ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】 作:オレの「自動追尾弾」
麻帆良公園園内
「ええっと………はじめましてルーテシアちゃん。私…私のどかです。よろしくね?」
「うん、よろしく。」
「のどか、こんな小さい子にまで緊張してどうするですか………」
公園でルーテシアとアルフ(こいぬフォーム)偶然会ったのどかと夕映。ちなみにアギトは、ルーテシアの服のポケットに隠れている。
「ナカジマさんから、『家にお姉さんと親戚が泊まっている』とは聞いていましたが、あなたがそうでしたか。日本へは、どのような用事で?」
「…………」
【る、ルールー、話合わせて!】
元々口数が少ないためか、あるいは突然の質問で困ったのか、ルーテシアは黙ってしまう。
「あの……………?」
「お父さんを……」
「え?」
夕映とのどかが少し戸惑っていると、ルーテシアが不意に口を開いた。
「お父さんが、
「それで、
ルーテシアの言ったことに頷く夕映。微妙にかみ合っていないような気もするが………
【で……出任せだよねえ?】
【さあ………?ルールーのお父さんなんて、聞いたことも…………】
突然のルーテシアの発言に、アルフとアギトは戸惑ってしまう。口から出任せにしては、ルーテシアの目はまっすぐだったからだ。
「あれ?」
ふと、のどかは公園の外の道を走る一団を見つけた。先頭を走るのはネギだ。その後ろを、千雨やスバルたちが走っている。中でも、スバルと徐倫は明日菜とウェンディをそれぞれ背負っているため、かなり目を引く。
「あれはネギ先生たち?何かあったのでしょうか…………?」
【スバル?なんかあったのかい?】
夕映たちも気づき、アルフはスバルに念話を飛ばす。
【あ、アルフさん?実は今スタンド使いを追っていて…………】
【何ぃッ!?】
帰ってきた答えに、アルフは肉声に出しかけるくらい驚く。すぐにフェイトへ連絡しようとしたが…………
「のどか、追うですよ!」
グイィッ
「え、ゆ、ゆえぇぇぇ〜〜〜!?」
のどかが夕映に引っ張られる形で、去っていった。
【ってヤバくないか!?あののどかって子、スタンド使いとはいえあの
「……私たちも行こう!」
言うと、ルーテシアとアルフも駆け出した。
#34/ダービー・ザ・リベンジャー①
女を追っていたネギたちがたどり着いたのは、とある『ビル』だった。
「このビルに入りましたね…………」
「このビル………確かどこにも買い取られないでそのままの『廃ビル』だぞ…………近々取り壊されるとか言ってたっけ………」
徐倫はビルを見ながら言う。ネギとティアナが入り口の左右に周り、中の様子をうかがう。
「罠の類はなさそうですね…………」
「ええ………行くわよ!」
ティアナが先陣を切り、全員がそれに続く。
一階は広いホールになっており、取り壊し用の機材などが置かれている。向かい側の壁を見ると、階段があった。その右の壁には―――
「…………分かりやすい罠だな…………」
「ここまで親切だと、逆に怪しいね…………」
ご丁寧に、赤いペンキで『矢印』と『5Fまで』と描かれていた。ネギたちはあえてそれに乗り、階段を駆け上がる。
「もうすぐ5階ですね。」
「このビルは『5階建て』だ。最上階まで呼んで一体―――」
徐倫が言い終わる前に、一同は5階へ到着した。
そこは他の階に比べて、非常に明るい階だった。
床は赤い絨毯が敷かれ、周りにはテーブルやスロットが所狭しと配置されている。テーブルにはルーレットやサイコロが置かれていた。ここはまるで―――
「…………『カジノ』?」
「いつの間にこんなものを…………はっ!」
千雨が見つけた先で、その女は座りながら、トランプをシャッフルしていた。
腰まで届く金髪を、後ろは先端で7カ所、前髪も左右で一カ所ずつ三つ編みにした独特の髪型。顔立ちは整っており、目は青く、その唇には赤と黒の縦縞になるように口紅を塗っている。服装は白いワイシャツに赤いベストを着用して袖にはスペードマークのカフスボタン、首には赤い蝶ネクタイと、まるでカジノのディーラーのようだ。
ネギたちは女の座るテーブルを包囲しつつ、女に詰め寄った。最初に口を開いたのはオットーだ。
「お前…………ディードをさらった一味か!」
「………私にそれをタダで教えろと?」
「とぼけるな!アスナやウェンディ姉様を襲っておいて!!」
「オットー、落ち着け!」
チンクがオットーをなだめる中、女はシャッフルしたトランプを整えた。
「あなた、トランプの『マーク』には位があるのをご存知?」
「………何?」
女が、トランプを扇状にテーブルへ配置する。
「一般的に上からスペード、ハート、クラブ、ダイヤ………ポーカーでも、クラブのフラッシュよりもスペードのフラッシュの方が強いわ。」
「何が言いたい?」
オットーがしびれを切らして、女に詰め寄る。すると女は、トランプの中から一枚選び、手元に寄せた。
「私の選んだこのカードよりも、あなたがその山から選んだカードの位が高ければ、その『ディード』って子のことを教えてあげるわ。ただし、あなたには『
「………わかった。選べばいいんだな」
「グッド!」
「オットー!」
チンクが止めるのも聞かず、オットーは女の持ちかけた『賭け』に乗ってしまう。一方、徐倫はあることを思い出しかけていた。
(『魂』を賭けるだと………確か前親父に聞いたような…………まさか!)
「オットー!今すぐ『賭け』を降りろ!!」
「空条?」
「もう遅い!すでに賭けは閉じられた!」
徐倫が叫ぶも、オットーはすでにカードを選び、開いていた。
選んだカードは『スペードのA』だ。
「…………ぼくの勝ちだ。これより『位の高いカード』はない。」
「そうね…………『普通は』。」
女もカードを開く。カードは―――
「なっ……………『
「ふふっ、私の勝ちみたいね。ジョーカーはどこにも属さない『トリックスター』………故に、その強さは全カード中最強!!」
女の言葉に、オットーは絶句する。徐倫はすでに遅かったと、青ざめた。
「ふふっ『ジョーカーがあるからトランプは面白い』…………あなたもそう思わない?さて、では払ってもらいましょうか!」
「……えっ払う!?何を?」
「『魂』よ。あなたはさっき確かに賭けたわ。『魂』!我が『
『!!』
「ダービーだと……確かそいつは!?」
女―――『ダービー』が言うと同時に、オットーの背後にスタンドが現れた!
細身のロボットのような腕と下半身に女性的な胸部を持ち、顔には目元のみが開いた白い仮面を付け、両肩と胸、両腰にも同じ仮面がある。頭からはコードが髪のように伸び、それがオットーを捕まえていた!
「こ………これは!?う、うわああああああああああああああああ!!!」
「オットー!?」
スタンドが、掴んだオットーから『魂』を抜き取る!魂を抜かれたオットーの肉体が床に倒れると、女は不敵に笑った。
「私の名は『ルーニー・S・ダービー』。綴りは『L.U.N.Y.S.D’.A.R.B.Y.』。Dの上にダッシュがつく……オットーは賭けに敗北した…したがって、『魂』はいただく!」
ダービーはそう名乗ると、『ポーカー・フェイス』はオットーの魂をグニグニと形を変えていき、最後にバーーンと押しつぶす!そして―――
コローーーン
その手の中から、1枚の『チップ』がテーブルの上に落ちた。チップには、目を瞑ったオットーの顔がある………
「これがオットーの『魂』よ……さっき手に入れた『神楽坂明日菜』と『ウェンディ』を含めて、これで3人を再起不能にしたわ。ふふっ………」
ダービーはオットーのチップを拾い見せつけると、懐からチップを二枚出す。チップには、明日菜とウェンディの顔があった。
「!アスナさん!ウェンディさん!」
「やはり貴様、二人を………!」
「……………ダービーって聞いてようやく思い出したわ………………あんた、親父と戦った『
「ふふっ、やっぱり知っていたわね、空条徐倫。ええ、私はあなたの父、空条承太郎に敗れたダニエル・J・ダービーの娘よ!ここにいるのは依頼主と利害が一致したからでもあるし、父の無念を晴らすためでもあるわ!」
「貴様ッ!!」
チンクはスティンガーを取り出すが、ダービーは右手で征する。
「おっと、私を殺さない方がいいわ。私が死んだら、3人の魂は天へ行き、そのまま戻らない………つまり、『死』を意味する!『魂』を取り戻したければ、私と賭けをするしかないのよ………」
「ぐ……………」
ダービーの言葉に、チンクは押し黙る。すると、徐倫がダービーの向かいの席についた。
「空条?」
「あんたの狙いは私と千雨でしょう?だったら『ポーカー』で勝負しましょう………」
『!!』
徐倫の行動に、全員が驚く。普通は『勇気ある行動』と思われるだろうが、ネギたちは『無謀』と解釈した。
「く、空条さん!一体何を考えているんですか!?」
「そうだ!もし負けでもしたら……………」
「大丈夫だ。ポーカーなら私にも勝ち目はあるし、それに、あいつが「イカサマ」しても、私なら見破れる。」
「ふふっ、ずいぶん自信があるのね?面白いわ!」
ダービーは新しいトランプの箱を用意する。ふと、徐倫に聞いた。
「………そう言えば、例の言葉を聞いていなかったわね?」
ダービーに聞かれた徐倫は、やれやれ、と息を吐き、宣言をした。
「賭けるわ、私の『魂』を!!」
「グッド!!」
☆★☆★☆★
徐倫がダービーに勝負を挑んだ頃――
廃ビル1階
「ゆえ〜〜、あ、危ないよ〜〜〜帰ろうよ〜〜〜〜〜…………」
夕映に引っ張られる形でビルに入ったのどかは、夕映を必死に説得していた。怖いからというのもあるが、ネギたちが入ったという事は、このビルには『敵スタンド使い』の罠があるに違いない。そんな場所に、魔法もスタンドもない夕映を巻き込む訳にはいかないからだ。
「何を今更。最近、あの人たちはよく一緒に行動をしていますし、怪我をして登校するのもしょっちゅうです。おまけに理由を聞いても『階段で転んだ』とか『天井からタライが落ちてきた』とか『ドーナツ作りに失敗した』とかありえない返答が返ってくるですよ!?これは何かあるに違いないです!」
「何ハルナみたいなこと言ってるの〜〜〜〜〜〜〜!?」
だが、夕映も引き下がらない。気になってついてきたルーテシアたちも、後ろでため息をつく。
【どうするんだい?あの子、かなり強情だよ?】
【ルールー……】
【大丈夫…………いざとなったら『ガリュー』を呼ぶから。】
念話で打ち合わせる3人(2人と1匹?)。『召喚魔導士』であるルーテシアの召喚虫『ガリュー』なら、並のスタンド使いに遅れをとることはない。
そのときだった。
「ウウゥ〜〜〜〜〜」
「ガウゥ〜〜〜〜〜」
犬のうなり声がした。
「へ?これって…………」
「野良犬のたまり場にでもなっているのでしょうか…………?」
【アルフ…………】
【…………いや、「犬」の臭いはしない………!この『臭い』は―――】
ビルの中に放置された鉄骨や材木の影から、何かがいくつも飛び出した。だがそれは、『野良犬』などというかわいらしいものではなく―――
「ウウゥ〜〜〜〜〜」
「ハフッハフッハフッ…………」
「ば…………バルーンアートの………」
「犬……………?」
もっとかわいらしいものだった。ピンクやオレンジのカラフルなバルーンアートの犬が、うなり声をあげながらフワフワとのどかたちに近づく。
だが、のどかは『かわいらしい』故に『恐怖』を感じ取った!
「ダービーに『援軍が来たら厄介だから見張っていてくれ』と頼まれた世界だが、どうやらそれは間違っていなかったようだな。」
不意に、階段の方から男の声がして、そちらを向く。
「一つ忠告をしておくと、君たちがそれ以上近寄らない世界なら、我がスタンド『チューブラー・ベルズ』のバブル犬は君たちを襲わない世界だ。だが、近づいた途端、バブル犬は君たちを食い殺す世界となるだろう…………私も、できれば子供は殺したくない世界なんだ…………今すぐ立ち去るがいい。」
出てきたのは、黒い肌の男だ。
縮れた髪を短く切り、目元には渦巻き模様の入れ墨が施されている。服は茶色いコートを着て、ジーンズにはトゲのようなものがついていた。
「な…………何ですかあなたは………………?」
「スタンド使い…………!」
のどかは、『イノセント・スターター』を出し、戦闘態勢をとる。ルーテシアも、ブーストデバイス『アスクレピオス』の準備をする。
「………なるほど、立ち向かう世界というわけだな……………宮崎のどか………
「えっ………?(
「ゆけッ!!『チューブラー・ベルズ』!!」
のどかが迷う暇もなく、男のかけ声と共にバブル犬がのどかたちに向かって飛びかかる!
男の名は『マイク・
スタンド名は『チューブラー・ベルズ』
←tobecontinued...
33話です。
・サブタイトルは「ダービー・ザ・ギャンブラー」から。
・ルーテシアの父親の正体は、いずれという事で。よく考えたら、何気に桑谷さんキャラが3人っていうすごい状況だ………
・ダービー(娘)登場。前回も言いましたが、ジョジョはこういう頭脳戦も面白さの一つですので、代表格であるダービーを出しました。
・マイク・O登場。同じビル内で『頭脳』と『肉体』の闘いを繰り広げる、という展開にしてみました。
では、次回をお楽しみに!