「肉じゃが定食二つで」
「はーい」
俺は、間宮にそう伝えると吹雪とともにカウンター席に着く。すると、提督の空いていた方の隣が埋る。
「提督さん!模型演習やるっぽい!」
「夕立か、いいが編成はどうする?」
「んー。それは考え中っぽい」
夕立は出された日替わり定食を食べながら考え始めた。
「あら、模型演習面白そうですね。私も参加してもいいですか?」
「ん?別にいいよ。鳳翔」
「ん。鳳翔さんもやるっぽい?」
「はい」
「じゃあ、鳳翔さんは夕立側の艦隊に入ってほしいっぽい」
「分かりました」
「じゃあ、他の参加する人は各自で呼びかけようか」
「それが良いっぽい」
夕立は食べ終わった食器を片付け、他の艦娘に声を掛けに行った。
「司令官?」
「はいはい?」
「他の艦は誰にしますか?」
吹雪は肉じゃがを口に運びながら聞いてきた。
「んー。他には軽巡二隻と駆逐二隻いればいいんじゃない?」
「誰にしますか?」
俺は吹雪と編成を考えながら食事を進めた。
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『模型演習』
それは、1/700スケールの自分の艦船模型を操作して行う演習のことだ。自分が艤装を纏い、模型とリンクさせることによって艦砲や魚雷発射管、艦船の進行方向、速度を操作する。艦載機は妖精が操作しているらしい。ペンキの入った演習弾や演習魚雷を使ってダメージを明確にし、轟沈判定などを出す。1時間ほど行い、勝敗を決める。
俺は模型演習施設の前に立つ人影の中の一人を呼ぶ。
「おーい、夕立ー」
「ん?あー提督さん、吹雪ちゃん!早くやろうっぽい!」
夕立はその場で跳ねながら言う。
「まあまあ、そうせかすな。で、そっちの艦隊は?」
「夕立の艦隊は、鳳翔さんと神通さんと多摩さんと白雪ちゃんと時雨ちゃんと夕立っぽい!」
夕立の後ろには夕立の述べた艦娘が揃っていた。一人一人に目をやると、微笑を見せる者、手を振る者と様々だ。俺は夕立に視線を戻し、
「了解、こっちの艦隊は俺と川内と球磨、電、綾波、吹雪だ」
「分かったっぽい!早くやろ!」
「よし、分かった。じゃあ、行くか」
全員は施設の中に入った。
施設内は広く、海上を模した正方形のステージは学校の教室ぐらいの広さはある。さらに、風や雨を再現できる、夜の再現は出来ないが..。
ステージを中心に向かい合うように夕立側の艦隊、俺側の艦隊が立ち、艤装を展開する。それぞれが艤装を展開するとステージにはそれぞれの艦船が現れる。全て揃ったところで夕立が、
「じゃあ、いくっぽい!」
と言いながら自分の艦の前方の艦砲を最大限あげて空砲を放つ。
「スタート!っぽい」
両艦隊の全艦が動き始める。空母はその場で旋回、船首を風上に向け速度を上げ艦載機を発艦し始める、他の艦は空母を中心に輪形陣になり、同航戦で戦闘態勢に入る。
「「対空防御、砲撃戦よーい!」」
川内と神通が予令を出し、艦砲は相手艦に砲身を向け、艦載機は空中集合し敵機へ向かう、機銃は迫り来る敵機に向かい構える。
「「はじめー!」」
艦砲はそれぞれに向け弾を放ち、艦載機は相手の直掩機や機銃の攻撃を避けながら、目標艦に向かう。
◇ ◆ ◇
1時間の戦闘の末、結果は引き分けに終った。鳳翔と俺は艦載機が残りわずかになるほど戦い、他の艦は艦砲が一基しか動かなかったりしていた。
「提督さん、ありがとうっぽい!」
夕立は演習施設の外に出たときにお礼を言ってきた。後ろでは、『疲れたのです』とか『今度は夜戦がやりたいな~』とか『それは無理クマよ』などとそれぞれ感想を述べている。
「こちらこそ、楽しかったよ。疲れただろうからゆっくり疲れを癒して、明日に備えてくれ」
『はい!!』
皆は海軍式の敬礼をする。こちらも敬礼を返して、吹雪をつれて執務室に帰った。
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