艦これ-提督と艦娘の鎮守府物語-改   作:鶴雪 吹急

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夏(残暑)の番外編「夏祭りだよ!青ヶ鳥祭り-鎮守府解放編-」

ワイワイガヤガヤ

 

 現在は08:00

 青ヶ鳥鎮守府の敷地外に設けられたテント周りは人で溢れていた。

 

「はーい!落ち着いてください!」

「整理券を配りまーす!もらった方から列に並んで荷物検査を受けてくださーい!」

 

 青ヶ鳥市役所から来た職員が人の固まりを整理している。

 整理券をもらった人は、列を作り、荷物検査用のテントへ流れる。

 

「今回はやけに人が多いですね!」

「そうだな」

 

 俺が居るのは鎮守府の塀の上、今回のイベント用のテントが見渡せるところに来ている。

 隣にいる吹雪は人の数に目を見張っている。

 

「全員入りそうに無いですよ?」

「大丈夫だよ。入らなかったら、どうせ今回()いる奴あれを追い出せば良い...」

 

 吹雪は嫌な事を思い出した顔になり、顔が少し青ざめる。

 

「また、居るのですか...」

「大丈夫さ。今回は俺の航空隊全機警戒。艦橋監視妖精も導入しているんだ。それでも何かあったら俺が出るまでさ」

 

 そう言って俺は、執務室を目指すため階段に向かう。吹雪もその後に続く。

 今日は青ヶ鳥島、年に一度の夏祭りと、同時に行われる鎮守府解放の日である。

 

 ◇ ◆ ◇ ◇ ◆ ◇

 

「こちら宮島から菅野へ。状況は?」

 

 執務室で俺は艤装を展開しながら菅野へ連絡を入れる。

 艤装展開中なら艦載機妖精たちと何もせずに連絡が取れるのである。

 

『こちら菅野。今のところ問題なし』

「了解。不審人物は?」

『今のところ複数人見えるな。一人一機で監視してる』

「了解。引き続き頼む」

『了解』

 

 通信を終え、一息つく。吹雪も監視妖精との通信が終ったのか肩の力を抜いている。

 

「そっちはどうでしたか?」

「こっちは、複数名発見だそうだ。そっちは?」

「こっちもです」

「やっぱりな...」

 

 俺はもう一度通信を繋げる。今度は全機に向けてだ。

 

「宮島から全機へ。菅野から順に一度『天城』帰投せよ。繰り返す。帰投せよ」

 

 通信を終えると部屋の窓を開け、飛行板を机に置く。

 

「どうしたんですか?」

 

 吹雪は不思議そうな顔で聞いてきた。

 

「今回は機銃に弾薬を入れてなかったんだが、ペイント弾を装填することにした」

「どうしてですか?」

「いざという時に威嚇射撃で相手の周りに撃つ。下手してあたっても汚れるだけだから?」

 

 そう言って、次々着艦、装填、発艦を繰り返す飛行板を見る。

 

「これが終ったら、少し二人で見て回ろうか」

「え、あ、はい!」///

 

 吹雪は顔を赤くしながらも嬉しそうに笑った。

 

 俺と吹雪は私服に着替えてから外に出た。

 俺は水色のポロシャツに濃緑のズボンと何の面白みも無い格好だったのだが、吹雪はと言うと白のTシャツに青のジャケット、白黒のボーダースカートで来た。

 

「どうでしょうか?鶴さん?///」

 

 そう言って、クルッっと一回転してみせる。

 

「お、い、良いと思うぞ////」

 

 クソッ可愛くてうまく言えねぇ。

 

「いきましょうか!」

「ああ」

 

 俺と吹雪は二人並んで歩き始めた。

 グラウンドには主に航空機の展示がされている。

 零戦や彗星、天山などの艦載機から、零式水上偵察機などの水上機。SH-60Kなどのヘリも展示がされている。

 俺と吹雪はそれらを両脇に見ながら、埠頭へ向けて進む。

 

「どれも、現在も使ってる機体なんですよね」

「そうだな。確か、あの零戦は赤城から、彗星は蒼龍から、天山は飛龍から、水上機は余ってたのをヘリはあきづきからだったな」

 

 俺はそれぞれ指を指して話しながら横を過ぎていく、吹雪も後から興味津々で航空機を見ながら続く。

 

「あの~」

「はい?」

 

 航空機を見ながら歩いていると、後ろからいかにもって言うような、赤のギンガムチェックの男性が来た。

 

「ここの食d...いや、本庁舎って知りませんか?」

「本庁舎ですか?」

 

 吹雪が聞き返すように男性に対応する。

 この時、俺は疑問に思った。

 

(こいつ、さっき食堂って言いかけてたな。建物への出入りは禁止のはずなんだがな...)

 

「食堂に何か用事でも?」

 

 俺は賭けに出る事にした。

 

「え、あ、いやいや。食堂じゃなくて、本庁舎ですよ」

 

 吹雪に応援を頼み俺は話しを伸ばす。

 

「本庁舎で何かやるんですか?」

「あー。自分がそういう建物好きなもので...」

 

 男と話している後ろで吹雪が『AM01 02 03は至急応援を...』と無線を飛ばしている。男からは死角になって見えていない。

 そうこうしている内に、上空にレシプロ音が響く。

 

「あの、そろそろ良いでしょうか...」

 

 男はこの場を離れようとする。俺は、それを引き止める。

 

「あなた」

「は、はい?」

「間宮さんに手を出さないでいただけますか?」

 

 男の同様が目に見えて分かる。

 ここの鎮守府の食堂と言えば、間宮が働いている。

 こいつはそれを何処からか聞きつけて来た。というとことだろう。

 

「そ、そんな何かm」

「実は、ここの提督なんですがね、自分」

 

 一瞬にして注目がこちらに集まる。

 

「え、あ、え...」

 

 男は声にならない声を出しながら、後ずさりする。

 そのすぐ後方へ、機銃の音が響く。

 

「ひぃ!」

「逃げないでくださいね。お話はあちらの方へ」

 

 機銃音の後ろには役所の人が二人立っており、男を連れて行く。

 

「一人確保っと、吹雪、各機に通達『不審者上空で、警告をしろ』っとしといてくれ」

「分かりました」

 

 吹雪の無線が終ると俺達はまた歩き始めた。

 そうして歩いていくうちに埠頭に着いた。

 埠頭では、艦艇の展示を行っている。

 展示されているのは、瑞鶴、長門、榛名、球磨、阿武隈、雪風、である。

 ちなみに展示艦はくじ引きで決められた。

 

「私達には見慣れたものですね」

「そうだな」

「あっ!屋台ありましたよ!」

 

 吹雪は屋台を見つけるとそちらの方向へ歩いていった。

 屋台が出ていると言っても二、三件で主に魚介類を使用した軽食を出している。

 運営は全て艦娘が行っている。

 

「どれが良い?吹雪」

「んー。たこ焼きとか美味しそうです。それに、あそこは夕立ちゃんがやってるとこなので」

「分かった。そこにしよう。すみませーん」

「はいは~いっぽい!ご注文っぽい?」

 

 置くから夕立が出てきた。エプロン姿で軽快に注文を聞きに来た。

 どうやら俺には気付いていないようだ。

 

「ああ。たこ焼き6個入りをお願い」

「分かったわ!はい!250円になります」

「ありがとう」

 

 俺は、たこ焼きを受け取り代金を払い、吹雪と埠頭端の腰が掛けられるところまで来た。

 

「「いただきます!」」

 

 二人で手を合わせ、湯気を立てているたこ焼きを頬張る。

 たこ焼きは新鮮なものを使っているようで、他より味がいい。

 

「んっ~!ほくほくしてて美味しいですねっ!」

「ああ。これならもう少し食えそうだ」

「もう!だめですよ鶴さん!今夜は神社でお祭りもあるんですから」

「そうだったな」

 

 そう言いながら二つ目に手をつける。

 今夜の祭りの事を考えながら...。




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