ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#17/長谷川 千雨は静かに暮らしたい ②

「しっかしよぉー、随分と広い街だなぁーここは。」

 

その男は、地図を片手に住宅地を歩いていた。引越しもひと段落着いたので、明日の挨拶を前に周囲を散策しようと思ったのだ。

 

「『杜王町』と違ってヨーロッパ調でキレイだけど、下手したら迷子になっちまうぜ………えーと、この先は学生寮エリアか………?」

 

周囲と地図を見渡して自分の位置を確認していると、ふと、高いマンションの方を見上げた。

 

「――――!!!」

 

『あるもの』を見つけて、目を疑った。

慌て目をこすり、再度さっきの場所を見る。

だが、『あるもの』は実在していたため、見間違いではなさそうだ。

 

「………こりゃぁ、着任早々に厄介ごとに巻き込まれるのかぁー……?」

 

誰に言う出なくつぶやいた男は、さっきの見えたあたりまで走り出した。

 

 

 

 

 

#17/長谷川 千雨は静かに暮らしたい ②

 

 

 

 

 

時間は前後して5分ほど前。

 

 

「絶~~~~~~~~~~~対に!負けなぁぁあい!」

 

ティアナに取り憑き、千雨に『唐竹割り』を繰り出す『アヌビス神』。千雨はそれを受け流し、高く飛び上がると、空中で『前転』をしながら斬りかかる!

 

「双燕天翔流!弧牙車(こがぐるま)!!」

ガキィィン

「!!」

 

いきなり頭上からの攻撃に驚いたが、何とか防いだアヌビス神。そのまま千雨をはじき返すと、今度は横なぎに斬りかかってくる!

 

カィイイイン

「くっ!」

「なかなか面白い技を使うな………だが、今のは、もう『憶えた』ぞ!」

 

鍔迫り合いになるも、千雨が明らかに押されていた。

 

(ぐ…強い………さすが承太郎さんや父さんとやり合っただけのことはある………)「だがッ!!」

ドゴォッ

「!?」

 

無理矢理蹴りを入れて、アヌビス神から離れる千雨。すぐさま、左から突きを繰り出し、同時に右から袈裟掛けで斬りかかった!

 

「だからって負けられるかっ!」

 

慌てて防ぐアヌビス神だが、千雨の攻撃は止まらない!

左から逆袈裟、逆風、右切り上げ、右からは左薙、唐竹、突き、……ものすごいスピードで、連続で様々な方向からの斬撃を繰り出す!

 

ザシュウウ

「ぐううッ!」

 

そして、右からの袈裟掛けを喰らってしまうアヌビス神!たまらず後ろに下がった!

 

「双燕天翔流八大奥義!戦嵐月華!!」

 

構えを解かずに言い放つ千雨。

アヌビス神は、千雨の連続攻撃に驚いたものの、すぐに冷静な顔になる。

 

「なるほど…………目にも留まらぬ速さで連続攻撃を、しかも様々な方向から繰り出す技か………初見で見切るのは難しいが、確かに『憶えた』!」

「ちっ………今ので見切ったか……………!」

 

自分の渾身の技を初見で見極められて舌打ちをする千雨。恐らく、もう『戦嵐月華』は通用しないだろう………

 

「ならばッ!」

「!?」

 

すかさず後ろの木に飛び乗り、一気に蹴る!

そう、『図書館島』で『ラング・ラングラー』を倒した―――

 

「疾風月華!!」

 

すれ違い様に連続斬りを放つ!!

 

だが!

 

ガギギギギギィィィン

「何ッ!?」

ザシュウウ

「ぐわっ!」

 

全ての斬撃を受け止められてしまい、逆に一撃喰らってしまった!

 

「長谷川さん!」

「千雨と言ったな…………貴様のスピードと太刀筋は、さっきの技で『憶えた』!もう、貴様の技とスピードは、わたしには通用せんぞ!!」

 

スバルが千雨に駆け寄る中、アヌビス神はそう言い放つ。しかし、『冥府の神』の取り憑いた妖刀は、内心昂っていた。

 

(くくく………しかし、これは中々の実力者だぞ………ポルナレフの娘だけの事はある………これは、『ものをすり抜ける』我が能力を使っては『失礼』になるな………)

 

刀のスタンド故なのだろうか、強い者との闘いに、アヌビス神は血が滾っていた。刀の身体を持つ『スタンド』の『血が滾る』とは、何ともおかしい話なのだが。

 

「くっそ………純粋な『剣術』じゃあ、流石にかなわないか………」

 

流石は承太郎を本気で苦戦させただけの事はある。策や術を使わない『正統派スタンド』にして剣の達人であるアヌビス神は、かなりの強敵だ。

千雨が悩んでいると、ふと、スバルは『ある事』を思いつく。

 

「ねえ、長谷川さん、『アレ』を使えばいいんじゃあ………」

「!!」

「『アレ』?千雨、貴様何か『奥の手』でももっているのか?」

 

スバルの一言で、少し躊躇する千雨。

確かに『アレ』ならば、アヌビス神を倒せるかもしれない。だが、やつに『アレ』を憶えられたらヤバい!そういう考えが、千雨の頭を巡る。

 

しかし、

 

「大丈夫!長谷川さんならできるって!!」

 

『どこにそんな根拠があるんだ?』と聞きたくなってしまうような、スバルの真っ直ぐすぎる一言と、『明るい未来』しか見えないような輝く目で、千雨に言うスバル…

そんなスバルにため息を一つつくと、千雨は立ち上がる。

 

「お前みたいな生き方だと、気楽でいいかもな………おい、アヌビス神!」

 

小太刀の切っ先をアヌビス神に向け、言い放つ千雨。

 

「お前の言うとおり、私には『奥の手』がある。今からそれを拝ませてやるから、しかと見ろ!!」

 

言うと、深く踏み込む千雨。そして―――

 

 

 

 

 

ドンッ

 

 

 

 

 

「な!!にゃに~~!?」

 

跳んだ!

だが、『高さ』がおかしい。明らかに『10m以上』は跳んでいる!!

 

「ばっバカな!何だあの『跳躍』はッ!?」

 

アヌビス神が驚くのも無理はない。

 

『波紋』で身体能力を強化しているとはいえ、人間が『10m以上』も跳ぶのは不可能だ。

スタンドを使えばできるだろうが、千雨のスタンドは『小太刀』の(ヴィジョン)だ。承太郎の『スタープラチナ』のような『人型』なら可能かもしれないが、刀のような『道具型』では不可能なはず!

ならば、どうやって………!?

 

その謎は、すぐに解けた。高く跳んだ千雨が、『旋回』してこちらに向かってきたからだ!

その時、千雨の姿を見たアヌビス神は、全てを理解した!

 

「あ、あの『姿』はッ!!くっ!」

ガキィィン

「………ちっ、防いだか!」

 

突進してくると同時に一太刀喰らわせた千雨だが、刀身で防がれてしまい弾かれた。そのまま木にぶつかりそうになるが、手前で『急上昇』して回避、速度を緩めて降りてきた千雨を見たアヌビス神は、舌打ちをして睨み付けた。

 

「くっ………なるほど、今のは『()()()』のではなく、『()()()()()()()()()……!貴様………今までスタンドの一部だけを出して戦っていたな!」

「ああ、これが私のスタンド―――」

 

千雨は甲冑を、白金と金色に輝く「甲冑」を『身にまとっていた』!!

女性的なフォルムで、『騎士』というよりは『戦乙女(ヴァルキリー)』と言えよう。肩には『鍵穴』型の肩当てをつけ、肘当てや籠手、腰のバックルには、『蒼く輝く燕』―――双燕天翔流の紋である『卍燕』の装飾がある。頭には猛禽類のくちばしのような型をした水色のバイザーのついた兜を装着している。そして、その背中には白金に輝く『鋼鉄の翼』が生えていた。

これこそ千雨のスタンドの『真の姿』!その名を――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『アニバーサリー・オブ・エンゼル』だ!」

 

 

 

 

 

甲冑(スタンド)―――『アニバーサリー・オブ・エンゼル』を身にまとい、高らかに千雨は叫んだ。

 

 

 

 

 

本体名―長谷川 千雨

スタンド名(命名:J・P・ポルナレフ)―アニバーサリー・オブ・エンゼル

 

 

 

←to be continued...

 




16話です。
・千雨の使う『双燕天翔流』の技名は、奥義は『風』や『雨』などの天候、それ以外は『数の単位』からとってます。『弧牙車』は『恒河沙(10の52乗)』から。

・千雨のスタンド『アニバーサリー・オブ・エンゼル』。名前はALI PROJECTの楽曲『Anniversary of Angel』から。『白アリ』の中では、特に気に入ってます。 デザインは、ポルナレフの『銀の戦車』を女性的にしたイメージです。

では、次回をお楽しみに!
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