吹雪は今、お昼過ぎの人が少ない食堂で一人、パフェを食べながら悩んでいた。
悩みの種は提督である。
この前に出掛けたときのチンピラの一件以来、提督のことが頭から離れないのだ。
「うぅ~」
「ブッキー?どうしたデース?」
変な声を出しながら悩んでいる吹雪のところに金剛がやってきた。
手元には、ティーセットを持っている。
「あ、金剛さん。いや、その個人的な悩みと言うか」
「言ってみると楽になるヨ?言ってみてくだサイ」
「実は...」
吹雪は、金剛に悩みを話した。
「ふ~ん。つまり、ブッキーは提督が好きになったト...」
「あまり大きな声で言わないでくださいぃ」
「sorryネー!」
金剛が謝っている周りで、ガチャっとどこかのサイドテール空母とツインテール空母が席を立つ音がしたが、その後すぐに二人が言い争う声が聞こえてきたので、あまり気にされなかった。
「とりあえず、ブッキーはどうしたいんですカ?」
「私は、提督と...」///
吹雪の声は、最後のほうが小さくなって聞こえなくなった。が、金剛はなんとなく内容を察した。
「OK!私がブッキーをサポートするネ!」
「えっ?!」
金剛は吹雪の肩をガシッ!っと掴んだ。
「それに、提督もブッキーのことが好きネ。でも、ブッキーの好意に気付いてないの」
「えっ?えっ?」
吹雪の頭が段々混乱してくる。
(私の片想いじゃなくて、両想い?!しかも司令官は、私の好意に気付いてない?)
吹雪の頭に浮かぶクエスチョンを無視して金剛は続ける。
「提督からこないのなら、ブッキーからいくネ!」
吹雪は、ハっとした顔になった。
「分かりました!私、頑張ります!」
「その調子ネ!早速、ここでattackしてみるネ!」
そう言って、金剛は一枚の紙を見せてきた。
「これは?」
「今度、呉で呉鎮守府主催の大本営非公式の観艦式があるみたいネ!横須賀、舞鶴、佐世保、呉、青ヶ鳥、五つの鎮守府が参加するみたいデース」
「そうなんですか」
「そうなんデース!で、うちの鎮守府からは、この六人が出マス」
金剛は別の紙を見せてきた。
その紙には『吹雪』『夕立』『時雨』『神通』『金剛』『赤城』と書かれていた。
「出る艦娘はうちはこれで全員デス」
「そうなんですね~」
吹雪はその二つの紙をまじまじと見る。
「呉には観艦式の後、一日だけ滞在する予定デース。その一日間、私は四人をひきつけマス。なので、ブッキーは、提督とデートしてくるね!」
「ふぇ!」
吹雪は顔を真っ赤にした。
「そんなー。だめですぅ」
そして、手で顔を覆ってしまった。
「そんなんじゃだめネ!」
金剛は吹雪の肩に手を置き、親指を立てる。
「うぅっ。頑張ってみます...」
「そのいきネ!提督の唇でも奪ってくるネ!」
「うぅ~。そんな~。無理ですぅ~」
金剛と吹雪の話し合いは続いた。
一方。二人の話の中心の提督は...。
◇ ◆ ◇
「えっ。俺の過去?」
「はい」
執務の書類をそっちのけにして、執務室で自衛艦を組み立てていた俺のところに来たあきづきは、そんなことを聞いてきた。
「私の艦娘化に提督が関係するなら、提督の過去に関係があるのかなっと思いまして」
「そうか」
俺は、模型に付ける最後の部品を置き。
あきづきをソファへ促し、俺もソファに座った。
「ここで話すのはあきづきが初めてだな」
あきづきは息を飲んで、俺の次の言葉を待った。
「実は、俺はこの世界に転移した人間なんだ」
あきづきは目を見開いた。
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