艦これ-提督と艦娘の鎮守府物語-改   作:鶴雪 吹急

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第六話「朝の散歩」

「ふぁ~」

 

 今朝、早く起きてしまった俺は自分の部屋を出て、鎮守府内を散歩していた。

 

「今日もいい天気だ」

「提督さん!」

「提督!」

「ん?」

 

 欠伸をしながら、ちょうど空母艦娘の寮の前を通りかかったそのとき、空母寮から二人の艦娘がこちらに駆け寄ってきた。

 

「瑞鶴と瑞鳳?どうしたの?」

「提督さん助けて」

 

 そう言って二人が俺の背中に隠れたのと同時に、空母寮から加賀が出てきた。加賀は俺の後ろに居る二人を見つけると、

 

「提督、その二人をこちらに差し出してください」

 

 そう言って加賀は弓をこちらに構える。

 

「とりあえず、その弓を下ろせ。何があった?」

「その二人は私の睡眠を邪魔しました」

「邪魔?」

 

 俺は、顔だけを二人に向ける。瑞鳳は苦笑いを浮かべ、瑞鶴は頬を膨らませている。

 

「だって、加賀さんが先に昨日、夕飯後に残したプリンを食べたんだもん」

「加賀...」

 

 加賀の方へ顔を向けると加賀から放たれた艦載機が十機、こちらに向かっている。そのうち五機は演習爆弾を積んでいる。加賀の零戦はきれいに瑞鶴のみに攻撃をして加賀に戻っていった。

 瑞鶴は加賀の攻撃を避けきり、弓を構えて艦載機を発艦させる。加賀も艦載機を出し二人は戦闘を始める。

 

 俺と瑞鳳はその場を少し離れて様子をみていた。

 

「なあ、瑞鳳」

「何ですか?」

「とりあえず、翔鶴と赤城を呼んで仲裁に入ってもらってくれ」

「分かりました」

 

 そう言って、瑞鳳は空母寮に戻って行った。俺は、とりあえず直掩機を数機飛ばしてその場を後にした。

 

 ◇ ◆ ◇

 

 空母寮を離れて今度は桟橋に来ていた。桟橋には一隻の艦艇が泊まっており、わきには蒼龍が居た。

 

「提督、おはようございます」

「おはよう。朝早くにここで、何してたの?」

「自分の艤装の点検していたんですよ」

 

 そう言って蒼龍は艤装を―――――航空母艦「蒼龍」―――――を見上げた。

 

「異常は有ったか?」

「いえ、燃料とか被害箇所は帰投したらすぐに補給、修復してもらえるので、何も異常はありません」

「そうか、艦載機は?」

「今乗っているもので十分です」

「分かった」

 

 そう言って俺も蒼龍の艤装を見上げる。

 

「そう言えば...」

 

 蒼龍は思い出したように聞いてきた。

 

「提督も艤装を身体に纏えるんですよね?」

「そうだが?」

「じゃあ、何故、私たちのようにこういう艤装は無いんですか?」

 

 そう言って蒼龍は自分の艤装を指差した。

 

「んー。何故、無いと言われてもな~。見たことが無いからな」

「見たことが無い?」

「そう、見たことが無いから有るかもしれないし、無いかもしれない。だから、分からない」

「そうですか。分かりました」

 

 蒼龍は納得すると『それでは、私はもう少し点検しますので』と言って、艤装の中に消えて行った。俺は、桟橋を離れ、執務室への帰路についた。

 

(自分の艤装ね...)

 

 歩きながらさっきことを思い出す。

 

(自分の艤装があれば、俺も一緒に戦えるのかな...)

 

 そんな事を考えながら俺は執務室へ向かった。

 




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