ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#36/ダービー・ザ・リベンジャー ③

「……?どうしたの?カードは配り終えたわよ………?」

 

配ったカードを見もしない徐倫に、ダービーは不思議に思う。

 

「まさかとは思うけど、私の父の時のように、ビビらせてゲームから降ろすなんて考えてるんじゃないでしょうね?」

「いや……………ところで、一つ聞きたい。」

「?何かしら…………?」

「もしお前がイカサマをしているとして、私がそれを見つけたら、お前は『負け』を認めるか?」

 

徐倫の質問に、ダービーだけではなく、ネギたちも不思議がる。なぜ徐倫は、このタイミングでそれを聞くのだろうか……?

 

「……ふふっ、何を言い出すかと思えば……………ええ、『認めるわ』。イカサマを見破られるのは、博打打ちにしてみれば恥ずべき事…………素直に負けを認めるわ。ただし、『()()()()()』の話だけど、ね。」

 

ダービーは、自信ありげに答える。徐倫は不敵な笑みを浮かべ、カードを手のひらで扇状に広げた。

 

「………ありがとう、それを聞いて安心したわ………」

 

 

 

 

 

#36/ダービー・ザ・リベンジャー ③

 

 

 

 

 

☆第8ゲーム★

徐倫:5―ダービー:19

ディーラー:ダービー

 

「思ったんだけどさぁー………」

「?」

 

互いにチップを払い、徐倫が2枚捨てながらダービーに話しかけた。

 

「アンタのおじさん………『テレンス』、だっけか?いるじゃん?」

「………ええ、空条承太郎に負けたのを機に引きこもって、今じゃあネトゲに()()()()滅多に外に出てないそうだけど………」

「ソイツも、賭けに負けたやつの魂奪う能力だけど、それ以外に『他人(ひと)の心を読む』能力持ってたそうじゃない?」

「え………?」

 

手札を捨てようとしていたダービーの手が止まる。

 

「もしかしてアンタもさぁ~~~………()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()~~~………?」

「……………」

 

その場に緊張が走り、たらりと、ダービーの頬を一筋の汗がたれる。

 

(べ、別の能力…!?)

(スタンドは『1人一能力』………似通ったものはあるけれど、一人ひとりが違うスタンドを持っている………)

(だとしたら、この人も………)

 

一同が考えを巡らせていると、ふふっ、とダービーが嗤い、カードを2枚捨てた。

 

「何を言い出すかと思えば………『心理的揺さぶり』のつもりぃ~?だとしたら、とんでもなくお粗末さまねぇー………?」

 

そう言って、カードを引こうと(デック)に手を伸ばし―――

 

 

 

 

 

「そこォッ!!」

ガシィッ

「!?」

『!!』

 

しかし、伸ばした手をネギの肩から飛び出したカモに捕まれる!

 

「な……こ、このイタチは………!?」

「オコジョでぃ!姐さん、コイツ自分の引くカードすり替えていたっすよ!」

「喋った!?」

 

カモに驚くダービーであったが、カモはダービーの服の袖を噛み千切った。すると、バラバラとカードが何枚も零れ落ちた。

 

バララララ

「か!カードが『袖の中から』………!」

「『柄の同じカード』を袖の中から出して、自分が有利になれるカードを引いていたのか………」

「け、けど……どうやって徐倫のカードを言い当てて、尚且つ強い役にしていたんだ………!?」

 

千雨の言う通り、ただのすり替えだけならば、徐倫の役を言い当てたりできない。

すると、徐倫がおもむろに立ち上がった。

 

「1つ、分からないことがあってさぁー、ダービーさんよぉー………」

「む?」

「アンタ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ー?」

「うっ……?」

 

徐倫の質問に言葉が詰まるダービー。スバルが、首を傾げた。

 

「い、いつって………私たちがカフェで合流する前に………」

「そう、『合流する前』でしょうね。だけど、それだと『おかしいのよね』ぇー………」

「おかしい……?」

「だってそうでしょ?私達があの席に着くまで、1分もしなかったのよ?いくら明日菜たちでも、その短い時間の間に賭けに負けるなんて、考えられないし、そんなことをしたら、周りの客が騒ぐはずでしょ?」

「た、確かに………」

 

徐倫の説明に頷くネギ。徐倫は続けた。

 

「だったら『カフェに来る前』?でも、これだともう1つおかしい事になるわ……けれど、納得もできるのよねぇー………」

「え………?」

 

そう言うと、徐倫は自分の後ろに立つティアナに向き直り、

 

 

 

 

 

「『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

 

 

 

 

『あ!!』

「ッ………!!」

 

ティアナにビシッ!と指をさして言い放った!

 

「ま、まさか………!?」

「ティアナの位置なら私の手札も見えるわ………ティアナが後ろから見たその手札よりも強い役にしていた、ってのがイカサマの真相って事かしらねぇー………」

 

徐倫の説明に、スバルたちも頷く。すると、冷や汗でびっしょりになったティアナが口を開いた。

 

「な、何を言っているのよ!?何で私が………」

「ふ、ふふっ………勝てそうにないからって、仲間を疑うなんてねぇ………別に言い当てたりしたのは、ブラフかもしれないのに………」

「しらばっくれるんならよぉー………」

 

ティアナに次いでダービーも言う。しかし徐倫は『ストーン・フリー』を出して、

 

ドグシャァアッ

「ぐえっ!?」

『!?』

 

ティアナの顔面にストーン・フリーのパンチをお見舞いした!殴られたティアナは、離れた場所のテーブルに激突した!

 

「これではっきりするんじゃねーのぉー?」

「い、いや、むちゃくちゃすぎるんじゃぁ!?」

 

鼻血を出して倒れるティアナに徐倫が言い放つと、ネギが思わずツッコミを入れた。その時であった………

 

シュンッ

「………ん?あれは?」

 

千雨は、ティアナの体から『白い何か』が飛び出たのを見た。素早く『エンゼル』の篭手を装着すると、それを捕まえる。

 

「これは…………ヤツの『スタンド』についていた『仮面』か!」

 

そう、それはダービーの『ポーカー・フェイス』についていたものと同じ、『スタンドの仮面』だった。徐倫に殴られた影響か、表がひび割れたそれの裏を見ると丸いくぼみがあり、そこに『チップ』がはまっていた。

 

「『ランスターの魂のチップ』がはまっているな………成る程、『魂を奪った相手を操る能力』だったワケか………」

「これで言い逃れは出来ないようだなぁー!?」

「う……うぅっ……(まさか………私のイカサマが………)」

 

ダービーは徐倫の推理力に戦慄した。戦慄して、恐怖を覚えた。それはつまり……………

 

 

 

 

 

ボーーーン

「「!!」」「アアッ」

「ああッ!4人の魂が!」

「戻ってくるッ!」

「しまった!うっかり魂を……!」

「やれやれ……魂が解放されたってことは、あんたの「心」が負けを認めたということね…………」

 

チップが元の『魂』に戻り、それぞれの身体へ戻っていく!

 

「大丈夫か?お前ら!?」

「「「う〜〜〜ん………?」」」

「ジョースター家……………まさかこれほどとは………………!」

 

徐倫の洞察力に感服するダービー。父である『ダニエル』や叔父の『テレンス』が、徐倫の父承太郎に敗北した理由が分かった気がした。

 

「…………………『逃げる』ッ!!」

ガタッ

「あっこらッ!」

 

あまりの恐怖に逃げ出すダービー!徐倫たちは追おうとするが……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドグシャア

『!!』

「がっ…………???」

 

突然スタンドが現れ、ダービーを殴り倒した!

 

左半身は青、右半身は赤を基調としたボディに中央に左右を分けるように金のラインが入ったロボットのようなデザインで、目はゴーグルのようになっており、口はなくガスマスクのようだ。頭はまるで花魁の髪型のように大きく、後光が差すように角が生えている。また、頭部や手の甲、腰には大極図が描かれていた。

 

『残念だったねダービー。』

『空条 徐倫をなめてかかるからこうなるのさ。』

 

スタンドから『二つ』の声が発せられた。一つは声変わり前の少年、もうひとつは、少年と同世代くらいの少女のものだ。

 

「あ…………あなた『たち』は……………!」

『『悪いけど、連れて行かせてもらうよ!!色々聞きたいことがあるからね!!』』

 

二つの声が同時に発せられると、スタンドはダービーをつかむ。

 

「おいッお前は一体………」

「その人をどこへ連れていく気ですか!?」

『ああ、君たちにはいずれ、うちの『お嬢様』から直々に話されるよ。』

『今いえるのは、私たちは君たちの敵ではないことくらいだよ。』

『『それまで、気長に待っててね♪』』

 

スタンドはそう言うと、シュッとダービーごと消えてしまった。

 

「消えた!?」

「『オエコモバ』の時と同じだ!何の反応もなく『転移』したぞ!!」

 

ダービーは倒せたものの、新たな謎が生まれた……………

 

 

 

「……で、ブッ、何で私は……鼻を折るほどの怪我をしてるの………?」

「それについては後で説明するから…………」

(あ、操られてる間の記憶はないのね………)

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

廃ビル1階

 

(…………彼女の見た者が何者かは知らない世界だが、敵である可能性が高い世界だな…………)

 

マイク・Oは夕映がみたという人物に警戒しながら、のどかたちを追い込む。

 

「……ガリュー、アギト、2人について!」

「…………」コクリ

「分かった!」

 

ルーテシアの指示で、アギトとガリューはのどかと夕映につく。

 

「お前、私から離れるなよ!」

「あ……あなたたちは一体………?」

「…………それは後で説明する!」

 

手のひらサイズの頼りないながらも、力強く夕映に叫ぶアギト。彼女もスタンド使いと戦うのは初めてだが、非戦闘員である夕映を守る思いがあった。

 

「………上っ!!」

ボウウッ

 

上から来るバブル鳥に火炎弾を放つアギト。バブル鳥は元の鉄板に戻り、半分に焼き切られて落下する。だが、すぐに別のバブル鳥が二人に迫る!

 

「ち………数が多すぎるっ」

「元々ここは改装に使う機材が多いです………それを使っているのでは…………」

 

すでに周りには二十を越えるバブル鳥やバブル犬がのどかたちを囲っていた。それらは今にも飛びかかってくる勢いだ。

 

「これで終わりだ。すでに我が『チューブラー・ベルズ』の処刑準備は完成した世界!一斉に飛びかかられては、ひとたまりもない世界だ!行け!!」

 

マイク・Oが叫ぶと同時に、バブル犬たちがのどかたちに襲いかかる!

もうダメかとのどかは諦め、強く目を瞑る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(………………?)

 

だが、痛みはやってこない。痛みを感じる間もなく死んだかと思い、のどかは目を開ける。

 

「!!えッ!?」

 

目を開けたのどかが見たのは、あれだけいたバブル犬たちが見当たらない、だだっ広いビルの内部だった!

 

「こ………これは!?どこだ!我がバブル犬たちはどこにいった!?!?!?」

 

どうやらマイク・Oにも事態が飲み込めないようだ。では、誰が……………?

 

 

 

 

 

「これを待っていたわ………マイク・O、あなたがこの部屋にある金属をすべて『チューブラー・ベルズ』の配下に置くこの時を!」

 

不意に入り口から声が、まだ幼さの残る少女の声が聞こえた。

そちらを見ると、のどかたちと同い年くらいの少女がいた。

身長は、靴の厚みを考慮しても夕映より少し高いくらいで、白髪に近い銀髪の髪を左右で縦ロールにしており、服装は黒を基調としたゴシックロリータ服で、左手を包み込むように布で隠している。

『お人形さんみたい』―――それが、この少女に対するのどかの第一印象だった。

 

「!ばっ、バカな!?あなたは………!」

「このビルは以前、私が使ったことがあるの。すでに『見取り図』は手に入れていたわ。サルシッチャの『アンダー・ザ・レーダー』は地図上にあるものを手元に寄せたり、逆に地図上に転移させる能力!すでにバブル犬たちは、ビルの4階に転移させてあるわ。」

 

見ると、少女の後ろには長い銀髪の男―――サルシッチャがいた。その手元には地図があり、それを覆うようにスタンドが存在していた。

 

「ル……『ルル・ベル様』!?なぜあなたがここにッ!?」

「マイク・O………彼女、『宮崎 のどか』は私にとって大切なスタンド使いなの………傷つけられては困るわ………」

「えッ?」

 

ルル・ベルと呼ばれた少女に『重要なスタンド使い』と言われて、戸惑う。

 

(わ………私が大切なスタンド使い………!?もしかしてこの人………!?)

「まさか………私たち以外でスタンド使いを生み出しているのは………!?」

「だから、あなたにはそれを命で償ってもらうわ!」

 

言うやいなや、いきなり猛スピードでマイク・Oに近づくルル・ベル!すでにスタンドの両腕が出ており、マイク・Oにラッシュを放った!

 

「オルオルオルオルオルオルオルオルオルオルオル………」

ズドドドドドド

「ぐああっ!?(か……彼女の能力が私に!?)」

「………君たち、目を瞑っていろ!トラウマになりたくなければな……………」

 

サルシッチャに言われて、訳も分からないまま目を瞑るのどかたち。

唯一目を開けていたガリューは、これから起こることをルーテシアが見なくて良かったと、心から思った………

 

 

 

 

 

ルル・ベルのラッシュを喰らったマイク・Oは、徐々に「浮いていく」!それは『ラッシュの反動』ではなく、まるで『空中に吸い寄せられる』かのようだ!

 

「な………………なぜ…………あなたが……………!?」

「あなたは知らなくていいことよ…………永遠にね。」

「う…………ウゴァァァアアアアアア」

 

マイク・Oが断末魔の叫びを上げると―――

 

 

 

 

 

バンッ

 

 

 

 

 

まるで風船のように『破裂した』………………

 

 

 

 

 

「…………マイク・Oの処理は私が。」

「お願い。ああ、もう目を開けてもいいわよ?」

 

ルル・ベルが言うと、のどかたちは目を開ける。すでにマイク・Oの死体はなく、あるのは血の跡だけだった。

 

「な………何なのですか、あなたは……………!?」

「それはまたの機会に。今回は偶然通りかかっただけよ。隠れた場所にある金属をもあいつが配下におくのを待ったから時間がかかったけどね…………」

 

ルル・ベルは「一応」申し訳ないように言う。のどかは、彼女に聞きたいことがあった。

 

「………あなたが私の能力を?何のために?」

「………いずれ分かる事よ………」

 

ルル・ベルはそれだけ言うと踵を返し、音もなく転移していった。

 

 

 

 

 

ルーニー・S・ダービー――スタンド名:ポーカー・フェイス――行方不明 再起不能

マイク・O――スタンド名:チューブラー・ベルズ――死亡 再起不能

ティアナ・ランスター――この後、仗助に鼻を治療してもらう。

 

 

 

 

 

←to be continued...




36話です。
・『イカサマは心理的盲点をつくこと』、かつてダニエル・J・ダービーはそう言いました。今回の盲点は「仲間」です。よく見ると、1人だけセリフが冷静だったりします。

・ダービーをさらったスタンド使いはいずれ、という事で。

・ルル・ベルのスタンドがちらり。マイク・Oの死亡シーンは、原作での死に方とあまり変わりません………かなり残酷ですが………

では、次回をお楽しみに!
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