ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】 作:オレの「自動追尾弾」
麻帆良学園 とあるビル 屋上
ガチャリ
「……どうだった『サルシッチャ』?『矢』は彼を射抜いた?」
屋上のドアから入ってきた少女は、先に来ていたサルシッチャに話しかける。
「問題ありません。わが能力、『アンダー・ザ・レーダー』は正確無比!確実に少年の胸を貫きました!」
サルシッチャは先ほど少年を射抜いた『矢』を構えながら、自信たっぷりにそう言った。彼の近くには、このあたりの『地図』があり、それを覆うように、彼の能力が立っていた。
「そう……彼の能力、私たちの役に立てばいいけど……」
そういうと彼女は、少年がいたであろう「湖」の方を見た。
☆★☆★☆★
ネギが射抜かれてから2時間後
麻帆良総合病院 集中治療室前
今、集中治療室の前には、3人の人物がいた。一人は明日菜、もう一人はスバル。そしてもう一人は……
「スバルッ!」
「アスナーー!」
ふと、二人を呼ぶ声と、ドタドタと騒がしい足音がした。そちらを見ると、A組のクラスメートたちに加え、ティアナとフェイトが駆けてくる所だった。
「ネギ先生が矢に刺されたって、本当なんですのっ!?」
「ネギくん、大丈夫なん!?」
「アスナ!?どうなの!?答えてよォオオオ!!」
あやか達に問いただされる二人。全員、ここが病院という事を忘れて、ギャーギャーやかましく話している。
そこへ
「やかましいッ!!病院内では静かにしやがれッ!!」
先ほどからいた男が怒鳴り、やかましいA組の面子がピタリと黙った。
ふと、ティアナは気づいた。この男は、先日会った人物だ。
「あ、あなたはこの間の……」
「なッ!!何で親父がこんな所にいるんだよ!?」
ティアナが言い終わる前に、徐倫が叫んだ。
「「「「「「「ってえぇーーーーッ!?」」」」」」」
徐倫の言葉に、明日菜やスバルたちは驚く。
「じ、徐倫のお父さんッ!?」
「マジで!?何この偶然!?」
「ていうか、失礼だけどあんまりジョジョに似てないじゃん!?」
男の正体を知り、再び騒ぎだす明日菜たち。だが、男がギロリと睨むと、再びピタリと止んだ。
「……彼はまだ治療中だ。運び込まれてからまだ1時間だが、そう長くはかからないだろう。」
男はそう彼女らに言い聞かせる。それを聞いて、全員つらそうな顔をする。
そんな時、『治療中』のランプが消えた。
ガチャ
「!!先生!ネギは……!?」
医師が出てきて、全員が詰め寄る。全員、不安そうな面もちだ。
「……矢は心臓近くを貫いていたみたいですが、一命はとりとめました。回復も早いので、数日中には完治するでしょう。今はまだ目覚めないので、今日は入院したほうがよろしいかと………」
それを聞いて、全員に笑顔が戻る。今にもハシャぎそうな勢いだが、徐倫の父にまた怒鳴られそうなので、我慢する……
#06/空条 承太郎!ネギ・スプリングフィールドに会う
麻帆良総合病院 待合室
「……それで、ネギくんを射抜いたのは、あの『矢』だったのね?」
みんなが帰った後、フェイトは明日菜とスバルに聞いた。もしもあの『矢』だったら、犯人たちはあれを使った犯罪を、今も続けていることになる。
「うん…でも、回収はできなかった。」
「……?」
「いや、回収しようにも、できない状況にあって……あ…ありのまま、起こったことをはなすよ!『私たちが気付いたときには、『矢』はすでに、ネギくんの胸から消えていた』……」
スバルの話を聞いて、フェイトは絶句した。
「な…何を言っているか分からないと思うけど、私たちにも、何が起こったのか分からなかった。魔法だとか、超スピードだとかそんなチャチなものじゃあ断じてない……もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ……」
明日菜も、スバルに続く。どうやら、ネギを射抜いた犯人は、自分たちの魔法に関する常識を超越した『
そこに、トイレに行っていたティアナがやってくる。
「フェ………フェイトさん!!」
「どうしたの?そんなにあわてて?」
「い……今トイレの方で、徐倫さんたちが……」
「「「???」」」
ティアナの話では、徐倫とその父、そして、顔は影で見られなかったが、あと『6人』が、『矢』について話していたという。しかも、話の内容から察するに、徐倫たちは矢について詳しく知っている様子だったらしい。
「それって……!!?」
「……い、いや、ありえないわよ!!だって、徐倫は、ずっと同じクラスだったのよ!!そんなことするような子じゃあ……!」
話を聞いて、信じられないという面持ちの明日菜とスバルだった。
「……いずれにしても、彼女たちについて調べる必要があるわね。明日にでも、問いただして見ましょう。」
フェイトがそう決定し、明日菜たちは帰宅することになった。
☆★☆★☆★
翌日
ネギの病室
「いやー、皆さん、すいません…僕のために色々としてもらって。」
ネギは、見舞いに来た明日菜、木乃香、スバル、ティアナたちに、申し訳なさそうに感謝する。
午前中は他のクラスメートたちが見舞いにきたらしいが、ものすごく騒がしくなってしまったため、婦長さんに追い出されることになったらしい……まあ、あの面子なら仕方ないが。
「いいのよ。それより、胸のほうは大丈夫なの?」
「はい、回復のスピードがあまりにも速いって、お医者さんが驚いていましたが…」
「そうみたいやな~、月曜日にはもう退院できるんやろ?」
花瓶に花を生けながら、木乃香が言う。
矢が胸を貫通するほどの重傷だったにもかかわらず、ネギの回復力は凄まじく、もう月曜日には退院とのことだ。
「ええ、アスナさんとスバルさんが、早くに救急車を呼んでくれたおかげですよ。」
「えっ、いや、私たちなんて……ねぇ?」
ネギにお礼を言われ、複雑そうな顔をする二人。
「…………私たち、あの時、何が何だかわからなくなって……『承太郎さん』があの時来てくれなかったら…………」
「……『ジョータローさん』?」
知らない名前に、首を傾げるネギ。その謎は、すぐに解ける事となった。
コンコン
「うぃーっす。って…」
「なんだ、神楽坂たちも来ていたのか。」
入ってきたのは、徐倫と千雨だ。だが、後ろにはネギの知らない大男がいた。
「あ、承太郎さん、ちょうどいい所に。ネギくん、この人がさっき言ってた―――」
「初めましてネギ君、娘が世話になっているみたいだな。俺の名は
「えっ?く、空条さんの!?は、初めまして……」
意外な人物の登場に驚くネギ。とりあえず、こちらも挨拶する。
スバルの話によると、偶然通りかかった承太郎が、的確な指示をしてくれたらしい。
「……それで、胸はもう大丈夫なのか?」
「えっ………ええ、月曜日にはもう退院できて……」
承太郎にいきなり言われて慌てるネギ。
何故か明日菜たちも、少し苦手そうな顔だ。承太郎から、無言の
徐倫と千雨は平気そうだが……
(……あー、全員親父の無言に耐えきれそうにないなぁー。)
(初めてじゃあ仕方ないな。)
意外とのんきだ。
☆★☆★☆★
徐倫たちが退室し、木乃香が売店へ行くと、『魔法使い組』は、先ほどの空条親子たちについて話し始めた。
「矢について、あまり話しませんでしたね…もっと聞いてくると思ったのに……」
「向こうも警戒しているのかしら?」
「さあ?でも、矢に射抜かれる事が重要だったみたいだよ?」
「……やっぱり、あの『矢』には、何かあるみたいね………」
全員がそれに頷く。考えれば考えるほど、『矢』の謎は深まった。
チュミィィ〜〜ン
「ん?」
ふと、ネギは何か声のようなものを聞いた気がした。
「……?どうしたのネギくん?」
「……今、何か聞こえたんですが………」
「え?……………何も聞こえないけど?」
全員耳をすましてみるが、何も聞こえない。だが、
チュミ……チュミィィ〜〜〜ン
「ほら、また!!」
「………ここって、『出る』の?」
「いや、そんなこと聞いたことないけど………」
引きつった顔のティアナが明日菜に聞くが、明日菜はそんな噂聞いたことなかった。
ふと、スバルは気づいた。ネギの肩に、何かが乗っている!
「……!!ネギくん、それは!?」
「えっ?」
スバルに言われ、自分の肩を見たネギが見たものは
『チュミィィ~~~ン』
ウサギのような姿の、精霊のようなものだった。
全長は15cm前後、色は全体的にピンク色で、体のあちこちに星マークが浮かび、目は困ったような形だ。鼻は尖っていて、先端が額の大きな星マークと糸のようなもので繋がっている。胴体はクリオネのようで、足に当たる部分には、四本の短い触手らしきものが生えている。
そんな、一見かわいいようなものが、まるで歯医者のドリルのような、それでいて動物のような鳴き声を発していた。
「うわっ!?な、何これ!?」
驚いて後ずさるネギ。『精霊のようなもの』は、その場にふよふよと浮きながら、ネギを見ている。
「な、何かウサギっぽいけど……」
「さっきまでこんなのいた?」
明日菜とスバルは、不思議そうに精霊をまじまじと見る。
そんな三人の様子を見ていたティアナは、少し怪訝そうな顔で尋ねる。
「……ねえ、ウサギなんてどこにいるの?」
ティアナの一言に、三人はティアナを見る。その顔は、『驚愕』だった。
「え?ティア、『これ』が見えないの?」
「……てか、あんた達には何が見えてるの?」
ティアナは、三人が何を見ているのかが不思議だったし、三人には、ティアナに精霊が見えないのが不思議だった。
ふと、スバルはあることに気づく。
「もしかして、『矢』に射抜かれたのが原因?」
「「「「あッ!?」」」」
全員気がはっとする。なるほど、これがあの『矢』の力なのか。
「………問題は、あんた達に見えている『
「そうね……それに、徐倫たちが何でそれを知っているのかもね……」
矢の能力は分かったが、新たな謎が生まれたのだった……………
☆★☆★☆★
ネギが退院した日
午後6時過ぎ
クラスメートの一人、
「いや〜、本当に盛り上がったねぇ〜♪」
「スバルは食べてばっかだったけどね……本当に、あんたの胃袋どうなってるの…………?」
「まあ、前衛ってカロリー消費激しいらしいし……ん?」
スバルの暴飲暴食っぷりを思いだし呆れていると、道の100mほど先に、徐倫と千雨、そして、長い髪をポニーテールにした、背の高い少女――大河内 アキラ、さらには、まき絵と承太郎までが、何か話しながら歩いているところであった。
「………徐倫たち、だね………」
「何か話しているみたいだけど………追いかけてみる?」
明日菜とスバルが提案をするが、それにネギが反論する。
「だ、ダメですよ!クラスメートを疑うなんて………!話せばきっと分かりますって………!」
「それは、そうだけどさぁー………」
慌てて言うネギに、少し困ったように返事をする明日菜。眉をしかめながら再度前方の一団の方を見た。
「はッ!?」
そこに来て、明日菜は気づいた。一団の中に、『千雨がいない』!?
「ち、千雨ちゃんは……!?さっきまでいたのに………千雨ちゃんはどこに行ったの………!?」
「一つ、言わせてもらうが……」
「「「「「「!!!???」」」」」」
急に、後ろから声がする。振り向くと、100m先にいたはずの千雨が、彼女らの『後ろ』にいた!!!
「そんなお粗末な『追跡』じゃあ、私らは追えないぜ………!」
道の方を振り向くと、徐倫たちもこちらに向かって来ていた。後50m位だろうか。
「まッ、待って!!私たちは別に……」
そんな時、ティアナのもつ『クロスミラージュ』から、通信音がした。ティアナは回線を開くと……
[みんな!!今、そっちの方にガジェットが……!!]
「ん?何だよそれ……?」
だが、千雨が質問し終わる前に、ガジェットたちが彼女らを囲んでいた。『転移魔法』の反応もなしに、だ。
「な!?いきなり現れた!?」
「こいつらは……!」
スバル達は戦闘態勢に入ろうとして、躊躇った。
(どうする?このまま行く?)
(でも、それじゃあ徐倫たちに……)
そうこうしている内に、ガジェットたちが千雨に迫る。だが、千雨は動こうとしない……
「はッ長谷川さん!!」
「あんたッ!早く逃げ――」
ティアナが言い終わる前に、
ガジェットが、一瞬で『輪切り』になった。
「………………え?」
切り刻まれたガジェットが爆発する中、呆けた表情のティアナ。だが、ネギ、明日菜、そしてスバルの三人には、『見えていた』!
千雨がいつの間にか握っていた「二本の小太刀」で、ガジェットを『斬り裂いた』のを!!!
「…………お前等との話は『後』だ。」
千雨は、小太刀を構えて言う。左手を逆手に持ち、前方で縦に交差させる、独特の構えだ。
「今は!!」
瞬間、千雨に迫っていた一機のガジェットを、左で逆胴、右で唐竹割りと、交差するように斬る。
「こいつらを全部『ぶった斬る』!!!」
千雨は、十数機いるガジェットに向かって、かけていった。
←to be continued...
6話です。
・サブタイトルは「空条承太郎!東方仗助に会う」から。
・ネギのスタンドが「タスク」なのは、今後魔法拳士の道を選んだ際に役立つと思ったからです。カモにスタンドが見えていたら、マスコット枠を争いかねませんがw
では、次回をお楽しみに!