Fate/zero another after 作:李夏さん
ある日の夜、仕事帰りに散歩ついでに夜道を歩く、アルトリアの姿があった。
季節も季節、綺麗な川の水辺に、ぽつりぽつりと蛍が舞い踊る。
ベンチに一人腰掛けては、その景色に目を細め、草むらの中で響く鈴虫達の演奏に耳を傾け__空を見上げる。
丸く輝きながら浮かぶ月に、言葉に出来ないような感情を胸に沸き上がらせては僅かに微笑み、デスクワークで疲れた体がほんの少しすっきりした気がした。
「日本のこういう景色はとても良い…とても心が休まるものだ…」
暫しの間穏やかで静かな気配の中に浸れば、すっと立ち上がっては幾分軽くなった足取りで家へと向かう。
また明日も、平和な1日が続くと__
そんなことを思いながら、その日を終えていく。
「この街に絶対、父上がいる!」
翌日、分厚い雲を切り裂くように落ち行く真紅の雷光。
嵐の前の静けさを断ち切るその轟音は、誰も見たことのない赤い稲妻として世界に知れ渡った。
バイクから降りた、赤いジャケットを風に揺らし、金髪のポニーテールを上機嫌そうに振り回す一人の女。
彼女の名は___
「モードレッド、参上!っと…」
路地裏、真っ赤なペンキで派手に書き散らせば、頬に飛び散った液体も気にせずにバイクに跨り、爆音を響かせながら街をかっ飛ぶ。
街中を駆け抜けるその音は、雷にも似たような響きだった。
__が。
「はぁ…何だったんだ今の音は……鼓膜破れるかと__」
両耳を抑える青髪のフードをかぶった男が愚痴を吐いた瞬間、目の前で急カーブをとんでもないスピードで曲がり、こちらを向くバイクを見、そして悟る。
「……死んだわ」
数秒後、晴れ渡った青空に一つの星が輝いた。
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「どうしたの、士郎」
「いや、何か“この人でなし!”って突っ込みを唐突にしたくなったんだよ…」
「……何それ」
「俺にもわかんないけど…それより、結構出来るようになった。包丁くらいならちゃんと使えるかもしれない」
「へぇ…便利ね、投影って。士郎が居たら家事とか本当に楽々になりそうね」
「はは、まだ実用には遠いとは思うけどな」
遠坂家。
魔術師として技量を上げるべく、士郎の特訓を見守る凛。
最初は形だけしかなかった投影も、今では日常生活の一部としても使えるようになっていた。
「じゃ、今日の所はここまでね。日に日に上達していくのを見ると、本当に教えがいがあるわ…」
「遠坂の教え方が上手いからな、当たり前だ」
「そりゃ、私は遠坂家の娘だもの。上手くて当然よ?」
「はは、それもそうだな」
彼女らはまだ知らない。
1人、2人とこの街に集まりつつあるはぐれた英霊達と、魔術協会がこそこそと進めていく、第五次聖杯戦争については。
モードレッド
通称モーさん。
父上最高主義者にして父上絶対殺すウーマン(仮)。
此度の冬木市ではセイバーとして街を訪れる。
相棒(バイク)に跨がり、法律も無視したぶっ飛びスピードで街を行く。
持ち前の騎乗スキルで事故をおこすことはなく、偶に速度違反で警察に追いかけられたりしている。
基本的に私服で生活しており、冬木ではバイクの整備のアルバイトをすることになる。
相変わらず女扱いも男扱いも嫌に思っており、すぐ怒ったり不機嫌になる。
尚、父上(アルトリア)が居ると察したものの、一般社会に上手く溶け込み、しかも受肉しオルタ化してしまっている父上を探せ出せなかったりしている。
※尚、原作モードレッドを熟知していませんので崩壊する可能性が見られます。