ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#77/オットーは謎だ! ②

「ええ!チンク姉やお嬢が…!?」

 

ギンガからの電話に出たノーヴェは、チンクたちが何者かに攫われた事を聞いて思わず聞き返した。

 

[恐らくはスタンド使いの仕業ね…念話にも出ないわ……今、スバルとも連絡して、木乃香ちゃんたちと探してもらっているけど………]

「そうか………私もそっちに行きたい所だが………」

 

ノーヴェは携帯電話片手に『エアライナー』の上を走りながら、後ろを振り返った。背中にはのどかを背負い、右には亜子を抱き抱えたオットー、左には『サイケデリック・インサニティ』で()()()()()ルル・ベルに捕まるディードがいた。

 

「生憎こっちも取り込み中だ!!」

 

〈排除!排除!排除!〉

 

そして後ろからは、蒸気を吹かしながらスタンドが追いかけて来ていた!

 

 

 

 

 

#77/オットーは謎だ! ②

 

 

 

 

ボウリング場からそう遠くない建物の屋上にノーヴェたちは下りると、5mほど先にまで来たスタンドとにらみ合う形になった。

 

「ま、周りに迷惑のかからないようにボウリング場から飛び出してきたのはいいけれど………」

「コイツ、何処まで追いかけて来るんだ!?」

 

スタンドの吐き出す蒸気が舞う中、ゆっくりとこちらに向かってくるスタンドに毒づくノーヴェ。

 

〈排除!排除!排除!〉

「何が『排除』だ!オウムみてーに何べんもヤカマしいぞ!!」

「のどか、本体らしき者は見つかった?」

 

ルル・ベルがのどかに聞く。のどかは先ほどから『イノセント・スターター』の子亀で周囲を探り、スタンドの本体を探していた。

 

「い、いえ………さっきから周囲を探っていますが、それらしき人は………」

「つーことは『遠隔操作』か?だが、」

〈排除!〉

 

ノーヴェは言いかけるが、スタンドの振り下ろしたアームが迫る!四方に散ることで回避するが、今まで自分たちのいた場所の破壊跡を見て、ゾッとした。

 

「この圧倒的『破壊力(パワー)!!』近接型としか考えられない!どっかに隠れているのでは!?」

「た、確かに………」

 

ディードがのどかに言うが、ルル・ベルはいまいち腑に落ちないでいた。たった今、自分たちは100m近い距離を走ってきたわけであるのだが、近接パワー型の本体がその速さに追いついたというのだろうか?

そう考えていると、スタンドは周囲をキョロキョロと見まわしていた。

 

〈侵入者散会、対象確認、攻撃開始。〉

 

そう言ったかと思うと、亜子を抱えたままのオットーに一気に接近した!

 

〈排除!〉

「!?」「オットー!!」

 

迫るスタンドとオットーの間にディードが割って入ると、『エターナル・ブレイズ』の4本の剣で斬りかかる!

 

ガギィンッ

「!?か、硬い………!」

 

しかしスタンドの装甲は非常に硬く、刃が1ミリも食い込んでいない。おまけに突進するパワーも強く、ディードは徐々に押されていく!

 

「な、何というパワー………!」

「ディードさん!!」

 

ディードが押される中のどかが横から接近、『イノセント・スターター』の左拳をスタンドに向けて振り下ろす。

 

ボンッ

「!?」

 

そしてその拳が激突した瞬間、拳の当たった個所が爆発した!爆発の衝撃でスタンドはボディの一部を破損し、数m吹き飛んで倒れた!

 

「ホンヤ!」

「いまのは………?」

 

ノーヴェとルル・ベルがのどかの元に駆け寄る。のどかは『イノセント・スターター』の左腕を見せた。

 

「ぱん、パンチが当たる瞬間に、『子亀』を発射したんです………『パンチの衝撃』と『子亀の爆発』の、二重ダメージを狙って………」

「そんな事、よく思いついたな………」

 

ノーヴェは感心しているが、ルル・ベルは内心(フ○エノ○ワミ………)と思っていた………

 

「しかし、結構なダメージを与えられましたね。」

「あれだけのダメージだ。本体も無事なわけないな。」

 

亜子を抱えたオットーが、ボディが破損し、アームが1本千切れかけたスタンドを見て述べた。あそこまで破損したら、本体にもダメージがフィードバックしていることだろう。近くにいきなり大ケガをした者がいないか探そうとしたその時、

 

ガシャンッ

「「!?」」

「何!?」

 

スタンドが勢いよく起き上がり、再びオットーに向けて突っ込んできた!

 

「こ、コイツ!また突っ込んできたぞ!しかも、あんだけダメージ受けても全然スピードが落ちてねえ!」

〈排除!排除!排除!〉

 

スタンドは突進してくると、千切れかかったアームを振り下ろす!ノーヴェたちは咄嗟によけるが、ディードは『エターナル・ブレイズ』の腕が掠ってしまったらしく、右腕の内1本が破損してしまった。

 

「ぐうッ………!」

「ディード!!」

 

腕のダメージで背中から出血するディードを見たノーヴェが叫ぶ。スタンドの方は、今の攻撃で完全にアームが壊れてしまい、それを確認していた。

 

〈―――第四腕破損。走行、可能。補助作業腕、展開。〉

 

スタンドは無機質にそう言うと、頭部の左右が細長くスライドし、中からペンチのような形状の武骨なマジックハンドが出現した!

 

〈展開完了。動作良好。攻撃開始!〉

 

アームを開閉させると再びオットーに向けて駆け出した!

 

〈排除!〉

「ッ!!」

 

そのセリフと共に展開したマジックハンドを振り下ろして攻撃してくる!オットーは咄嗟に避けるが、その一撃で床が陥没した!

 

「な、………何だコイツ!?異様にタフすぎるぞッ!!」

 

スタンドの追撃を躱しながら叫ぶオットー。あれだけのダメージを受け、しかも自身が壊れるのも厭わない攻撃を仕掛けてきた。そんな捨て身の戦法を行うなんて、本体は何を考えているのだろうか?

 

「あのタフさ………それに単調な動き………もしかして………」

 

スタンドの様子を観察していたルル・ベルは、ある可能性に気づいた。それを確認すべく、のどかに声をかけた。

 

「のどか、上空からこの『蒸気の中心』を探して!」

「蒸気の?」

「さっきから気になっていたのよ………この『蒸気』………スタンドの出現と前後して発生したわ………おそらく、この『蒸気』こそ、スタンドの正体を探るカギになるはずよ………!」

 

ルル・ベルにそう言われはっとなる一同。すぐに『子亀』を上空に放ち、蒸気の中心を探る。

上から見て分かったのだが、蒸気は10mほどの範囲に広がっており、微妙にではあるがまるで台風の進路を映した天気図のように動いていた。

 

「だとしたら中心は………え!?」

 

その蒸気の中心を探っていたのどかは、それがあのスタンドではない事に気づく。その中心は―――

 

「中心は………オ、()()()()()()!?」

「何!?」

「やっぱりか………」

 

のどかは驚いて言うとノーヴェが驚きの声を出すが、ルル・ベルは納得したように頷き、オットーに向けて叫んだ。

 

「オットー!和泉亜子を置いてこっちに来て!蒸気の中から出るわよ!」

「え!?」

「ルル・ベル!?お前何を言って………!」

 

ルル・ベルの指示にノーヴェが食って掛かるが、ルル・ベルは続けた。

 

「蒸気の中心はオットーだけれど、そこには彼女もいるわ。どちらが本当の中心か見極めれば、あのスタンドの目的もわかるはずよ!」

「だ、だけど………!」

 

オットーが抗議しようとしたが、その時、スタンドがアームを振り下ろしてきた!

 

〈排除!〉

ドガンッ

「うわッ!?」

 

直撃はしなかったものの衝撃でオットーは転倒してしまい、亜子を落としてしまった!

 

「し、しまった!?」

〈排除!〉

 

立ち上がって駆け寄る間もなく、スタンドの追撃が迫る!

 

「ボサっとすんなオットー!」

 

スタンドのアームが振り下ろされそうになったその時、『ジェットエッジ』を吹かしたノーヴェがオットーを抱えてその場を離脱した。

 

「ノーヴェ姉様!?」

〈目標逃亡、追跡!排除!〉

 

オットーは驚いたが、スタンドが亜子に目もくれずこちらに向かってきているのを見た。

 

「い、イズミさんは無視して!?」

「やっぱルル・ベルの言う通り、イズミが中心なのか………?」

 

スタンドに追われながらルル・ベルの推測どおりなのかと勘ぐる2人。再びスタンドのアームが迫るが、その瞬間、のどか達のいる『蒸気の外』にまで出た。

 

ぴたっ

「………!?」

 

しかし、スタンドは振り下ろしていたアームを寸前のところで停止させ、そのまま数歩下がった。

 

〈侵入者逃亡、喪失。警備、続行。〉

 

そう言うと踵を返して歩き回り始めた。何が起こったのか分からないノーヴェは、再び蒸気の中に入ろうとした。

 

〈侵入者発見!排除!排除!排除!〉

「!?」

 

瞬間、スタンドがけたたましく叫びながら、再びこちらに向けて駆け出してきた!咄嗟に手を引っ込めると、スタンドはまた何事もなかったかのように振り返って歩き始めた。

 

〈侵入者逃亡、喪失。警備、続行。〉

「こ、これは………!」

「あのスタンド、『蒸気の中にいる奴』にしか攻撃しないのか………?」

 

ノーヴェの言う通り、あのスタンドはこの『蒸気』の中にいる者にしか攻撃しないようであった。蒸気の範囲内を周回するように歩くその姿は、さながら『警備員』である。

 

「この『蒸気』は、あのスタンドの『射程距離』であり、『探査装置(センサー)』でもあるのね………」

「しかし、だとしたら何故和泉さんを中心に………?」

 

のどかが疑問を述べる。しかしその時、オットーは亜子の方を見てある事に気が付いた。亜子の頭から、落とした際の衝撃であろうか、何かが『はみ出ていた』!

 

「!?あッ、あれは………イズミさんの頭からはみ出ている()()は!」

 

 

 

 

 

亜子の頭からはみ出ていたものは、直径20cmほどの、藍色のDISCであった………

 

 

 

 

 

「ディ………D()I()S()C()!!」

「い、和泉さんからDISCが!?」

「まさか、イズミ・アコ!彼女はスタンド使いに()()()()()()()()!?」

 

驚きの声を上げるのどかたち。しかし、オットーには疑問があった。

 

「し、しかし!だとしてもおかしいぞ!彼女は今『気絶している』!そんな状態で、スタンドを『操作』できるのか!?」

「そ、そういえば………」

 

オットーの言う事もわかる。

確かに亜子が本体であればあの破壊力にも納得ができるが、気絶していたら操作ができないだろう。だとしたらやはり遠隔操作で他に本体がいるのか?そう考えていると、ルル・ベルが冷静に話し始めた。

 

「考えられるのはただ1つ。あのスタンドは、蒸気の中にいる者を、『()()()()()()()()』のよ………()()()()()()()()()()()()………」

「じ、自動的に!?」

 

ルル・ベルの告げた結論を聞いて、驚きの声を上げるオットー。だとしたらこのスタンドは『近接パワー型』でも『遠隔操作型』でもなく、

 

「あれは『自動操縦パワー型スタンド』よ!本体から離れてもパワーが強いけれど、その分ある条件、例えば『熱』や『早く動くもの』等を攻撃するといった一定の条件でしか動けず、攻撃も単調になるわ。」

「じ、自動操縦………そういえばあいつ、アタシらに攻撃する時は突進してアームで殴るしかしていなかったな………」

 

ルル・ベルの説明を受けて、ノーヴェは今までのスタンドの行動を思い出した。

 

「と言うことは、イズミは知らない内にスタンド使いにされていて、無自覚のままスタンドの『発動条件(スイッチ)』を入れてしまったのか………」

 

ノーヴェが現状を確認する。それを聞いたオットーは、ついさっき起きた事を思い出した。

 

「そう言えば………さっきボク、イズミさんに強く『拒絶』されてしまった………「来ないでくれ」と………」

「『強い拒絶の意思』………それがあのスタンドのスイッチか………」

 

スタンドの発動条件に気づいた一同。オットーは申し訳ない気持ちになるが、意を決した顔で立ち上がった。

 

「DISCでスタンド使いになっているなら、イズミさんからDISCを引き抜けばスタンドは解除されますよね?」

「………ええ、確証はないけれど………」

「だったら、それはボクがします………いや、ボクがしなきゃいけないんだ………!」

「オットー………」

 

オットーの決意に満ちた顔を見たディード達は、その隣に立った。

 

「それを言うなら、彼女に対して『意固地』になっていた私にも責任があるわ。」

「あのスタンドはアタシらに任せときな。」

「ディード………ノーヴェ姉様………」

 

オットーは2人に頷くと、ルル・ベルとのどかも頷き、スタンドの蒸気の領域へと踏み込んだ。

 

〈侵入者確認。排除!排除!排除!〉

 

侵入を感知したスタンドが近づいてくる。ルル・ベルとディードが前に出ると、『イノセント・スターター』と『エターナル・ブレイズ』で掴みかかって動きを止めるが、やはり突進のパワーが強い。

 

「『サイケデリック・インサニティッ!!』」

ドガガッ

 

そこにルル・ベルが『サイケデリック・インサニティ』で殴りかかる!

『サイケデリック・インサニティ』の重力操作で重力の方向を変更され、スタンドが姿勢を崩す!

 

〈!?重心変動!?姿勢不安定!?修正!至急修正!〉

「今よ!」

「おう!!」

 

ノーヴェは返事と共に駆け出し、渾身の一撃をそのどてっぱらに叩き込んだ!

 

「ウリイィィャァアアアアアアッ!!」

ドグシャァッ

〈!?!?!?〉

 

叩き込まれた拳にスタンドは完全にひっくり返り、立ち上がろうとじたばたする。その隙にオットーは亜子の元へと走り、額から出たDISCをつかみ、一気に引き抜いた!

 

「よし!」

「これでスタンドも解除される!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボロ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

しかし引き抜いた瞬間、全員の顔が青ざめる。

 

引き抜かれたDISCが、ボロボロと()()()()()()からだ………!

 

「な、何だこれは!?DISCが………ラ、ラーメンのスープに浸された海苔みたいに、ぼ………ボロボロに『()()()いく』ぞーーーッ!?」

「これは………!?」

 

ルル・ベルも困惑していた。徐倫からは、DISCを引き抜いてもこのような現象が起こる事は聞いていない。

しかも、DISCを引き抜いたにも関わらずスタンドは健在である。

 

「だとしたら………まさか………DISCを盗んだ者の仕業!?」

「い、和泉さんが、完全にスタンド使いになってしまった………!?」

 

ルル・ベルたちが息をのんでいたその時、倒れていたスタンドがけたたましく警告音を発し始めた。

 

〈緊急事態!緊急事態!壱號機行動不能!壱號機行動不能!〉

「なんだ!?」

「壱號機………?」

 

のどかはスタンドが発した言葉に引っかかっていると、スタンドは更に驚愕の言葉を叫んだ。

 

 

 

()()()()!!()()()()!!()()()()!!〉

 

 

 

「何!?」

()()だと………!?」

 

のどか達が耳を疑う中、亜子の周囲に同型のスタンドが3()()出現した!

 

〈弐號機、要請受領。出撃完了。〉

〈参號機、要請受領。出撃完了。〉

〈肆號機、要請受領。出撃完了。〉

「おいおいおいおい、冗談じゃぁねーぞ………!」

 

同型機3体の出現にノーヴェが毒づく。スタンドたちは一斉に動き出した!

 

〈〈〈排除!排除!排除!〉〉〉

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

『―――良シ。チャント『定着』出来たヨウダナ。』

 

のどかたちが戦っているビルからそう遠くない場所からスタンド・『プレシャス・プライド』は左手をカチ、カチ、と打ち鳴らしながらつぶやいた。

 

『我ガスタンド能力ハ『定着』サセル事!景色ヤ物ハ最初ノ内「違和感」ガアルガ、イズレハ慣レテ「定着」スル!『プレシャス・プライド』ハ『定着』スルマデノ時間ヲ『短縮』サセルスタンド!コレデ『メガロポリス・アリス』ハ和泉亜子に「定着」し、彼女ノモノとナッタ!』

 

『プレシャス・プライド』はそういうと姿を消し、本体もその場を後にした。

 

「………さて、後は彼女たちに任せよう。あの程度なら、乗り切れるだろうからな………」

 

 

 

 

 

スタンド名:メガロポリス・アリス

本体:和泉亜子

 

 

 

 

 

←to be continued…




77話です。
・今回のスタンド『メガロポリス・アリス』。「ターミネーター的に延々と追跡してくる」っていうのをやりたくて、こんな感じになりました。
 今回、『スチームパンクっぽいスタンドを出したい』と考え、「せっかくならスチームパンクな理由づけもしたいな」と思い、蒸気を能力の一部に取り入れてみました。

・『イノセント・スターター』の応用攻撃。子亀ミサイルは割と使い勝手がいいです。

・本体は亜子でした、というオチ。そして『プレシャス・プライド』の能力も判明。若干こじつけ臭い気がしなくもないけど………

では、次回をお楽しみに!
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