ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】 作:オレの「自動追尾弾」
オエコモバの襲撃から数時間後
ミッドチルダ 機動六課隊舎 部隊長室
「なのはちゃんが重傷でティアナが負傷、おまけにオエコモバは『始末』されて、矢の行方もわからない、か……」
フェイトからの通信を受け、八神 はやてはため息をついた。
管理局でも認知していなかった能力――「スタンド」。今回の事件は、このスタンドが関わっているという……
[うん……なのはの輸送とその話をするのに、承太郎さんと明日
ティアナの傷は幸い浅かったが、なのはは左腕を含む重傷だ。麻帆良では手に負えないらしく、ミッドの病院に輸送されるらしい。
「……分かったわ。じゃあ、そん時にな。」
そう言って通信を切ると、はやてはさらに山積になった問題に、再びため息をついた……
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3日後
麻帆良学園 学園長室
「そうか、ネギ君はうまくやっとるのか。」
「はい、生徒とも打ち解けていますし、授業内容も頑張っています。この分なら、指導教員の俺としても、合格点を出してもいいかと……」
ネギについて話す学園長とウェザー。どうやら、四月から正式な教員として採用されそうだ。
「ご苦労じゃったウェザー君。(例の「スタンド」の件にもくじけないとは、さすがと言うべきかのお)――――ただし、もう一つ……」
「?」
「彼には『課題』をクリアしてもらおうかの。――才能ある『立派な魔法使い』の候補生として……」
#09/学園長からの第一指令;『学年最下位を脱出せよ!』
「ネギ君、あんなことあったのに頑張るね~」
「ああ、普通あの歳でアレ見たらトラウマだぞ。」
「実際私はトラウマになったわ……」
「……大丈夫か?」
昼休み、食堂でスバル、明日菜、徐倫、千雨の4人は、木乃香が自分の料理を取りに行っている間、この間の話をしていた。
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あの後、『魔法先生』たちが事後処理を行い、オエコモバの死体やガジェットは片づけられ、この事件は『無かったこと』になった。
「―――さてと、あなた達には、スタンドについて話を聞かせてほしいのだけれど………」
予想していた通り、徐倫たちはスタンドについて知っている事を話すようフェイトらに求められた。ここで事情聴取を引き受けたのが、承太郎であった。
「俺はこの中で一番スタンドについて詳しい。「矢」の事についてもだ。それに、学生は『学業』を優先させるべきだろう?」
「………そうですね、解かりました。」
そして承太郎は、『矢』の調査を、彼らスタンド使いを全面サポートする『スピードワゴン科学医療財団』のエージェントに任せ、フェイトと共に『ミッドチルダ』へと向かったのだ。
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「……まあ、『期末』近いから助かったっちゃあ助かったがな。」
「う゛……イヤなこと思い出させないでよ……」
「うへー、この忙しい時に〜?」
「ま、学生だから仕方ないだろ。」
そう、来週から『期末試験』なのだ。
当然のことながら、それは教員であるネギの耳にも入っていた……
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同時刻
ネギは、日直であるまき絵と、その友人――髪を右側でサイドテールにした
「何か、他のクラスの皆さん、ピリピリしてますね……?」
「あー、期末テストが近いからね〜。来週の月曜からだし。」
「へー、大変だなぁー………………って!
のんきに言う裕奈とまき絵に対し、呆れの入った突っ込みを入れるネギ。当の2人は頭をかきながら、
「あー、麻帆良学園女子中等部ってエスカレーター式だから、あんまり関係ないんだよー。」
「特に、うちのクラスはずーっと『学年最下位』だけど大丈夫大丈夫。」
笑いながらいうまき絵たちに、ものすごく不安になるネギだった。
ふと、あるクラスに置いてある花のようなトロフィーを見つける。裕奈に聞いたら、期末学年トップに送られるらしい。
(うーん、何とかした方がいいのかな…あんなトロフィー欲しいけど、無理かな?……無理だよなぁ………いや、確かそういう時に効く魔法が……)
「ネギ君。」
「わっ、ウェ、ウェザー先生ッ!?」
いきなりウェザーに話しかけられて、ネギは驚く。まあ、彼の場合は仕方ないかもしれないが……
「これを。学園長からだ。」
「えっ?学園長から?」
ウェザーから封筒を受け取るネギ。封筒には、『ネギ教育実習生への最終課題』と書かれていた。
「えぇっ!?僕への『最終課題』!?」(こっ、こんなのがあるなんて……最終課題って何をやれば…………?)
『最終課題』の文字に驚き、どのような内容なのか予想される内容を頭でぐるぐる渦巻いた。恐る恐る封筒を開けて、中身を見てみると……
ネギ君へ。
A組が次の期末試験で学年最下位から脱出したら、正式な先生にしてあげる。
「が、…………学年最下位脱出ぅううーー!?…………な、なーんだ!意外と簡単そうだー!」
「!?そ、そうだな……」
ネギは簡単そうでホッとするが、一緒に見ていたウェザーは微妙な表情だ。
(……言えない!ものすごく難しいなんて言えない!)
無邪気に笑うネギと、正式な教員になれる事を知って喜ぶまき絵と裕奈を他所に、不安しかないウェザーは顔を曇らせた………
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HRの時間
「ええっと、今日のHRは期末試験に向けて大・勉強会にします!今回A組が学年最下位だと、(僕が)とても困ることがあるので皆さん、頑張りましょう!」
(どうしたんだろうね、急に……?)
(さあ?)
(学園長に何か言われたんじゃね?)
ネギの提案に、何があったのかと話す徐倫たち3人。千雨はあながち間違ってはいないが。
「はいはーい!私にいい考えがありまーす!」
「あ、はい、桜子さん。」
手を挙げたのは
「ここは「英単語野球拳」がいいと思いまーす!」
「おおー!」「それだー!」
「なっ、ちょっと!皆さん!?」
桜子のぶっ飛んだ提案に、悪ノリするクラス一同。しかし当のネギは………
「(なるほど、『野球』を取り入れた勉強法かな……?何となく面白そうだし、普通に勉強するよりも覚えやすそうだ………)分かりました!やりましょう!」
「こらーー!?」
「…………アイツ、『野球拳』って何か知らないでOK出したな……」
「だな………」
「おー、楽しそーー!」
「「お前も悪ノリするな!」」
目を輝かせるスバルに突っ込む二人。なんだかんだで仲がいい3人だ。
結局、勉強らしい事は何一つできなかったそうな……
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放課後 慈愛の女神像付近
「はぁ、どうしよう……」
元気なく、とぼとぼと歩くネギ。どうしたら、学年最下位から脱出できるのだろう……?さっきから、そればかり考えている。
先ほどの光景を見て、この『課題』がどれだけ困難なものか、はっきりと理解した。あそこまで能天気な人たちとは、思っても見なかった。
ふと、ネギはあることを思い出す。
「………そうだ!3日間だけとても頭の良くなる『禁断の魔法』があったんだ!それをつかえば……!」
思い出すと、早速杖を取り出して詠唱にかかる。
「副作用で1ヶ月ほど頭が『パー』になるけど……仕方ない!……ラス・テル マ・スキル……」
「「何をやってんだぁぁぁぁああああああああああ!!!」」メメタァ!
詠唱しようとしたら、偶然通りかかった明日菜と徐倫に飛び蹴りをお見舞いされた。
「あ……二人とも…」
「おめーよー、いい加減魔法に頼るのやめろよな!今までどうだったかはしらないけど…」
「そもそもバレたら即刻帰国なんでしょ!?使いすぎよヘボ魔法使い!!」
「あう……でも、このまま
二人にぼろくそに言われ、ヘコむネギ。明日菜は、そんなネギに、ぼろぼろのノートを渡す。
中には、小テストの答案が挟まっていた。
「あっ…まあまあできてる!まだ悪いけど……」
「こいつだってアレからちょっとはがんばったんだよ。まだ悪いけど……」
「二人してまだ悪いって言うな!!……まったく、マギ……何とかを目指してるのか知らないけどさ、そんな風に中途半端な気持ちで先生やってる奴が担任なんて、教えられる生徒だって迷惑よ!」
「!!!」
明日菜が去っていくと、徐倫はショックを受けるネギを見て、
「アスナの言うことはよぉー、私も賛同するぜ?生徒の『信頼』は、魔法なんかで得られるもんじゃないだろ?」
徐倫はそういうと、明日菜を追いかけて行った。ネギは2人の言葉で、動けないでいた……
「……うん、さすがは明日菜さん達だ。安易に魔法に頼ろうなんて、甘い考えだった!…よし!期末テストまで、魔法を封印しよう!」
そして、決心をしてそう言うと、ネギは人目につかない場所に移動する。
「
呪文を詠唱すると、ネギの右腕に黒い三本の黒い線が現れる。それと同時に、ネギは自身の身体から魔力が消えていく事を感じ取った。
「よし、これで僕は三日間『ただの人』だ!―――さて、明日の授業の準備を……」
『チュミ?』
ふと、声がして振り向くと、自分の『
「あ、そうか……魔法が使えないから、今は「スタンド使い」って事になるのかな?」
そう言いながら、ネギは寮に向かって歩く。そして思った、この『スタンド』の名前を早く決めなければ、と。
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その日の夜
女子寮 大浴場
「えぇーーっ最下位のクラスは解散〜〜!?」
「うん、あくまで噂なんやけどな…」
大浴場で木乃香が話した事は、あくまで噂だが、信じられない事だった。しかも、特に悪かった生徒は『留年』どころか『小学生からやり直し』などの噂も立っていた。
「いやっさすがにそれはないでしょーー!?」
(…いや!昼間ネギも言ってたし……『大変な事』ってこれのことじゃあ……?)
「……さすがにそれはないよな?」
「全く、くだらない噂を真に受けやがって……」
バカレンジャーから離れた場所で湯船につかりながら、尾びれ背びれのついた噂で盛り上がる彼女らのやり取りを見ていた徐倫と千雨は呆れていた。
しばらく聞いていると、『図書館島』にある『読めば頭が良くなる「魔法の本」』なる物を探しに行ってはどうか、という話になっていた。
「いや、さすがにそんなのは………あ」
「……実在するんだったな………『魔法』…やれやれ、それで真に受けたのかアスナは…」
千雨と徐倫は、明日菜の考えを察した。魔法使いや異世界人がいるため、『魔法の本』とやらも『本当にあってもおかしくない』という推測で判断したのだろう…
「………やれやれだわ。そういうバカは―――」
「徐倫………?」
徐倫は湯船から出て、明日菜たちに近づく。
「放っておけないのよね!」
「徐倫!!」
「ジョジョ!!」
「「
やれやれと、仕方なしげに見下ろす我らが司令官を見て、バカレンジャーは期待の眼差しを向けた。
「………やれやれ、メンドー見がいいのか、同じ馬鹿なのか………」
千雨は一人、徐倫の行動にあきれるのであった。
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午後10時
麻帆良学園 図書館島
今、ここの裏手にある秘密の入り口には、バカレンジャーの5人と司令官・徐倫、図書館探検部の3人、そして、ネギがいた。
「これが『図書館島』か……」
「でも、大丈夫かな?下の階は危険なトラップがあるから、中等部部員は立ち入り禁止なんだよ……?」
「なんで図書館にそんなものが……?」
「大丈夫、それは『アテ』があるから。」
「へー?」
明日菜のアテ―――ネギは、寝ぼけ眼でついてきていた。明日菜に呼ばれて、ふらふらとネギが歩いていくのを後ろから見ていた徐倫は、こっそりのどかに話しかけた。
「宮崎、悪いが頼む。」
「は、はぃ~………」
のどかは少し戸惑いながらも、『背中から異形の左腕』を出して、それをネギに向けた。
(ほらネギ!いざという時は、魔法で守ってね!)
一方、明日菜はネギを頼ってそういう。昼間ネギに行ったことは忘れているらしかった。しかし、当のネギは……
「あの……魔法なら僕、『封印』しましたよー?」
『チュミ。』
のん気に言うネギと、頷くスタンド。
「………えぇーーっ!?」
明日菜の悲鳴が、閉じていく扉の中に響いた………
←to be continued...
9話です。
・サブタイトルは「ボスからの第二指令;「鍵をゲットせよ!」」から。
・承太郎さんミッドへ。これがどう物語に影響するか、お楽しみに。
・今回、原作通りであまり進展はありませんでしたが、承太郎との会話やのどかの行動などを追加しています。
では、次回をお楽しみに!