ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#60/キタッラ兄妹 ①

「―――本当に、お久しぶりです……………ブチャラティ……………」

「ジョルノに……………トリッシュまで……………何でまた京都に……………!?」

 

千本鳥居から脱出したネギたちは、傷を負った者たちの治療を兼ねて、近くにあった河原で休憩をしていた。

オットーとルーテシアはディードを介抱し、スバルは徐倫たちとで集まり、露伴は「今まで操ってきた人間の記録が書いてある」と、興奮気味でアヌビス神を読んでいた。ちなみに、アヌビス神は本にされた際、柄が巻物のような状態になっている。

 

「………あの、空条さん……あの人たちってもしかして…………」

「ああ………ブチャラティのかつての仲間たちだ……………」

「やっぱり………」

 

徐倫の説明に、スバルらは納得したように頷いた。彼らの話す様子を見れば、どのような仲かは、簡単に想像がついた。

 

「いえ、実は『組織(パッショーネ)』の裏切り者が日本にいると聞いて、部下に探させに行かせた所、あなたを見つけたという知らせを聞きましてね………その情報を知ったらしい『ルル・ベル』が、僕たちに接触してきたんですよ。」

「ルル・ベルがッ!?」

「あの娘、そんなトコにまで()()張っていたなんてね………」

 

ジョルノの話に、皆はルル・ベルの情報網と行動力に感心と呆れの混じったような顔をした。まさか、イタリアのギャングの情報まで掴んでいるとは…………

 

「まあ、その裏切り者―――『サルシッチャ』もルル・ベルの側にいたからな。」

「何!?あいつ、パッショーネの構成員だったのかッ!?」

 

ミスタの付け足した言葉に、ブチャラティが声を上げた。

 

話によれば、サルシッチャはかつて組織(パッショーネ)の負の遺産『麻薬密売チーム』の輸送班リーダーだったらしく、ジョルノの方針でチームが解散、その後の保証はすると言ったのだが、それに反発するチームのメンバーが、ジョルノを暗殺未遂したらしい。

それにサルシッチャは、責任は自分にあると申し出て、『裏切り者』とされて組織から追われる身となったのだという。

だが、実際サルシッチャは暗殺に関与していない事が後に判明した。

主犯と名乗り出た『ラザニエ』によれば、リーダーである自分が責任という事にしろと言ってきたらしい(ちなみにその後、ラザニエはジョルノの監視下で監禁されているらしい)。

だが、それを知った時には、サルシッチャは自分の右手と左手であるソルとルナを連れて、行方知らずとなっていたという。

 

「表向きには、『裏切り者の粛清』という名目で探していました。探し出したら、コッソリヨーロッパの片田舎にでも隠すつもりでしたが………」

「その心配はなかったという訳か…………」

「………随分、部下思いな方なんですね………」

 

サルシッチャの意外な過去に、皆が息を飲む。

 

「………『スタンド使いとスタンド使いには「引力」があり、無意識のうちに引かれ合う』………一つのことで、ここまで引き合わせられるなんて…………」

「ある意味、そのヴィオレッタって女に感謝しねーとな………こうしてまた、ブチャラティと話が出来たわけだしな。」

 

ミスタが笑いながら、皮肉ったように言うと、違いないとスバルたちは苦笑いする。

 

「………『こっち』は問題なく再会できたな…………」

「問題は―――」

 

徐倫と明日菜が心配そうに見つめる先には、ジョルノの持ち込んだ『亀』が、ノンキそうに甲羅干しをしていた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

千雨は最初、最近似たようなことがあったなあ、と思った。

 

気づいた時、千雨は八畳位の部屋の中にいた。

 

部屋には、ソファーとテレビ、冷蔵庫といった家具と、車椅子に腰掛けた男性がいた。

 

その男は、千雨にとって身近すぎ、だが、遠い人物だった………

 

 

 

 

 

「………………その、なんだ……………久しぶりだな………千雨……………」

「と……………父………さん………………!?」

 

 

 

 

 

#60/キタッラ兄妹 ①

 

 

 

 

 

ネギたちが千本鳥居を脱出したころ―――

 

京都シネマ村

 

 

「―――で、ハァ………いきなり刺客にハァ、狙われて、ココにゼェ…、逃げ込んだワケね…………ハァ」

「はい………すいません、『念話』苦手なもので…………」

 

肩で息をしながら話すティアナに、刹那が謝る。近くにいるチンクやギンガ、アナスイも息を切らしている。

 

「………まあ、これだけ人がいれば、あちらさんも下手に手を出してこないだろうな。」

「だろうな……」

 

息が整ったのか、アナスイが周りを見ながら言う。

周りには刹那の言うとおり、修学旅行生をはじめとした観光客が大勢いる。こんな中なら、さすがに連中も派手に手出しをできないだろう。

 

「だが、スタンド使いの中にはそんなのお構いなしって輩もいるからなぁ………まあ、ヤツらにそんな外道野郎はいないだろうがな。」

「はあ………」

 

こいつはえらく楽観的だなぁと思いながら相槌を打つチンク。

 

「せっちゃ〜〜〜〜〜ん♪」

 

ふと、刹那を呼ぶ声がした。振り向くと、そこにはいつの間にやら着物に着替えた木乃香がいた。

 

「お、お嬢様、その格好は!?」

「知らんの?あっちの更衣所で着物貸してくれるんえ。」

 

ふと見ると、確かに更衣所と書かれた看板の建物から、着物に着替えた観光客が何人か出てくるのが確認できた。

 

「………ん?」

 

木乃香と刹那が話す中、ティアナはふと、更衣所から誰か出てくるのを見た。

一人は黒い着流し姿の少年、もう一人は白い着物の少女で、どちらも同じ顔、同じ髪型だが、少年は黒、少女は白い色をしている。

 

「似合ってるよ、ルナ。」

「ありがとう、ソルも似合ってるよ。」

「「フフフフ………ウフフフフ……………」」

 

2人は手を繋ぐと、まるで小さな子供のようにスキップしながら去っていった。

 

(随分仲がいい2人ねえ………カップルかしら?)

(…………あの2人、顔が同じに見えたのだが…………?)

 

ティアナとチンクは、スキップで立ち去る2人を見ながらそう思った。

 

「ホレホレ、せっちゃんも着替えよ♪ウチが選んだげるーー」

「えっ、いえお嬢様ッ!私、こういうのはあまり………」

「ええやんかーー、ほれ、アナスイさんらも♪」

「「「「えっッ!?」」」」

 

いきなり木乃香に進められたティアナらは戸惑った。まさか、話しかけられるとは………

 

「どーせアナスイさんはジョリーンにシカトされたんやろ?それにスバルちゃんの親戚(木乃香には、ティアナやチンク達の事はこう説明してある)ゆーその子も、『伊達正宗』やる気満々みたいやし。」

「いや、決めつけるなよッ!?」

「それに、これは正宗やる気で着けてきたワケじゃ………」

「ほな行こか〜〜〜♪」

 

戸惑う5人を、木乃香は無理やり更衣所まで引っ張って行った。

 

 

 

 

 

そして数十分後、新撰組の格好をした刹那とアナスイとギンガ、伊達政宗の格好をしたチンク、そして、坂本竜馬の格好をしたティアナが更衣所から出てきた。

 

「―――何で、私たちは男物の扮装なの?」

「夕凪が死ぬほどそぐわない………」

「というか、詳しい事はしらないけど、新撰組と竜馬が一緒にいるのはおかしいんじゃあ………?」

「まあ、細かいことは気にせんと、似合っとるえ。こっちこっち。」

 

そう言うと、木乃香は刹那を連れて土産物屋に行った。

アナスイらは、遠くから見ている事にした。

 

「これ、意外と重いな………」

「動きづらそうね………」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

一方、アナスイたちから離れた場所では―――

 

「―――ただの『仲の良い2人』にしか見えませんが……」

「いやー、これは間違いないよ!」

 

刹那が巻き込まないように突き放したはずの夕映とハルナが、こっそりと見ていた。

ハルナは、何やら勘違いしている様子だが……

 

「―――確かに、あの二人はアヤシいわね。」

「うわッ!?あ………あんたは昨夜の!?」

「たしか……ルル・ベルさん!?」

 

いつの間にか、2人の背後にルル・ベルがいた。何故か頭にタコとコンブをひっつけ、ピチピチと活きのいいカツオを脇に抱え、磯の香りを振りまいているが……

 

「………昨日の事で頭冷やそうとしたら、『神戸湾』にまで飛んで行ってしまったわ………」

(神戸湾にカツオなんていたっけ………?)

「あ、これあげるわ。それにしても―――」

「いや、渡されても困りますが………」

 

ハルナにタコを、夕映にカツオを渡し、木乃香と刹那の様子を見るルル・ベル。

 

「桜咲刹那………彼女は、『私と同じ匂い』がするわ…………」

「『磯の香り』ですか?」

「いや、そうじゃなくて。」

「やっぱり!?いやぁーーそうじゃないかと思ったよ!」

 

「同属」のアンタが言うなら間違いない!と言うハルナを呆れ顔で夕映がみた、その時だった。

 

「ホーッホッホッホーーーーー♪」

ガラガラガラガラガラガラ

「「ッ!?」」

 

突如、黒子の運転する馬車が、木乃香らの近くに急停止した。

 

「お……お前はッ」

 

刹那が驚く中、馬車から人が降りてきた。

 

「どうもーーーー、神めい、じゃなかった………そこの東の洋館の『お金持ちの貴婦人』にございます〜〜〜〜〜。そこの剣士はん、今日こそ借金の「()()」に、お姫様をもらい受けに来ましたえ〜〜〜♪」

 

現れたのは、刹那ら同様、明治時代辺りのドレスに身を包んだ月詠だった。

 

「貴様ッ、何のつもりだ!?」

「せっちゃん、これお芝居や。」

(そういえば、シネマ村では客を巻き込んで、いきなり『劇』や「芝居」が始まるって、スバルが言っていたわね………)

 

ノーヴェと一緒に行こうとスバルにせがまれたのを思い出しながら、ティアナは考えた。

どうやら月詠の狙いは、劇に見せかけて木乃香を連れ去るつもりらしい。

 

(考えたわね………それにしても、誰の入れ知恵かしら?)

「そうはさせんぞッ!このかお嬢様は私が守るッ!!」

「キャーーッ!せっちゃん格好えーー♪」

ギュッ

「わッ!?い、いけませんお嬢様…………」

 

刹那が月詠の芝居に乗ったのかと勘違いしたのか、刹那に抱きつく木乃香に、刹那は焦る。

 

「やっぱり………あの二人、『()()()()関係』みたいね。」

「やっぱりッ!?」

「またバカなコトを………」

 

夕映は呆れるが、2人は完全にそうだと決めつけていた。

 

「ふふ……そーおすかー…ほな、仕方ありまへんなー…」

 

なぜか嬉しそうにいいながら、月詠は右手の手袋を取ると、刹那にバシッと投げつけた。

 

「む……」

「このか様をかけて『決闘』を申し込ませてもらいますーー…30分後、場所はシネマ村正門横「日本橋」にてーーー。ご迷惑かと思いますけど、ウチ………「手合わせ」させて頂きたいんですーーー…逃げたらあきまへんえー、刹那センパイ♪」

「「ゾクゥッ…」」

「ほななーーー。助けを呼んでもかまいまへんでーーーーーー。」

 

最後に怪しい笑みを浮かべると、月詠は再び馬車に乗って去ってった。

 

「せっちゃん……」

「…行くの?」

「(仕方が無い……やるしかないか…)ええ……」

 

月詠の視線におびえた木乃香を背に、刹那はそう答えた。と、

 

「――――なんだか、大変そうね。」

「「「キャァァアッ!!?」」」

「ル………ルル・ベルさん!?」

 

いつの間にか、背後にルル・ベルがいた。後ろからは、ウキウキしたハルナと、呆れ顔の夕映が、こちらに近づいてきた。

 

「気付かれずに背後に回るのがすきなんですか?あなたは………」

「結構ね。それより、話は聞いたわ。」

「任せて!ここは、私たちが手助けするわ!」

「えっ、いや、その……」

 

ハルナらのいきなりの申し出に、刹那は困惑する。

 

(ちょっと!どういうつもりよ!?てか、そのコンブどうしたの?)

 

ルル・ベルの腕を引っ張り、小声で咎めるティアナ。

 

(いや、なんかあの「ハルナ」って娘、止めても着いてきそうなんですもの。それより―――)

 

頭についたコンブを取ると、ルル・ベルは『サイケデリック・インサニティ』を発現させ、その手をティアナに置いた。

 

(―――こうすれば、念話に近い形で話せるわ。)

(わ、ホント。)

(それより、あの子らに関しては安心して。今シネマ村には、私の配下のスタンド使いが3人いるわ。彼女らに危害が及ばないよう、影から守らせるわ。)

(!あなたの他に、3人!?)

 

ルル・ベルの申し出に、ティアナは念話で声をあげる。

 

(ええ。まあ、実質は『2人』だけれどね。まあ、任せておきなさい。)

 

言うと、ルル・ベルはサイケデリック・インサニティをしまう。ふと、木乃香の方を見ると、木乃香は足元に何かいるのを見つけた。

 

「ニャ〜〜〜〜〜。」

「ん?何や、この猫ちゃん?」

 

それは、ロシアンブルーの子猫だった。

甘えているのか、木乃香に頭をスリスリとこすりつけている。

 

「あら、珍しいわね、『初音』が初対面の人にこんなに懐くなんて。」

「この子、初音ちゃんいうん?かわえーー♪」

「ニャ〜〜〜〜〜♪」

 

幾分か落ち着いたのか、木乃香はしゃがむと、初音の頭を撫でる。ふと、刹那とティアナは気づいた。

 

(あの子猫って、昨夜の…………)

(ルル・ベルさんの飼い猫だったのか………)

 

「あ、良かったら抱いていていいわよ。初音は『幸運を呼ぶ星ネコ』って、近所では有名なの。」

「そーなん?初音ちゃん、よしよーし♪」

「ミャ~~~~~~♪ゴロゴロ……」

 

木乃香に抱かれ、のどを鳴らす初音。ティアナたちが見ると、昨日は気づかなかったが、額に逆さの星のような模様があるのを見た。

 

「さて、(これで近衛木乃香の護衛は大丈夫よ。初音は懐いた人物の危機には敏感ですもの。)」

「えっ。(ど…どうも……)」

 

ルル・ベルに小声で言われ、刹那は礼を言う。

 

「さてと………2人とも、私たちは「勝負服」に着替えましょうか。」

「お、いいねぇ♪」

 

ルル・ベルの提案に、ハルナは夕映を連れてノリノリで更衣所に向かった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

更衣所内

 

 

「―――話は聞いたわね?」

 

和服に着替えながら、ルル・ベルは背後にいるであろう『2人』に話しかける。

 

「もちろんだよ。」

「あのお嬢様を守るんでしょ?」

「そちらは初音に任せたわ。あなたたちは、敵の迎撃よ。手厚く迎えてあげなさい。」

「「了解だよ、お嬢様♪」」

 

2人は言うと、直ぐに気配が無くなった。

 

「これで準備はいいわね………頼んだわよ、「キタッラ兄妹」。」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「月詠とやらめ………面白そうな事を………」

「アタイらは、空条の小娘に2年前の復讐が出来ればいいんだが…………」

「遊ぶ?準備運動にはなるよ。」

 

シネマ村の一角、何やら3人の女性が話していた。

 

「ま、そりゃいいわな♪だれが行くよ?」

「―――我にやらせろ。体が鈍ったとは言わぬが、肩慣らしにはちょうどよい。」

「別にいいよ。私は最後でも。」

 

古風な話し方の大柄な女性は、ほかの2人に許可されて、前に出た。

 

 

 

 

 

「では、『伊賀の三羽鴉』が一翼、『綺初(きうい)』、参らせてもらう!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

シネマ村

 

日本橋前

 

 

30分後、それぞれが思い思いの格好をして、刹那たちは「日本橋」前まで来ていた。

ちなみに、初音は木乃香に抱かれて心地よさそうにしている。

 

「ゴロゴロ……♪」

「すっかり懐いてもーた……」

「人見知りしやすい初音が、ここまで懐くなんて………」

 

花魁の格好をしたルル・ベルが少し羨ましそうにする中、初音は木乃香にすっかり懐いていた。

 

「ふふふ………ぎょーさん連れてきてくれておーきにーー。楽しくなりそうですなーー♪」

「「!?」」

 

不意に、橋から声がした。見ると、ウキウキしたように刀を構えた月詠がいた。

 

「ほな始めましょうかーーセンパイ♪」

 

月詠は、怪しく笑いながら、そう言った。それを見た木乃香は、おびえたように刹那の後ろに隠れた。

 

「……せっちゃん………あの人……なんか怖い…………気をつけて…………」

「……安心して下さい、このかお嬢様、何があっても、お嬢様をお守りします。」

 

木乃香を安心させようと、笑顔で木乃香に語りかける刹那。と、

 

「ヒューヒュー♪お熱いねぇ〜〜♪」

「そのまま押し倒しちゃいなさいッ!」

「なッ!?何を!?」

「「??」」

 

何故か、ハルナとルル・ベルがはやし立て始めた。特にルル・ベルなんかは、鼻息が荒くなっている。

 

「何やってんのよ、あの子達は……………」

「確実にルル・ベルは『仲間』増えたって思ってんな…………」

「まあ、彼女の力借りられるのは助かるけど……あの2人に危害が及ばないように―――」

 

ギンガが苦笑しながら言った、その時―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グオオオオオオ

「ッ!危ねえッ!!」

ドグシャアッ

「「「!?」」」

 

ギンガに向かい、何かが飛んできた!

いち早く気づいたアナスイは、ギンガに『ダイバー・ダウン』を潜行させ、素早く砕いた!

 

「あ……………アナスイさん……………」

「今のは!?」

 

顔を赤らめるギンガに対して、ティアナは飛来物を見た。

それは、薄い茶色の『レンガ』だった。

 

「レンガ?誰がこんな物を………?」

「あらら〜〜〜、『あの人ら』ったら、余計な手出しはいらんのに〜〜〜〜」

「レンガだと……………?」

 

レンガと聞いたアナスイは、ある予感がした。

 

「ちょっと、大丈夫だった!?なんか飛んできたみたいだけど………?」

「早乙女ッ!?近づくんじゃあ……………」

 

心配そうに駆けてくるハルナに対してアナスイが怒鳴りつけた、その時!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バクゥンッ

「「「「!!?」」」」

 

地面からレンガの壁が現れ、アナスイ、ギンガ、チンク、ハルナを包み込んだ!

 

「ハルナッ!?」

「まずい!このレンガは――――」

「ギンガさんッ!」

「くっ………『インサニティッ』!!」

 

包み込んだレンガの箱に向かい、ルル・ベルはサイケデリック・インサニティの拳を喰らわせるが…………

 

バガァアッ

「!?いない……………!?!」

「そんな………!?」

 

そこには4人はおらず、空洞になっているだけだった。

 

「余計な手出しがありましたが、これで心置きなく死合えますなぁ、センパイ♪」

「月詠………!」

 

心配そうに箱を見る刹那に向かい、月詠は嬉しそうに告げた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

レンガの壁が開くと、アナスイたち4人は、広い倉庫のような場所にいた。

 

「ここは………?」

「やはり、これは「あいつの能力」か………!」

「あ、あれぇーーーー?」

 

不思議そうに辺りを見渡す3人に対して、アナスイはこの能力に心当たりがあった。

そう、これは『2年前』のあいつのスタンド――――

 

「ふむ、何やら懐かしい顔がいるな。」

 

不意に声がしたかと思うと、アナスイたちの周りにあったレンガの壁が、バラバラになって一カ所に『飛んでいった』!

それらは再び組み合わさり、ある形になった。

 

人が一人入れそうなサイズのかまくら状の胴体に、それよりは小さいかまくら型の頭を持ち、横長に数個抜けた穴からはぼんやりと光が2つ、目のように灯っている。

腕は大きく力強い印象を与えるが、脚はレンガを縦に積んで細いため、アンバランスな体型のゴーレムのような姿だ。

 

その影から、大柄な女が出てきた。多分、アナスイ位はあるのではないだろうか。

 

ウェーブのかかった黒髪は重力に逆らったように逆立ち、鋭い眼光を放つ切れ目を持っていて、左目には翼のマークがついた眼帯をしている。

へそを出したタンクトップの下には鎖帷子(くさりかたびら)を着込み、下はとび職のような薄茶色のニッカポッカをはいている。

 

「やはり…………『アンチェイン・ワールド』……………『山陸の綺初』ッ!!」

「久しいなあ、ナルシソ・アナスイ。我を覚えているとは、光栄だぞ。」

 

古風なしゃべり方で女―――綺初は、アナスイに静かに言い放った。

 

 

 

山陸の綺初

スタンド名―――アンチェイン・ワールド

 

 

 

 

 

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60話です。

・サルシッチャの過去をちらり。サルシッチャは、クールに見えて実は熱い性格、というイメージです。

・千雨とポルナレフの再会。今回は詳しく書きませんでしたが、詳しい話は次回以降……

・シネマ村でのコスプレは、各キャラを考えてやってます。最初はチンク姉の正宗しか決まってませんでしたが、ティアナが銃使うから竜馬、後は新撰組が複数いたほうが見栄えいいかと思って。

・ソルとルナの名字はキタッラ。由来はパスタの名前からです。

・伊賀の三羽鴉登場。楓が甲賀なので、対になるように伊賀の忍にしました。

では、次回をお楽しみに!
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