ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#40/雷&氷(サンダー・アンド・アイス)! ②

暗闇に包まれた麻帆良学園都市内を、蒼く光る『道』が張り巡らされ、そこを滑るように走る影―――スバルだ。側には、並行するように飛ぶネギと、杖の後ろに座る徐倫がいた。

 

「どうだスバル!エヴァンジェリンは追ってきているかッ!?」

「うんッ!少し高い高度で飛んできてる!!」

 

スバルは後ろを確認しながら叫ぶ。ブチャラティは見当たらないが、作戦通りエヴァンジェリンたちは追ってきている。

 

「後は『あの場所』に行けば………」

「ああ、だが、少しばかり『ダメージを』与えた方がいいかもな。ネギ!『タスク』で狙えるか!?」

「少し難しいですが、やってみます!!」

 

そう言ってネギは『タスク』を撃ち出そう振り向くが―――

 

 

 

 

 

「ぬぅう~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ」

「「「おあおおあお!」」」

 

そこには、巨大な「氷の塊」を投げようとするエヴァンジェリンの姿があった………

 

「は……………発想のスケールで…………………ま………………まけた……………」

 

 

 

徐倫が呟くのと、

 

 

 

「『氷神の戦槌(マレウス・アクィローニス)』ッ!!」

 

 

 

エヴァンジェリンが「氷の塊」を投げるのは、

 

 

 

ドグシャァアアアッ

 

 

 

ほぼ同時だった…………

 

 

 

 

 

#40/雷&氷(サンダー・アンド・アイス)! ②

 

 

 

 

 

(ぐっ……………ヤロォーー…………)

 

ギアッチョの拳を喰らった千雨は、内心毒づいていた。『アニバーサリー・オブ・エンゼル』のおかげで『打撃』自体は何ともないが、腹部がすでに『凍結』を始めていた。

このままでは、すぐに身体も凍ってしまう―――そう千雨が考えていると、ギアッチョは第二撃の体制に入った!

 

(仕方ねぇッ!こうなったら―――)

 

千雨は、ある「決断」をする。それは―――

 

 

 

 

 

「『ホワイト・アルバムッ』!!」

ドグシャアッ

 

ギアッチョの一撃が千雨を襲うと、千雨は地面に向かい落ちていく!そして―――

 

 

 

 

 

ボッショォーーー

 

「ち………チサメェェエエエッ!!」

 

地面に激突し、氷の煙と共に砕け散った………!

 

「ふんっ、砕け散ったか………低温世界で動ける物質はなにもなくなる……すべてを止められる!オレの『ホワイト・アルバム』が完璧なのはそこなのだ!」

 

水飲み場から伸びた氷の柱を、消防士が鉄棒に捕まって降りる様に滑って着地したギアッチョが、勝ち誇ったように言い放つ。だが、彼が千雨の落下地点を見たとき、その目は『疑問』を抱いた色となる。

落下して砕け散ったなら、『死体』があるはずだ。だが、死体(それ)がどこにもない!?

 

 

 

 

 

パチパチパチパチ

「「!?」」

 

ふと、拍手が聞こえる。『上空』からだ。見上げたアギトとギアッチョが見たのは―――

 

 

 

 

 

「ブラボー!おお……ブラボー!!」

 

『アニバーサリー・オブ・エンゼル』を脱ぎ、「寝たままの姿勢で宙に浮く」千雨だった!

 

「し……しんじられん!!何故オレのホワイト・アルバムを喰らったのに………怪我もよく見ると軽傷だッ!何でピンピンしてんだよこいつはッ!?それに………やつの体がなぜ『宙に浮くんだ』!?」

「ったく………お前には心底やられたって思うよ…………私の隠してた『能力』をここまで使わせたんだからな…………!」

 

言うと、千雨は宙で前転しながら着地する。その際に、再び『エンゼル』を装着するが、その姿は『変貌していた』!

 

「これだ!甲冑をはずした『アニバーサリー・オブ・エンゼル』!」

「「!!」」

 

千雨の『アニバーサリー・オブ・エンゼル』は、ほとんどの甲冑をはずしていた!

千雨の首から下を黒くぴっちりして肩から腕、腰から足、首から腰に掛けて白いラインの走るボディスーツが包み込み、その上を胸部と股間をまるでビキニのような銀色の防具を付け、背中の翼はパイプのような骨組みのみとなっている。残った甲冑といえば、籠手とブーツくらいだ。

 

「あっけにとられているようだな。まあ、種を明かすと、お前の能力で身体が凍る前に『防御甲冑』を脱ぎ去ったわけだ。砕け散ったように見えたのは、エンゼルの甲冑が『弾け飛んだ』だけ………だから私は軽傷ですんだんだ。」

「な………なるほど………」

「くっ……………だが、防御甲冑がない分、今度喰らったらオメーは死ぬってことだよなぁあー。」

 

ギアッチョは千雨が生きていたことに驚いたものの、小馬鹿にしたように言う。確かに防御甲冑のない今の『アニバーサリー・オブ・・エンゼル』は、明らかに防御力が低下している。次に『超低温』を喰らってしまったら、確実に千雨の命はないだろう………

 

だが、千雨はふふん、と笑い、

「ああ、だが無理だな。」

 

と余裕を浮かべながら言い放った。そして―――

 

 

 

「何故なら、お前はもう、私に『追いつけない』!」

 

一瞬でギアッチョの『後ろに』回り込んだ。

 

「!くっ……………!」

ブンッ

 

ギアッチョはすぐに腕を振るい、振り向きざまにラリアットを放つ!

が、すでに千雨はギアッチョから数メートル離れた位置にいた。

 

「こ………これは……………!?」

「確かに防御力は低下したが、甲冑を脱ぎ捨てた分身軽になった。見えたか?私の動きの『軌跡』が?それほどのスピードだ!その気になれば『スタープラチナ』よりも速く動く自信が、私にはあるッ(時止められたら終わりだけど………)」

 

ギアッチョを見据えて、自信たっぷりに言い放つ千雨。すぐに近くに落ちていた大きめの『石』を拾い、

 

「そして喰らえッ『降彗宮』!!」

ゴカァッ

 

再び『降彗宮』を放つ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッギィィーーン

「!!」

「!?」

 

だが、放たれた石はギアッチョに当たる前に空中で『弾かれる』!?

 

「なるほど………確かにお前のスピードはヤバいな………だがすでに説明したはずだッ!『超低温は全てを止める』!となッ!それは攻撃を止めるという事ではない!超低温の世界では動く物質は何もなくなるという事だッ!動く「気体」は流れる『液体』となり、『液体』は全て止まって「固体」となるという事だッ!ちなみに『空気』はマイナス二一〇℃で『固体』となって凍り始めるッ!見えないか?『止まった空気』が見えないか?よく見ろよ!」

 

ギアッチョが言う間、弾かれた石は空中で何度も跳ね返り―――

 

「!チサメッ!!」

バグォオーーン

「ガフッ……なッなにィ!!」

 

千雨の右肩に食い込んだ!

 

「『ホワイト・アルバム・ジェントリー・ウィープス!(静かに泣く)!』すでに空気の凍った壁を作っていたぜ!!『スタンドのパワー』はかなり使うが、もう何者だろうとこのギアッチョに『空き缶や石』なんぞ打ち込めないようになッ!」

 

かつて『拳銃使い』と戦った際に学んだ教訓が、こんな所で役に立つとは思ってもいなかった。だが、相手が飛び道具を使うなら、この技―――『ジェントリー・ウィープス』は有効だ。これならば、『あの女』の元へ千雨の首を差し出せるだろう。

 

「そして喰らえッ!『ホワイト・アルバム』ッ!!」

 

そしてギアッチョは、千雨にトドメを刺すべく接近する!

 

「チサメェェエエエーーーーッ」

ボワァアアッ

「!?」

 

だが、それはアギトの放った『火球』により阻まれる!何とか踏みとどまる事で回避するギアッチョだが、火球は『フォークボール』のように変化し、地面へ衝突する。そしてその結果―――

 

ボボボォオオッンッ

「うおっ!?」

 

超低温まで『冷やされた』地面と『炎』により『水蒸気爆発』が発生!白い霧が、辺りを包み込んだ!

 

「や………ヤロー………これを狙って…………」

「チサメッ!今の内に!」

「ああ!サンキューな(メルスィ)、アギト!」

 

どこからか声が聞こえるが、キョロキョロと見回してもどこからかが分からない。ギアッチョは、千雨たちを見失っていた………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「大丈夫かチサメ?」

「ああ、傷はそんなに深くねぇよ……咄嗟に身を引いて、ダメージを抑えた………しかし考えたな……『冷やされた地面』に『炎』を当てて『水蒸気爆発』を発生させるなんて………」

 

ギアッチョから数十メートル離れた草むらで、千雨とアギトは話していた。

千雨は先ほどのアギトの作戦に舌を巻いていたが―――

 

「い……いや………実は手元が狂っただけで…………」

「偶然かよ……………」

 

偶然と知り、あきれ顔となる。

 

「だが、思わぬ収穫だ。考えたら当然だよな、やつの『超低温』に『炎』は有効的だって事は………」

「ああ、私の炎なら、やつの氷を溶かせる!」

 

そう、アギトの炎ならば、ギアッチョの超低温に十分対抗できる。だが、千雨はまだ不安そうだ。

 

「けど、あいつはさっきの行動でアギト(おまえ)に警戒をしているだろうな………さっきは偶然とはいえうまくいったが、今度はそうは行かないだろう……何かいい手はないか………?」

 

千雨が顎に手を当てて考えていると、アギトは自慢げに言う。

 

「ふっふーーん♪チサメ、私にいい考えがあるぜ。」

「何?」

「ここはこの『烈火の剣精』アギトさまに任せな!」

「お前、何する気だよ………?」

 

千雨の質問に、アギトは自信たっぷりに言う。

 

「忘れたのかよ?私は融合機(ユニゾンデバイス)なんだぜ!!」

「!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………いや、私『ユニゾンデバイス』が何か知らないし………」

「あ、うん、そうだよね………」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

ようやく水蒸気が晴れると、ギアッチョは千雨を探し始めた。

 

「チェッ!あいつのそばにいた『チビ』………炎が扱えたのか……………しかし、あいつ『スタンド』なのか?にしてはちょいと口が達者すぎるぜ……………『ミスタ』のスタンドよりも頭良さそうだったし………………」

 

ギアッチョが疑問に感じたことを口に出していると、突如、頭上から『火球』が降り注いだ!

 

「ッ!!」

 

一瞬早く気づいたギアッチョは、ギリギリでかわすと、すぐに飛んできた方向を見た。恐らくは、さっきの『チビ』だろう。千雨から離れて、火球を放った隙に千雨が攻撃する手筈だったのだろうが、そうはいかない!そう考えたのだ。

だが、見上げてもなにもいない。もう別の場所に移動したのかと思い、キョロキョロ見回していると―――

 

 

 

 

 

「どこ見てんだ?」

「!!?」

 

「双燕!」『天翔流!』

「『旋風刃(せんぷうじん)(ほむら)ッ!』」

シュバババァアアーーー

「ぐおおっ!?」

 

後ろを取られたと思ったら、千雨の回転を利用した斬撃が放たれていた!すかさず後ろへ飛んだために傷は浅いが、腕にダメージを負ったギアッチョは、ようやく千雨の姿を確認した。

 

「ちっ………浅かったか………」

『けど、思った通りだ。やつに『炎』は効果的だぜ!』

 

千雨は、再びその姿を『変えていた』!

ボディスーツは薄い紫色になり、籠手とブーツ、そして胸につけていた防具はメタリックレッドの鋭利的なデザインに変わり、背中の翼は骨組みもなくなり、代わりに赤い炎のような翼がついていた。

そして、千雨自身も変わっていた。その髪は赤みがかった銀髪となり、瞳はブルーだ。

だが、ギアッチョが驚愕したのは、その手に持った小太刀だった。両の手に収まった小太刀には、『炎が纏われていた』からだ!

 

「な………何だよそいつはッ!!?」

「ふ…………アギトと『合体(ユニゾン)』した姿…………さしずめ『SIMPLE PLUS(サンプル・プリュ)(単純強化)』とでも名付けようか………………!」

『まさにシンプルな名前だな…』

 

『SIMPLE PLUS』となった千雨は、ギアッチョを見据えて言い放った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

さて、なぜ千雨は再びその姿を変えたのかを説明させてもらおう。

 

 

 

アギトは、『融合機(ユニゾンデバイス)』と呼ばれるデバイスである。ユニゾンデバイスとは、所有者と融合を果たすことによって驚異的な能力向上を果たす機能を有するデバイスである。

そして、アギトには『炎熱変化』という、魔力を炎熱に変える特性がある。

つまり、アギトとユニゾンした今の千雨―――『SIMPLE PLUS』は、『超スピードと火炎攻撃』を兼ね備えた状態なのだ!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

『魔法とスタンドの相性が不安だったがよぉーーー、何とか成功してやれやれってとこだなぁあーーーー。』

「ああ、後は私の技とスピード、アギトの魔法と炎熱の『タッグ技』と行くぜッ!!」

 

言うと、千雨は石を拾う。そして―――

 

「秘剣!」『降彗宮!』

「『プロミネンス・シュートッ!!』」

ゴカァッ

 

降彗宮を放つ!しかも、今度の石は『燃えていた』!

 

「ちっ!『ジェントリー・ウィープスッ』!!」

 

ギアッチョもジェントリー・ウィープスを発動させるが―――

 

ジュゥウッ

「げっ!?」

ドグシャァアッ

「うがぁっ」

 

『凍らせた空気』が炎で溶かされて、ギアッチョはモロに食らう!

 

『よし!チサメ、トドメだ!』

「ああ!行くぜッ!!」

 

言うと、千雨は剣を構え、そのままギアッチョに向かい走り出す!

 

「『奥義!時雨月華・不知火(しらぬい)ッ!!』」

ズババババババババババッ

 

ギアッチョは為す術もなく、炎の力が加わった連続突きを喰らい吹き飛ぶ!

 

「かッ!!『火炎』と……『超スピード』ッ………ナルホド………いくら冷やして…止めようとしても………冷やすのが()()()()()()ってワケか………」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ぐッ……………あが、ぐ……………」

「ん?まだ息があるぞこいつ?」

「手加減はした…………すぐには死なせない。お前には聞きたいことがあるからな。」

 

スタンドを解除して、倒れたギアッチョを見下ろしながら千雨は質問をする。

 

「なに、簡単な質問だ。『私の命を狙っているやつ』についてだ。」

「…………ちっ、仕方ねぇな…………元々あの『女』にはそんなに尽くす理由はないしな…………」

 

ギアッチョは、静かに話し始めた。

 

「あの女はよぉーーー…………お前のオヤジ…………『ポルナレフ』に恨みがあるのさ……………」

「!父さんに……………!?」

「そうさ……………やつの名前は知らねえ…………名前を聞いたが、多分『偽名』だ…………だが、やつを知る『目印』がある…………」

 

ギアッチョの話を静かに聴く千雨とアギト。だが、千雨は次に聞いた言葉に、耳を疑う。

 

「やつは…………『()()()………………()()』、なんだよ…………」

「左手が…………右手?」

 

千雨とアギトには意味が分からなかったが、ギアッチョはにやりと笑う。

 

「左手が右手…………聞いた事はあるが………」

「へっ……………まあ、オレみてえなスタンド使いたちは……………まだまだやつのもとにいる…………これから先は…………もっとしんどく……………なるだろう……………な……………」

 

最後の言葉を言い終えると、ギアッチョは息を引き取る。

アギトは黙ったままの千雨を見つめることしかできず、周りには静寂だけが残った…………

 

 

 

ギアッチョ―――スタンド名:ホワイト・アルバム―――再起不能

ルーテシア・アルピーノ―――再起可能だが、尻に凍傷を負った。

 

 

 

 

 

←to be continued...




40話です。
・冒頭の発想のスケールで負ける徐倫はワムウ戦から。意外と好きなシーンなので。

・千雨キャストオフ&クロックアップ!(笑)こう言うとカブトっぽいですが、実際はポルナレフのシルバー・チャリオッツの能力を受け継いだだけです。千雨は翼による飛行能力が附加されているから、チャリオッツより速いですが。
見た目は、ナンバーズの戦闘服に骨組みのみの翼とビキニアーマー、籠手とブーツを追加した感じ。

・千雨、アギトとハイパーキャストオフ…………もといユニゾンイン!マジでカブトっぽいな(笑)
見た目は少し鋭利的な鎧となりましたが、千雨自身はポルナレフをベースに赤っぽく変化しています。

・次回はエヴァ&スペースマンとの決着。いよいよエヴァ編もクライマックスです。

では、次回をお楽しみに!
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