ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】 作:オレの「自動追尾弾」
司令室
「こちらロングアーチ、スターズ、応答願います!」
司令室と姿を変えたリビングに、シャーリーの悲痛な声が響く。
ガジェットの反応がなくなってから、スバル達と連絡がとれないでいた。
「ダメです!公園内に奇妙な『電磁波』が流れていて、みんなに通信ができません!」
「そんな……!」
「もしかして、妨害電波の類?……だったら、麻帆良の「魔法使い」の方に頼んで、確認を……」
「そ…それが………」
☆★☆★☆★
麻帆良公園から西方100m離れた道
公園に結界を張るためこの道を走っていた金髪に黒い肌のシスター――シャークティは、目の前に「カエル」が落ちてきたため、急停止をしていた。
「な、何でカエルがこんな時期に?もう『冬眠』から目覚めたの?ん……?」
カエル嫌いな彼女は、ふと、体の色があざやかなこのカエルを、ずいぶん前に図鑑で見た覚えがあった。
「このカエルの体の色は…「ヤドクカエル」じゃあ…?たしか吹き矢に使われ、ひとかすりしただけで致命傷になる猛毒が皮膚のすぐ下にある…」
そう思っていると、カエルが2匹、シャークティから少し離れた所に落ちて、彼女はそちらを見る。
だが、そのあたりにはカエルが上れるような場所はない。
そう思っていると、次から次へと、カエルが道に落ちてくる。不思議に思って、空を見上げた彼女が見たのは――
「な…………!」
空から大量の『ヤドクカエル』が、彼女に向かって『降ってくる』光景だった。
「嫌ァァァあああ!」
さすがのシャークティもこれを見て平常を保てず、回れ右をして、泣きながら『全力疾走』するしかなかった……
#04/グロウン・キッド ②
麻帆良公園から南方150m離れた道
「いや、参ったねー、これは。」
応援に駆けつけようとここまで来たタカミチは、困ったようには聞こえない風に電話をかけていた。相手はなのはだ。
「公園に誰も近づけないつもりらしいよ…近づくものなら、容赦なくカエルが降り注ぐ。」
そういいながら、道を見るタカミチ。
彼の見た先には、大量の『ヤドクカエル』が道でうごめいていた。どうやら、カエルは「公園に近づいたもの」にしか降らないらしい。
[……カエルが『降ってくる』んじゃあ、上空からも近づけない…なかなか頭のキレるやつですね…!]
「ああ、多分『天候操作魔法』の応用だね。相当な実力者だよ。こうなったら、もう無事を祈るしかないね……」
[……]
公園の方を見ながら、そう言うタカミチだった。
☆★☆★☆★
麻帆良公園 中央広場
6枚の緑色の布と、緑色の右腕に囲まれたスバル達は、動けずにいた。いきなり現れた布に対する『恐怖』もあったし、何よりも、先ほどの右腕のこともある。
そう思っていると、急に「右腕」が『跳んだ』!
腕を足で跳ぶように曲げ伸ばしして、指で地面を勢いよく弾いて、布のいるあたりまで跳躍した!
「うぅっ」
「こいつら、何を…」
驚いた明日菜とティアナがそう呟いていると、他の布にも動きがあった。
布の1枚が『左腕』に変わり、他の2枚がそれぞれ右脚、左脚になり、それが合わさって『下半身』になる。先端が尖り、反り返った靴を履いたような下半身だ。
そして、1枚が一番大きい変化を遂げた。
まず浮き上がったのは『頭』だ。口と鼻のないのっぺりとした顔に、目が一つ、口にあたる部分にはくるりと巻かれたどじょうヒゲを生やし、頭にはターバンを巻いている。
次に胴体だ。こちらは、まるで甲冑のようなデザインだ。
そして、それら4つの部品が一カ所に集まり、それぞれが合わさると、一つ目にターバンを巻いた『緑色の魔神』の姿になる!
最後に残った2枚が『剣』に変わり両手に収まると、『魔神』は剣を構える。
「が、『合体したぁ』!?」
「……向こうは敵意むき出しって感じね。」
「確かに、仲良くはなれそうにないね…」
そう感想を述べるティアナとスバル。こちらも、戦闘態勢だ。
『……フム、ナカナカイイ構エダナ。イクツモ『修羅場』ヲクグッタ構エダ。』
不意に、魔神から声が発せられ、驚くスバル達。
「喋った!?」
「………お前、何者だ?」
鉄槌――グラーフアイゼンを突きつけて魔神に問いただすヴィータ。相当機嫌が悪い様子だ。
『フム、タシカニ名乗らナイノハ失礼ダ。我が名ハ「グロウン・キッド」!見テノ通リ、タダノ『布キレ』ダ。』
「………いや、ただの布きれは喋ったり合体したりしないから……」
魔神――グロウン・キッドにつっこむティアナ。だが、当の本人は気にしてない様子だ。
『マア、挨拶ハコレ位ニシテ、私ハ君達ニ、聞キタイ事ガアルノダ。』
「何?」
グロウン・キッドは右手の剣の切っ先を向けて、5人に聞いた。
『フム、キミ達ハ私と『同じヨウナ
「あん?」
グロウン・キッドの言葉に、眉をひそめるティアナとヴィータ。
「………妙な質問だな?アタシらとお前は、まったく『別の力を持っている』とでも言うのか……?」
『……フム、「話シタクナイ」ノカ、ソレトモ「本当ニ何モ知ラナイ」ノカ、マア、戦ッテミレバ分ルコトダ。悪イガ、行カセテモラウゾ!!』
言うや否や、ヴィータに襲いかかるグロウン・キッド!
振り下ろされた剣をヴィータがアイゼンで受け止めるが、押されている。
「ぐ………っ、こいつ、何てパワーだ……!」
『フム、コノママ一人目を――』
「はああ!」
グロウン・キッドがもう一方の剣を下ろす前に、スバルが右手にはめた籠手『リボルバーナックル』のナックルスピナーを回転させて殴りかかる!狙うは頭部!
ドガァッ
「手ごたえありッ」
拳の感触から、グロウン・キッドに大ダメージを与えたことを確信するスバル。しかし、
『アア、確カニ「命中」ダ。』
「はっ」
よく見ると、グロウン・キッドの頭が「左手になり」、スバルの右拳を受け止め、掴んでいた!
そして、左の剣が『右腕』、左手が『胴体に』に変わり、
『タダシッ!!』
ドグシャア
「ぐわっ」
スバルは殴られ、吹き飛んでしまう!
『「私ノ拳」ガナ!』
「スバル!!」
「あいつ、何でもありなの!?」
首の位置から左手を、左腕から胴体と右腕が生えている奇妙な姿をした「グロウン・キッド」を見て、ティアナはそう漏らした。
ガギィン
「ぐっ」
『フム、ダガ、今の『一撃』ハナカナカ良カッタゾ。ホメテヤロウ。』
ヴィータを払い除け、スバルの一撃を誉めるグロウン・キッド。かなり余裕だ。
「くっ、態度が紳士なのが、逆にムカつくわね!でも!」
ティアナは、魔法弾の発射準備にかかる。
「これならどう!!」
発射された魔法弾は、一斉にグロウン・キッドに襲いかかる。
が、
バララァ
「なっ!!?」
なんと、グロウン・キッドは再び
『フム、危ナイ危ナイ。』
「このお!!」
胴体の一部をクモの脚のように変えて着地し、あまり危機感のないように言うG・キッドに、飛び上がったスバルが拳を振り上げる。
『オット。』
が、ひらりとかわされてしまう。スバルは諦めず追撃しようとするが…
「!?……え??」
追おうにも、
『ドコを見てイル?』
「はっ!」
ガシィ
いきなり『地面から』腕が生えて、スバルに掴みかかる!
それがG・キッドだとすぐに気づくが、色が「緑」ではなく、地面と同じ「薄茶色」だった。だが、指先からみるみるうちに緑に戻っていく。
「ほ……『保護色!!』カメレオンみたいに体の色を変えて!地面に『なりすましていた』のか!?」
ネギが、グロウン・キッドが消えた理由に気づくが、そう言っている間にもG・キッドは再び合体して人型になり、武器――布2枚が合わさってできた『鎌』――をスバルに突きつける。
『フム、安心シロ。アル程度ダメージヲアタエル位デ許してヤル。』
そう言って鎌を振りかざす。そして―――
「ちょいやあああぁぁぁ!!」
バグォオ
『フムォァア!?』
明日菜の跳び蹴りを喰らった!
胴体と、鎌を持った右腕だけが吹っ飛ばされるG・キッド。先ほど同様に胴体の一部をかぎ爪に変化させて、無理矢理ブレーキをかける。
だが!
「
ズババァッ
「クロスファイヤー!!シューート!!」
バシュゥウン
『ナ!?グァアッ!!』
ドババァッ
ネギとティアナの技を喰らい、燃え上がるG・キッド!
『……フ…フム、ナルホド………君タチノ力ガコレホドトハナ……驚いたヨ………』
体を燃やされながら話すG・キッド。口調は変わらないが、かなり無理をしているようだ。
『……ダガ、忘れテ………イナイカ?私ハ…』
G・キッドは、最後の言葉を言い終わる前に燃え尽きてしまう……
『………コウイウ事ガデキルノヲ。』
『!!?』
声がした方を見る7人。
そこは先ほどまでG・キッドがいた場所で、今は、左腕と下半身しかないはず!
だが、下半身が見あたらず、変わりに『頭と胴体』、そして両腕があった!足の変わりには、胴体の一部が変形したものを代用しているため、上半身のみだが…
『フム、ダガ戦ッテ分カッタ事ガアルゾ。キミ達ハ私トハ『別系統ノ能力』ヲ持ってイルヨウダ。ソレガ分カッタダケデモ、収穫ダナ。』
「別系統だと………?」
グロウン・キッドの言葉に、疑問の声を出すヴィータ。すると、グロウン・キッドはネギ達に質問をした。
『最後ニ、聞いてオキタイ………キミ達ハ、『古メカシイ石ノ矢』ニツイテ、何か知ッテイルノカ?』
『!?』
「石の矢」と聞いて、ネギ達は息を飲んだ。まさか、この『布の魔神』は、あの『矢』について知っているのか!?
「あ、あんた!『矢』の事を知っているの!?一体、何で………!?」
『……フム、ヤハリ『知ッテイタ』カ………ダガ、ソコマデ詳しくハ分ラナイヨウダナ………』
「答えなさい!あなたは、一体何を知っているというの!?」
ティアナはグロウン・キッドに詰め寄るが、当の魔神は顎に手をやって考えているようであった。
『フム、コレ以上キミ達ニ聞イテモ、情報ハ得ラレソウニナイナ……目的ハ果タセタ事ダシ、今日ハコノ辺デオイトマサセテイタダコウ。』
「待ちなさいよ!まだこっちは………」
『フム、デハ、サラバダ少年タチ!機会ガアッタラ、マタ会おうデハナイカ!!』
ティアナが止めるのも聞かずに、グロウン・キッドはまた元の布に戻って、ひらひらと飛んでいった。追おうとするヴィータだが、『空の色』に色を変えられてしまい、見失ってしまった……
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女子寮 入り口付近
「―――グロウン・キッドは、もうすぐ戻ってくるよ。」
「分かった。………まさか、スバルが『矢』を狙っているとはな………」
女子生徒から報告を聞いた徐倫は、千雨と共に部屋に向いながら考え事をしていた。
「向こうは、敵対しようって雰囲気じゃなかったな………どうするよ?」
「取りあえずは、先に『宮崎』と接触するぞ。もしも戦力になるなら、スバル達と敵対する事になっても大丈夫だろうよ。」
徐倫は歩きながらそう言って、女子寮に帰っていった。
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麻帆良公園から東方150m離れた道
「いや~、スゴいの見られちゃったな~~♪」
赤い髪を後ろで束ねた少女は、手に持ったデジカメの画像を見ながら、ウキウキとしゃべる。
「それにしてもあの『布』……やっぱり『私の能力』と似ていたなぁ。……これは記事にしないで、『カエル事件』だけにしよう!」
そういうと、彼女は女子寮への帰路についた。
後ろに「腕の生えたカボチャ」を引き連れて……
彼女の名前は『
彼女がスバルや徐倫達と関わるのは、まだ先の話である。
住みよい街づくりをしよう!
麻帆良学園都市 名所その① 「カエルが降ってくる道」
場所:麻帆良公園近くの道一帯
2月某日、麻帆良公園近くの道一帯で南米原産の『ヤドクガエル』が雨のように降ってくるという事件が発生。
振ってきた原因は不明だが、「公園の『ヌシ』が降らせている」、「突発的な竜巻に飛ばされた」等、多数の意見が出ている。麻帆良公園の近くを歩いている時に、『ケロケロ』とカエルの鳴き声が聞こえたら要注意!
(麻帆良学園新聞部発行『まほら新聞』より抜粋)
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「くそっ!何だったんだあいつは!!」
ヴィータは地団太を踏みながら、悪態をつく。相当お怒りのようだ。
「……ねえ、あいつから『魔力』を感じた?」
「えっ?そ、そういえば……!」
「全然しませんでした……」
ティアナの質問に、スバルとネギは、はっとする。
魔力を持たない未知の存在、『グロウン・キッド』あれは一体何なのだろう………?
謎は深まるばかりだ。
「――ま、とりあえずもう帰っていいわよね?あ〜〜、私汗かいちゃった〜〜。」
「ア、アスナさん……」
「………のんきでいいわよねあんたは…………」
明日菜の一言に、ティアナたちは脱力してしまう。まあ、おかげで緊張はほぐれたが。
「そうだね〜〜、あ!そうだ!一番近い「
なんかスバルまで明日菜に賛同してしまう。そして、誘われたネギは…
「えっ?いや、僕は……その………」
いきなりしどろもどろになってしまった。
「ん?どうしたの?」
「じ…実は……ごにょごにょ」
「「?」」
急にスバルに耳打ちし始めたネギ。ティアナと明日菜は不思議そうに見ている。
「え?『風呂嫌い』?」
「!!」
プッツーーーン
それを聞いた明日菜は、ネギに詰め寄った。
「何言ってんのこの
「「「ビクゥ!」」」
「来なさい!うちで全身『丸洗い』よ!!」
「うわーーん!?」ずるずる
「………」
明日菜のあまりの気迫に、ヴィータたちは驚き、スバルとティアナは黙ってしまう。
二人が去って数秒、ようやくスバルが口を開いた。
「…………2人とも、先に帰っているそうです。」
「「そのよう(だな/ね)……」」
グロウン・キッド――本体不明
――再起可能
ネギ・スプリングフィールド――ただでさえ心身ともに疲れているのに、さらに疲れた。
リインフォースⅡ――何故あそこでシャーリーを怒鳴ってしまったんだろう?と反省。
シスター・シャークティ――今回の事がトラウマになり、しばらくの間外に出られなかった上、『カエル嫌い』から『カエル恐怖症』に
←to be continued…
4話です。
・話の流れは以前とさほど変わっていませんが、互いに『矢』の事でピリピリさせています。
・この後徐倫達はのどかと接触して、スタンド使い陣営に加え、ネギ達を警戒することになります。
では、次回をお楽しみに!