艦これ-提督と艦娘の鎮守府物語-改   作:鶴雪 吹急

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第十一話「本土防衛作戦-悲劇は...-」

 大和来航の次の日。

 朝食後の時間に食堂で大和を鎮守府の皆に紹介した。

 皆は大和を快く受け入れ、大和も嬉しそうだった。

 

「さて、大和の歓迎もこれくらいにして、ここからは真面目な重要な話をする」

 

 食堂の喧騒が一気に静まる。

 俺の横に居る吹雪も緊張しているのか、背筋がピンと伸びている。

 吹雪には朝一番でこのことを伝えていた。

 

「昨日、大本営並びに海軍から電報があった。内容は、『本土への攻撃を仕掛けようとしている深海棲艦隊を迎撃せよ』だ」

 

 食堂内が一瞬ざわつく。

 

「これだけなら問題ないのだが、問題なのは次の二つだ」

 

 俺は、ホワイトボードを皆の見える位置に持ってくる。

 

「一つ目は、今朝大淀に頼んで、その深海棲艦隊の様子を偵察してきてもらった。それがこれだ」

 

 俺は数枚の写真を貼る。

 写真には、ヲ級三隻を主軸に固められた艦隊が写されていた。

 

「提督っ!これって...」

 

 赤城はその写真を見て、驚いた顔をして聞いてきた。

 

「ああ、分かっているかも知れないが、敵の編成はあの海戦を意識しているように見える」

 

 艦娘達の表情が険しくなる。

 

「大本営達もこれを知っているんだと思う。だから二つ目の問題、これを大本営は命令してきた」

 

 俺は、吹雪の反対に座る大淀に目で合図をする。

 大淀は席を立ちホワイトボードの前に立つ。

 

「提督の言っている、大本営、海軍の命令はこの深海棲艦隊の迎撃に艦娘を指定してきたことです。指定された艦娘は、『赤城、加賀、蒼龍、飛龍、長門、陸奥、大和、利根、筑摩、嵐、野分、萩風、舞風』です」

「提督!これは!」

 

 赤城が席を立ち上がる。

 呼ばれた艦娘も顔がますます険しくなっている。

 

「ああ、赤城の考えている通りだ。大本営はこれを見て、この編成で迎撃することによって国民の注目を浴びようとしているんだと思う」

「提督は大本営の要求を鵜呑みにするのですか?!」

「それを、これから説明する」

 

 とりあえず、艦娘達を落ち着かせて、俺は皆の前に立つ。

 

「今回の作戦、この二つの件があるのだが、それを考えた上での作戦を立てさせてもらった」

 

 吹雪は皆に資料を配り始めた。

 

「その資料は今回の作戦に関するものだ。俺から軽く口頭で説明させてもらう」

 

 皆に資料が行き渡ったのを見て話始める。

 

「先ず、この作戦の実行は、二日後だ」

『え?!』

 

 食堂内の艦娘の声が重なる。

 

「原因は大本営の電報が遅かったからだ、すまない。ちなみに横須賀鎮守府や他の鎮守府は別の作戦の指令が来ているらしい」

 

 艦娘達の雰囲気には怒りが見え隠れしている。

 

「次に編成についてだ。先ず、空母機動部隊は、赤城、加賀、蒼龍、飛龍を主軸に、護衛に嵐、野分、萩風、舞風、そして、長門、陸奥、神通を加える」

「その意図は?」

 

 長門が聞いてきた。

 

「空母機動部隊に戦艦を混ぜることで、三式弾での対空防御への参加をしてもらいたい」

「了解した」

「次に、その空母部隊の支援をしてもらう第二機動部隊は、瑞鶴、翔鶴を主軸に、護衛に夕立、時雨、吹雪、綾波、川内、金剛、比叡を加える。こちらの戦艦二隻にも三式弾での対空防御へ参加してくれ」

『はい!』

 

 呼ばれた艦娘は、気合いのこもった返事をした。

 

「次は、二つの機動部隊の前衛部隊だ。編成は、大和、榛名、霧島を主軸に、瑞鳳、愛宕、高雄で頼む」

『はい!』

「他は、鎮守府警備に徹してくれ。よし、では、質問は?」

「あの...」

 

 榛名が遠慮気味に手を挙げた。

 

「どうした、榛名」

「はい、大和さんは今日着任されたばかりなのですが、それなのにそんな重要な作戦に参加できますか?」

 

 榛名の言っていることは、ご尤もだった。昨日来たばかりの大和がいきなり重要な作戦に参加できるほどの技術は、()()はあるわけが無い。

 

「そう言えば、説明していなかったな。実はy」

「提督、ここは、私が」

 

 大和が、席を立ち前にやってきた。

 

「私から説明します。私は、坊の岬沖におととい現れました」

 

 食堂が何度目かのざわめきに包まれた。

 

「私の艦船は、鎮守府で建造されたものではありません。あの戦争で戦った船体です」

 

 大和は一息置く。

 

「あの戦争では、私は主砲を使うことはほとんど無く、初戦はミッドウェーでした。実戦にもほとんどしっかり参加はしていませんが、錬度は十分あります」

「つまりは、そう言う事だ。大丈夫か?」

「はい!ありがとうございます」

 

 榛名は納得したようだった。

 俺は、皆に目線を向けて話す

 

「作戦参加の艦娘達は、短い時間だが戦いに備え、設備点検をしっかり行うように、装備は最新鋭のものを用意する。空母は艦載機を最新のものに変更してくれ。以上だ」

 

 その日から二日間、鎮守府は作戦のためにと、忙しくなった。

 

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~二日後~

 

 当日、埠頭や桟橋から前衛部隊、第一機動部隊、第二機動部隊の順に出て行った。

 俺は、全部隊への指令のために鎮守府に残っている。

 

「第一機動部隊より報告です。『敵艦隊発見。コレヨリ作戦ヲ開始スル』だそうです」

 

 臨時の秘書艦の大淀が報告に来る。

 俺は、窓から空を眺めた。

 

ー戦闘海域ー

 

 事前の偵察から艦船の量が増えていた。

 大和旗艦の前衛部隊は敵前衛部隊と交戦、第二機動部隊も敵支援部隊を押さえ込むのに手一杯になっており、第一機動部隊は敵主力部隊との直接対決をしていた。

 俺の考え通り、三式弾での対空防御は成功しているようだった。各部隊が別々で交戦しているが、敵を倒しきるのも時間の問題かと思っていた。

 しかし...

 

「提督!第一機動部隊から報告!『空母被弾!赤城、加賀、蒼龍ガ一時戦闘不能』だそうです!」

 

 第一機動部隊はピンチになっていた。

 




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