ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#37/吸血鬼の家にお見舞いに行こう

女子寮

徐倫と千雨の部屋

 

 

「で、どういう訳か説明してもらえますかッ?」

 

テーブルにどっしりとかまえ、スバル達に問う夕映。ネギたちは完全に困っていた。

 

(ど……どーすんですか兄貴!こりゃー説明するまで帰ってくれやせんぜ!)

(で……でも、夕映さんまで巻き込むなんて……………)

(で…でもどうやって納得させるの?)

 

正直に答えれば夕映を戦いに巻き込んでしまうし、かといって、夕映を納得させるような嘘が見つからない……

 

(そこで問題だ!この面子(私、ネギ、徐倫、明日菜、スバル、ティアナ、のどか、カモ)でどうやってあの綾瀬を納得させるか?

3択―ひとつだけ選びなさい

答え①ぷりちーなちうたんは突如納得させるアイデアがひらめく

答え②仲間がきて助けてくれる

答え③この面子じゃ無理。巻き込んでしまう。)

(…………私が真っ先にマルをつけたいのは答え②だけど、期待はできないわね……ゆえちゃんを納得させることができそうな、例えば承太郎さんとかがあと数秒の間に都合良くあらわれて、アメリカンコミック・ヒーローのようにジャジャーンと登場して『まってました!』と間一髪助けてくれるってわけにはいかないわよ………)

(じゃあどうするのよ!?)

 

全員があたふたしている中、動いたのは徐倫だ。

 

「分かった夕映、話そう。」

「徐倫!?」

「悪い千雨、私にも無理だ…………こいつの頑固さは私もよく知ってるしな…………答えは③だ。」

 

徐倫でもダメだったのかと諦める一同。

だが、

 

 

 

 

 

「…………なるほど、つまりあれは、『麻帆良大学工科部』で実験中の警備システムだったのですね。」

「ああ、実験中に何体か持ち出した人がいて、それを回収に来たらしいんだよ。実験中の機体だったから、ケガはそんなに深くなかっただろ?」

「……ええ、傷跡も残っていませんしね。」

 

その考えは覆された。

某スケベ亀顔負けな徐倫の巧みな話術(曾祖父・ジョセフ直伝)で、夕映は徐倫のウソを信じ込み、納得してしまった。実際、麻帆良(ここ)の生徒ならそれくらい作れそうだからあながち間違いではない。

 

(す……すごいですね空条さん………)

(うん、すごいけど………)

(あいつ、私らまで欺くなんて………)

(詐欺師になれるんじゃない?)

 

助かったが、徐倫の手口に呆れる一同だった。

 

 

 

というわけで、答えは①でした。正解者に拍手♪

 

 

 

 

 

 

#37/吸血鬼の家にお見舞いに行こう

 

 

 

 

 

グリーンドルフィンストリート麻帆良

206号室

 

 

「―――で、お前を助けた奴………『ルル・ベル』って言ったか?そいつがお前やネギを矢で射抜いたっていうんだな?」

「は、はいー………本人は、そう言っていました………」

 

夕映と別れ、内緒で206(ここ)に集まった一同。

のどかを助けた『ルル・ベル』という少女………助かったが、謎だらけな少女だ。

 

「それに、おまえ等を襲った「マイク・O」の話と照らし合わせると、『矢』は盗まれた以外に『もう一本』あって、千雨を狙ってる連中とは別の勢力が持っているらしいな………」

「たしか『矢』は、破壊されたものを含めて『6本』あるんですよね?じゃあ、その一本は…………」

 

矢は1986年にエジプトの遺跡から発掘され、その内5本は『エンヤ』という老婆から散り散りに渡っていったという。1本はイタリアのギャングが所持していたが、既に破壊されているらしかった。

 

「……一本、心当たりがある。」

 

承太郎の言葉に、全員が承太郎の方を向く。

 

「『吉良 吉影』のオヤジが所持していた矢だ。」

「!き……『吉良』って確か、………!?」

「た……確かにあの矢は見つからないままッスけど………!」

 

吉良 吉影―――かつて仗助の故郷「杜王町」で15年に渡り48人の女性や、自分を邪魔する者を人知れず殺してきた殺人鬼。仗助たち杜王町の住人が倒した殺人鬼の父親が所持していた『矢』は、吉良を倒した後も見つからないままだった。

 

「ああ、それと一本だけ行方が知らないままの矢がある。それが一本ずつ、それぞれの勢力に渡っているのだろう。」

 

承太郎はそう言うと、適当な紙を持ってきてペンを走らせた。

 

「分かりやすくすると、こんな感じか?」

 

 

 

☆矢の行方★

 

・矢A――虹村 形兆が所持し、音石 明が奪ったもの。1999年に、SPW財団が回収・保管している。

 

・矢B――『吉良 吉廣(写真のオヤジ)』が所持していたもの。1999年から行方不明だが、承太郎は『聖王教会』に保管されていた『矢』はこれでは?と推測している。

 

・矢C――イタリアのギャング『ポルポ』が所持していたもの。2001年に破壊された。

 

・矢D――2001年までポルナレフが所持していたもの。イタリアのギャング『パッショーネ』により保管されている。

 

・矢E――2年前、空条 承太郎がアメリカで発見し、何者かに奪われた後に徐倫へ送られたもの。SPW財団が保管している。(徐倫やまき絵は、この矢でスタンドに目覚めた。)

 

・矢F――不明。『ルル・ベル』が所持している?

 

 

 

「―――確か、吉良のオヤジは『爆発』により天に召されたはずだ。それが原因で『矢』がミッドに転移した可能性がある。」

「なるほど…………管理外世界からミッドに転移するのに一番多いケースに、大規模な爆発に巻き込まれるというのがあります………有り得ないわげではありませんね………!」

 

承太郎の仮説にフェイトも賛同する。

 

「………とにかく、向こうが敵じゃないと言ってはいるけど、警戒した方がいいわね…………そいつらの目的も分からないし………」

 

徐倫がそうしめて、その場は解散となった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

翌朝 月曜日

麻帆良学園女子中等部廊下

 

 

(スタンド使いたちの襲撃も活発化してきている……………この間エヴァンジェリンさんは満月までって言っていたけど、それまでスタンド使いたちが待ってくれる保証はない!)

 

ネギは『果たし状』片手に廊下を歩いていた。これ以上スタンド使いとの戦いが激化する前に、エヴァンジェリンとは決着を付けたい。

 

(逃げずに立ち向かうんだ!そのための『立ち向かうもの(スタンド)』なんだから!)

 

そう意気込んで、ネギは教室のドアを開く。

 

「おはようございますッ!エヴァンジェリンさんいますかッ!?」

「あ、ネギ先生。エヴァンジェリンさんならまだ来てないですが。」

「……あ、そうですか…」

 

意気込んで入ったが、まだ来てなくて気を落とすネギ。そこへ、仗助が入ってくる。

 

「おーネギ、おはよーさん。エヴァンジェリンのやつ、風邪で休むって連絡きたぞ。」

「え?『風邪?』」

(…………魔法使いな上に吸血鬼のアイツが、風邪ひいて寝込む訳ねーよな?)

 

ネギに耳打ちする仗助。一般的に吸血鬼は『不老不死』だ。風邪ひいて寝込むなど、有り得ない。

 

「………仗助さん、HRお願いします!」ダッ

「っておい!ネギ!?」

 

クラスを仗助に頼み、ネギは駆け出した。

 

「ま………間に合っ……ってネギ!?」

「すみませんアスナさん!エヴァンジェリンのお見舞いに行ってきます!!」

「え?ちょ、ちょっとーー!?」

 

明日菜が止めるのも聞かず、ネギは走り去っていった。

 

「………しゃーねーなぁー、おーい席に着けー!HRはじめんぞー?」

『はーい!!』

 

仗助は教卓に立ち、出席簿を開いて出席を取り始めた。

 

「じゃあ、出席とるぞー……“相坂”ー?」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

学園都市内

桜ヶ丘

 

 

麻帆良学園都市内でも特に自然が多い場所を、ネギは歩いていた。

 

「えーと…『クラス名簿』によると、エヴァンジェリンさんは『寮』とは別の所に住んでるのか……『桜ヶ丘4丁目29』…あ、ここかな?」

 

着いたのは、森の中に建つログハウスだった。吸血鬼らしく、墓場に建つ屋敷や古城を想像していたネギには意外だった。

 

「へぇ〜〜案外すてきな家だなぁ…………」

「少なくとも、吸血鬼が住んでる家のイメージじゃねーな………」

「そうですよね承太郎さん。…………承太郎さん!?」

 

いつの間にか、承太郎がネギの隣にいた。

 

「な………何で承太郎さんが!?」

「………あのブチャラティに聞きたいことがあってな。で、君は?」

「あ………実はエヴァンジェリンさんが風邪で休みだそうで………」

「………『吸血鬼』がか?」

 

承太郎は怪訝そうな顔をする。承太郎も吸血鬼である「DIO(ディオ)」と戦った戦士だ。故に、吸血鬼が風邪で休むとは思えなかった。

 

「………まあ、やつは『石仮面』で吸血鬼になったわけではないらしいからな………オレの知る吸血鬼とは勝手が違うやもしれん………」

「ごめんくださーーい、エヴァンジェリンさーーーん、ネギですーーー家庭訪問に来ましたーー」

 

ネギはドア横の呼び鈴を鳴らすが、誰も出てくる気配はない。

 

「は………入りますよーー?」

ガチャッ

「おい、勝手に入っていいのか…………?」

 

家に入るネギとともに承太郎も入る。………

 

「わわっ!?中は結構ファンシーだ!?」

「……こーいったトコはそこら辺のガキと大差ねーな………」

 

中はぬいぐるみや人形などが所狭しと置いてあった。血を1滴残らず吸い尽くされた死体の一つや二つ転がった室内を想像していたネギは、吸血鬼らしさがひとかけらもないこの部屋に驚き、承太郎はエヴァンジェリンが容姿相応の趣味を持っていることを知る。

そこへ―――

 

「どなたですか………?」

「ビクゥッ」

「………なんだ、あんたたちか。」

 

奥から茶々丸とブチャラティが出てきた。

 

「あ…ちゃ茶々丸さんにブチャラティさんですか。あ、えーと、この間はどうもすいませんでした。」ペコペコ

「いえ、こちらこそ。」ペコペコ

「………で、エヴァンジェリンは?」

「あいつなら、風邪こじらせて寝てるぞ。薄着で夜更かししていたせいだろう。」

 

ブチャラティの言葉に、ネギは本日三度目の驚きを見せる。

 

「え?でも不老にして不死である彼女が風邪なんかひくわけないでしょう?」

「―――その通りだ。私は元気だぞ。」

 

いつの間にか、パジャマ姿のエヴァンジェリンが二階から降りてきていた。強がっているようであったが、顔が赤く息も荒い。

 

「………ふっ、空条 承太郎も一緒か………だが、魔力が十分でなくとも、貴様ごときひよっこをくびり殺すことくらい、わけはないのだぞ?」

「マスター、ベッドを出ては………」

「エヴァンジェリンさん!!」

 

エヴァンジェリンを見つけて、ネギは果たし状をエヴァンジェリンに突きつける。

 

「………?何だそれは?」

「は、果たし状です!僕ともう一度勝負してくださいッ!」

「おい、『お見舞い』じゃなかったのか?」

「それに、そいつは次の満月までお預けだって………」

「そ、それにちゃんとサボらないで学校に来てください!このままだと卒業できませんよ!」

 

承太郎とブチャラティのつっこみをよそに、ネギはエヴァンジェリンに言う。

 

「いや、だからそれも『呪い』のせいで出席しても卒業できないんだって。まあいい。じゃあここで決着をつけるか?私はいっこうにかまわないが……」

「………いいですよ。その代わり、僕が勝ったらちゃんと授業に出てくださいね!!」

「おいエヴァ………」

「…………やれやれだぜ。」

 

両者は戦闘態勢をとり、辺りに緊張した空気が立ちこめる………

茶々丸はエヴァンジェリンを心配そうに見る………

 

そして……………

 

 

 

 

 

ぽてっ

「わーーーッ!?」

 

 

 

 

 

エヴァンジェリンがぶっ倒れた………

 

「む………すごい熱じゃないか………風邪って本当だったんだな………」

 

承太郎がエヴァンジェリンの容態をみる。茶々丸とブチャラティがエヴァンジェリンを運ぶ準備をする。

 

「すまない、二階のベッドに寝かせてくれ。」

「あ、はい!」

 

ブチャラティの指示で、ネギは彼とともにエヴァンジェリンを運び出した。

 

「ずいぶん無理をしたみてーだな………」

「マスターは風邪のほかに『花粉症』も患っていますので。」

「………本当に吸血鬼なのか、あいつは?」

 

承太郎はこの時、自分の中の吸血鬼のイメージ(主にDIO的な)が崩れたのであった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「で、オレに話ってのは?」

 

エヴァンジェリンをネギに任せ、ログハウスから出て、承太郎に問うブチャラティ。

承太郎はブチャラティを見据えたまま、コートの内ポケットに手をやる。

 

「………お前は、6年前コロッセオで『死んだ』らしいな。」

「!………エヴァから聞いてはいたが、もうそこまで調べたのか……SPW財団とやらは…………」

「そこで聞きたい。お前は―――」

 

承太郎は、内ポケットから手を出す。手には「写真」があった。

 

「6年前に、同じくコロッセオで死んだこいつを知っているか?名前は『J・P・ポルナレフ』………」

「!!」

 

「ポルナレフ」の名前と写真―――彫りの深い顔に、パンクロッカーのようにたてた銀髪の男―――ブチャラティは目を見開く。

その男のことは知っていた。

 

忘れるわけもない。

 

あの時の―――

 

「…………知っていたら、何だってんだ………………!?」

「やはりな…………やつの死には、不審な点が多い。同じ場所でお前が死んでたんなら、色々知ってそうだったんでな。」

「………………」

 

承太郎が説明するが、ブチャラティは黙ったままだ。

 

「わかった、話そう………」

 

しばらくして、ブチャラティは静かに話し始めた…………

 

 

話は、ブチャラティが所属していた組織の幹部になり、誰もその正体を知らないボスの娘―――トリッシュの護衛任務を彼のチームに与えられた所から始まった。

 

ボスに反感を持つ裏切り者の襲撃を乗り切り、ヴェネツィアにいるボスの元までトリッシュを連れてきたが、ボスは自分の手で、自分の足取りになるトリッシュを殺害するために護衛させたことを知り、トリッシュを守るためにボスに離反したブチャラティは、そこでボスの「時を消し飛ばす」スタンド『キング・クリムゾン』に敗れる。

 

だが、チームの『新入り』の力もあり何とかヴェネツィアを脱出し、トリッシュの記憶をたよりにボスの正体を探ろうとし、その時に、同じくボス―――ディアボロを倒そうと、ディアボロの正体を探す者を探していたポルナレフと知り合ったという。

 

「彼とコロッセオで落ち合う手はずだったんだが、同じくディアボロもポルナレフの存在に気づいていたんだ………それで、ディアボロと交戦になって…………」

「そいつに敗北した………というわけか…………」

「ああ………だが、彼は『希望』を残してくれた………彼が教えてくれた力『レクイエム』を、その新入りが―――」

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()が手に入れて、ディアボロを倒したんだ。」

「!!」

 

『ジョルノ・ジョバァーナ』の名前を聞いて、承太郎は目を見開く。

 

「『ジョルノ』だと…………!?その新入りは、「ジョルノ・ジョバァーナ」というのか………ッ!?」

「あ、ああ…………そうだが………?」

 

承太郎の豹変に、ブチャラティはたじろぐ。いきなり何だというのだろう?ブチャラティがそう思っていると、承太郎は額に汗をかきながら、大きなため息をつく。

 

(…………まさかこの男とジョルノ・ジョバァーナに接点があったとはな……………やれやれだぜ…………)

「おい、あんた、ジョルノのこと何か―――」

 

 

 

ガシャーーン

 

 

 

「何をみた!?どこまでみたんだ貴様ァァァーーーッ」

「べ………別に何も………」

「嘘をつけェエーーーッき、貴様等は親子揃ってぇぇええええええ!!」

 

ブチャラティが承太郎に聞く前に、二階から騒ぎ声が聞こえた。

 

「………エヴァが起きたようだな………」

「やれやれ………オレもこれでおいとましよう…………」

 

言うと、承太郎は立ち去って行った。ブチャラティは、彼の背中を見つめるしかなかった。

 

 

 

 

 

(スタンド使いとスタンド使いは引かれあう………どこでどんな風に引かれるのか、分からないものだな………)

 

 

 

 

 

←to be continued...




37話です。
・サブタイトルは「漫画家の家へ遊びに行こう」から。

・この小説内での『矢』の行方を簡単に表記。吉良の矢は未だ行方知らずなので、聖王教会にあったのはこの矢にしました。

・ネギとエヴァの夢のくだりは、原作通りです。

・ブチャラティとの会話で、承太郎はブチャラティとジョルノの繋がりを知りました………これが物語にどう影響を与えるかは、お楽しみということで。

・次回、エヴァとの決着の始まりです。

では、次回をお楽しみに!
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