ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#61/キタッラ兄妹 ②

シネマ村

 

日本橋

 

 

「ほな、始めましょかーーーー。」チャキ

「待て月詠ッ!こちらには非戦闘員が…………」

「あ~~、そーいえばその人がおりましたな~~~~、そんじゃ~~~……」

 

刀を構える月詠に対して刹那がそう言うと、月詠は懐から札を数枚出した。そして。

 

「おいで~~~、『(はく)ちゃん』たちぃ~~~~♪」

ボボボボボンッ

「「「「「!!?」」」」」

 

全長50センチほどの白いつきたての餅のようなでろんとした体に、短くて太い四本指の腕、ニタリと笑ったような真っ黒な唇の口だけがついた、なんだか気持ち悪いものが数体出てきた。

 

「「き、キモッ!?」」

「なっ!?何だその気持ち悪いのはッ!?」

「やーーん、センパイまでひどおすな~~~、白ちゃんたちを気持ち悪いなんて~~~。」

「これを気持ち悪いって言わないで何が気持ち悪いのよッ!?今晩夢に出てきそうじゃないのッ!!」

 

月詠が「白ちゃん」と呼ぶそれを見て、刹那たちは気持ち悪がって非難の声を上げ、木乃香と夕映は完全に引いていた。

ちなみに、この白いものは『モチテグチ』という妖怪の一種であり、スタンドや式神ではない事を、ここに明記しておこう。

 

「いってらっしゃぁぁ~~~~い♪」

「「「「「デュフフフ~~~~ン♪」」」」」

ボヨヨ~~~ンッ

「ギャーーーッ一斉に来たァァァーーーーッ!?」

「ティアさんッ!お嬢様をッ!!」

「ええ!!こっちよッ」

「ああ、せっちゃん………!」

 

モチテグチが一斉に飛び出したのを見て、ティアナは木乃香の手を引いてその場を離脱し、刹那は何体かを切り捨て、月詠に向かっていく。

 

ガキィィイイイーーーンッ

「最近の神鳴流は妖怪を飼っているのか?」

「あの子達は『カワイい』だけで無害ですぅ、御安心をーーーー」

「いや、カワイくもないから………」

「それに、ウチは刹那センパイと剣を交えたいだけ♪」

ガギィンッ

 

鍔迫り合いをしながら月詠がそう言った瞬間、刹那は直ぐに飛び退いた。

 

戦闘狂(バトルマニア)か、付き合わんぞッ」

「まあまあ、そう言わんと~~~♪」

「それに、早乙女さんたちは………?」

「ああ、何や『ヴィオレッタ』はんの雇った「忍者」さんの仕業でしてーー。」

「!?(お母様が忍を?)」

 

モチテグチをあしらいながら月詠と刹那の会話を聞いたルル・ベルは、アナスイらを連れ去った人物の正体を聞いて疑問を抱いた。

 

(スタンド使いの忍…………まさか『伊賀の三羽鴉』?あの面子で大丈夫かしら………?)

 

心配しながらも、モチテグチが襲いかかってくるために、ルル・ベルはそれらをいなしていく。

 

 

 

 

 

#61/キタッラ兄妹 ②

 

 

 

 

 

「…………ナニコレ?どゆコト?」

 

ハルナは、目の前にそびえ立つゴーレム―――『アンチェイン・ワールド』に混乱していた。

漫画的には面白い展開だが、自分は二次元ではなく、リアルに生きる人間だ。こんな展開など、有り得ない。

 

「チンク、その娘を……アナスイさん、あの人、あなたに「久しぶり」って言いましたよね?知り合いですか?」

 

今にも「私、聞いてない!」と叫びそうなハルナをチンクに任せ、ギンガはアナスイに問う。

 

「………アイツは『山陸の綺初』。見ての通りスタンド使いで、『伊賀の三羽鴉』という、伊賀流に属する女忍者(くノ一)だ。

2年前、『プッチ』に雇われてアメリカで俺たちと戦い、三人とも徐倫や千雨の機転で敗走したんだが………」

「そうだ。あの女子中学生2人に負け、我ら3人のプライドは踏みにじられ、今まで築き上げた我らの信用もがた落ちだ!それだけではないッ!!」

 

そう言うと、綺初はどこから出したのか、一枚のフリップを取り出した。そこには、縦に伸びた二本の棒グラフが、3年前からの数値で表されていた。

 

「見ろ!ただでさえ甲賀に裏の仕事を取られているというのに、貴様らに負けたという情報が広まったために伊賀への仕事が減り、更に下回ったんだぞッ!!」

「あのフリップ、わざわざ作ったのかな……………?」

「お陰で『最強』のチームだった我らは『最弱』の汚名を着せられ、上忍から中忍に降格され、来る仕事も地味で微妙なモノばかり!最近になって、ようやく「反省十分」とされて上忍に戻り、そして今回の任務!!貴様らに復讐して、『汚名挽回』させてもらうッ!!」

 

完全に言い切ったという顔の綺初。だが、

 

「あのー、汚名は『()()』じゃなくて『()()』するものだとおもいますが………」

「……………ッ」

 

ギンガに間違いを指摘され、顔を真っ赤にして黙ってしまった。

 

「ええいッ!黙れ黙れェッ!!」

(何か、カワイイぬいぐるみ集める趣味バレた時の『トーレ』みたいだな………)

 

綺初の行動が姉に似ていたためか、何か親近感を覚えるチンクだった。

 

「今の内に………」

「あ、う、うん………」

 

少し戸惑いながらも、チンクに従い逃げよようとするハルナ。だが、

 

「逃がすかッ!『アンチェイン・ワールド』!!」

ゴゴォオッ

「なっ、もう一体ッ!」

 

何と、もう一体の『アンチェイン・ワールド』(こちらは、目らしい光が一つのみ)が現れ、ハルナ達の行く手を阻んだ!

 

「くっ………スティンガーッ!」

 

チンクはすかさずスティンガーを数本、単眼のアンチェイン・ワールドに投げつける!だが!

 

バクゥウンッ

「「ッ!?」」

 

単眼の体が開き、スティンガーが全て飲み込まれた!

そして、再び体を閉じると………

 

バガァァアッ

「えっ!?」

「チィッ」

 

何と、双眼のアンチェイン・ワールドの体が開き、単眼の中にあるはずのスティンガーが『飛び出した』!

 

スカカカァッ

「今のは…………ッ!?まさか、私たちも()()()()()()()()()()()()()()………レンガで包まれると、他のレンガに『転移』される能力………ッ!!」

「………そうだ。ヤツの『アンチェイン・ワールド』のレンガが密閉した容器で物を包むと、もう一つの密閉した容器に転移される…………それこそ、射程内なら境界なく転移させる………」

「……さっきみたいにレンガでの直接的な物理攻撃だけじゃあないわけね……………」

 

アナスイから能力を聞いたギンガだが、次の瞬間、単眼と双眼が再びレンガにばらけ、4人を取り囲むように別の形に組み合わさった!

 

「ううっ、これは……………」

 

アナスイたちの周りには、レンガの柱が縦横無尽に建ち並び、それらは、まるで神殿の柱や縁に見える………

 

「我流伊賀忍法『石管柱結界(せきかんちゅうけっかい)』!かつて貴様らを苦しめた、我の必殺布陣だ!」

「これは…………ヤツのスタンドの『必殺の形』じゃねーか…………やろ〜…本気だ…………」

 

アナスイがそう呟いたのと同時に、綺初はレンガの柱の中に消えた。

どうやら、中は『空洞』になっているらしい。

 

「『空洞』?…………まさかッ!?」

 

ギンガが気づいた瞬間、綺初が入ったとは別の箇所の柱から、クナイと手裏剣が数発飛んできた!

 

「くっ………」

スカカカァッ

「………ああやって自らのスタンドに姿を眩まし、その中から攻撃を仕掛けてくる………これが『アンチェイン・ワールド』の戦術!!」

 

クナイと手裏剣を避けながら説明するアナスイ。

 

「―――だったらッ!!」

 

それを聞いたギンガは素早く『ブリッツ・キャリバー』を装着し、『アンチェイン・ワールド』に接近する!

 

(このレンガを破壊すれば!あの人は転移する場所が限られる!!)

 

そう考え、柱に回し蹴りを放つ!

 

「待て!迂闊に攻撃したら―――」

 

 

 

 

 

バガァアッ

「なっ!!?」

ガッシィィイ

 

アナスイが叫んだのもむなしく、ギンガの蹴りが当たる前に柱は再びレンガにばらけ、ギンガの脚を拘束してしまった!

 

(しまった!アンチェイン・ワールドの能力で………ッ!!)

『阿呆がッ!我のスタンド能力を忘れたかッ!!』

 

どこからか綺初の声が聞こえると、ギンガの近くの柱からクナイが飛んできた!

 

「ギンガッ!!」

「しまっ…………」

 

 

 

 

 

「全く、意外とせっかちなんだね。」

「こういうスタンドは、冷静に対処した方が正解だよ。」

 

 

 

 

 

ズババババァアッ

「「「「ッ!!?」」」」

 

ギンガにクナイが当たろうかという瞬間、左右が赤と青のスタンドが、クナイを跳ね返した!

 

「あ………あのスタンドはッ!?」

 

チンクは、そのスタンドに見覚えがあった。

 

左半身は青、右半身は赤を基調としたボディに中央に左右を分けるように金のラインが入ったロボットのようなデザインで、目はゴーグルのようになっており、口はなくガスマスクのようだ。頭はまるで花魁の髪型のように大きく、後光が差すように角が生えている。また、頭部や手の甲、腰には大極図が描かれているスタンド。

そう、このスタンドは―――――

 

(あの時………『ダービー』を連れ去ったスタンド………確か、ルル・ベルの仲間という…………)

「「ごめん、探してたら遅くなっちゃった♪」」

 

不意に、チンクとハルナの背後から声がした。

振り返ると、先ほど『更衣所』でチンク達より先に着替えていた2人がいた。

 

「え………だ…………誰?」

「お前たちが、あのスタンドの………?」

「僕は、『ソル・キタッラ』。」

 

2人の内、黒髪の少年が名乗った。

 

「私は、『ルナ・キタッラ』。」

 

2人の内、白髪の少女が名乗った。

 

「「初めまして、よろしくね♪」」

「あ、ああ………………」

 

2人が同時に挨拶をすると、チンクは戸惑いながらも返した。

 

『………?何だ貴様等は?どうやらスタンド使いのようだが………』

「君が、『山陸の綺初』だね?」

「噂は、かねて聞いているよ。」

「「でも、僕/私達2人の敵じゃあないね。」」

『………』

 

キタッラ兄妹がそう言った瞬間、姿を隠してはいるが、アナスイたちは綺初の表情がひきつったのが分かった。

 

『成る程…………では、一言だけ言っておこう…………二年前、私が学んだコトだ…………』

 

少し苛ついたような、綺初の声がした。

 

「………!?」

 

その時、ギンガは自らの足を拘束するレンガが動いたのに気づいた。そして………

 

『慢心は、自らの身を滅ぼすぞ!』

「避けてッ!」

グオオォォォォ

 

ギンガが、拘束しているレンガごとスタンドに『蹴りかかかった』!?

 

バガァア

「なっ!!?」

 

だが、スタンドは『半分に分かれて』、それを回避した!

 

「ああ、それは分かってるよ♪」

「でも、私達のスタンドは、あなたみたいな相手が得意なの♪」

「「だから、何の問題もない!」」

 

スタンドはキタッラ兄妹の元に戻ると、右半身はソルに、左半身はルナに着いた。

 

「これは………!?まさか、あのスタンドはッ!!」

「そう、これが僕のスタンド、『ラッシュ』!」

 

ソルは、自らのスタンドの名を呼ぶ。

 

「そして、私のスタンドの『ダッシュ』!」

 

ルナも、自らのスタンドの名を呼ぶ。

 

「「僕/私達のスタンドは、『二人で一能力』なのさ♪」」

 

二人が言った瞬間、『ラッシュ』と『ダッシュ』は再び『合体』した。

 

 

 

ソル・キタッラ―――スタンド:ラッシュ

ルナ・キタッラ―――スタンド:ダッシュ

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

シネマ村

 

日本橋

 

 

一方、こちらは月詠と斬り合う刹那。

 

ガギギギギギギィィン

(く………キリがないな………)

 

月詠の反撃を与えない猛攻に、刹那は苦戦していた。ルル・ベルと夕映も、モチテグチに苦戦しているようだった。

 

バチコーンッ

「デュフンッ」

「ふう……流石は『堅い魚』と書いて『鰹』………結構役立ちますね…………」

「ね?役に立ったでしょ?てやっ!!」

ペチーン

 

………訂正、結構善戦していた。カツオとコンブで。

 

「………何気に戦闘力高いな、綾瀬さん………(ルル・ベルさんは、コンブに見せかけて『スタンド』使っているみたいだが………)」

 

刹那がそう思った時、周りにいた観光客がざわついているのに気づいた。

そちらの方を見ると―――――

 

 

 

「ッ!お嬢さまッ!?」

 

何と、城の天守閣の屋根で、木乃香とティアナが千草と、その背後にいる鬼が持つ「弩砲」ほどある大矢で狙われていた!

 

「しまった!誘導されたのッ!?」

「「「デュフフ〜〜〜ン♪」」」

ぼよ〜〜ん

「くっ………行かせない気ね…………(でも、あちらには………)」

 

ルル・ベルは木乃香達の元に行こうとするが、モチテグチに行く手を阻まれてしまう。刹那も、月詠に阻まれている様子だった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ふふふ………聞こえとるか、お嬢さまの護衛桜咲 刹那ッ!!」

 

天守閣の屋根から、千草は刹那に向かい叫んだ。

 

「見ての通り、この鬼が『矢』でピッタリとお嬢さまを狙っとる!お嬢さまが大切なら、手ぇ出さんときぃッ!!

あんたもやで、管理局の魔導師………ちょいとでも動いたら射たせてもらいます………」

 

千草は勝利を確信していた。

今、鬼が構えている『矢』には、ルミリオに渡された『特殊な仕掛け』が施されており、「AMF」に似た「エネルギーの膜」で包まれているのだ。

もちろん木乃香を狙うワケではないが、上手く行けば邪魔な管理局員を一人消せる!そういう寸法だった。

「「………………」」

「って聞いとるんかコラッ!?お嬢さままで!」

 

だが、ティアナと木乃香は屋根の一点を見つめていて、千草の話を聞いているのか分からなかった。

 

「………あなたに『コレが見える』のは意外だったけど……………しばらくじっとしてて。」

「あ、はい………」

 

そう木乃香に言うと、ティアナはクロス・ミラージュを千草に向けた。

 

「確実に聞いてなかったァァアアーーーーッもうええわッ!射てまえェッ!!」

「も゛ほ。」

ビシュゥウッ

 

千草が叫ぶと、鬼は矢をティアナに向けて矢を放った!!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「お嬢さまッ!?」

 

日本橋からその様子を見ていた刹那は、ティアナの行動が分からなかった。

 

「センパ〜〜〜〜イ♪よそ見したら………」

「『サイケデリック・インサニティッ』!!」

ガシィイッ

「あや?」

 

すかさず月詠が刀を振りかざすが、ルル・ベルが前に阻む。

 

「しっかりしなさい!あっちには『初音がいるのよ』ッ!!」

「!?………あっ!!」

 

ルル・ベルに言われて、刹那は思い出した。

初音のスタンド………『ワイルド・アイズ』の能力を!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガァアッ

 

「!?ッな、何………!??」

 

鬼が放った矢は、まっすぐに『天守閣の屋根』に突き刺さった!

 

 

 

 

「さすがね………「鬼の矢の狙い」を、『私たちから逸らした』!」

「初音ちゃん、えらいえ〜〜〜」

「ミャ〜〜〜♪」

 

そう、初音は屋根に『ワイルド・アイズ』を展開し、鬼の矢を『金色の眼』に向かわせたのだ!

 

「!ま……まさかその子猫………スタンド使い!?」

「ようやく気づいたようね………さあ、大人しくしてもらいましょうか?」

 

そう千草に警告すると、ティアナは初音が『ワイルド・アイズ』をしまうのを確認してから、青ざめる千草に詰め寄った。

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォオオオオ……

「「「ん?」」」

 

ふと、何かが飛んでくる音が、上空からした。

3人がそちらを見ると………

 

 

 

 

グオオォォォォ…

「「「なァァアアーーーーッ!!?」」」

 

『白いワゴン車』が、ティアナたち目掛けて飛んできた!?

 

ドグッシャァアアッ

「「わああッ!?」」

「あーーーーーれーーーーーー………」

 

そのままワゴン車は天守閣に衝突し、千草は衝撃で飛んでいってしまった………

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

(―――な………なんだ………?なんだ、奴らのあのスタンドは………!?)

 

綺初は、『アンチェイン・ワールド』の中で焦っていた。

なぜなら、今自分が身を潜めている以外の柱は…………

 

 

 

 

「どうしたんだい?来ないのかい?」

 

『ラッシュ』を背に立たせたソルが、挑発するように聞く。

 

「さっきまでの威勢は、どうしたの?」

 

『ダッシュ』を背に立たせたルナも、挑発するように聞く。

 

「「だったら、いぶり出させてもらうよ♪」」

 

スタンドを構え、二人は『同時に柱に攻撃した』!!

 

ドグシャァアアッ

 

そして、それが同時に当たった瞬間――――

 

 

 

 

 

ギュオオオオォォォォ……

「!またか……………ッ!」

 

柱が殴られた部位を中心に、勢いよく『吸い込まれた』!

 

 

 

コローーーーーーン………

 

 

 

部位が完全に吸い込まれると、そこには直径3cmほどの『球体』があった。

よく見ると、周りには同じような球体が転がり、レンガの柱はそこいらにコルクのように丸く切り取られたように途切れていた。

 

「二人が『同時に攻撃したもの』を………『圧縮』する能力……………ッ!!」

「だから………『二人で一能力』………!」

 

アナスイと、未だ拘束されたギンガが感心したように呟く。

 

(くっ………なれば奥の手ッ!)

グンッ

「!ま………またッ!?」

 

再び自分を拘束するレンガが動くのを感じるギンガ。だが、今度は――――

 

 

 

 

 

ガシィイッ

「えっ!?」

ガシガシィイッ

「ま………まさかッ!?」

 

 

 

脚だけを拘束していたレンガ以外にも、両腕と胸、もう一方の脚にもレンガの拘束が施された!

 

『我流伊賀忍法『傀儡石枷(かいらいせきか)』!ゆけッ!!』

グオオッ

「みんな避けてーーーーッ!?」

 

そのままギンガは、先ほど同様に『アンチェイン・ワールド』に引っ張られる形で、キタッラ兄妹に殴りかかった!

 

ドグシャアッ

「うーん、厄介だねこれは……」

「圧縮したら、彼女ごとやっちゃうしね………」

「「さて、どうしようか………?」」

 

素早くそれを避けた二人は、いつもと同様に話す。口振りは普段どおりノンキそうだが、その表情は困った様子だった。

攻撃しようにも、ギンガを傷つけずに攻撃するのは難しい。今、ハルナの側にいるチンクも、それは同様だろう。

 

「オメーらはそーいう風にしか話せねーのか………?まあいい。ここはオレに任せろ。」

「え?」

「あなたが?」

 

そう言うと、二人の前に立つアナスイ。

 

「アナスイさん!避けてェエッ!!」

グオォォォォ

 

それでもギンガが迫ってくる!

だが、アナスイは冷静に『ダイバー・ダウン』を出し…………

 

 

 

 

 

 

 

ズボォォオ

「「「「「『ッ!!!?』」」」」」

 

ギンガに拳を食らわせた!

 

 

だが、様子がおかしい。

 

 

拳どころか、右半身が『ない』!?

 

 

皆がそう思った瞬間――――

 

 

 

 

 

バッコォォオオーーン

 

ギンガを拘束していたレンガが、全て砕かれた!

 

 

 

『まさか………ダイバー・ダウン!くそ………まさかヤツが………潜行させて………』

「私の体内に『潜行』して………『内側から』砕いた………」

「確かに………外側からじゃあ『アンチェイン・ワールド』が避けたり攻撃してくるけど………」

「内側からだったら………近づいてきた時に一撃喰らわせれば良い!」

「「ま、彼にしかできない芸当だけどね♪」」

 

 

 

「大丈夫か、ギンガ?」

「えッ!?あ………ひゃい…………」

 

アナスイに尋ねられ、顔を真っ赤にして答えるギンガ。

アナスイはそんな事は気にせず、柱の一本―――まだキタッラ兄妹の攻撃を受けていない柱を見た。

 

「さて、綺初は………あそこだな………」

「あ、それは僕らに任せてよ。」

「あんなの見せられたワケだし、私たちも良いとこ見せないとね。」

 

言うと、二人は転がっていた球を拾い………

 

 

 

「「『ラッシュ/ダッシュ』ッ!!」」

ゴッ

 

スタンド―――『ラッシュ』と『ダッシュ』で同時に「殴りつけた」!すると………

 

 

ゴッパァアッ

「「「「なッ!?」」」」

 

圧縮されていたレンガが、まるで押さえていたものをなくしたバネのように、飛び出したッ!!

 

『ッ!?く………』

ドグシァアャアッ

 

そのままレンガが、柱に着弾したッ!!

 

「!いない………!?」

 

だが、そこには綺初の姿はなく、空洞になったレンガの柱しかなかった。

 

「くそ!別の場所に『レンガの容器』を用意しといて………」

「ま、深追いする必要はねえだろ。(ヤツのスタンド………かなり成長してる………それに、応用もきかせてやがるな………となると、他の二人、『(みかど)』と『すずめ』も………)」

 

さらなる危機を感じ取るアナスイ。

そんな時、今まで黙っていたハルナが口を開いた。

 

「ちょ………ちょっと!何だったの一体ッ!?」

「早乙女………」

「さっきから、レンガが襲ってきたり!ギンガさんはいきなり変身するし!それに―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「ッ!!?」」」」」

 

ハルナの一言に、一同は目を見開く。

 

今、ハルナは何と言った?

 

アナスイや、キタッラ兄妹の『()()()()()()()()』―――――?

 

まさか―――――――!

 

 

 

 

「早乙女……………お前……………まさか――――――!?」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

「………で、何があったんですか?フェイトさん………」

 

一方、シネマ村の駐車場に移動したティアナ達。彼女らの前には、先ほどのワゴン車と、それに乗っていた承太郎、フェイト、アルフ、ヴィータがいた。

ちなみに疲れたのか、木乃香と夕映はワゴン車内で眠っている。

 

「い、いやー………実は、承太郎さんが知り合いからこの車を借りたんだけど……………」

「ヴィータがダッシュボードにあったスイッチ押したら、なんか知らないけどいきなり『()()()()()()()()』に点火して………」

「ジェットエンジンッ!?」

「何でワゴン車にそんな物がッ!?」

「ちなみにさっき他のスイッチ押してみたんだが、『光学迷彩』や『潜水機能』、『無人運転』まで出来たぞ。」

「ボンドカーですかそれーーーーッ!?」

 

思わず叫ぶティアナと刹那。フェイトやヴィータも、呆れている様子であった。

 

「で、麻帆良からホンの『10分』たらずで京都まで『飛んできた』訳だ。やれやれ…()()に『スピードワゴン財団』の技術者を紹介したのは失敗だったかな………」

 

『多摩41すR2‐D2』という、現実ではありえないナンバーのワゴン車を見ながら、エンジンの調子が悪いからと財団の技術者を紹介したのを後悔する承太郎だった。

だが、改造をお願いした『彼』もそうだが、それを実行した技術者も技術者だと思うティアナだった。

 

(ていうかコレ、かなりの高さから衝突したのに、キズ一つないなんて…………)

「あれ?承太郎さんにフェイトさん!?」

 

と、そこにアナスイたちがやって来た。

その内アナスイとギンガは、何やら深刻な顔をしている。

 

「あら、あなたたち………」

 

と、ルル・ベルが話しかけた時……

 

ガシィッ

「!?」

「ルル・ベル!お前に聞きたいことがある……!」

「な………何かしら………?」

 

アナスイに捕まれて、ルル・ベルは困惑したように尋ねた。

 

「お前………『早乙女を射抜いた』のか…………!?」

『!?』

 

アナスイの質問に、全員が目を見開いた。

 

「………いいえ、そんなはずは………!そういえばその子、のどかを射抜いた時に………」

「…………アナスイ、ルル・ベル、詳しい話は車内で聞こう。刹那、道案内を。」

「は、はい…………」

 

承太郎に言われ、全員車に乗り込むと、本山へ向けて発射した。

 

「そういえば承太郎さん、天守閣思いっきりぶっ壊しちゃいましたけど………」

「………天ヶ崎 千草っつったか?そいつのせいにしといた。」

「ヒドッ!?」

 

 

 

 

 

山陸の綺初―――再起可能

天ヶ崎 千草―――後日、シネマ村から高額の請求書が届き、愕然とする。

 

 

 

 

 

←to be continued...




61話です。

・モチテグチ登場。月詠はバトルマニア且つゲテモノ好きという設定にしました。

・綺初は『ギャップ』を意識したキャラ。後、トーレも乙女です(笑)アンチェイン・ワールドは、『閉じ込めたら瞬間移動』という、「転送装置」をモチーフにしたスタンド。ただ、『密閉しなければ
ならない』という制限がありますが。

・ソルとルナのスタンド『ラッシュ』と『ダッシュ』。『二人で一能力』というのは、見た目も含めてまんまダブルですね………反省。

・ハルナスタンド使い疑惑浮上。目覚めた経緯や能力は次回以降になります。

・承太郎さんがワゴン車を借りたのは、『ラブひな』のあの人です(笑)でも、財団の技術者による改造で、当時よりパワーアップしてます(笑)

では、次回をお楽しみに!
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