落とした。足を切り崩し、胴体が降りて来た所を一本目で貫く。

 

「ギシャーーーーーー!!!!」

 

更にファイナルベントのカードを装填すると、ダークバイザーを投げつけ、足を貫いて地面に縫い付けた。

 

「はああああああああああ!!」

 

そしてそのまま飛翔斬で倒した。爆発の際に舞い上がったダークバイザーは掴むと左腰のホルダーに差し込んだ。

 

「ふぃ~・・・・」

 

ミラーワールドから出ると、幸か不幸か丁度そこで簪に出くわしてしまう。幸い変身はまだ解いていないので正体はバレていないが、二人は無言となってしまう。

 

「あ、貴方・・・・誰・・・?」

 

「俺は・・・ナイト。仮面ライダー、ナイト。」

 

「仮面、ライダー・・・・!本当にいたんだ・・・・」

 

一夏はこれを機に、感動にも似た眼差しを向ける簪に確約をとりつけた。

 

「俺の存在は誰にも知られてはならない。特に、IS委員会には。俺に会った事は、誰にも言わないで欲しい。約束してくれるか?」

 

「うん・・・・」

 

「よし。ありがとう。じゃあな。」

 

再びミラーワールドに飛び込み、姿を消した。

 

(カッコいい・・・・)

 

簪はその姿に魅入ってしまい、過去に見た特撮ヒーロー物を思い浮かべていた。現在は主人公が指輪で変身する特撮物に嵌っている。時を同じくして、一夏は誰にも見つからない様にミラーワールドから出て自室に戻っていた。

 

「危ねえ・・・・・バレる所だったぜ・・・・」

 

「一夏~、いるー?」

 

「ん?シャルロットか?おお、良いぞ。」

 

扉を開け、入って来たのはシャルロットとラウラだった。

 

「お、ラウラも一緒か。どうした?」

 

「ちょっと、ね。突然で悪いけど模擬戦がしたいんだ。」

 

「模擬戦?俺とか?」

 

「うん。僕も一応ラファールをある程度改造してもらったんだ。そのテストの為にね。」

 

見ると、確かにオレンジ色だった筈の十字形ペンダントトップの色が変わっていた。カモフラージュグリーンを主に黒とオレンジのラインが幾つか入っている。

 

「ラファール・リヴァイブ改め、疾風の重装備( ラファール・アルマ・グラーヴェ)だよ。武装はある程度改造してもらってるから、実弾兵器とエネルギー兵器の両方もあるし。ちょっと試してみたいかなーって・・・・駄目?」

 

「まあ、俺としては別に構わない。セカンドシフトしてからと言う物、俺もデータ採取で忙しくて余り体が動かせなくてな。」

 

「ならば、私も、良いか?」

 

「ラウラも?あ、そう言えばあれだな、オルタナティブ・ゼロのテスト稼働があるからやらなきゃ行けなかったな。」

 

「最初はそう思ってはいたのだが、シュヴァルツェア・レーゲンにも愛着があってな。一応向こうに預けてはおいたが・・・・」

 

「確かに、AICやあのワイヤーブレードはかなり有効だから、気持ちは分かる。遠近両用の万能型だからな。俺もあの時は苦戦したぞ。一対一だったら俺は絶対負けてたな。」

 

「うーっす、お前ら。」

 

三人が話し込んでいると、再びドアが開いて部屋着姿の司狼が入って来た。

 

「お、ラウラ、ここにいたか。お前のIS、出来上がったぞ。型はレーゲンとほぼ同じだ。フルスキンだけどな。アリーナでテストしてみろ。シャルと一夏もとりあえず来い。」

 

「「「はい!」」」

 

 

 

 

 

時を同じくして、アリーナでは謹慎が解けた箒が紅椿を纏って自主練に励んでいた。かなりの間動かしていたのか、既に汗が顎から滴り落ちている。一旦解除すると、アリーナの端で汗を拭いて一息入れた。すると、向こう側から一夏を含めた四人組が入って来る。

 

「じゃあ、シャル、ラウラ、お披露目タイムだ。」

 

ラウラは形がほぼ変わっていないデッキのマークが中心に入ったレッグバンドを渡される。それを付け、二人はISを展開した。シャルロットのラファール・アルマ・グラーヴェはフルスキンで顔は横に三つの細いスリットが入ったモノアイにカモフラージュグリーンの色、両肩には角の様な小さい突起、手足のマニピュレーター部分にはオレンジ色のフレアマークが入っていた。

 

「これが、ラファール・アルマ・グラーヴェ・・・・」

 

「ああ。コイツは量産ラファールのコンセプトは変わらないし近接武器も積んでるが、どちらかと言えば遠距離主体だ。武装もかなり改造及び内蔵してあるから、使い所間違えんなよ?」

 

シャルロットが新しい武装に馴れている間、ラウラの機体もやはりフルスキンで黒く、以前の様なゴツさは無くなってシャープで流線的なデザインを持っていた。右腕は楯も兼用のスラッシュリーダーがあり、両肩にはマイクロミサイル『サイコ・ショック』、背中のウィングバインダーからは六本のワイヤーブレード、更に両手からはAICが発動した。

 

「これは・・・・!?」

 

ラウラは驚いていた。何しろ最初はオルタナティブ・ゼロの試験稼働をさせられるかと思っていたのに、フィット感も武装も、ほぼ全て自分の専用機と全く同じ感触なのだ。

 

「愛着は湧いてるだろうと思ったから、レーゲンのデータはそのままにして勝手ながらオルタナティブ・ゼロのデータを書き込んで調整した。万能型なのは変わらないが、速度と機体の軽減をメインに改造してある。その名も、黒い燕( シュヴァルツェア・フリーゲン)だ。」

 

「シュヴァルツェア、フリーゲン・・・・」

 

「アドベントシステムの事についてはもうレクチャーしたから、大丈夫だよな?」

 

「うん、大丈夫だよ。」

 

「こちらも問題無い。」

 

どちらもカードをデッキから抜いてバイザーに装填しようとする。

 

「じゃあ、一夏。コイツらの相手してくれるか?」

 

「はい。」

 

「え、二対一で・・・?」

 

「あいつを見縊るな。一夏は、強いぞ。俺は、向こうで一休みしている奴に挨拶しに行く。だから、ごゆっくり。」

 

司狼は箒のところへ歩いて行った。箒は彼を見るやいなや顔をそらす。

 

「よう、新しく専用機を持った箒さん。調子はどうだ?」

 

「・・・・・いつもと変わらない。」

 

ピットの入り口辺りまで歩いて行き、戦闘を歩いていた司狼は振り返った。

 

「あ!そう言えば、君の愛しい一夏君から君宛のある物を預かってる。」

 

妙に芝居がかった動きで封筒を引っ張りだしてヒラヒラと振る。

 

「私宛に・・・一夏から・・・?!何だそれは?!渡せ!」

 

「嫌だね。今のお前の態度が気に入らない。」

 

「(こいつ・・・・)はあああああああああああああ!!!」

 

部分展開で雨月を振り下ろそうとしたが、司狼は慌てず、真っ向から受け止めた。後ろに押されはしたが足場の維持は成功し、そのままグリップを四十五度折り曲げる。

 

「トレース!」

 

『Tracer ON』

 

後ろに倒れ込んで箒を巴投げでアリーナの方に放り込み、無数のエネルギー弾散撒いた。なんと、それが箒を追跡し始める。振り切ろうとするが、何発か被弾してしまう。だが、当然そこで終わらせる程司狼は甘くない。

 

「まだまだ!バスターモード!」

 

『Buster ON』

 

フォアエンドの役目を果たす部分を一往復させると、狼の頭を模した鞘の先が開き、口の部分から砲身が露わになる。銃口から放たれた極太レーザーが箒を襲った。

 

「何だと?!(待機状態がIS武装並みの攻撃力を持っていると言うのか・・・・?何なんだ、コイツは!)」

 

避けはしたが、やはり速度と破壊力はかなりの物らしく、肩の装甲をごっそりと剥ぎ取った。

 

「ほらほら、どうした?そんな調子じゃ負けちまうぞ?」

 

「だあああああまあああああれええええええええーーーーー!!!!」

 

「マックスアウト。」

 

『Max Out, Ready』

 

鞘のゲージらしき部分が少しずつ発光し始める。

 

「何をする気かは知らないが、させるものか!」

 

雨月と空裂から放たれるエネルギー攻撃で司狼を妨害しようとするが、司狼は鞘から短剣を抜き取り、投げつけた。箒の放った攻撃に接触すると同時に爆発し、それを相殺してしまう。

 

「五十パーもあれば十分だ。シュート!」

 

獣の咆哮の様な銃声とともに箒はシールドを完全に削られ、落ちた。

 

「じゃあな。あの三人の様子も見ておかなきゃならないんで。後、渡さないって言ったけど、あれ冗談。ほら。」

 

司狼は白い封筒を取り出し、アリーナに投げ捨てた。

 

「少しは頭を冷やせ。その力に振り回される心の弱さこそが、お前の最大の弱点だ。振り回されるな。武器と同じだ。剣は振る物であり、振り回される物じゃない。」

 

そう言い捨てて司狼は箒に背を向けて歩き去った。

 




はい、と言う事で、モッピーには最後の警告と言う物を残す後、処遇を決めます。さっさと処分するべき、と言う声がかなり多いので、恐らくはそうなると思います。

色々な評価、指摘、感想をおまちしております。
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