ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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第1章 ぼくの夢は立派な魔法使い(マギステル・マギ)
#01/出席番号11番 空条 徐倫


2007年 2月末

 

第97管理外世界『地球』

 

日本 埼玉県 麻帆良市 麻帆良学園

 

『聖王教会』から『矢』を盗んだオエコモバの足取りが途絶えたこの地は、明治中期に創設され、幼等部から大学部までのあらゆる学術機関が集まってできた都市である。大きな湖の湖畔を臨むヨーロッパ風に統一されたレンガ造りの街並みは美しく、学生向けとは思えない程の充実した施設を完備されている。そのため非常に広大な敷地を有しており、毎年迷子が出るとのこと。

 

しかし、その実態は『魔法使いによって造られた街』であり、東西の『魔法使い』の生徒や教師たちが多く在籍し、街の中心にそびえ立つ魔力溜まりの巨木「神木・蟠桃(しんぼく・ばんとう)」を保護しつつ、日々、魔法の修行や学園の治安維持に従事しているのだ。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

『グリーンドルフィンストリート麻帆良』

 

このマンションの206号室は、今回の任務がどれほどかかるのか不明であるためにスバルたち六課の拠点として、麻帆良学園学園長・近衛 近衛門に提供された部屋だ。2階の角部屋を相場の半額以下の家賃で良いと言われて提供されたので、少し申訳がないとは、なのはの弁だ。

フェイトとティアナ、そして、スターズ分隊副隊長――赤い三つ編みおさげの少女ヴィータと、捜索任務のサポートとして来たリインフォースⅡと眼鏡の女性――シャリオ・フィニーノは、運んできた荷物の整理を行っていた。

 

「……ふう、とりあえず、必要な荷物は運べたかなー」

 

大き目の段ボールを置いたフェイトが、一息ついてそういった。ふと見ると、ティアナが少し不安そうな表情でいる事に気が付き、フェイトは声をかけた。

 

「……やっぱり心配?スバルが」

「……ええ。まあ、年齢的に、スバルが『適任」なんだっていう事は、分かっているんですけれど………」

 

今この場にいない相棒がいるであろう女子校エリアの方を見ながら、ティアナは心配そうに呟くのであった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

長谷川 千雨がルームメイトと共に通学路を歩いていると、そのルームメイトがふと前の方を見て声を上げた。

 

「―――お、ありゃぁ明日菜に木乃香じゃねーか。あんな所で何してんだ?」

 

千雨もそちらを見てみると、確かにそこにはクラスメートの2人が、担任の高畑先生と話しているのが見えた。よく見ると、明日菜はなぜか大荷物を抱えた『10歳くらいの男の子』につかみかかっており、木乃香はそれを止めようとしているようであった。

 

「………徐倫、早く教室に行こうぜ?」

 

それを見た千雨は何かを感じ取ったのか、つかつかと早足になりながら言う。追ってきた徐倫は声をかけた。

 

「どうかしたか、千雨?」

「なーんか知らんが、今あいつ等に関わるとロクな事が起こらない気がするんだよ………朝っぱらからトラブルに巻き込まれるのは、ゴメン被るっつーの………」

 

顔を引きつらせながら、千雨は説明した。徐倫は苦笑しつつも、それに着いていった。

 

「キャーーーッ何よコレーーーーッ!!??」

「………なあ、千雨………」

「気にするな。巻き込まれるの嫌なんだよ、私は。」

 

後ろに明日菜の叫び声が聞こえたが、気にしないようにしながら2人は教室を目指した。

 

 

 

 

 

#01/出席番号11番 空条 徐倫

 

 

 

 

 

 

麻帆良学園女子中等部 学園長室

 

 

今、ここには3人の男女がいた。

 

一人は、人とは思えないくらい後頭部が長い老人、麻帆良学園学園長にして関東魔法協会理事、近衛 近衛門である

そして後の二人は――

 

 

 

「管理局より参りました、高町 なのはです。」

「お、同じくスバル・ナカジマです。よ、よろしくお願いします!」

 

そう、戦技教導官の制服を着たなのはと、麻帆良学園中等部の制服に身を包んだスバルだ。

麻帆良学園都市の最深部に当たるこの「女子校エリア」でオエコモバが目撃された事を受け、スバルはこの麻帆良学園女子中等部に『転入生』として潜入し、オエコモバの捜査と生徒の護衛の任に着くことになったのだ。

 

「大変な任務になるだろうけれど、ワシらもサポートするでのお。さて、スバルくんには『2年A組』に入ってもらうんじゃが、実は今日、『新任の先生』が来るんじゃ。」

「え?」

「新任の…先生?」

 

学園長の発言に、二人は学園長に顔を向ける。

 

「うむ、そろそろ来る頃と思うg」バアァン!

 

学園長が言い終わる前に、ドアが勢いよく開いた。

 

「どう言うことですか学園長ォオーーーーーーー!新任の先生はともかく理由(わけ)を言ってくださいぃぃーーーーー!!」

 

入ってきた少女――ツインテールに、右が緑、左が青のオッドアイ、後何故か制服ではなくジャージ――は、思いっきり叫んだ。彼女の右手には、やたらと荷物が多く、少し困惑した表情の赤毛の少年を『持っている』。

 

「アスナー、少し落ち着きー。おじいちゃん、失礼しまーす………ってあれ?お客さん?」

 

ツインテールの少女の後ろから、おっとりとした黒髪の少女が入って来る。彼女の目の前には、ツインテールの少女に驚いたスバルとなのはがいた。

 

「おお明日菜くん、こちらはわしの知り合いのなのはくんと、今日からこの学園の生徒になるスバルくんじゃ♪」

「は、初めまして、スバル・ナカジマです。」ペコリ

「あ、そうなんだ。『神楽坂 明日菜(かぐらざか あすな)』です。こちらこそよろしく。」ペコリ

 

少女――明日菜は少年を下ろし、スバルと挨拶をする。

 

「はわー、先生と転入生がいっぺんに来たんかー。

初めましてスバルちゃん、ウチは『近衛 木乃香(このえ このか)』や、よろしゅーなー♪」

 

おっとりとした少女――木乃香も、明日菜に続き挨拶する。

 

「あ、よろしく。ってあれ?近衛って…?」

 

ふと、あることに気づくスバル。

 

「うん、このかは、学園長の孫なのよ。」

「そうなんだー………(おじいちゃんに似ないで、よかったね………)」

 

明日菜に説明されて、割と失礼な事を考えるスバルであった。

 

「まあ、二人の紹介はこれ位にして、ネギ君には、まず教育実習という形で『2年A組』の担任になってもらうかのう。今日から3月までじゃ。」

「…はあ。」

「え?担任?しかも2年A組って…?」

 

スバルが、今聞いたことに疑問を持ち、少年を見る。どう見てもエリオくらいの年の子だ。

この子が先生?しかも、先ほど自分が行くことになったクラスの担任??

 

「あ、自己紹介がまだでしたね。この度、この学校で英語の教師をすることになりました、『ネギ・スプリングフィールド』です。」

「えぇーーーーーーーーーー!!?」

 

スバルの叫びが、学園長室にこだました。

 

「まあ、驚くのも無理は無いがのう。では指導教員の『ブルーマリン先生』を紹介しよう。ブルーマリン君。」

「…はい。」

 

学園長が呼ぶと、明日菜が開けて、そのまま開けっ放しのドアから、背の高い男がぬっと入ってきた。よく見ると『爪先立ち』だ。

黒いスーツはボタンを全部はずし、ネクタイはしていない。白い髪は円柱型に盛るようにセットしてあり、角が生えている。…角?

 

「指導教員の『ウェス・ブルーマリン先生』じゃ。分からないことがあったら、彼に聞いてくれ。」

「ウェス・ブルーマリンだ。生徒や親しい者からは『ウェザー』と呼ばれている。」

「は、はい、よろしくお願いします。(あの角はいったい…?)」

「ああ、一応言っておくが、ウェザー先生のそれは帽子じゃよ。」

「「「あ、そうなんだ。」」」

 

安心する三人だった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

十分後

 

麻帆良学園中等部 廊下

 

 

「へえ、スバルさんも魔導師なんですかー。」ひそひそ

「うん、ネギくんも、『こっちの』魔法使いだったんだね。」ひそひそ

「いえ、まだ修行中の身でして…」ひそひそ

 

ウェザー先生に聞かれないように小声で話す二人。

 

あの後、先に教室へ向かった明日菜達と別れた二人は、ウェザー先生に連れられ、自分たちの教室へ向かっていた。

 

「…ここだ」

「えっあ、どうも…」

 

いきなりウェザーに話しかけられて、驚く二人。この人は、基本的に無口らしい。

ネギは、廊下の窓から教室の様子を覗く。

 

(…あれ?)

 

ふと、スバルは気配のような『何かを』感じ取る。教室の方からだ。

スバルは、ネギと一緒に教室を覗いてみた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

2年A組

 

 

「ん?」

 

スバルと同じ『何かを』感じ取った徐倫は、読んでいたライトノベルから目を離し、廊下の方を見た。

 

「…?どうした?」

 

斜め前に座る千雨が徐倫の様子に気づき、声をかける。

 

「……いや、何でもない。(何だ?今のは…?)」

「?」

 

いつの間にか『何か』が消えたため、ライトノベルをまた読み始める事にした。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

(消えた…何だったんだろ?今の?)

 

『何か』が消えたため、スバルは六個くらい疑問符を浮かべ、首を傾げる。

 

「どうしました?スバルさん?」

「あ、ううん、何でもないよ!」

「……?」

 

心配するネギに答えるスバル。エリオ達位の子に心配されては情けない。

 

「じゃ、じゃああけますよ。」

「う、うん。」

「……」

 

ガラガラッ

 

「し、失礼しま――」

 

ネギがドアを開けた。すると、上からチョークの粉たっぷりの黒板消しが――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぱしっ

 

「「「「「「「!!?」」」」」」

(((と、止めた……!?)))

(((できる………!)

 

「…ふう、危ない危ない。大丈夫ネギくん?」

「あれ、スバルさん?」

 

――ネギの頭上に落下する前に、黒板消しをキャッチするスバル。なかなかの反射神経に、何人かの生徒が感心した。

 

が、

 

「すいません、全然気づきませんでじだばっ!?」

ズゴッガボンパスパスパスッゴガガガガッ

 

メメタァ

 

「ドベェーッ!?」

「ネ、ネギくーーん!?」

「「「「「「「あははははは!」」」」」」」

 

黒板消しには気づいても、他にトラップがあるのには気づかなかったらしい…

 

「ってあれ?子ども!?」

「「「「「「「えぇっ!?」」」」」」」

 

そこで、やっとネギが子どもである事に気づく生徒たち。いや、遅いよ。

 

「ごめーん!新任の先生かと思ったから…」

「いや、そいつが新任の先生だ。」

「え?ウェザー先生?」

「全員席に着け!ネギ先生、自己紹介をしてくれ。」

「あ、はい。」

 

全員が席に座ると、ネギはこほんとせきをした。

 

「きょ、今日からみなさんに英語を教えることになった、ネギ・スプリングフィールドです。よ、よろしくお願いします。」

 

緊張でガチガチになりながらも、ネギは自己紹介を終える。

 

「で、こっちが転入生の――」

 

ウェザーはスバルを紹介しようとするが、

 

「「「「「「「かわいいーー!!」」」」」」」

「え?え?」

「お、おいお前ら…」

「うわーー!?」

 

生徒たちの声に遮られてしまった。

 

「ねえ、君頭いいの?」

「どこから来たの?」

「ほんとにもらっていいんですかウェザー先生?」

 

次の瞬間、ネギは生徒たちにもみくちゃにされていた。

 

「あー、おまえ等のじゃないからなー。食うんじゃねーぞー?」

 

一応注意するウェザーだが、生徒たちは九割近く聞いてなかった。

そこに、

 

「いいかげんになさい!」

バン!!

 

「「「「「「「!!?」」」」」」」

 

騒がしいクラスを静めたのは、机を叩く音と、高めの怒声だった。

 

「皆さん、もうおやめになって。先生がお困りになっているでしょう。」

 

声の主――2年A組委員長・雪広 あやかは、クラスメート達に言う。

 

「それに、」

 

言いながら、あやかはスバルに手を向ける。

 

「「新しい」クラスメートの紹介がまだでしょう?」

「「「「「「「あ……」」」」」」」

「えーと、あ、あははー、どうもー………」

「「「「「「「す…すみません」」」」」」」

 

クラスの全員が困惑するスバルに気が付き、一斉に謝るのであった………

 

 

 

「改めて、このたびこのクラスに転入してきた、スバル・ナカジマです。よろしく!」

「「「「「「「よろしくーー!!」」」」」」」

 

ようやくスバルの紹介が済み、クラスにある程度の落ち着きが戻った。

 

「それじゃあ、ナカジマは長谷川の後ろの席に座ってもらおう。ちょうど空いてるしな。」

「あ、はい。」

 

ウェザーがスバルの席を指示する。中央の列の最後尾、そこの廊下側の席だ。

席に着き、ふと、席の隣の生徒を見た。

 

まず、背が高い。座っているが、170cm以上はあるのではないだろうか。

肌は白く、欧米の方の血が混ざっていると思われる。髪は、前髪は金髪で、後は黒。左右で団子にし、前髪の一部を後ろに回し、三つ編みにしている。瞳はブルー系で、スタイルも良い。

個性豊かなクラスでも、結果目立っている部類に入るのではないだろうか。

 

 

「スバルです、よろしく。ええっと…」

 

スバルが挨拶すると、少女はスバルに顔を向け、自己紹介をする。

 

空条 徐倫(くうじょう ジョリーン)よ。よろしくスバル。」

「うん、よろしく。(空条さんか…変わった名前だなぁ。)」

 

 

 

これが、スバル・ナカジマと空条 徐倫の出会いだった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

放課後 麻帆良学園女子中等部 校内

 

「どうだ?慣れてきたか?」

「うん。…でも大丈夫かなネギ君…」

「…まあ、自信をなくさなきゃいいけどな…」

 

校内を話しながら歩くスバルと徐倫、そして徐倫のルームメイトの『長谷川 千雨(はせがわ ちさめ)』の3人。

 

あの後、明日菜とあやかがケンカをするわ、他の生徒があおるわで、結局授業らしい授業を出来なかったネギ。初日の授業がこんな調子で、本当に自信をなくさなければいいが…

 

そして放課後、校内を案内してやると徐倫たちに誘われたスバルは、こうして案内してもらっていた。まあ、二人には『別の目的』もあったが。

 

「あ、この先が音楽室で―――」

ガラッ

「やあ徐倫。ん?その子は誰だい?」

 

不意に廊下の窓が開き、長髪にトゲつきの帽子をかぶった男が顔をだす。徐倫はその男の登場に、非常に嫌そうな顔をすると、踵を返してそそくさと歩き出した。

 

「…こっちが第二理科室だ。」

「え?これスルーしちゃうの?」

「ナカジマ、関わらない方がいいぞ…」

「ま、待ってくれよ徐倫(ジョリ)――――――ン!」

 

スルーする徐倫に驚くスバルと、スバルを男から遠ざける千雨。あわてた男は窓から乗り出してくると、初めて男の全身がわかった。

見た感じではスバルたちより3~4歳年上で、背は180位あるだろうか。体格はいい方で、陸上選手のように引き締まっている。網シャツを着込み、下はレザーのズボンだ。

 

徐倫に追いつき、肩を掴む男だが、

 

「オラァ!!」

ドグォ

「ぐぼっ」

 

振り向いた徐倫に殴られ、情けない声を上げながら廊下に倒れる。

 

「『アナスイ』!!てめぇ懲りずにまた堂々と不法侵入しやがって!!『高畑』にでも通報されたいか!?」

 

男――アナスイを怒鳴りつける徐倫。

 

「またって…なんなのあの人?」

「…あいつは麻帆良大学2年の「ナルシソ・アナスイ」ってやつでな、徐倫のストーカーなんだよ…」

 

アナスイについて説明する千雨。大学生が中学生をストーキング…なるほど、変態以外の何でもない…

 

「ち、違うんだ徐倫!実は、これを君に渡してくれって!」

 

そういうとアナスイは、ポケットから手紙を出し、徐倫に渡す。

 

「手紙?誰からだ?」

「ああ、『財団から』だ。中身は知らないがな。」

「財団…!」

「…そう、わかったわ。」

「?」

 

手紙の差出人を聞いた徐倫と千雨は、険しい表情をする。スバルはそんな二人をみて、首を傾げる。

 

「じゃあ徐倫、オレはこれで!今度食事にでも行こうな!」

 

そう言って、アナスイは来たとき同様窓から外に出る。

そしてスバルは、あることに気づく。

 

 

 

 

 

「…あれ?ここ『3階』じゃなかったっけ?」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ふう、さすがに『3階』からは派手すぎたか?」

 

着地して、そう呟くアナスイ。

徐倫たちがいたのは、『3階の音楽室の近く』だった。そこまで登るのに、彼の『能力』なら可能だ。

使い方を制限されているが、ばれなければ問題ない。そう判断したアナスイは、『能力』を使ったわけだ。

 

 

 

が、

 

 

 

ガシィ

「うおっ!?」

 

ズドォ!

「んがっ」

 

世の中、上手いこといかないものだ。

立ち去ろうとしたアナスイの足を「雲」が掴み、彼は盛大にすっ転んだ。

 

「イッテェ!なんだよ一体…」

「アナスイ、あれほど目立った『使い方』はするなと言ったはずだが…?」

 

転ばせた張本人――ウェザーは、アナスイに話しかける。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

校内 噴水前付近

 

 

「まったく、『財団』からの手紙なら、俺に渡せばいいものを…そんなアプローチしても、空条はお前にたなびかないぞ?」

「うるせぇ!お前に徐倫の何が分かるってんだ!?」

 

注意をするウェザーに反発するアナスイ。

 

「…そのセリフ、お前にそのまま返すぞ…それより、『財団』から連絡が来たってことは…」

「…ああ、恐らくは『矢』についてだな。」

 

ウェザーの言葉に答えるアナスイ。

彼らが言う『矢』とは、スバルたちが探しているものと同一なのだろうか…?

 

「となると厄介だな、少し警戒した方が…ん?」

 

ふと、ウェザーは階段の方を向き、そこにいた者に気づく。

 

「あれは…ネギくんか?」

「あん?知り合いかウェザー?」

「ああ、2年A組の担任だ。」

「………は?」

 

アナスイは疑問を持つ。まあ、仕方ないことだが。

 

「どういうことだよ担任って?まだガキだぞ?」

「まあ、頭はいいらしいからな、問題ないだろ。」

「いや、そうじゃなくt」「きゃぁぁぁあああああ!」

 

アナスイの言葉は、少女の悲鳴によりかき消された。振り向くと、階段から少女と無数の本が落ちていく真っ最中だ!

 

「な、何ぃ!」

「く!間に合うか!?『ウェザー・リポ――――』」

 

『能力』を発現させようとするウェザーだが、

 

 

 

 

 

フワァア

 

「「!!?」」

 

 

 

 

突然、少女の体が「浮いた」!

 

 

 

 

驚く二人だが、すぐさま、『浮いた原因』にたどり着く。

 

ガシィ

ズシャアアア

 

「あたた…だ、大丈夫ですか『宮崎さん』…?」

 

浮いた原因(と思われる)ネギは、少女をキャッチすると、2mほどスライディングして止まる。そして少女――宮崎 のどかは、どうやら気絶してしまったらしい。

 

「ああ、気絶してる!?ど、どうしよう…」

「あ………あんた……」

「!?」

 

声がして、ネギはびくりとする。恐る恐る振り向くと、驚愕の表情の明日菜がいた……。

 

 

 

ぱしっ

「へ?うわぁぁあああ!!?」

 

その場でネギを掴んだ明日菜は、そのままネギをどこかへ連れ去ってしまった……

 

 

 

 

 

「「………」」

 

一部始終を見ていたアナスイとウェザーは、ただ呆然とその場に立っていた。

そして、最初に口を開いたのは、アナスイだった。

 

「あ……あのガキ、まさか!?」

「ああ、多分『手紙の内容』はこれだ。『ネギ・スプリングフィールド』!彼は――――」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

数分前

中等部 3階 女子トイレ

 

 

「つまり、この麻帆良で『矢』が目撃されたっていうんだな?」

『ああ、しかも何人か『射ぬかれている』らしい。』

 

女子トイレの個室で、「糸」を指で摘み話す千雨。相手は徐倫だ。

 

二人は現在、『手紙』の内容を確認するため、スバルと別れ、このトイレにいた。わざわざ『糸』で話しているのは、ほかの者に怪しまれないためだ。

 

 

「…内の一人が『2年A組(うちのクラス)』にいるってぇのが気になるな。だれだ?そいつは?」

『……それが、「宮崎」らしいんだ…』

「な!?」

 

思いもしなかった名前を聞き、千雨は立ち上がる。

宮崎?あいつが射ぬかれた?あいつが『矢』に「選ばれた」??

 

「…それは、マジなのか?徐倫?」

『確証は得られない。だから、今後「確認を」とる!とりあえず、これは決定だな。』

「ああ…で、誰がやるんだ?」

『私かお前のどっちかだな。ウェザー先生は彼女に近すぎるし、アナスイはアレだ…』

ガチャリ

「まあ、確かにな。でも、私はパスだぞ!メンドイし。」

「…まあ、お前はそうだろうな。」

 

それぞれ個室から出て、最終確認をする。

 

ム゛ー、ム゛ー、

 

「っと、どうやら『むこうの準備』が出来たらしい。」

 

携帯のバイブを聞き「準備が」出来たと確認した徐倫は、千雨と共に女子トイレを出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よお、悪いなスバル、待たせちまって。」

「あ、大丈夫だよ空条さん。長谷川さんも。」

 

外で待っていたスバルと合流する二人。

 

「…あれぇ~~?ごめん二人とも、私『定期入れ』教室に忘れちゃった~~。一緒に取りに行ってくんない?」

「え?別にいいけど…」

 

少しわざとらしく言う千雨と、同意するスバル。徐倫は、千雨の大根役者っぷりを見て、つぶやいた。

 

「…はあ、やれやれだわ。」

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

同時刻

 

校庭

 

 

「う…ううう~」ずーーーーん

「す、すいません……」

 

落ち込む明日菜と、謝るネギ。

あの後、問いただす明日菜に対して『記憶消去魔法』を明日菜に行おうとしたネギだが、何がどうしたのか、記憶を消そうとして明日菜のパンツを消してしまった。

しかも間が悪い事に、そこへ高畑が来てしまい、明日菜は高畑にノー○ンを見られてしまう結果となった。

 

「どーーーしてくれるのよーーーーー!!魔法使いなら今すぐ時間を戻しなさいよーーーーーー!!!」

「あああ、本当にごめんなさい~~~」

 

嘆く明日菜に、ネギは謝るしかなかった。魔法使いといえど、万能ではないのだ。

 

ガシィ

「うひぃ!?」

「――――で、何でそのちびっ子魔法使いが麻帆良(こんな所)まで来て…しかも先生なんてやることになった訳……?」

 

いきなりネギの襟を掴み問いただす明日菜。仕方なく、ネギは語り始めた。

 

 

 

 

曰く、「立派な魔法使い(マギステル・マギ)」になるための修行として、麻帆良(ここ)で先生をする事になったとのこと。

「立派な魔法使い」とは、世のため人のために陰ながら力を使う、魔法界でも尊敬される仕事のひとつだそうだ。

今は仮免期間のようなもので、魔法がバレたら仮免没収の上に本国へ強制送還されるらしい。

 

「だ、だから皆さんには秘密に―――」

「………だったら、私のこと、ちゃんと責任とってよね…!」

「…へ?」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

2年A組 教室前

 

 

「あれ?明日菜にネギ……先生。」

「あ、本当だ。おーい。」

 

教室前で、明日菜たちに気付く徐倫たち。なお、徐倫が呼び捨てにしようとしたことについては流しておく。

 

「あれ?徐倫に千雨ちゃん、それにスバルも…」

「皆さん、どうしたんですか?」

「ん?明日菜も『メール』来たから教室に来たんじゃないのか?」

「『メール』?……あ、そうか!」

「「?」」

 

『メール』と聞いて思い出す明日菜。だが、ネギとスバルには何のことだかわからない。

 

「ま、教室入れば分かるよ。」

「そういうことだ。ネギ先生、ドアを開けてくれ。スバルも。」

「え?あ、はい…?」

 

未だに何か分からない二人だが、言われた通り教室のドアを開けると―――

 

 

 

 

 

 

 

パパパパァーーーン!

「「「「「「「ネギ先生!スバルちゃん!ようこそーーーー♪」」」」」」

「「へ?」」

 

クラッカーの音と、明日菜たち三人以外の生徒たちが二人を出迎えた。

 

「二人の歓迎会をやることになってね。これ買出しね。」

「その間、二人を教室に近づけないように遠ざけてたのよ。」

 

説明する明日菜と徐倫。そう、徐倫と千雨は、スバルを教室に近づけないよう、校内を案内していたのだ。

まあ、予想外の事態はあったが…。

 

「ほらほら、主役は真ん中に!」

「飲み物何飲む~~~?」

「わ、あ、どうも。」

「わ~、ありがとう。コーラある?」

「瓶ので良ければあるよ~。」

 

席に誘導される二人。相変わらずネギはもみくちゃにされているが。

 

「はは、大人気だなネギくんは。」

「見た目可愛いからな。」

「ま、オレの魅力には適わないだろうがな。」

 

そんなネギを見て感想を述べる高畑、ウェザー、アナスイの三人。

 

 

 

 

 

…………アナスイ?

 

 

 

 

 

「って何でお前がいるんだぁぁぁあああ!!!!!」

 

アナスイを見つけた徐倫は、近くにあった瓶のコーラを手に持つと、

 

ドン

「ギャアアアス!!」

 

コーラのふたを『発射して』、アナスイの額に当てた。ふたには手を触れずに。

 

(え?何今の!?魔法!?)

(魔力は全然感じなかったのに!?)

 

驚く明日菜とスバルをよそに、徐倫は手に持ったコーラを豪快にグイっと飲んだ。

 

「…空条、こいつは俺が呼んだんだ。だから、いるのには何の問題もない。」

「な!?正気かよ!?こいつが何するか分かったもんじゃねーぞ!」

「ジョ、徐倫、そんな人を変質者みたいな言い方しなくても…」

「「「「「「「変質者じゃん」」」」」」」

「なっ………」

 

クラス全員に言われ、落ち込むアナスイ。それを見て、全員が笑った。

 

 

 

 

そんな光景を見て、スバルは思った。

 

――――この笑顔を守るためにも、『矢』を見つけなければ――――と

 

 

 

ナルシソ・アナスイ――精神的に再起不能

スバル・ナカジマ―――この後、肉まん83個を完食し、クラスに「大食い」を認識させた。

 

 

←to be continued…




1話です。以前の1話と2話を合わせています。
・サブタイトルの元ネタは、『囚人番号FE40536空条 徐倫』から。サブタイトルの通り、徐倫の出席番号が11番なので、釘宮以降の番号が1個ずつずれます。

・何で2007年が舞台かというと、第六部時の徐倫の歳を逆算したら、ちょうど2007年に徐倫が15歳になるからです。アニメ第二期とかぶったのは、偶然です(笑)

・今回からしばらくは、魔法使いVSスタンド使いの構図が続きます。

では、また次回。
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