遅れてすみません!!
飛識「キズはもう大分治ってるらしいな」
惇「はい。そうみたいですね」
この人は僕の兄で、長男で名前は飛識(としき)。僕が目覚めて三日後に来た。さらに、僕にはもう一人兄がいた。
透「敬語じゃなくていいのに。俺達は三人兄弟なんだからさ」
惇「す、すみません」
透「ほらまた」
この人の名前は透(とおる)で次男にあたる。軍服みたいな服を着ていて話によれば、軍の仕事をしているみたいだった。
飛識の方は何でも屋の仕事らしく、ヤバい依頼までやってるらしい。しかし、金が安かったら依頼は引き受けないらしい。
二人とも大きい。180㎝以上はある。僕は175㎝らしいけど……。
飛識「それにしても、お前が事故ったって聞いた時は笑ったぜ」
笑ったって……僕はアナタの弟なんだよね? 僕は何で? と、聞いてみた。
飛識「だってよお前は、事故に合う程マヌケじゃない。って、言っていたんだぜ?」
そんな事言っていたのか……。そうだ。僕の性格はどんな感じだったんだろう。彼女が三人もいるから、最低な奴、だったらどうしよう……。でも、気になるし聞いてみよう。
惇「あの~」
飛識「あ?」
透「何だ」
惇「記憶喪失の前の僕って、どんな感じでしたか?」
飛識「敬語で言われると、調子狂うな」
透「どんな性格だったのかを聞きたいのか?」
惇は頷いた。
透「そうだな…静かな奴で無口な奴だった」
惇「……それだけ?」
透「ああ」
惇「他になかったの? 例えば、女たらしだったとか、最悪な奴だったとか」
飛識「それはないな」
透「ああ、ありえん」
惇「何でそう言い切れるの?」
透「お前には彼女が出来ていたし、彼女一辻だからだよ。電話で話していたんだ」
惇「彼女……彼女って……どんな人だったの?」
透「覚えていないのか?」
惇「うん」
飛識「……」
透「見舞いにも来なかったのか?」
惇「それらしき女性が何人か来たよ」
惇は一昨日の事を話した。
透「ハハ! マジかよそれ! おもしれぇな」
惇「笑い事じゃないよ」
透「すまんすまん。でも、浮気はしないと思うぞ。お前は彼女一辻だった」
惇「なんでそう言い切れるの?」
透「彼女ばっかり電話で話していたからだ。名前は分からない。何故か教えてくれなかったからな」
惇「そっか……」
彼女一辻だったのか……。それじゃあ、一昨日の彼女達のあの発言は一体……
飛識「もうすぐ退院なんだろ? その時は俺ん所へ来い」
透「兄貴が?」
飛識「お前は、仕事でまた遠くに行くだろうが。俺達には親がいないからな」
惇「え? 親が……いない?」
飛識「それも忘れているのか。俺達には親はいない。一年前に死んだ。因みに、母は最初からいなかったぜ」
そうだったんだ……母親と父親は……いないんだ。
飛識「ま! どうでもいい親父だったし、気にすんな」
どうでもいいって……なんて人だよこの人。
飛識「退院したら俺の家に住ませてやるからな」
惇「う、うん。ありがとう」
透「記憶もちょっとずつ思い出せばいいさ」
惇「うん」
そうだな……。退院して学校に行ければ、何か思い出せるだろ。僕の恋人も誰だったか思い出せるはず。
その後は、飛識と透は帰って行った。飛識は、退院の時は迎えに行く、と言った。
透「まったく……まさか事故に合うとはね」
飛識「まったくだ」
透と飛識は、歩きながら喋る。
透「それにしても、アイツの彼女は誰なんだろか。三人も彼女と宣言する奴が出てくるとはね」
飛識「……実はさ」
透「え?」
飛識「実はよ、俺……知ってるんだ。アイツの恋人」
透「え!? マジで!?」
飛識「ああ。惇から電話で聞いた」
透「事故に合う前の?」
飛識「ああ」
透「で、誰なんだよ恋人は」
飛識「ああ、惇の恋人の名前は……」
透は、飛識から惇の恋人を聞いた。
透「ちょっと待てよ。ソイツの名字聞いた事があるぞ」
飛識「俺、この名前を聞いた時は驚いたよ。あの一族の人間だからな」
透「大丈夫なのか惇は……」
飛識「さぁな。でも、惇は結婚も本気で考えていたみたいだったよ」
透「マジかよ…」
飛識「できれば、彼女の記憶だけは戻らない方がいいと思うんだ俺は」
透「確かに……でもなぁ」
飛識「ま、惇次第だな」
透「そうだな。惇のどう決めるか……だな」
透と飛識は車に乗り、そのまま病院を去って行った
火刈「……惇君。惇君は私の彼氏……私は惇君の彼女……誰にも渡さない。渡さないんだから……」
次はもう惇君を退院させて、飛識の家からスタートです。