ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】 作:オレの「自動追尾弾」
#EX/竜と烈火の騎士
それは、空条 承太郎が地上本部で報告会議を行う数日前の出来事―――
「キュクルー」
「ん?」
カフェテリアでコーヒーを飲みながら書類を見ていた承太郎は、自分の足元で聞いたことのない動物の鳴き声を聞いた。見下ろしてみれば、白く小さなトカゲのようであるが、翼を持った生物がいた。
気づいてもらえてうれしかったのか、その生物はパタパタと羽ばたいてテーブルの上に乗ってきた。
「キュ~」
「………」
本職が『海洋学者』であるためか、目の前の未知の生物に興味を持った承太郎。試しにと思い、人差し指でのどの辺りを撫でてやった。
「キュゥ……グッグゥウ~~~!」
「む!?」
すると、生物は少し嫌がってか唸り声を上げて首を振った。承太郎は少し驚き、首を傾げた。
「フリード!」
すると、こちらにピンク色の髪の少女と赤毛の少年が駆けてきた。フリードというらしい生物はパタパタと少女の元に飛んでいった。
「す、すいません!うちのフリードリヒが………」
「……いや、俺の方こそ、嫌がることをしちまったようで、悪かったな………」
フリードリヒを抱く少女に承太郎も自分に非があると謝る。
「あ、ええと、初めまして、ですよね………機動六課ライトニング分隊の『エリオ・モンディアル』です。」
「同じく、『キャロ・ル・ルシエ』です……この子は、私の竜の、フリードリヒです。」
「キュク~」
承太郎に自己紹介をするエリオとキャロ。だが、承太郎は目の前の生物が『竜』と説明されて、内心驚いていた。
(『魔法の世界』とは程遠い『近未来』な街並みだったから、
「それにしても、フリードがあんな風に唸るなんて、珍しいなぁ………」
キャロが不思議そうに首を傾げる。フリードの喉を撫でてやった承太郎はある事を思い出した。
「もしかしたら、『逆鱗』ってやつに触れちまったのかもしれないな……」
「ゲキ、リン………ですか………?」
「なんですか、それ?」
エリオとキャロは、承太郎に質問をする。
「………中国の伝承によれば、竜には81枚のウロコがあって、その内あごの下の1枚は他とは逆さまに生えているらしい。これを『逆鱗』と呼ぶのだが、竜はコイツに触られると激昂し、触れた者を即座に殺すと言われているんだ………『逆鱗にふれる』という慣用句は、この伝承がもととなっている。」
「へぇ~、そうなんですか………」
承太郎の説明を聞いて、キャロに抱かれるフリードを見るエリオ。
「見たところ、フリードリヒは西洋の『ワイヴァーン』って種類に似ているが、まさか西洋の竜にも、逆鱗があるとは思わなかったぜ………」
「でも、97管理外世界の伝承なんですよね?
「というか、フリードってそもそもウロコがあるように見えないんだけど……」
「「「………………」」」
「あ、もしかしてこれかな………?」
「どれだ?」
「ほら、ここの所の………」
「いや、違うような………」
(3人とも、何やっているんだろう………?)
数分後、承太郎を呼びに来たフェイトが見たものは、フリードの首の下あたりをのぞき込む承太郎、エリオ、キャロの姿であった。
☆★☆★☆★
その日の正午
機動六課 食堂
「ここ、座っても大丈夫か?」
昼食をとっていた承太郎の向かいの席から、女性の声がした。承太郎がそちらを見ると、何回かすれ違った女性だった。
ピンクの髪をポニーテールにし、『美人』とも言える整った顔立ちにつり上がった翠の目、そして、男が十人いたら十人の視線を集めるような巨乳の女性だ。
「………………別に構わんぞ。」
「ありがとう。」
だが、既婚者で子持ちな上に日本的な女性が好みの承太郎には、彼女のスタイルなど興味がなかった……
「そういえば、何回かすれ違っただけで、自己紹介をしていなかったな。ライトニング分隊副隊長の『シグナム』だ。」
「ああ、はやてから聞いている。」
女性―――シグナムに話しかけられても、相手にしないような態度で返す承太郎。
元々感情を表に出さないタイプなために、周りの隊士たちに
「で、お前は『そんな話』をしに来たのか?」
「……ふふっ、さすがだな。」
「当たり前だ。目をそんなに輝かせていたら、誰だって分かる。まどろっこしいのは嫌いな『タチ』なんだ、さっさと用件を言え。」
先ほどよりも、いっそう強いプレッシャーを放つ承太郎。周りの隊士たちは、圧倒的なプレッシャーに耐えられず、承太郎たちからさらに離れていく。
「では、単刀直入に言おう。私と『手合わせ』してほしい。」
「…………手合わせ?」
「ああ。聞けば、お前は相当強いスタンド使いらしいではないか。いずれ私もスタンド使い達と戦う事になる可能性が高い。その時に備えて、特に強いお前と手合わせをしたいのだ。」
承太郎に説明するシグナム。だが、そんなものは建前であり、実際はただ単に承太郎と戦いたいだけである………
「別に構わんが………そういえば、お前はスタンドが見えるのか?」
「まあな………我ら『守護騎士』は、少々特殊な生まれなのだ………おそらくは、スタンドとの『波長』が合ったのかもしれないな。」
「………波長、ね………」
そういえば、『岸辺 露伴』はスタンドに目覚めた当初、自分と波長の合う人間の心を読んでいたと聞く。特殊な生まれゆえに、その『波長』が偶然合致したのだろうか………
「では、食べ終わって一時間ほどしたら、『訓練場』に来てくれ。」
手合わせの約束を済まし、二人は黙々と昼食を食べ始めた。
☆★☆★☆★
一時間半後
訓練場
今、六課隊舎の外、海上に浮かぶ訓練場は、『砂漠』と化していた。周りには大きめの岩が点々とあり、サボテンまで生えていた。
そして、中央には―――
「………『ピラミッド』………か…………」
あまり表情が変わらないため見分けがつかないが、承太郎をよく知る者が見たら、彼が『浮かない顔』をしているのに気づくだろう。
彼は砂漠、とりわけエジプトには、いい思い出がなかった。
『一晩中』照りつける『太陽』に襲われたこともあった。
砂に潜む『水』や『蜃気楼』、『電車』にも襲われた。
そして、『友』を失ったのも、砂漠だった…………
「さて、始めようか………」
「…………ああ、そうだな。」
ピラミッドの中腹にまで登り、騎士服に身を包んだシグナムが切り出した。
「改めて自己紹介させてもらおう。
シグナムは、手に持った剣を鞘から抜き、承太郎に向けた。
「わが魂、『レヴァンティン』だ。」
[どうぞよろしく。]
シグナムの紹介に、レヴァンティンも挨拶する。
「…………海洋学者 空条 承太郎。そして―――」
承太郎も、『肉体』という鞘から、己の『
「タロット大アルカナカードの17番目、『星』のカードの暗示を持つスタンド!『
スタンド―――『スタープラチナ』は、発現と同時に戦闘態勢をとる。
「『星』のカードか……確か意味は『希望と未来』、だったか?」
「ああ、オレのスタンドは、今までいくつもの『未来』を切り開いてきた。」
「ふふっ、それは楽しみだ。」
心底愉しそうな笑みを浮かべるシグナム。
承太郎の言う通り、彼の『スタープラチナ』は、多くの道を切り開いてきた。『
☆★☆★☆★
訓練場から少し離れた辺り
「あちゃー、シグナムめっちゃ楽しそうやなぁ。」
「完全にさっきの建前だったみたいだね……」
「2人ともがんばれー!」
二人の『手合わせ』を観戦しようと来たフェイトとはやて、は、ものすごく楽しそうなシグナムを見て呆れが半分、シグナムらしいなが半分の苦笑いを浮かべていた。
2人と一緒に、エリオとキャロも応援wしていた。
両者は、しばらくにらみ合っていたが、ピラミッドから瓦礫が落ちてきたのを『合図』に、お互い飛び出す!
「はあああァァーーッ!」
「オラァッ!!」
シグナムはレヴァンティンを振り下ろし、承太郎は『スタープラチナ』の右拳の一撃を放つ!
ガギィイン
「ぐっ」「むう…」
振り下ろされたレヴァンティンの側面を殴り、軌道をずらされた剣が石壁に突き刺さった!
だが、シグナムがレヴァンティンを『両手で持っていた』のに対し、承太郎は『右拳のパンチ』による一撃。
つまり!
「オラオラオラァーーーッ!」
承太郎は『スタープラチナ』の『左拳のパンチ』を放った!
「くっ!」
レヴァンティンを引き抜き、仕方なくバックステップで下がるシグナム。『スタープラチナ』の左拳はそのままピラミッドの側面へ向かい―――
バゴォッ
「!!」
ピラミッドの壁を『破壊』した!だが、破壊だけでは終わらない!
ズドドオ
「ぐうっ、こ、これが狙いかッ」
『壁の破片』が勢いよく飛んできて、シグナムを襲う!不意をつかれたため、シグナムは数発食らってしまう。
恐らく承太郎は、シグナムが左のパンチを避けるのを予想していたのだろう。ゆえに、最初から『壁』を狙い、破片を『飛ばした』のだ。
だが、『スタープラチナ』は攻撃の手を休めない!
ドン!
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」
「くっ……ハアァッ!!」
ドガガガガガガ
高く飛び上がり、シグナムに『スタープラチナ』の拳の連打―――『オラオラ』を放つ承太郎!シグナムも負けじと、攻撃を見極めて、レヴァンティンを振るう!
だが、承太郎は『飛行』している訳ではないため、滞空時間は短く、すぐに落下していく。
「そこだぁッ!」
[シュランゲバイゼン]
電子音とともに、レヴァンティンが蛇のようにうなり、連鎖刀形態『シュランゲフォルム』となる。そして、その刃が承太郎を襲う!
「む!?」
「飛竜一閃!!」
この時、シグナムは勝利を確信していた。
観戦していたはやてたちもだ。
だが!
ガシィッ
「なっ!ひ…………飛竜一閃を…………」
「『掴んだ』ぁぁああッ!?」
『スタープラチナ』が予想斜め上を行く行動を取ったため、「これで決まった」と確信していたシグナムとはやては驚き、フェイトたちにははスタンドが見えないため、空中で止まったレヴァンティンとはやてのセリフで、ようやく状況を理解した。
「やれやれだぜ。まさか『連鎖刀』になるとはな………『相手が勝ち誇った時、そいつはすでに敗北している』…………つまりッ!」
グオオン
「!!」
言いながら、承太郎はシグナムをシュランゲフォルムのレヴァンティンごと綱引きの如く『引き寄せる』!!
「最後まで油断するなって事だ!!」
そして、シグナムとの距離が1mまで縮まると、
「オラァ!!」
グオオン
「わああああ!?」
ズドオ
背負い投げの要領で、シグナムを地面に叩きつけた!
「くっ!まさかあんな荒技を…………」
「まあ、お前があれを出さなかったら、分からなかったがな。で、そいつをもとの状態に戻すのに何秒かかる?2秒か?3秒か?」
起きあがるシグナムに、着地した承太郎は問いかける。
「戻ったと同時にスタープラチナの拳をたたきこむ!かかってきな!決着をつけるぜ!西部劇のガンマン風に言うと、『抜きな!どっちが素早いか試そうぜ』というやつだぜ…………!」
「!!ああ…!」
言うと、シグナムはシュランゲフォルムのレヴァンティンを構える。
[シュベルトフォルム]
「紫電―――」
「オオオオオ…………」
カートリッジをロードし、レヴァンティンに炎を纏わせるシグナム。承太郎も、スタープラチナの右拳に力を溜める。
そして――
「一閃!!!」
「オラァ!!」
二人の渾身の一撃が、同時に放たれる!
だが、シグナムはある事に気づく。スタープラチナの右拳だ。
スタープラチナの右拳は、人差し指と中指をまっすぐに伸ばした形をしている。
なぜ、そのような形をとるのか?
シグナムがそう考えた時――――
この戦いを見ていた八神 はやては、後にこう語る。
「承太郎さんの『勝因』は―――
シグナムのおっぱいを『突っついた』ことやッ!!」
「
ドギャン
「なっ!」
ボゴオ
「か…………はッ」
勢いよい指が『伸びて』、シグナムの胸を穿ち、シグナムはそのまま吹っ飛び、気絶してしまった…………
空条 承太郎VSシグナム
WINNER―空条 承太郎!
←to be continued...
番外編です。
・サブタイトルは「ハトと女の子」から。
・フリードと承太郎。西洋の竜って逆鱗があるのかなぁって考えてのやり取り。フリードって特にツルツルな見た目なので、ウロコあるのかなって思って(笑)
・承太郎VSシグナムはにじファン時代でお気に入りだったけれど、話の流れで今回番外編として掲載。シュランゲフォルムを引っ張るシーンがお気に入り。
・流星指刺は、原作では二回しか出なかった技なので、使っちゃいました。はやての語りは、間違ってはいません(笑)
では、次回からの第二章をお楽しみに!