ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#79/ルーテシア浮上

数日前---

 

「―――『運び屋?』」

「そうだ。先日の“シャラン”が学園に侵入した件で、ヤツの侵入ルートが分からない………麻帆良(ここ)の『転移ゲート』は見張られているし、車や鉄道等の正規ルートからの侵入も、確認できなかった………」

 

承太郎が宿泊している『麻帆良グランドホテル』の施設内にあるカフェテリアで、承太郎は対面したジョルノと話していた。

 

「シャランだけじゃあない………『オエコモバ』や『ギアッチョ』のような「不審者」がこの町に入った経路が不明だ………」

「………成程、『蛇の道は蛇』、でしたか?裏社会(ボクら)の情報ネットワークで、()()()の職業の人を探してほしいんですね。」

 

そうだと答える承太郎。ジョルノは一つ息を吐くと立ち上がった。

 

「分かりました。あなた方に協力すれば、SPW(スピードワゴン)財団の『後ろ盾』が得られるでしょうからね。」

 

そう言って踵を返して歩き出すジョルノ。しかしふと立ち止まり、

 

「所で承太郎さん?」

「?」

 

 

 

 

 

「腹違いの姉弟のクローンは、『妹』と呼んで良いのでしょうか?」

「………何の話だ?」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

『メガロポリス・アリス』の騒動が起きた日の昼休み―――

 

「あ、ジョルノさん。」

「ん?」

 

先ほど入手した情報を手に、昼はどこで食べようか?と歩いていたジョルノは、ギンガにノーヴェ、フェイトにアーニャたちと偶然鉢合わせになった。

 

「これからお昼ですか?」

「ええ。」

 

ギンガにそう答えると、ふと、ジョルノはノーヴェとギンガを見て、先日スバルに言われた事を思い出した。

 

「………」

「?あの………」

 

ジョルノがじっとこちらを見つめるので恥ずかしくなったのか、ノーヴェが戸惑い気味に聞く。ジョルノは少し考えたかと思うと、ノーヴェの頭を撫で始めた………

 

「!?」

 

当然の事ながらいきなり頭を撫でられたノーヴェは驚いてジョルノから遠ざかる。突然の事にフェイトたちもキョトンとしていると、ようやくジョルノは、自分のしたことに気づいたのかはっとして、

 

「あ、ご、ごめんなさい………」

 

慌てて小さく謝るのであった………

 

 

 

 

 

#79/ルーテシア浮上

 

 

 

 

 

「ということがありまして………」

「えーと……うちのスバルがすいません………」

 

近くのレストランで一緒に昼食を取ることにして一緒の席に着いたジョルノは、料理を待つ間に先週スバルに言われた事をギンガに話した。

そしてギンガは申し訳なさそうに、上の謝罪をジョルノにしたのであった。

 

「なんつーか………スバルのあの人懐っこさだけはソンケーできるわ………」

「確かに………」

「そうか、その流れだとノーヴェもジョルノさんの妹になるんスね………」

 

呆れるノーヴェたちと、妙に納得するウェンディ。一応ギンガもその理論に当てはまる気もするが……

 

「すいません、今までそういう風に懐いてくる人がいなかったもので……」

「そ、そうでしたか………」

 

ジョルノが申し訳なさそうに言うと、興味を持ったのかディエチが聞いてみた。

 

「ジョルノさん、兄弟とかいないんですか?」

「ええ、徐倫や承太郎さんの話だと母親違いの兄弟がいたみたいですが、会ったことはないですね。それに、」

 

と、急にジョルノは影を落とし、

 

「実の母には育児放棄されて義父には虐待されてましたし………」

「あ、ゴメンナサイ………」

(その反動もあるのかな………?)

 

辛い幼少期の事を思い出してしまったらしいジョルノに謝るディエチ。微妙な空気になってしまった事に気づいたジョルノは、話を切り替えようと、アーニャに話しかけた。

 

「あー……そう言えばアーニャ、君はネギ君が危ない事件に巻き込まれていると聞いて、日本にまで来たそうだね?」

「え?ああ、そうだけど………」

 

急に話を振られたアーニャは一瞬何の事かと思ったが、直ぐに思い出した。

 

「私、修行でロンドンで『占い師』をしているのよ。始めて数か月だけど割と評判で。………それで、最近変な男の人が来て………」

「変な男………」

「うん、『喪服』みたいな真っ黒な服に黒いロン毛でサングラスかけて、ニヤケた口で鎖の巻いた『杖』みたいなものを持っていて………見るからに『アヤシイ』感じの人だったんだけど、『お客さん』として来たのを追い返すわけにもいかないと思って、ご要望通りに仕事運を占ったわ………」

 

アーニャはその男の怪しさを思い出したのか、身震いをした。

 

「それで占いが終わったから帰ろうとしたらその人の携帯が鳴って、そこで『ネギが大変』って話しているのが聞こえて………ネカネさんに話したら心配になってたから来たのよ………」

「そうなんだ………」

「その人、もしかして両右手の………?」

 

フェイトたちがその男の正体について考えていると、ジョルノはハッとした表情になっていた。

 

「あの、もしかしてその男ってコイツじゃあ……!?」

 

そう言ってジョルノは、先ほど受け取った資料の中から1枚の写真を取り出した。写真には、尖った印象の面長の顔に丸いサングラスをかけた黒い長髪の男が映っていた。

 

「ああ!そうよ!この人よ!!」

「なんか、マシンガン・ダンディ並に尖った顔っスね。」

「ジョルノさん、この人は………?」

「承太郎さんの依頼で調査をしていた『運び屋』です……名前は『ジェイド』。非合法の薬物や武器、人などの密輸を生業にした男だ。」

 

何でウェンディがそんな懐かしいキャラクターを知っているかは別として、ジョルノは男:ジェイドについて説明を始めた。

 

「ジェイドはこの数ヵ月、この麻帆良や関東近辺で目撃をされている。恐らくこの男はスタンド使いだ。サルシッチャと同様に、人知れず人を運ぶ能力を持っていると考えられる………」

「何と………」

 

ジョルノの話に息を呑む一同。という事は、この街の何処かにジェイドは潜んでいるのだろうか………?

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「………さて、(帰りに洋裁店寄っていくかなぁ、久々に新しいコス作りたいし。)」

 

その日の放課後、千雨は下校すべく廊下を歩いていた。

 

(承太郎さんからはなるべく真っすぐ帰るよう言われてるけど、気分転換にネットアイドル活動せんと、やってらんねーからなー)

 

千雨にとって『スタンド使いの戦い』は不本意でしかなく、元々争いなく静かに暮らしたい願望があった。小学校高学年でパソコンに興味を持ってからはネットワークの世界にのめりこみ、ネットアイドルの存在を知って興味本位で投稿してみたら()()が良く一気に上位に入り、それが快感でやめられなくなっていた。以降、いやなことがあったりしたら『ちう』になってストレスを発散するようになっていた。

 

「………ん?」

 

ふと、目の前に中等部の生徒に混じって銀髪と赤髪の10歳くらいの少女が2人いる事に気づいた。

きょろきょろとまわりを見渡すその顔を見た千雨は、それが見知ったものであることに気づいた。

 

「………アギト?」

「あ、チサメ!」

 

2人の少女は千雨の顔を見ると駆け寄ってくる。近づいて再確認をしたが、2人はやはりリインフォースⅡとアギトの両名であった。しかし千雨の知っている2人は30㎝の手乗りサイズのはずなのだが、リインは可愛らしい白っぽいワンピース、アギトは黒いタンクトップという服装の、普通の10歳ほどのサイズであった。

 

「やっぱアギトにリインか………しばらく(2~3日くらいか?)見ない内に、大きくなってないか?」

 

2人に疑問を投げる千雨。すると2人は照れたように小声で答えた。

 

「フルサイズモードです。アギトがどうしても千雨さんとお話がしたいとの事だったのですが、あいにく手の空いている人がいなくて、私が付き添う事になったのです。」

「ああ、それでその大きさに………てか、普段からそのサイズの方が便利なんじゃないのか?」

「この格好『燃費』悪くて………」

「すぐに疲れちゃうんですよ………」

 

なるほど、と納得した千雨は、本題に入ることにした。

 

「………それで、私に何の用だ?(ルーテシアがいないのも気になるな………)」

「う、うん……チサメには言っておこうと思って………」

「………?」

 

アギトが神妙な顔つきになったのを見て、千雨は『ただ事ではない』と察した。アギトは千雨に耳を貸すように言うと千雨に耳打ちをした。

 

「………!?」

 

アギトに耳打ちされた千雨は顔を青くし、周囲を見渡した後こっそりと2人を連れてその場を立ち去った。

 

「あれ、長谷川さんに、リイン曹長?」

「え、リインってあんなに大きかったか?」

「どうかしたんですか、空条先輩?」

 

偶然それを見かけたスバルと徐倫、明日菜の3人。文芸部の後輩である羊の角か背を丸めたエビに似た形状のツインテールの少女は徐倫に話しかけるが、3人は千雨が気になっていて返事をしない。

 

「……悪ぃ、今日部活休むわ。」

「あ、先輩!?」

 

千雨を追うことにした徐倫たち3人に後輩は止めようとしたが、3人はあっという間に遠ざかってしまった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「………つまり、ルーテシアは私との『関係』を知っているんだな?」

「ああ、ルールー、あれから落ち込んでて………どうにかしないとって思って………」

 

屋上まで移動した千雨は、アギトから話を聞いて額に手を当ててため息を吐いた。まさか、あの時自分と(ポルナレフ)の会話を聞かれていたとは………

 

「(あん時は頭に血が上って、父さんめった打ちにしてて気づかなかったなぁ………)で、他に知っているのは、『ミスタ』だけなんだな?」

「うん、ルールーの事を考えて、黙っていようって事になったから、他には言ってないよ………」

 

千雨もリサリサにだけは話したが、あとは承太郎が知っているのと、徐倫に感づかれているくらいだろう。

 

「あの、一体なんの話なんですか………?」

「………悪いが、リインにもまだ話せない………これは私と、ルーテシアの問題だからな………」

「それはないんじゃーないのぉ~~~?」

 

千雨がそう言った時、屋上のドアが開いて徐倫たち3人に加え、合流したらしい楓とまき絵が屋上に入って来た。

 

「じょ、徐倫…!?」

「様子がオカシイから来てみたけれど………最近何か思い詰めてるみたいだったしさぁー………」

「千雨ちゃん、何かあったの!?」

「あの、私たちじゃあ役にたつかどうか分からないけれど、悩みがあるなら相談にのるよ!」

 

突然現れた徐倫たちに驚くが、心配そうに話しかけてくる明日菜やスバルに圧倒され、ぐっと引く。厄介なのに気づかれたなぁ、と思い頭を掻いた。

 

「………わーったよ、話すけどその前に………」

 

チラリとドアを見た後、今いるメンバーを見た。

 

「………まず佐々木、『G・キッド』に入り口を見張らせて、リインの口を両手で塞げ。」

「?うん。」「もごっ?」

 

千雨に言われ、グロウン・キッドを入り口に向かわせた後、後ろからリインの口を塞いだ。

 

「ナカジマ、佐々木の口を塞げ。」

「うん。」「もごっ」

「神楽坂、ナカジマの口を塞げ。」

「え、うん。」「もごっ」

「徐倫、神楽坂の口を塞げ。」

「あいよ。」「もごっ」

 

千雨に言われるがままに一同は口を塞ぎあい、縦に整列した一団が口を塞ぎあった珍妙な光景となった。

 

「じゃあ、話すぞ。」

「成程、この面子が驚いて叫ぶような内容でござるか………」

 

明日菜たちの状態の理由を理解した楓が、顔を引きつらせながらつぶやいた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

同じころ、生徒に『不審者が女子中等部の校門付近にいる』と聞いたタカミチは、校門にまで来ていた。

 

「きゃあ!」

「ん~~~、コイツじゃぁねぇな~………次だ!」

「や、やめなさいよ!!」

 

校門の前では、スキンヘッドで眉毛がなく、千円札かと思うくらい角ばった顎の2mはあろう、筋肉ムキムキの大男がいた。迷彩柄のタンクトップに薄茶色のカーゴパンツと黒いブーツという服装で、写真片手に下校途中の生徒を捕まえては顔を確かめていた。

 

「………あーキミ?何やっているんだい?」

「高畑先生!」

「あん?なんだテメー?オレは人探してんだよ、ジャマすんな!」

 

スキンヘッドの男はタカミチを睨むが、タカミチは笑いかけながら近づく。

 

「キミが誰を探しているかは知らないけれど、それ以上生徒たちの迷惑になるようなら、ご退場願うよ?」

「おう、やる気かテメー!」

 

大男は指をポキポキ鳴らしながらタカミチと距離を詰める。そして腕を大きく振りかぶり―――

 

ボギャァ

「ぐえブ!?」

 

ポケットに手を入れたままのタカミチを前にして、そのまま横っ面に一撃を喰らって吹っ飛ばされた!

 

「やれやれ、これ以上痛い目を見る前に、帰った方がいいんじゃあないかな?」

「ぐっ………」

 

タカミチはタバコを燻らせながら、倒れる男に声をかける。男はゆっくりと起き上がると、黙ってタカミチを睨んだ。

 

「………」

「………」

「………い、」じわっ

「?」

 

 

 

「いっでぇええええええええええええええええッ!!痛ってぇえよぉおおおおおおおおおおおおッ!!」

「は?」

 

睨んでいた男は急に涙を流しながら、殴られた右頬を押さえ叫びだした。

 

「よっ!よくもやりやがったなテメー!「痛い目見る前に帰れ」だと?違うな!!」

「何………?」

 

男は右頬を押さえながら、涙目でタカミチを睨んで指さした。

 

()()()を見るのはお前だ!()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

「………マジでか………」

「なんと………!」

 

千雨から聞かされた事実―――ルーテシアの父親がポルナレフであり、千雨とは異母姉妹にあたるという事に、静かに驚く徐倫と楓。口を塞がれた明日菜達はもごもごとしているが、明日菜が徐倫の手を振りほどいた。

 

「ど!どー言う事よそれ!?そ、それってつまりは、その………!?」

「………今言った通りだ。今まで知らなったが、私に『妹』がいたんだ………」

 

千雨が気まずそうに言うのを見た徐倫が、それ程までに悩んでいた事に気づいた。

そこで、スバルがはっとある事に気づいた。

 

「は、という事は………いずれルーテシアも長谷川さん(ちう)みたくはっちゃけた性格に!?」

「いや、ねーよそれはッ!!」

 

目を吊り上げてスバルにツッコミを入れる千雨。確かにネットアイドルモード時は結構ハイテンションなのは自覚しているが。

しかし、徐倫もそれに乗っかる。

 

「いや、分かんないぞ?後3、4年もしたら、屋根の上に仁王立ちして高笑いするようなはっちゃけたキャラになるかもしれないじゃないか?」

「何だその割と具体的な未来予想図は!?ならねーだろ!てか、なってほしくない!」

 

今のルーテシアからあまり乖離してほしくないと思い、否定する千雨であった。

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

「我が家にどーーーんとおいでませーーー!!」

 

なお、残念な事にその予想は的中してしまう事になる。

閑話休題。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「けど、何で今まで言わなかったのよ?」

 

話を戻すべく、明日菜が聞く。千雨は言い辛そうな顔つきになり、話し始めた。

 

「………理由は3つある。1つは、私の気持ちの整理がついていなかったからだ。イキナリ『妹だ』なんて言われて、どうしたらいいか分からなかったんだ………」

 

千雨の告白に確かに、と頷く一同。

 

「2つ目に………父さんが浮気した上に子供まで出来たことなんて母さんに知れたら、怒って麻帆良学園を『半壊』させるほどに大暴れしかねないからだ………」

「半壊!?」

「いや、長谷川さんのお母さん何者なの!?」

「手加減と遠慮をしたくても出来ないような不器用かつ、口より先に手が出るタイプの人だ。」

「傍迷惑ね!?」

 

千雨の母―――百香の話は昼休みにもしたが、実の娘にここまで言われるとは一体……?

なお、失礼ながらスバルと明日菜の脳裏には、ゴ●ラめいて大暴れする巨大な女性の姿が思い浮かばれた。シャ○トならやりかねないが。

 

「そして3つ目に………これが一番の理由なのだが………」

『!?何者だッ!!』

『ッ!!?』

 

千雨が理由を言おうとしたその時、入り口にいたグロウン・キッドの怒号が聞こえた。

全員がそれに反応して入り口のドアを開くと、踊り場にまで下りた緑色の魔神に叫ぶ。

 

「どうした!?」

『フム、イツノ間ニカ入り口デ聞き耳ヲ立テテイル男ガイタノダ!私ガ気ヅイタ時ニハ既に入り口ニ立ってイタ!今の会話ヲ聞カレタゾ!』

「何だと!?」

 

千雨の顔が青ざめる。『グロウン・キッド』に感づかれる事なく接近していたという事は、そういう『能力』のスタンド使い!

 

「ま、マズいぞ………一番恐れていた事が………!」

「ど、どう言う事!?」

 

明日菜が千雨に聞くが、既に千雨は行動に出ていた。

 

「ナカジマ!ルーテシアの無事を確認しろ!」

「え、う、うん!」

「どういう事なのよ千雨ちゃん!?」

 

スバルに指示をした千雨に明日菜が聞く。千雨は焦った様子で説明する。

 

「これが三番目の理由だ………神楽坂、私の命が狙われている理由、覚えてるか?」

「え?それは、千雨ちゃんのお父さんが………あッ!?」

 

そこまで言って明日菜も気づいた。

 

千雨が両右手の女ことヴィオレッタに命を狙われているのは、千雨の父J・P・ポルナレフが彼女の兄J・ガイルを殺したからだ。しかしポルナレフは6年前に亡くなっているため、その娘である千雨に父の罪を償わせようとしている。

だとしたら、同じく娘であるルーテシアも………!?

 

両右手の女(ヴィオレッタ)にこの事実がバレたら私だけじゃあなくルーテシアの身も危ない!だから今まで黙っていたんだ!それが今バレた可能性が高い!!」

「そ、そんな……!」

「ティア!?ティア!?」

 

その時、ティアナに電話をしていたスバルが慌てた様子で呼びかけていた。

 

「スバル!?ま、まさか………!?」

「ル、ルーテシアと一緒のティアに連絡したんだけど………途中で悲鳴が聞こえて………返事をしなくなって………」

「くっ、遅かったか!」

「楓!お前は先に行け!」

「御意!」

 

困惑したスバルからルーテシアの危機を察した千雨は走り出す。徐倫も楓に指示を出し、楓は屋上から飛んで行った。

 

「近くのボーリング場だったな!?」

「うん!ギン姉たちと一緒にそこに行ってたって!」

「もしかして、ギンガさんたちを監視してたのか?だとしたら複数人、すでに麻帆良(ここ)に潜入していたことになる!」

 

走りながら話す一同。1階昇降口まで来たその時、校門付近が騒がしいことに気づいた。

 

「……?なんだ、こんな時に―――!?」

 

慌てつつも何事かと思い見てみると、そこには………

 

 

 

 

 

「ぐ………っ」

「な………!?」

「た、高畑先生!?」

 

ボロボロで片膝を着くタカミチと、それに立ちはだかるスキンヘッドの大男の姿であった………!

 

 

 

 

 

←to be continued…




79話です。
・サブタイトルは『ディアボロ浮上』から。

・結構本気で悩んでいたジョルノ。ジョルノって親の愛とか知らなそうだから、兄と慕ってくるスバルに戸惑うだろうなぁと思いました。

・千雨とルーテシアの関係の告白。口塞ぎあうのはジョジョっぽくもネギまっぽくもある感じがしてお気に入り。
 Vividのあれも、ポルナレフの血筋と考えれば納得?

・ティアとタカミチのピンチ!次回は敵の正体が発覚予定です。

では、次回をお楽しみに!

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