ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#16/長谷川 千雨は静かに暮らしたい ①

終了式の翌日

 

学園長室

 

 

「―――なるほど………確かにこの生徒が『スタンド使い』である可能性は、大いにあるのぉー………」

 

学園長は、1枚の資料を手に呟いた。前に立つ女生徒は黙って彼の判断を待った。

 

「よかろう『刹那』くん。今回の調査の件、君に任せよう。空条君にお願いすると良いな。………ただし、あくまで『秘密裏』に頼むぞ。」

「はい、ありがとうございます………」

 

女生徒、桜咲 刹那(さくらざき せつな)は一礼すると、学園長室を退出していった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

翌日 昼過ぎ

 

女子寮入口

 

 

「新任の先生?」

「はい。なんでも新田先生の紹介だそうで。明日挨拶に見えるから僕も来るようにって。」

 

徐倫とネギは、並んで歩きながら話していた。

 

あの後、バカレンジャーに大・勉強会をさせた徐倫。

8日後、バカレンジャーたちは一人残らず真っ白になり、しばらく機能停止状態に陥ったという。

実際、明日菜やまき絵などは、いまだに復活仕切れていない状態だった………

 

「そういえば、空条さんは今日どちらに………?」

「ああ、実はうちのクラスの桜咲が、来てほしいって電話が入ってな……私、アイツと全然話した事ないんだけどなぁー………」

「なんでしょうね…?」

 

2人が首を傾げていると、前からスバルとティアナが歩いてくるのが見えた。

 

「あ、空条さんにネギくーん!」

「あ、こんにちは、スバルさん、ティアナさんも。」

「どうしたんだ2人とも?わざわざ寮まで来て…」

「うん、千雨が忘れ物してたから、届けにね。」

 

徐倫にティアナが説明をすると、徐倫はそうかと頷いた。

 

「千雨なら部屋にいるぞ。鍵は閉めてないと思うから、勝手に入っちゃって。」

「うん、ありがと。」

 

そう言って、4人は分かれた。

 

だが、分かれた後に徐倫は気づいた。

 

「……………あ、あいつ『アレ』の最中だったか…………?」

 

 

 

 

 

#16/長谷川 千雨は静かに暮らしたい ①

 

 

 

 

 

女子寮

 

徐倫と千雨の部屋

 

 

「ふ…ふふふふふ………徐倫が『一週間』も部屋を占領していたからな………すっかり「ストレス」が溜まりに溜まったったらありゃしない………!」

 

鏡の前で、不気味に笑う千雨。端から見たら、完全にアブナいひとだ……

 

「特に最近は、『矢』のことや、『魔法』やらで、めちゃくちゃな日々が続いたからなァァァ…か〜〜な〜〜り派手にいかせてもらうぜッ!!」

 

そう宣言するとメイクと衣装をキメて、眼鏡を外す。そして…………

 

 

 

 

 

「おっけ〜♪今日も『ちう』は、綺麗だっぴょ〜〜ん♪」

 

『カワイい衣装』に身を包み、完全にスイッチが入れ替わった千雨………否、『ちう』の姿が、そこにいた………

 

『ちう』は早速パソコンのスイッチを入れて自分のホームページを開くと、チャットのページへとアクセスした。

 

「おハロー(・▽・)qみんなお久しぶりー!

ごめんね~、今まで顔出せなくて~(><)i

ちょっと用事があって、お家を離れてたんだぁ~(-.-;)」

 

しゃべりながらキーボードを打つという、ちょっとイタい感じを醸し出しながら書き込む『ちう』。彼女が打ち終わって数秒後、チャットルームに書き込みがされる。

 

ちうファンHIRO>気にしないでちうたん!待ってたよ!

通りすがり士>いや〜、一日千秋の思いでまっておりましたぞ!

無敵要塞>気にしないで!僕らはいつでも君を待っていたから!

 

「わー!ありがとみんなー(≧▽≦)/

今日はお礼に、ニューコスチュームお披露目するよ♪」

 

そう言って、自分を撮影し始める千雨。

 

 

 

これこそ、普段目立たぬように過ごす『千雨』が、『スタンド使い』以外に隠していた裏の素顔!

インターネット界を牛耳るスーパーハッカーにして、No.1ネットアイドル!『ちう』である!!

デジカメで『自己撮影』!フォトショップで『肌』を修正し!!FTPで写真を『アップロード』ッ!!!

己の『美貌』を画面の向こうの男どもに見せつける!これこそ、千雨の『至福の時』!

 

「よしッ!キタキタキタキタ北ァァァー!『ネットアイドルランキング』でも、ぶっちぎりの一位ッ!!ヒャホホホォォーッ!私は『女王』なのよッ!いずれはNET界のNo.1カリスマとなって!全ての男たちが!私の前に跪くのよォォォーーーッ!!!」

 

気分がノリに乗って、叫び出す千雨。彼女の今の気分は、最高に「ハイ!」ってやつだ。

 

だが、千雨の『至福の時』は、「ノックの音」で終了を告げた………

 

 

 

 

 

コンコン

「ノックしてもしもお〜〜〜し。ごめん、鍵あいてたから勝手に入っちゃったんだけどさぁ〜…」

 

いきなり『自分以外の声』がして、ビクリと停止する千雨。まるで油の切れたロボットのようにギギギと後ろを向くと………

 

「………あんた、普段そんなことしてるの…………?」

 

『なんて声をかけたらいいか分からない』顔のスバルと、呆れ顔のティアナがいた………

 

 

 

 

 

おっぱァアアーーッ

 

 

 

 

 

「ん?今なんか聞こえへんかった?」

「あー、多分、(x+1)(y−1)が室町時代で、二酸化アルミニウムな倒置法なんじゃない?」

「………アスナー、まだ寝ときー。今お粥さんできるからなー。」

 

 

 

 

 

「いっ………いいいいいいつからいたんだよッ!?」

「ええっと………『か〜〜な〜〜り派手にいかせてもらうぜッ!』のあたりから?」

「結構最初の方じゃねぇかァアアーーッ!」

 

顔を真っ赤にして叫ぶ千雨。自分のこの趣味を知っているのは、ルームメイトの徐倫だけだ。それ以外にバレる=自分も変人集団(2-A)の仲間入り!それだけは、絶対に避けたかった。

 

「うわー、何かすごいねこれ……」

「普段はこんなことするようには見えないのに、この趣味を隠して生活してたのね………」

「何でわざわざ隠してんの?」

「こんな趣味、人に話せるわけないでしょ……で、あんたはその『にんじん』で私たちに何をする気?」

 

スバルが振り向くと、大きなにんじんのクッションを持ち上げた千雨がいた。

見つかってぎくりと固まった千雨が、わなわなと震えたかと思うと…………

 

 

 

ガシィッ

「ひっ!?」「なっ!?」

「はなすなよッ!?絶対に誰にもはなすなよッ!?」

ブンブン

「わっ、分かったから!そんなに振るんじゃ………」

「あばばばばば………」

 

二人につかみかかり、ブンブンと振りだした。

 

10秒後、千雨が「はなすなよ」を13回いったあと、ようやく二人は離してもらった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

寮の近くの道

 

 

千雨は、二人が話さない代わりに、二人に昼食を奢ることになった。千雨は先ほどまで『話さない』ことに安心をしたが、今はスバルの暴食っぷりが不安だった……

 

「ほら〜、早く早くぅ〜♪」

「お前…あんまり食うんじゃないぞ……って、聞いてないな………」

「………こういう時は、諦めが肝心よ……」

 

さっさと先に行ってしまうスバルにうなだれる千雨を、一応は励ますティアナ。

 

「それにしても、あんたにあんな趣味があったとはねぇー………見かけによらないというか、何というか………」

 

ティアナは千雨にそう言う。徐倫の話ではフランス人とのハーフだと聞いていたが、中学生にしてはスタイルは良いようではあるし、中学生離れした面々の多いA組の中でも顔立ちはきれいな方だろう。眼鏡がなければ、軟派な男の2人3人や芸能プロダクションなんかは声をかけてくるに違いないと思う。

そう思っていると、うつむいていた千雨が半笑いでこちらを見てきた。正直コワイ。

 

「………生まれつきスタンド能力なんて持ってるとねぇ~………嫌でも『隠ぺい』がうまくなっちまうんですよぉ~………」

「え………?」

「自分の能力(チカラ)が「他の人には見えない」って分かってからは、特にひた隠しにしていたよ………ただでさえ父親がいない事、気にしていたのに………おまけに、小4まではひたすら『修行』させられていたせいで、『自分は他人と違う』って思い込みが激しくってよぉーーー………実家から逃げるように麻帆良(こっち)に来たら来たで、おかしな状況とお気楽な同級生(クラスメート)にイラつく始末よぉ………」

「あ、あの………?」

 

ここに来てティアナは、自分が千雨の地雷を踏んでしまった事に気づいた。相当溜まっているものがあったのか、ついに千雨は叫びだした。

 

「大体、ウチのクラスからしておかしいだろ!異様に『留学生』が多いし!中学生離れしたのとか!身長やスタイルの大小が『極端』すぎだろあれ!大体何で「ロボ」が中学通ってんだ!?何で誰も突っ込まないんだよ!?トドメにあの子供先生って!!いや、後で理由聞いたけど………それでも10歳(ガキ)が教師って無茶にも程があるだろぉがああああああああああああああああッ!!」

「お、落ち着きなさいよ………」

 

うがーっと叫ぶ千雨をなだめるティアナ。ひとしきり叫ぶと、千雨は荒く深呼吸をした。

 

「………フーーー、スッとしたぜ。悪いな、変な所みせちゃって………」スッキリ

「い、いやぁ、ヘンな事聞いた私も悪いし………」

 

スッキリした表情の千雨に苦笑いのティアナ。おそらくは異常な事に対して敏感であったが為に、麻帆良学園の異常性とそれに疑問を持たない周囲にストレスが溜まっていたのだろう。相談できる人物もいなかったようだし、ああやって発散していたのだと、ティアナには予想できた。

 

「………ん?」

 

ふとティアナは、草むらに何か、『棒のようなもの』が落ちているのに気がついた。

 

「何これ?」

「どーした、ランスター?」

 

拾ってみると、それは鞘に納まった「刀」だった。結構重く、『本物』ではないかというリアリティだ。

 

「ん?なんだそれ?『演劇部』の落とし物か?」

「多分……でも、それにしては結構リアルね………まるで本物みたいな重みよこれ…」

 

不思議に思ったティアナは、刀を抜いてみると、まるで冷たい水に濡れているような美しい刀身が現れた。

 

「!おいおい、こりゃあ本物だぞッ!!何でこんなとこにマジものの刀があるんだッ!?」

「わッ………私に聞かないで………よ…………」

「………?ランスター?」

 

ティアナの様子がおかしいことに気づいた千雨。何か、ぼーっとした感じだ。

 

「おーい、二人ともどうしたのーー!?」

 

そこへ、スバルが駆け寄ってくる。

 

その時ッ!

 

 

 

 

 

ドシュゥーーッ

「「!!?」」

 

刀を持ったティアナが、千雨に『斬りかかってきた』!!

千雨は何とか「スタンドの小太刀」で防ぎ、バックステップで下がる。

 

「ランスター!テメェ、何を………!」

 

ティアナに怒鳴る千雨だが、こちらを睨み付けるティアナの、射抜くような目つきを見て『ヤバい事』に気がついた。

 

「は、長谷川さん!一体……!」

「ヤベェぞ…………ランスターのやつ、『操られてやがる』!恐らく、原因はあの『刀』だッ!!」

 

千雨が仮説をたてると、ティアナは感心したようなそぶりをみせる。

 

「………ほう、初見でわたしの正体に気づくとは………貴様、できるなっ!」

「お前………『スタンド』か?」

「いかにもっ!!我こそは『エジプト9栄神』が一人ッ!冥府の神!墓地の守護神を暗示するカード!『アヌビス神』ッ!!」

「!!『アヌビス神』だとッ!?」

 

刀を構えて名乗るティアナ、いや、『アヌビス神』の名前を聞いて、驚愕する千雨。一瞬、ティアナの背後に『黒いジャッカル』の幻影を見たような気がした。

 

「知ってるの雷で…………長谷川さんッ!?」

「雷○って呼ぼうとした!?今明らかに○電って言いかけたよなッ!?……………『アヌビス神』って言えば、承太郎さんや『父さん』が戦って、再起不能(リタイア)したって聞いたが……」

「ん?貴様の『父』だと?」

 

千雨の話を聞き、疑問に思う『アヌビス神』。彼女の父親と自分が戦った………?

 

「……………お前は、『一度戦った相手は憶える』らしいな…………………なら、憶えているはずだ。」

 

千雨は、アヌビス神を見据えて、話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『(ジャン)(ピエール)・ポルナレフ』だ!」

「!!ポ……『ポルナレフ』だとぉー!?」

 

ポルナレフの名前に驚くアヌビス神。

確かに自分は、『銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)』のポルナレフと戦った。だが、今自分の目の前にいる少女が、そのポルナレフの「娘」だと……?

 

「……ふっ、面白いッ!貴様がポルナレフの娘というならばッ!!相手にとって不足なしッ!!」

 

アヌビス神は不敵に笑う。これから戦う相手に『悦び』を感じていた。

 

「このアヌビス神、絶対に、絶対に、絶〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」

 

『絶対』という言葉を、溜めに溜めるアヌビス神。そして……

 

「………〜〜〜〜〜対に!負けなァァァーいッ!!」

 

言い切ると同時に、千雨に襲いかかるッ!!

 

 

 

 

 

←to be continued...

 




16話です。
・サブタイトルは言わずもがな、「吉良吉影は静かに暮らしたい」から。

・冒頭で話し合うせっちゃんと、それに呼ばれる徐倫。誰がスタンド使いかはお楽しみに。

・千雨のネットアイドル活動。リメイク前に、千雨の心の叫びを追加しています。

・アヌビス神登場。今後の展開を考えて、ティアに憑かせました。

・今作の千雨はポルナレフの娘です。スタンドは彼から受け継ぎました。

では、次回をお楽しみに!
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