ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#14/ウルトラセキュリティ図書館 ⑤

数時間後

〈期末試験まで後一日〉

 

 

「………………うん……?」

「あ、気が付いた?」

 

千雨が目を覚ますと、目の前にあったのは『女性の顔』だった。

まだ若く、二十代前半位だろうか。金髪のウェーブヘアーにぷっくりとした唇、背は小柄なほうだろうか。

 

「………どうも、えーと……?」

「ああ、私は図書館島の『司書見習い』で、この部屋は私が使わせてもらっている部屋よ。」

 

女性は起き上がった千雨に名乗る。起き上がった時に、乗っていたらしい「白いウサギ」がぴょこんと飛び降りて足元で丸くなった。

ようやく覚醒し始めた頭で回りを見てみると、部屋のソファにスバルが、床に敷かれた布団にアナスイが寝かされていた。

 

この時、千雨は気が付いた。『ラング・ラングラー』との戦闘で、自分とスバルは結構な傷を負ったはずなのだが、その傷が体にはなく、回復をしているのだ。

自分は波紋の呼吸で治癒ができるので治ったのかと思うが、スバルの傷も治っているのは何故だろうか?そう思っているうちにスバルたちも目覚め始めた。

 

彼女の話では、図書館島内を見回りしていた時に倒れていた千雨たちを見つけ、自分が手伝っている司書の人を呼び、自分が使わせてもらっているこの部屋に運んだらしい。

しばらくして軽く食事をもらうと、―――なお、この際スバルは遠慮したのか普段より少ない量を食べた。―――『人を捜している』ことを話した。

すると彼女は、「昨日から、この部屋の先にある図書室が騒がしい」と教えてくれた。

千雨はそらがバカレンジャーだと確信し、彼女に道を教えてもらうとそこへ向かうことにした。彼女に別れを告げ、3人はその図書室を目指す……

 

 

 

 

 

#14/ウルトラセキュリティ図書館 ⑤

 

 

 

 

 

「問題

『CONTRAST』の日本語訳は?

A 対称

B 対象

C 対照

はい、どれ?」

 

まき絵の目の前には、ABCとそれぞれ書かれた三つの箱があり、箱の反対側には、問題を出題した徐倫がいる。

 

「えっと……C…………かな。」

「…………………………………」

 

まき絵は答えるが、徐倫は黙ったままだ……

 

 

 

 

 

「正解!なんだ、結構できるじゃないか!!はい、ゆで卵。」

「わーい♪」

 

Cの箱から出したゆで卵をまき絵に渡す徐倫。

よく見ると、他の三人――古菲、楓、夕映も、ゆで卵をもぐもぐと食べていた。明日菜だけは、手に持った『セッケン(バラの香り)』を見つめていたが……

 

「―――って、何で正解したらゆで卵なんですか!?別に他の食べ物でもいいでしょう!?」

「うまいじゃん、ゆで卵。」パラパラ

「板○英二さんですかあなたはッ!?」

「てか私『セッケン』なんて食べれないわよッ!ていうか、食べたら死ぬからッ!」

 

つっこむネギと明日菜に対して、カラを剥いたゆで卵に塩をかけながら答える徐倫だった。

 

徐倫が提案した、問題に一問正解したら正解の箱の食べ物が食べられる『英単語クイズ』。徐倫によると、この方法で叔父の友人が英語のテストで百点満点を取ったらしいのでやっていたが、明日菜だけはやはりダメだった…………

 

 

 

 

 

今、徐倫たちがいるのは、夕映いわく『幻の地底図書室』という場所で、地底なのにあたたかい光に満ちて、数々の貴重品にあふれた、本好きにとってはまさに『楽園』!だが、ここを見て生きて帰ったものはいないとか……とにかく、今彼女たちは『脱出困難』な状況だった。

 

そんな中、ネギが諦めずに助けを待とうと励まし、期末に向けて勉強しようと言ったのだ。

幸いというか都合がよすぎるというか、テキストや食料があったため、勉強や食事には困らなかったため、ネギたち八人は何とか無事だった。

 

 

 

 

 

そして現在――

 

「よし、次正解したら『チーズ味のペンネ(木乃香作)』が食べれるぞ!がんばれ!

問題

『Hail to you!』の日本語訳は?

A 君に塀を

B 地獄を君に

C 君に幸あれ」

「えっと………B?」

「……………はずれ。正解はCの『君に幸あれ』だ。はい、Bの箱の「英単語カード」だ。」

「食べ物じゃない上にさらに勉強しろとッ!?」

 

 

 

神楽坂 明日菜――連続五問不正解+腹ぺこのため、さすがに可哀想だということで、「仕方なく」と徐倫にゆで卵を五個+塩小さじ一杯もらった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ん?何しているんだ、ネギ?」

「あ、空条さん。いや、ここの『本棚』の本について、気になって……」

 

休憩時間、「モロヘイヤ天然水」なる飲み物のパック片手に図書室内を散策していた徐倫は、水辺で本を調べていたネギを見つけて声をかけた。

 

「確かに…ずっと水に浸ってたはずなのに、全く本が『痛んでない』な……これも『魔法』なのか?」

「多分………一体誰がこんなモノを……?」

『チュミ~~ン?』

 

そう言いながら歩く徐倫とネギ。傍らには、『精霊(スタンド)』もいた。

 

 

この学園には、魔法先生や魔法生徒なる者がいることは、先日の『オエコモバ』の一件で分かった。となると、この『麻帆良学園都市』そのものも、『魔法使いたち』が作ったと考えれば、今自分たちがいるこの「地底図書室」や、この間のゴーレムにも、納得がいく……

 

 

「……あ〜、難しい事考えるのは後だ。

あ、そういえばネギ、お前の『スタンド』なんだが―――」

 

キャッキャッ♪

 

「「ん?」」

 

話しかけた徐倫だが、ふと、はしゃぐ声が聞こえ、そちらに気が向く。

声をしたほうを見ると―――

 

 

 

「「「ん?」」」

「へ?」

「あ〜……」

『チュミ?』

 

まき絵、古菲、楓の三人が、『裸』で水浴びをしていた……………

 

 

 

「やーん、ネギ君のエッチ〜〜♪」

「うわわ〜、ご、ごめんなさいーーー!」

 

慌てて駆けだそうとするネギだが、楓に捕まれてしまい、じたばたするだけになってしまう。

 

「くすくす、顔真っ赤にしちゃって、カワイ〜♪」

「ネギ坊主、10歳なのに、女の子の裸に興味あるアルか?」

 

三人にいじくられるネギ。だが、

 

「あのっ…僕、お姉ちゃんで見慣れてるしっ……女の人の裸とかには『全然』興味ないですからっ!英国紳士として…」

「「なっ………」」

「「………」」

 

ネギから衝撃の発言に、固まる四人。

 

「うわーん、ヒドいよネギ君ーーー!」

「ワタシたちよりも楓やジョジョみたいな体しか興味ないアルかーーー!」

「え、いや、そういうわけじゃあ…そ、その……………ごめんなさーーーい!」

「あ、おい、ネギ!…ったく、あんまりからかうなよな、お前らッ!」

 

大声で謝り、脱兎のごとく走り去るネギ。徐倫は、まき絵たちに注意して、ネギを追うことにした。

 

「くす、『興味ないですから』だって〜。」

「『英国紳士』アル〜〜♪」

 

まあ、あんまり反省はしてないようだが………

 

 

 

 

 

そんな風にふざけていたからだろうか。

彼女たちは、自分たちの背後に忍び寄る『陰に』気づかなかった…………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

数分後

 

 

「えっ?クラス解散とか、小学生からやり直しとかは?」

「いや、僕がクビになることしか聞いてないですけど……」

「………………やれやれ、やっぱデマだったのね……」

 

明日菜と二人は、『ネギの最終課題』の話になっていた。

まあ、留年はともかく、小学生からやり直しはあり得ないが……

 

「あぁーもうッ!それならこんな謎の図書館なんか来なかったわよッ!」

「えぇっ!?そんなぁ~」

「全く、あんたが来てから踏んだり蹴ったりよ!」

「明日菜、それはないだろ…」

 

なんかヒドいことを言う明日菜につっこむ徐倫。

 

と、

 

 

 

 

「「「ぁぁぁああああああーーー!」」」

「「「ん?」」」

ザッバァアーン

「「「なッ!?」」」

 

上から声が聞こえたと思ったら、近くに水柱が立った。

 

「あうー、変なとこ打った〜〜」

「よし、全員無事らしいな!」

「ッベボガベボベビガボッ!ベビブガババブボゲ!ビギバベビベベッ!(訳:っておまえのせいだろッ!ていうか早くどけ!息ができねえッ!)」

 

落ちてきたのは、スバルとアナスイ、そして2人の下敷きにされて水に沈んだ千雨だった…

 

「なッ!?何でスバル達が降ってくるわけ!?」

「あ、空条さんにネギ君に明日菜ー!みんな無事ー!?」

「ていうか千雨が無事じゃないぞッ!?早くどいてやれよッ!!」

 

 

 

聞けば、バカレンジャーを助けようと図書館島に来たが落とし穴に落ちてしまい、『司書見習い』の女性に介抱してもらって、道を教えてもらったらしい。

だが、『地底図書室(ここ)』まで来るのに、アナスイがまたトラップを発動させて、落ちるはめになり、現在にいたる………

 

「………どんだけ落ちれば気が済むのよ、あんたたち………」

「好きで落ちてんじゃねぇよッ!全部こいつのせいだよッ!!」

 

アナスイを指して叫ぶ、ずぶ濡れの千雨。本当に探検部なのだろうか、この男…?

 

「アスナー!!ってあれ?何でスバルちゃんたちまでおるん?」

 

と、そこへ木乃香がやってきた。

 

「あ、このか、それよりどうしたの?」

「あ、そや、大変なんよ!はよう!」

 

木乃香に連れられて走る一同が見たものは…

 

 

 

 

 

「誰か助けてーーッ!」

『フォフォフォーーー』

「「「「って何あのデカいのーーーッ!?」」」」

「またあいつ!?」

「ゴーレムッ!一緒に落ちてたんだ!」

 

ゴーレムにとらわれたまき絵だった。

だが、ピンチの時こそ冷静になる!それが空条家…いや、ジョースター家!

 

「スバル!(ク―)!ヤツの『脚を狙え』ッ!」

「えっ、う、うん!」

「アイよジョジョ!」

「というか、何故ナカジマさんがここに……?」

 

スバルと古菲に指示を飛ばす徐倫。二人は、ゴーレムの足元に近づく。

 

「アイ〜……ハイッ!」

「ウリィィャアアアッ!」

ドゴォ!

『フォオ!?』

 

左脚に強烈な一撃を喰らい、ゴーレムは倒れる!その衝撃で、まき絵は離され、それを楓がキャッチする。

 

ひゅ〜…ドサっ

「ん?何この本…?」

 

足元に落ちてきた本を拾うスバル。その本は……

 

「あ!そ、それは!」

「メル……何とかの魔法の書!?」

「ゴーレムと一緒に落ちてたんだ!」

「よし!それが手に入れば、こんなとこに用なんてないわ!」

 

メルキセデクの書を手に入れ、全員の志気が高まる。だが!

 

ズズーン

『逃がすと思うてかーーーッ!』

「キャー!」

「って、あいつまだ!?」

「どうすんのよ!?打つ手ないわよ!?」

 

ゴーレムが起き上がり、再びパニックになる一同。だが、徐倫は冷静であった。

 

「みんな!千雨たちがここからの『出口』までの道のりを、「司書見習い」の人から聞いているわ!それに、今のスバルと古の攻撃で、奴の脚はかなりのダメージだ!!おまけにあの『巨体』!!早く動けないはず!そこが『つけめ』だ!!」

 

徐倫の言うとおり、ゴーレムの脚はひび割れて、今にも崩れそうな感じであった。

 

「なるほど、だったら………」

「やるべき手段はたった一つ!」

 

全員顔を合わせて頷いた。いまいち分かっていない様子のスバルとネギは首を傾げ、徐倫に聞いた。

 

「え、ええと……みなさん、一体何を………?」

 

ネギが聞くなか、徐倫はアキレス腱を伸ばして、軽くストレッチをする。

これこそ、ジョースター家伝統の戦法、それは―――

 

 

 

 

 

クル

「逃げるんだよォ!ネギィーーーッ!」

ダッダー

 

「ってえええええええええええええええ!?」

「わあ〜ッ!!なんだこの人ーーーッ」

 

回れ右して走り出す徐倫と、それに続くバカレンジャー。ネギとスバルは徐倫達の行動に叫び、アナスイは某ドイツ軍人みたいな呆れ顔だ。

 

だが、ここで予想外の事態が起こる。ゴーレムが、高く『ジャンプ』したのだ!

 

「なッ!?あいつ、まだあんな力が!?」

「くッ…!」

 

ネギが『爪』をスタンバイするが、ゴーレムの後ろに『人影』があるのに気がついた。アナスイだ!しかも、スタンドを出している!

 

6つの穴が開いた仮面のような頭部にレギュレーターを噛み、酸素ボンベを背負ったダイバーのようなデザインをした銀色のスタンド。その名も!

 

「『ダイバー・ダウン』!!」

ズボォオ

『ふぉ!?』

 

『ダイバー・ダウン』の腕がゴーレムに「めり込む」!いや、『体内に潜入した』と言った方がいいだろうか…?とにかく、ゴーレムにダメージを与えたようだ。

 

(………むっ?これは…………?)

 

だが、ダイバー・ダウンを潜入させて、アナスイは『ある事』に気づいた。それは―――――

 

「アナスイ!」

「徐倫!こいつはオレにまかせて、先に行けッ!」

「わかった。」

ダッダー

「一切の躊躇も無く!?」

 

いつものこととはいえ、かなりショックを受けるアナスイだった。

 

「アナスイ…おまえの事は忘れない!………三分くらい。」

「「「短ッ!?」」」

「おいおい徐倫、三分はないだろ。五分くらいにしとけ!」

「「「それでも分単位なんだ!?」」」

 

何とも不憫な扱いのアナスイだった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「本当に行っちまいやがった………」

『………いやはや、あなたも不憫なお方だ。』

 

去ってしまった徐倫達を遠くに見るアナスイ。不意に、ゴーレムが話しかけてきた。

今までの低い声ではなく、若干高い感じの声であった。

 

「………それで、お前は誰なんだ?『ゴーレムの中の人』さんよぉー?」

『ふふ、話してもいいですけれど、その前にその腕を放してはくれませんかね?』

 

アナスイは『ダイバー・ダウン』を解除すると、ゴーレムの胸部分が開き、中からローブを着た、長髪の男性が現れた。

 

「どうも。図書館島の司書官をしている、『クウネル・サンダース』と申します♪」

「司書官?いるって噂は聞いていたが………」

 

アナスイは、クウネルと名乗った男をまじまじと見る。明らかに、自分と同世代ほどだ。

 

「(思ったより若いんだな………)で、何でその司書官さんが、ゴーレムにのって女子中学生追い回すマネなんかしてたんだ?返答次第ではよぉー、」

「いえ、実は学園長に頼まれて、彼女たちの勉強のお手伝いをしていましてね。」

「何考えてんだよ、あのジジイ………」

 

クウネルの返答に、呆れてため息をつくアナスイ。クウネルは意味深に笑うと、

 

「さて、彼女たちも無事地上に向った事ですし、私の住居でお茶でもどうです?久しぶりに、『外』の人と話もしたいですし。」

「……徐倫の方に行きたい所だが、まあ、少しくらいは良いぜ。」

 

 

 

 

 

バカレンジャー+数名――この後、無事脱出。だが、メルキセデクの書を落としてしまう…

ナルシソ・アナスイ――2時間クウネルと話した後、アパートに帰った。

 

 

 

 

 

←to be continued...

 




14話です。
・冒頭の『司書見習い』の正体は、分かる人には分かる人物です。

・徐倫の飲んでいたジュースの元ネタは、某戦う交通安全からwこれも結構マニアックですw

・クウネル登場。何気に10話の時に徐倫が反応していましたが、実は『承太郎と中の人が同じ』というネタでしたw

では、次回をお楽しみに!
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