ワイワイガヤガヤ
食堂には艦娘が全員集まっていた。
正面には大きなホワイトボードが用意され、端には俺と吹雪が並んで座っている。
「あの、鶴さん」
「ん?何だ?」
吹雪は小声で俺を呼んだ。
「緊急の会議って何ですか?」
「今から説明するから待ってくれ」
俺は吹雪にそう言うと、立ち上がり皆の前に立つ。
「皆。いきなりですまない。今回は大事な話がある」
そう言うと食堂内が静まり、全員の視線がこちらに集まる。
「先ず、この青ヶ鳥の周辺に起きた異常事態だが、『完全転移』が問題だ」
艦娘達は周りと顔を合わせ話し合う。
そのまま、俺は続ける。
「『完全転移』とは簡単に言えば、前の世界からこの世界に手にしてきたということだ。この世界にも深海棲艦が入りらしいから、特に変わったことはないかな」
「日本の状況は?」
艦娘の中からそんな声が聞こえた。
「状況を確認したところ大本営がなくなり、連合海軍と呼ばれる団体が確認できた」
「それ以外には?」
「それ以外は問題ない」
艦娘達が安堵の息を漏らしまたこちらに視線を集中させる。
「俺は前の大本営の一件があったため連合海軍に行き、独立運営の意向を伝えてきた。結果は独立運営を行って良いそうだ」
大本営での一件での幹部の発言等は艦娘達には広まっていたため、皆喜びの声を上げる。
「しかし!独立運営の許可にあたって、一つの条件が出された」
俺はペンをとり、ホワイトボードに大きく文字を書く。
その文字を見て、誰もが顔をしかめた。
「その条件とは...」
南太平洋 ソロモン海域の攻略
俺はホワイトボードにそう書いた。
『ソロモン海』
太平洋南西部の海でアイアンボトム・サウンドやソロモン諸島など、ミッドウェー海戦後の日本軍の戦闘の舞台で、多くの艦が失われた場所。特にアイアンボトム・サウンドは沈没艦が多く、吹雪もここで沈んだ。
「連合海軍は条件として、ソロモン海域全域の攻略を要請してきた。現在、南太平洋の日本近海の深海棲艦の拠点となっているここを叩ければ脅威の激減に繋がるらしい」
俺はホワイトボードにソロモン海域の地図を貼りだす。
「相手の拠点とされている地点は、ラバウルとガダルカナル島だ。両方に飛行場等の陸上施設。それと多くの艦艇が確認できている。今攻略は相手を珊瑚海より南下へ追い出すまたは、全滅させれば成功となる」
差し棒でラバウル、ガダルカナル島、珊瑚海を順に指す。
「大まかな作戦内容としては、ラバウルとガダルカナルを二方面で叩き、壊滅。壊滅に失敗したなら珊瑚海へ誘導しそこで殲滅させる。さて、質問は?」
「叩くって言っても飛行場あるし、艦艇も多いから昼間は危険じゃないの?」
夕立が質問した。
珍しくっぽいと言っていない。
「確かに昼間は危険だ。なので今作戦の二方面は夜間に飛行場や各艦艇に艦砲射撃をくらわせてからの攻略になる」
「ありがとう」
夕立はそう言って席に座った。
「何か質問があったら後ででも執務室に来てくれ。以上、解散」
ー執務室ー
「はぁ~」
「大丈夫ですか、鶴さん?顔色が...」
吹雪はそう言って、お茶を出してきた。
「ああ。ちょっと色々あって疲れただけだ」
そう言ってお茶を飲み、紙を取り出す。
「さて、作戦開始までは時間がある。ゆっくり作戦内容を練ろう」
「あの、私に何か出来る事ありませんか?」
吹雪は心配そうな声でそういった。
「いや。大丈夫だよ。もし、何かあったら言うから」
「分かりました」
「さあ、少し休憩しておいで」
「はい!」
吹雪は元気良く部屋を出て行った。
それを見送ってからまた紙とにらみ合う。
「さて」
俺は紙に作戦草案を書き始めた。
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