「ん~」
朝の鎮守府。
終戦の日や祭りがあったりしたが、作戦はまだ出来ていない。
俺は、×印やら、様々な艦艇の名前やらが書かれている紙と睨めっこしている。
「どうしようか...」
◇ ◆ ◇
(大丈夫でしょうか...)
私は執務室のドアの隙間から鶴さんの様子を見ています。
「どうしたんですカ?ブッキー?」
「ひぇ!?」
気付くと金剛さんが不思議そうな顔でこちらを見ていました。
「あ、いや、鶴s...司令官が難しそうな顔をしていたので...」
「そうですカ...」
そう言うと金剛さんはガチャっとドアを開けて、執務室の中に入っていきました。
◇ ◆ ◇
「ヘーイ、提督ぅ!」
「あ、ちょっと金剛さん!」
いきなり、金剛が執務室に入ってきた。
後ろから吹雪もついてきている。
「お疲れのようですネ」
「そ、そうか?」
考えてみれば、暇さえあれば作戦を考えていたかもしれない。
「吹雪も心配してるデース」
「そうなのか?吹雪?」
「え?!あ、まあ、そうですけど...」///
吹雪は顔を赤くしながら俯く。
金剛はウンウンと頷きながら続けていった。
「まあ、こうやって吹雪も心配しているので、少し、息抜きでもしていくデース」
「「息抜き?」」
俺と吹雪は口をそろえて聞き返した。
「そうデース。息抜きでもすればいい作戦が思いつくかもしれないネ!」
金剛はそう言うと、そのまま俺達に出掛けるしたくをさせて、そのまま鎮守府の外まで追い出されてしまった。
ー鎮守府の門の外ー
「はぁー」
最近ため息が増えた気がする。
「どうしましょうか?鶴さん」
吹雪は私服に着替え、隣に立っている。
と言ってる俺も私服だが...。
「島内は前に回って特に息抜きって所も無いですし...」
吹雪は困ったように辺りを見渡した。
「んー。じゃあ、島の外に出るか」
「え?いいんですか?」
「まあ、いいだろう。まだ、朝だし行って帰ってくるぐらいならな」
俺達は島の外に出るため、フェリー乗り場へ向かった。
フェリーは完全転移後、本土と結ばれたものだ。
仕様船舶はいたって普通の客船で名前は「あお」と「とり」。
横浜港と青ヶ鳥港を結んでいる。
俺達はそのフェリーに乗り、青ヶ鳥から横浜まで行った。
ー横浜駅ー
「電車がいっぱいですね」
「そうだな」
横浜駅は相変わらず電車と人で溢れていた。
『普通、久里浜行き発車します』
「よし、これに乗ろう」
「はい!」
俺達は横須賀線に乗り込んだ。
「そう言えば鶴さん?」
「何だ?」
「どこに向かっているんですか」
吹雪は混雑が少し収まった車両の中で聞いてきた。
「ああ。言ってなかったな。横須賀に行こうと思ってな」
「横須賀ですか」
「実は、俺の故郷なんだよ」
「そうなんですか」
車内には横須賀駅への到着を知らせるアナウンスが流れていた。
ー横須賀駅ー
横須賀駅に到着し、駅舎出てその先の公園へ向かうと、ヘリコプター護衛艦「いずも」を一望する事ができた。
もともと自衛隊の基地だったここは、時たま護衛艦が止まっているらしい。
今日は当たりの日だった。
「大きいですね!」
「そうだな。赤城と大差ない大きさだそうだ」
いずもやその先にあった護衛艦艇群を一通り眺め、近くにあったイ○ンでお昼を済ませると、今度は記念艦「三笠」までやってきた。
現在は「三笠」の艦橋で周りの風景を楽しんでいるところである。
「高いですね」
「そうだな。こっからの景色もきれいだな」
「海に出れたなら、きれいなのかな?」
「きれいだろうな」
「三笠」の艦内は歴代艦艇の模型や日露戦争時の艦艇模型、艦長室等を見てから、艦を降りた。
「どうだったか?」
「良かったです!でも...」
「でも?」
吹雪は「三笠」を見上げながら寂しそうに言った。
「艦娘の三笠さんにも会ってみたかったです」
「そうだな」
確かに、散々「三笠」の艦内を歩いたが、そういう気配はしなかった。
「何時か会えるでしょうか?」
「会えるといいな」
「そうですね」
そう言って、記念艦「三笠」を後にした。
◇ ◆ ◇ ◇ ◆ ◇
「鶴さん?」
「何だ?」
「どこに向かっているんですか」
吹雪から二度目の質問を聞きながら俺はあるところを目指していた。
「俺の故郷は横須賀だって言ったな」
「はい」
「親と住んでいた家は遠の昔に無くなっているんだが、新しく家を買っていたんだ。前の世界で、青ヶ鳥に着任する前に」
「そうなんですね」
「こっちの世界に来てから一回だけ行ったんだが、少ししか居なかったんだ」
「だから、もう一回行こうと」
「ああ。後、資料を取りに」
そう言いながら、俺達は家の前まで着いた。
鍵を開け、家の中へ入る。
「資料?」失礼します
「ああ。昔、勝手な想像で考えた、艦載機の図形があった気がするんだ」どうぞ
「へー」
吹雪をリビングに通し、自室へ向かう。
◇ ◆ ◇
鶴さんの家へ来て、私はリビングに通されました。
数分後、鶴さんは複数枚の紙と、模型を複数持ってきました。
「あった。あった」
それをテーブルにドサッと置きました。
紙には飛行機の設計図やら飛行機の技?らしきものが書かれています。
模型はというと、一つが零戦のような形ですがあちらこちらが違います。
「鶴さん。その模型はなんですか?」
「ああ。これか?」
鶴さんは模型を持ち上げます。
「これは、俺が勝手に考えた戦闘機、『零式夜戦戦闘機一一型・改』だ」
少し自慢げに鶴さんは言いました。
「これは零式練習機――零練の一一型を基本にして、斜銃を複座後方に装備、普通の機銃も設置し、後部座席に乗る奴はレーダーを使い敵機を索敵する。前部座席は当たり前に操縦だ」
鶴さんはその零式夜戦戦闘機一一型・改――零夜戦改の模型を子供のように飛ばす仕草をしながら言いました。
私はその様子を見ながら誰しも聞きたいであろう疑問をぶつけました。
「本当にそれ作れるんですか?」
「えっ」
それを聞いた鶴さんは黙り込んでしまいました。
静かに模型を下ろします。
「分からない。零練、もしくは零夜戦は作れるかもしれない。その二つを合体は、明石や開発担当の妖精と相談しないと分からないな。それに、夜間戦闘機は彗星や彩雲にもあるし...」
◇ ◆ ◇
吹雪の指摘を受けて考え事をしていると
吹雪は何かを見つけたように、後ろの部屋へ行ってしまった。
「これって、戦車ですか?」
「ああ。そうだよ」
吹雪はそれをまじまじと見つめている。
ん?待てよ、戦車?
「そうか!戦車!!」
「?」
吹雪は俺がいきなり大声を出したのに対し、不思議そうな顔をしている。
「吹雪!」
「は、はい?」
「今すぐ鎮守府へ戻るぞ!」
「え、あ、はい!」
(もしかしたら、これならいけるかも...)
夕方の住宅街。俺は吹雪を連れて急いで鎮守府へ帰った。
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