艦これ-提督と艦娘の鎮守府物語-改   作:鶴雪 吹急

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第二十五話「東南の海と二人の思い-情報修正-」

「う~ん」

 

 艦娘達に「ソロモン海域攻略作戦」の作戦説明をしてから半月後のとある日、

 俺は、明石に借りてきた戦車の模型を並べながら進軍陣形などを練っていた。

 

「手こずってますね」

「ああ」

 

 吹雪が机にお茶を置き、対面するように座った。

 

「せめて隊長車が艦娘みたいに人なら良かったんだが...」

「そんなに都合よく事は進みませんからね...」

 

 そう言いながら吹雪はお茶を飲む。

 

「そう言えば、敵深海棲艦に戦車、陸上部隊は居るのでしょうか?」

「居ないだろな。居たら日本本土も制圧できただろうし」

 

ガチャッ

 

 その時、扉を開いて誰かが入ってきた。

 

「鶴さん、艦載機の整備で聞きたい事があるんだけど」

「ちょっと、瑞鶴、そんな勢いで入って行ったら鶴さんが...」

「何だ。翔鶴と瑞鶴か艦載機がどうs...は?」

 

 執務室内の空気が一瞬にして固まる。

 俺は唖然とし、瑞鶴は笑顔に、翔鶴と吹雪はアタフタしている。

 

「は?鶴さん?」

「そう、鶴さん。宮島清鶴一飛曹、瑞鶴直掩隊隊員」

「なぜ、それを知ってる」

「ここ数日で思い出した」

 

 とりあえず、瑞鶴達を座らせて、事情を聞くことにした。

 

 ◇ ◆ ◇ ◇ ◆ ◇

 

「えー。先ず、どんな感じで思い出したのかな?」

 

 俺は、瑞鶴に探るように聞き始めた。

 

「んー。まあ、朝起きたら何と無く記憶の中に入ってたみたいな?」

「だから、それはどう言うことだってことよ」

「今までは、たとえば、私に敵機が接近するときには、私の艦載機の所属を示す白帯一本しか見えませんでしたが、その中に白帯二本が混じってたり」

「あっ!それは...」

「そうそう。私が沈みかけてて、総員退艦がかかった艦上で他の乗組員に"あいつが沈んだんだ!誰があの世d"」

「ワーワー///」

 

 このままでは、やばい気がしたので、とりあえず鶴姉妹の暴露大会を止める。

 

「わ、分かった。お前らが思い出したのはよーっく分かった。だから、それ以上口にするな///」

「大丈夫ですか?顔赤いですよ?」

「だ、大丈夫だ//」

 

 暴走が止まったところで、話を元に戻す。

 

「ところで、そんな記憶が修正?されたってのが見られた艦娘は他にいるか?」

「んー。たぶん修正がかかったのは鶴さんに関する部分だけだから」

「私や瑞鶴、その他、私達翔鶴型と共に作戦参加したことのある艦艇の艦娘には、修正が見られるかもしれませんね」

「不思議な事もあるもんなんですね」

「そうだな」

 

 そう言って瑞鶴達は立ち上がり、部屋を出ようとした。

 

「整備について聞きに来たんじゃないのか?」

「あー。ただ、鶴さんって久々に呼びたかっただけだから、大丈夫よ。妖精だけで事足りるわ」

「すみません、妹が」

 

 そう言って二人は出て行った。

 

 ◇ ◆ ◇ ◇ ◆ ◇

 

「そう言えば、鶴さん」

「何だ?」

「瑞鶴さんの言っていたあの言葉、ほんとは何て言っていたんですか?」

「あー。あれか...」

 

 思い出すだけでも顔が赤くなる。

 咄嗟にでたあの言葉は黒歴史の一ページであり

 名誉ある歴史の一ページでもある。

 

「別にたいした事ではないよ。軍人として、直掩としてのせめての償いって所かな」

「そうなんですか...」

「ああ。さて、昼だ。昼食でもとってきな」

「はい」

 

 吹雪は、少し気落ちした感じで執務室を出て行った。

 

 ◇ ◆ ◇ ◇ ◆ ◇ ◇ ◆ ◇

 

「はぁー」

 

 昼前の翔鶴型姉妹の騒動後、特に何も無く、時間は21:00

 外はすっかり暗くなり、川内も珍しく静かで、

 綺麗な夜だった。

 

「作戦はしっかりと形に出来上がった。後はしっかり艦載機と武器の整備をするだけだな」

 

 窓の外を複数の戦闘機が通過する。

 月明かりに照らされて微かに光る機体は魚雷、爆弾を抱えた機体や抱えていない機体

 どれもしっかりと陣形を組み立て飛んでゆく。

 

「俺の考えた最後の切り札」

 

 作戦を組み立てた際、宮島の指揮する第一艦隊はガダルカナル島へは

 鉄底海峡(アイアンボトム・サウンド)を通り抜ける航路を想定していた。

 本土防衛の際に、ミッドウェーの米艦隊を模した様な編成を作った深海棲艦。

 今回もこの海峡で多くの艦艇を夜戦で沈めるつもりで編成してくる可能性は十二分にあった。

 

「今度は俺が直掩で、お前を絶対に守る」

 

 宮島は一旦机へ目を移し、そのまま布団へ潜っていった。

 

 宮島が寝る前に視線を向けたそのものは、

 静かに窓の向こうの夜空を睨みつけていた。

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