ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#47/京都観光中異常発生中

麻帆良学園

学園長室

 

 

徐倫やスバルが京都に向かった頃、承太郎は学園長室で学園長と、金髪にめがねの女性―――葛葉 刀子(くずのは とうこ)からの報告を聞いていた。

 

「人造魔導師?」

「はい………長谷川 千雨さんとアギトさんを襲った『ギアッチョ』というスタンド使いを検死した結果、体内から人工魔導回路などが多数発見されました。恐らくは―――」

「チンクが言っていた、ブチャラティ以外の『5人』の内の一人か………ということは、スカリエッティは『両右手の女』と面識があった事になるな………」

 

刀子からの話から推測する承太郎。

チンクが言うには『人造魔導師』として蘇生したスタンド使いは、ブチャラティを含めて6人―――つまり、ギアッチョが倒された今、後『4人』のスタンド使いが『両右手の女』側についている事になる。

 

「………おい、『スカリエッティ』に会うことはできるか?」

「はい、交渉はしてみます………」

 

承太郎に言われ、刀子は部屋から出て行った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

京都

清水寺付近

 

 

「ノーヴェノーヴェ〜〜〜、似合うッスか〜〜〜?」

「んー………似合うんじゃねーか?」

「ん〜〜〜?なーにィー、その反応は〜〜〜?」

 

府内にある貸衣装屋で『舞妓はん』の格好をして出てきたセインとウェンディが感想を求めるも、ノーヴェの反応は素っ気のないものだった。

 

「ほらオットー!早く出るッスよ!」

「わっ………ちょっとウェンディ姉様ッ!?」

 

ふと、オットーがウェンディに引っ張られる形で、同じく舞妓はんの格好をして出てくるが―――二人に比べて化粧は薄め―――相当困惑した様子だ。

 

「こ………こんなことしている場合じゃあ………」

「まあまあ、今は京都をエンジョイするッスよ〜〜〜!」

「そうそう、焦っても仕方ないよ〜〜〜!」

 

ディードが心配で仕方がないオットーだが、ウェンディとセインはまさにウキウキしながら話す。

 

「でぃ、ディエチ姉様!姉様からも二人に―――」

 

オットーは、近くにいたディエチとチンクに助けを求めるが………

 

「ねえ、オットーにはこっちの(かんざし)のほうが似合うんじゃないかな?」

「いやディエチ、こちらも捨てがたいぞ?」

「ちょっとォオオーーーッ!?」

 

こちらもエンジョイしていた。

オットーは涙目で「お前もかブルータス」と言いたげな顔で叫ぶが、叫びも虚しく姉たち(ノーヴェ除く)のおもちゃにされていた。

 

「―――ははっ、オットーも災難だねェーー。」

「そうね………てか何でいるのよ?名古屋で降ろしたはずよね?」

「セインに拾ってもらいました♪」

「セイン、後で裏来なさい。」

 

少し離れた場所でティアナと静がコントをしながらナンバーズのやりとりを見ている中、ブチャラティがノーヴェに話しかける。

 

「―――いい姉妹じゃないか、お前のとこは。」

「………まあな。」

 

ノーヴェは、照れたように言う。

ここのところ、オットーはディードの事で頭かいっぱいだった。それは、京都に着いても同じどころか、むしろ余計酷くなっていた。

そんなオットーを見てられなくなったのか、貸衣装屋を発見したウェンディが、セインと画策して貸衣装屋に引っ張り、今に至るわけだ。

結果、オットーはウェンディとセインどころか、ディエチとチンクにまでいじくられるハメになっていた。

 

「まあ、あれであいつがリラックスできたらできたで、それでいいんだが―――!?」

 

不意に、ノーヴェは『何か』を感じ取り、辺りを見渡す。

 

(……何だ『これ』は?………誰かいるのか?前にも感じた事があるような………?)

「ノーヴェ姉様ーーー!た、助けてェエエーーーーーッ!!」

「ほらノーヴェ、そろそろ助けてあげなさいよ。」

 

ティアナに言われ、ノーヴェはオットーを助けに行く事にした。

 

 

 

 

 

この時、ノーヴェは気づかなかった。

 

 

 

 

 

自分たちの後ろを『亀を持った』銀髪の男が、通り過ぎたことに………

 

 

 

 

 

#47/京都観光中異常発生中

 

 

 

 

 

清水寺 『音羽の滝』付近

 

 

「もぉー、しっかりせえよまき絵ー!」

「ふにゃぁ~………」

 

顔を赤くして目を回すまき絵に肩を貸して引率する亜子。彼女の他にも、何人かが生徒に肩を貸している。

 

誰のいたずらなのか、音羽の滝に『酒樽』で酒が混入されており、まき絵の他あやかやのどか、他数名が酔いつぶれてしまったのだ。

幸い亜子たちは異変に気付いた仗助に止められて難を逃れたが、彼の指示で一足先にホテルへと戻る事になってしまった。新田先生への言い訳も彼がしてくれるそうだ。

そういうわけで亜子はまき絵を担いでバスへ向かおうとしているのだが、酔っているせいか足取りのおぼつかないまき絵を運ぶのは一苦労であった。

 

「まったく……なんで滝にお酒なんか………わたた………」

 

ぼやく亜子であったが、まき絵がよろけたせいでバランスを崩し、転んでしまいそうになった。

 

「おっと。」

がしっ

「へ………?」

 

しかし、亜子が転ぶ前に腕を掴まれて、転ばずに済んだ。どうしたのだろうと思って亜子が振り返ると、そこには中性的な顔立ちの、茶色い短髪の少年がいた。

 

「大丈夫ですか?」

「え!?あ………はい………」

 

しばし、少年の顔に見とれていた亜子であったが、少年に聞かれて慌てて返事をした。

少年は白いシャツに黒いソフト帽をかぶり、縦ストライプの黒いベストとネクタイという服装で、日本人とは思えない中性的な顔立ちであった。

少年は亜子を立たせると、亜子が肩を貸していたまき絵を支え、近くの椅子まで運んだ。

 

「修学旅行の学生さんみたいですね。運ぶのが大変であれば、先生を呼んだ方がいいですよ?」

「あ………はい………」

 

少年がそう言うと、亜子は顔を赤くして答える。少年は笑いかけると、

 

「じゃあ、ボクはこれで。」

「あ、あの………ありがとうございました………」

「いえ。」

 

少年は帽子を脱いで挨拶をすると、足早に去っていった。亜子はしばらくの間、去っていく少年の背中を見つめていたのであった………

 

 

 

 

 

「………ふう、ウェンディ姉さま達から逃げてきたけど………なるべく『A組』の人と接触しないようにって言われてたのに………」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

嵐山

ホテル嵐山

 

 

「やっぱりセインの姐さんを襲った奴の仕業に違いねえよ兄貴!!」

「うん………」

「やっぱり、スタンド使いと魔法使いが手を組んだのかな………?」

 

ロビーの一角でネギ、カモ、スバル、仗助が話し合う。地主神社では落とし穴を仕掛けられあやかとまき絵が巻き添えにあい、さらに音羽の滝には『酒』を仕込まれたために、あやかを含めた数名が酔いつぶれてしまった。

 

「ネギーーー!」

「あ、アスナさんたち。」

 

そこへ、明日菜、徐倫、千雨、刹那がやってくる。

 

「とりあえず、酔った人たちは部屋で休んでいると言ってごまかしましたが………」

「やっぱりスタンド使いたちか……?」

「多分………『両右手の女』の勢力が京都にいることを考えると、『関西呪術協会』の裏切り者と、手を組んでいるのかも………」

「セインさんが会ったっていうスタンド使いというのが気になりますね…………」

 

ネギがそう言うと、仗助は近くに置いてある小さめの冷蔵庫に近づく。…………冷蔵庫?

 

「―――だそうだセイン。どんなやつだった?」

 

仗助が言った後、冷蔵庫の扉がひとりでに開き、中からセインがズルーーーっと出てくると、ネギたちもズルーーーっとずっこけた。

 

「………なんで私が冷蔵庫の中にいることがわかったの?」

「お前、頭脳がまぬけか?冷蔵庫の中身を全部外に出して………」

「いや、それ以前にホテルのロビーに冷蔵庫があること自体おかしいだろッ!!どっから持ち出したんだこんなものッ!?」

 

いち早く復活した千雨が、セインと仗助のやりとりにツッコむ。だが、

 

「まったく、だからよそうって言ったんスよ。」

「おめーもノリノリだったじゃねーか!」

「まあ、不自然だとは感じてたけど………」

「大丈夫ですかお嬢様?」

「うん、平気。」

「ってお前らもいたのかよッ!?」

「どーやって入ってたのこんな人数!?」

「オレとセインの能力だ。」

 

ナンバーズやルーテシア、ブチャラティが冷蔵庫からぞろぞろと出てきたために、千雨と明日菜は声を荒げて叫んだ。

 

「あれ?オットーは?」

「部屋で休んでるよ。ティアやギンガが見てるから、大丈夫だと思うよ。」

 

スバルの質問に答えるディエチ。どうやら、昼間ウェンディたちにおもちゃにされて疲れたらしい………

 

「で、そのスタンド使いってのはどんな奴だった?」

「あ、うん。ええーと………背はチンク姉と頭一つ高いくらいの小柄な人で、天然っぽい金髪だけど、日本人だったよ。」

「随分小さい人なのね………」

「で、スタンドはチンク姉くらいの大きさで、むき卵みたいにつるんとした頭で………」

「………いちいち私で例えるな………ネギとかでもいいだろ。」

「あ、ゴメン…………」

 

『小さいもの』の例えに使われた事に頭がきたのか、セインに文句を言うチンク。

 

「で、頭に車のハザードランプみたいのがたくさん付いてて………」

「ん……?」

「あれ?」

 

ふと、スタンドの(ヴィジョン)の特徴に見覚えがあると感じた徐倫と千雨、そして仗助。そして―――

 

「あ、後腰の布に『3』って描いてあったよ!」

「「「『()()()()』ゥゥウウウッ!?」」」

 

―――それは、最後の特徴で確信へとなった。

突然3人が叫んだため、ネギたちは驚いた。

 

「せ…………『背が低くて』『重くするスタンド』で『3』って言ったら………」

「康一の『エコーズ』しかねーよ………」

「えっ?3人ともそのスタンド使い知ってるんですか?」

「ああ…………オレの親友の「広瀬 康一(ひろせ こういち)」ってやつだ。何で京都にいるかは知らないが、とにかく敵じゃあないぜ。」

「ええっ!?」

 

今まで敵だと思っていたスタンド使いが、実は仗助の親友だときいて、再び驚きの声を上げる一同。

 

「それじゃあ、攻撃してきた理由も分かるな。いきなり新幹線に『ツバメ』が、しかも『手紙をくわえて』いたら、不審に思うのは当たり前だ。」

「セインさんじゃなくて、式神を攻撃したのか………」

 

仗助の言葉から、ブチャラティと刹那が頷く。だが、セインはあることに気づく。

 

「…………あれ?じゃあ何で記憶がないんだ?」

「…………それにも心当たりがある………出来れば、()()()に魔法のことは知られたくなかったがな…………」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「えーと、『ホテル嵐山』…………うん、ここだな。」

 

ぼく(広瀬 康一)は今、京都は嵐山にあるとあるホテルへ、同行した『彼』と来ている。

 

 

 

 

 

さて、何故ぼくらがこんな所に来ているのか、まずはその話をしよう。

 

事の発端は一週間前に遡る。

一週間前、今まで我が家に居候していた彼の収入がようやく安定したため、我が家から出てマンション暮らしになる事になったのだ。

そうしたら彼は、『今まで転がり込んでいたお詫び』と、ぼくを京都への取材に旅行として連れて行ってくれると言い出した。

そして今朝、出版社に寄っていた彼と『大宮駅』で合流して東京駅から新幹線に乗ったのは良かったが、飲み物を買いに通路へ出たぼくは、何故か新幹線内を飛ぶ『ツバメ』に遭遇したのだ。しかも、口には何やら大きい封筒のようなものをくわえているではないか。

ぼくはそれが『スタンド』によるものだと直感し、自分のスタンド―――『エコーズACT3(アクトスリー)』の技、その名も『エコーズ3FREEZE(スリーフリーズ)』でツバメを『重くした』のは良かったが、突然新幹線の壁から『女の子』が『生えてきた』のだ!しかも、たった今『3FREEZE』をかけたツバメを掴んだため、女の子の手は床にめり込んでしまった!

ぼくは女の子に話しかけようとしたが、突然、彼女の体が本のように『()()()()』しまった!振り返ると、いつのまにやら『彼』がいた。彼のスタンド『天国の扉(ヘブンズ・ドアー)』の仕業らしい。

彼は早速、『本』になった女の子に書かれた『情報』を読み始めた。

ぼくらは最初、彼女をぼくたちと同じスタンド使いだと思っていたが、実際はぼくらの予想の斜め上を行っていた。

何と彼女(読んで分かったが、名前は『セイン』というらしい)は『魔法』が存在する異世界『ミッドチルダ』で生まれた『戦闘機人』という生体兵器、いわゆるサイボーグだというではないか!しかも、ぼくらの乗ったこの新幹線に乗っている麻帆良学園の生徒の中にも、何人か『魔法使い』がいると聞いて、彼の目には希望とやる気がムンムンわいていた。こうなった彼は、もうどうにも止まらないことを、ぼくは知っている。漫画の『ネタ』にするために、彼女や、他の魔法使いたちを追い回すに違いない。

ふと、大勢の足音が聞こえた。誰か来たらしく、彼はセインに『今あった事は全て忘れる』と書くと、『ヘブンズ・ドアー』を解除してぼくと一緒にそそくさと退散していった。

そこからは、京都を観光しながら彼女たちの後をつけていき、清水寺から慌てるようにバスが出てしまったため、彼女たちが宿泊しているホテルを突き止め、現在に至るわけだ。

 

 

 

 

 

「―――はあ、何で私が………」

 

ふと、髪を鈴の付いたリボンでツインテールにした女の子が出てくる。すると彼は、彼女に話しかけた。

 

「やあ、君、麻帆良学園の生徒かい?」

「?何よあんた?」

「ああ、僕は漫画家の『岸辺 露伴(きしべ ろはん)』という者なんだが、君らの学校に『子ども先生』がいるときいてね。少し取材をしたいのだが………」

 

彼―――露伴先生が彼女に聞く内容には、何らおかしい点はない。むしろ自然なくらいだ。

 

「ふーん……?そういえば聞いた名前ね、岸辺 露伴って………確かにその子ども先生はウチの担任ですけど―――」

 

彼女がそう言いかけた途端、

 

 

 

ドギュゥウウーーーン

 

 

 

露伴先生のスタンド、ヘブンズ・ドアーが発現し、女の子は本になってしまう!

 

「―――って!いきなり何やってるんですか露伴先生ッ!?」

「いや何、彼を取材する前に、彼の印象を知りたくてね。もちろん、『魔法使い』としての、ね。」

 

そう言うと露伴先生は、本になった衝撃で気絶した女の子に近寄り、本のページをめくろうとして、その手が止まった。

 

「―――!ば………バカな…………な、何だ!?何なんだ、この子は………ッ!?」

「?どうしたんですか?」

「僕の『ヘブンズ・ドアー』には嘘は付けない…………だが!これは………この『神楽坂 明日菜』の記憶は……………」

 

 

 

 

 

「大半が『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ッ!!」

 

 

 

 

 

ぼくは今になって思う。

 

 

 

それが世界の存亡を知る、

 

 

 

ほんのささいなきっかけだったと………

 

 

 

 

 

←to be continued...




47話です。
・サブタイトルは、荒木先生の短編『死刑執行中脱獄進行中』から。

・やっぱりウェンディたちなら、舞妓はんになってハシャぐはずだろうと思いました。そして、それに巻き込まれるオットーもお気に入りです。

・亜子とオットーにフラグが立ちました。ちなみにオットーの服装は左翔太郎風。

・康一&露伴登場、そして、終盤は康一目線です。康一は4部での狂言回しな役割でしたので、今回少しやらせてみました。

・「魔法等で記憶を封印された人がヘブンズ・ドアーで本にされたら、一体どんな風になるのだろう?」と、ある日考えた時がありました。そして行き着いた考えが、今回の『袋とじ』です。明日菜の記憶にどんな謎があるかは、今後の展開をお楽しみに。

では、次回をお楽しみに!
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