ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】 作:オレの「自動追尾弾」
#25/エヴァンジェリンが来る ①
男が目を覚ますと、そこは液体で満たされた、狭い筒状のガラスだった。
―――おかしい……オレはあの時死んだはずだ………なのに………なぜ………なぜ生きている………………?
男がそう思っていると、白衣を着た男と、制服を来た女が歩いてきた。どちらも、にたような紫色の髪をしていた。
何かを話しているようだが、自分から遠いので、よく聞き取れない。
だが、近づいてきた時、ある言葉を聞き取ることができた…………
―――実験は、成功したようだな。
それを聞いた途端、男は驚愕と同時に、怒りがこみ上げてきた。
―――『実験』だと?
―――まさかこいつらは!自分の「利益」のためにッ!オレを蘇らせたのかッ!!?
―――そんなことのためにッ!死者の眠りを!!魂を冒涜したのかッ!!?
―――許さねえッ!!!
男は自分の『能力』を出して、叫んだ!
「スティッキィィィイイイ!!フィンガァァァアアアアアズッ!!!」
#25/エヴァンジェリンが来る ①
新学期
『2年A組』改め『3年A組』
「―――という訳で、今日からこのクラスの副担任になる『東方 仗助』だ!どうぞよろしく!」
「「「「「「「よろしくお願いしまーーーす♪」」」」」」」
黒板に名前を書き、自己紹介をすませる仗助。全員が頭に好奇の視線を送るが、口には出さなかった。いや、出せなかった。
(副担任ってマジだったんだな………)
(まあ、木乃香やA組のダブルスピーカー(ハルナと和美)に頼んで全員に連絡済みだから、髪型については大丈夫だろ。)
既に、仗助の噂はクラスどころか学校中に広まっていた。1度ブチ切れて暴れたおかげで対策はばっちりであった事は、何とも皮肉である。
「ん………?」
ふと、隣の席の生徒が気になった徐倫。
明らかに自分よりも年下に見える容姿と身長。足下まで届くくらい長い、ウェーブのかかった金髪の少女―――『エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル』だ。
だが、彼女はあまり教室にいるときがないし、徐倫も話したことは少なかった。
その彼女が、何故かネギを強く睨んでいた………
コンコンッ
「ネギ先生、それに東方先生、今日は『身体測定』だ。A組も、すぐに準備をするように。」
「あ、そうでした。ここでですか?」
「わかりました。わざわざありがとッス。」
ウェザーが来て、二人に言う。すると、
グィイ
「わっ!?」
「聞いたなお前等。オレたちは『外出てるから』さっさと準備しろよ〜〜」
『は、は〜い……』
ネギの襟をつかみ、そのまま外へ出ていった仗助。どうやらネギをからかおうとしていたのが数名いたらしく、落胆していた……
☆★☆★☆★
「あれ?今日まきちゃんは?」
「ん?そういえばいないね………?」
「身体測定アルから、サボったとちがうか?」
「…前から思ってたけど、スバルって……」
「スタイルいいです………」
「本当………何で毎日あんなに食べて、全然スタイルが崩れないんだろ……?」
身体測定が始まり、全員が下着姿となり、雑談をしながら体重計や身長計へ並ぶA組一同。
身長計を頭に強く「コンッ」と当てたり、体重を重くしたりするイタズラをする輩がおり、結構騒がしいことになっていたが………
「あれ?スバル、その左肩のアザ………?」
ふと明日菜は、スバルの左肩に『星形のアザ』がある事に気がついた。
「ああ、コレ?小さいころ、気づいたら付いていたの。」
「そのアザって、確か………」
明日菜がちらりと徐倫の方を見る。徐倫の左肩にも、同じ形状のアザがあった。
まあ、偶然似たようなアザが付いたのだろうと自分で完結し、身体検査に戻った。当の徐倫は、「指摘されたらどうしようか」と、内心焦っていたが……
(まだ時期じゃねーと思うし………教えるのもメンドーだからなぁ………)
「ねえアスナ、そういえば、最近寮で噂になってるアレ、どう思う?」
「ああ、アレね。」
「なんか胡散臭いよね~。」
ウェーブの掛かった長い髪の
「…………アレって?」
「ああ、スバルは寮暮らしじゃないから、知らなかったわね。」
「結構前からウワサになってるんだが、満月の夜に寮の桜並木に、ボロボロのマントを着た吸血鬼が出るらしいんだよ。まあ、よくある怪談だとは思うがな……」
スバルの疑問に、徐倫と千雨が答える。
周りでは、吸血鬼の話で盛り上がっているが、何故だか木乃香がチュパカブラの話をし始めていた。
「……バカらしい。吸血鬼なんている訳ないじゃない。」
「そうだよねぇ~」
明日菜も話に加わり呆れていると、スバルも賛同する。
だが、
「………いや、いるぞ吸血鬼。」
「「!!?」」
いきなり徐倫に言われ、明日菜たち二人は驚く。
「私ら『ジョースター家』の宿敵は、吸血鬼だったらしい………実際、親父や『ジョセフじいちゃん』は、戦ったことがあるしな。」
「私の『波紋』も、元々は吸血鬼と戦うための技術だ。まあ、私は戦ったことないけど。」
「「ま……マジっすか?」」
衝撃の事実に目が点になる二人。
実際、徐倫の曾祖父のジョセフ・ジョースターや、曾々々祖父にあたるジョナサン・ジョースターは、波紋を使い吸血鬼やゾンビを倒したし、さらには、それをも超える『柱の男』や、それから進化した『
「……で、でも、確かに魔法使いや異世界人、超能力者(スタンド使い)までいたんだから、吸血鬼がいてもおかしくないわね……!」
「某世界を大いに盛り上げる団長が泣いて喜ぶような言い方だな………」
明日菜に対して、千雨が訳の分からないこと(少なくとも、スバルにはそう聞こえた)を言っていると、
「そのとおりだな、神楽坂 明日菜。」
「「「「?」」」」
いきなり幼い感じを残した声がした。
振り向くと、そこにはエヴァンジェリンがいた。
「ウワサの吸血鬼は、お前らのような元気で『
「え……?」
「はあ…………?はい………」
(………珍しいな……
☆★☆★☆★
(あれ?何だろう……この感じ………)
「ん?どうした、ネギ?」
一方、教室の外で何かを感じ取るネギと、それを気にかける仗助。そんな時――
ダダダダダッ
「「ん?」」
「せ、先生ーーッ大変やッ!まき絵が…まき絵がーーッ」
保険委員の――髪と目の色素が薄い少女――
「えーと、…『和泉』、だったか?」
「どうしたんですか和泉さ――」
まだ生徒の名前を覚えきれていない仗助が何とか名前を思い出し、ネギが亜子に聞こうとしたが、
ガラッ
「何!!?」
「まき絵がどーしたのッ!?」
「わあぁ〜〜!?」
「…………グレート」
突然教室のドアと窓が開き、目の前に下着姿のA組一同が現れた…………
☆★☆★☆★
保健室
ネギと仗助、そして明日菜やスバルたちが保健室へ行くと、ベッドでは少し顔色の悪いまき絵が、すやすやと寝息をたてて眠っていた。
「ど……どーしたんですかまき絵さん!?」
「何でも、『桜通り』で寝ているところを見つかったらしいわ……まあ、軽い『貧血』程度で、何の異常もないわ。」
(『桜通り』で……?)
保険医の話を聞き、『桜通り』という場所に、先ほどの話を思い出すスバルたち。
ふと、スバルは自分の足に何か『つつかれる』感触がしたので、足下をみる。足下には、「緑色のハンカチ」が落ちていた。それが、角の所でちょんちょんとスバルの足をつついていた。
「……あ。」
「………」
徐倫や明日菜も気づき、スバルはハンカチを拾うと、ネギたちとアイコンタクトを取って保健室を出た。
☆★☆★☆★
保健室前の廊下
「で、お前がやられる程の相手だったのか?」
徐倫はハンカチ―――否、ハンカチに取り付いた『グロウン・キッド』に話しかける。ハンカチに取り付いたため、手のひらサイズだが。
『フム、相手ハ「三人組」デ、一人ハ背ガ低く、ボロボロノマントヲ着テイタガ、後ノ二人ハ顔ガ良く見エナカッタガ、ソノウチ一人ハ『スタンド使い』ダ。近接パワー型デ、手強カッタ。私ハ、ソイツニヤラレタノダ。』
「三人組……それに、ボロボロのマントって、『吸血鬼』のウワサと一致するね………」
「犯人は『スタンド使い』か……」
『フム、能力マデハ分カラナカッタガ、他ノ二人モソウダト考えラレルな……』
「いえ、そうとも言い切れないんです。」
ネギの一言に、全員がそちらを向く。
「まき絵さんから、ほんの少しですが、確かに『魔法の力』を感じました。多分ですが、『魔法使い』と『スタンド使い』が手を組んで、何か悪いことを企んでいるかと思います……」
「………やれやれだわ。そうなると、かなりヘヴィーな状況ね……」
一応、ネギと仗助が『桜通り』あたりを見回ることになり、その場は解散となった。
☆★☆★☆★
夜の闇があたりを包み、街灯や、自販機の明かりのみが、狭い範囲を明るく照らすだけとなる。
夜空には月が浮かんでいる。今宵は満月だ。
そんな中、宮崎 のどかは、寮までの道を一人で歩いていた。
元々気が弱く、引っ込み思案な彼女は、『桜通りの吸血鬼』のウワサを思い出し、ビクつきながら歩いていた。
「こ…こわくない〜〜♪……こわくないです〜〜♪こわくないかも〜〜♪」
怖いのか怖くないのか、よく分からない歌を震えた声で口ずさみながら歩くのどか。
その時、
「ねえ」
「やひゃあッ!?」
ビクゥッ
いきなり背後から声をかけられて、思いっきり驚くのどか。話しかけた本人も、のどかの驚きぶりに、逆に驚いた。
「ご……ごめん、脅かすつもりはなかったのよ……?」
のどかが振り向くと、知っている女性だった。
期末試験後に、スバルやネギたちから『魔法』について聞いたときに、一緒にいたオレンジの髪をツインテールにした人だ。
「あ、りゃ、りゃんすたーしゃんッ!?」
「いや、ごめん。一人で歩いてたから危ないなぁって思って……」
まだ動揺しているのか、噛み噛みで話しかけた相手―――ティアナと話すのどか。
「な、なんなら寮まで送るわよ?」
「あ、ありがとうございま―――」
その時、二人はただならぬ気配を感じ取った。
――!何かいるッ!?
振り向くと、街灯の上にそれはいた。
絵本なんかの魔法使いがかぶるようなとんがり帽子に、ボロボロのマント、そしてたなびく長い金髪―――
「28番宮崎 のどかか……もう一人は知らないな……まあいい、悪いけど、少しだけその血を分けてもらうよ!」
いうと、ソイツは二人に向かって飛び出してきた!
「なッ!?」
「キャアアアア!い、『イノセント・スターター』ッ!!」
のどかは何とか『イノセント・スターター』を呼び出し、左腕から『子亀』を三匹放つ!
だが、ソイツはひらりと子亀をよけて、さらに近づいてくる!
「!?………スタンド使い!?」
「見えずとも、『気配』と『目線』で軌道くらいわかるわ!」
ティアナの叫びに答えるかのように、ソイツが叫ぶ。
その時!
「待てぇぇええッ!」
「ん?」
突然制止の声がして、踏みとどまる。のどかは完全に気を失い、ティアナがそれを受け止める。
「ぼ…僕の生徒に何をするだァーーーーッ(あ、噛んじゃった………)」
(噛んだ……)
(うわぁ、大事なとこで噛んだ………)
来たのは、杖で低空飛行するネギ!すでに呪文も唱えている!
「ティアナさん!」
「ええ!」
ティアナはのどかを連れて下がると―――
「
風の矢を吸血鬼に向かい放つ!
しかし!
「もう気づいたか………
バキキキキィイイン
「「!!」」
薬品のようなものの入った小さなフラスコを放ると、ネギの放った風の矢が、すべて跳ね返される!
「あ、あいつ!」
「やっぱり犯人は………『魔法使い』ッ!?」
吸血鬼の正体に驚く二人。
その時、はじいた衝撃で、吸血鬼のとんがり帽子が飛ばされる―――
「こ、子供……?」
「えッ!?き、君はウチのクラスの…エヴァンジェリンさんッ!?」
帽子の下にいたのは、ウェーブのかかった長い金髪に、幼い容姿の少女―――エヴァンジェリンだ。
「ふふ…十歳にしてこの『
出血した自分の手をなめながら、エヴァンジェリンは怪しく笑う…………
←to be continued...
25話、そして第二章の始まりです。
・サブタイトルは『ブチャラティが来る』から。元ネタの通り、冒頭で来ましたが………
・手のひらサイズのグロウン・キッドはお気に入り。布ならリボンでもOKなので、ハンカチでも可です。
・「何をするだァーーーーッ!」は、途中で思いつきました(笑)
では、次回をお楽しみに!