作者オリジナルのスーパーロボット大戦で、スパロボで「原作再現イベント」があるように、「逆襲のシャア」のストーリーが流れ、終わったその直後です。
*5/26/2016、「平行宇宙」「平行時空」「並行宇宙」の混在を「並行時空」に統一
〈プロローグ、スパロボ時空、逆シャア直後〉
「アムロ……」
ラー・カイラムの艦橋ではブライトが拳を握り締めていた。
捜索断念。アムロ・レイ、作戦中行方不明(MIA)。
「ブライトさん!」
そこに通信、木星から帰っている途中のジュドー・アーシタ!
「状況は見ました。大丈夫、アムロさんは必ず生きてる!絶対会える気がする、とんでもないところで」カミーユも加わる。
「何かとんでもないことが起きる。落ち込んでいる暇はない、戦力を整えなければ」
「そうか……地上のスーパーロボット隊も呼び戻してロンド・ベルを建て直そう」
ブライトは決意も新たに着席しなおそうとした、その時手錠つきで連れ戻されたハサウェイが絶叫した。
「あああああああああああああああああああああああ!」
「どうした!この親不孝者」ブライトが叫ぶ。
「う……これは」画面のジュドーもまた頭を抱える。
「ハサウェイくんも同じものを感じてる!想像もつかないことが、この宇宙、いやたくさんの宇宙に起きているんだ!」
カミーユが告げ、ハサウェイがくずれおちた。
「たくさんの宇宙?宇宙はひとつだけだろう」
「ブライト艦長!レーダーに」
「メインスクリーン、見てください!」
アクシスを包む光が、地球と月の中間地点、空白のラグランジュ・ポイントに集まり、すさまじく輝いた。
その中から、あまりに異質な戦艦がいくつも出現した……
〈宇宙戦艦ヤマト時空にて〉
コスモクリーナーを手に入れ、地球への道を急ぐヤマト。
その、往路とは違いあまりに平穏な旅路に、艦内の雰囲気はかなりゆるんでいた。
「こら太田、だらけるな。何があるか分からないんだ、規律を保て」
「すみません」
「艦長代理だからって張り切りすぎよ、古代君」
雪の言葉に、ブリッジが笑いさざめく。
そのとき、メインスクリーンに激しい雑音が入った。
「今のはなんだ相原!」
「わかりません、通信か星間雑音か、今解析します!技師長、アナライザー」
「わかってる、今やってる」
「カイセキ……シマス、ウルトラ線〇四八……」
一転して真剣になる艦橋士官たち。
激しいショックがヤマトを包みこんだ。
「全艦戦闘配置!総員宇宙服着用!」
古代の声がかけめぐる。激戦に鍛え抜かれた宇宙戦士たちは、ここしばらくのだらけを振り捨てて宇宙服に手をのばし、ヘルメットをかぶる。
「波動エンジン異常なし、ただしなにかを感じます!」
徳川機関長の声。
「ひっぱられてる、まるで、ワープに入らされるみたいだ!」
島が叫び、操縦桿にしがみつく。
「艦長!」
思わず古代が叫んで舌打ちし、
「総員耐ショック!相原、打電」
言いきれぬ間に、ヤマトを激しく膨大な原色が包みこむ。全員の意識がワープの何倍も、池に大岩を投げ込んだように混濁する。訓練学校と実戦で鍛え抜かれた宇宙戦士でなければ発狂していただろう。
そして目覚めたヤマトの前に、懐かしい地球と月の姿があった。
「ここは……地球だ!」
「こんなに早く着いてしまったのか」
「いや、待て!」真田が叫ぶ。「見ろ、この地球は青いぞ!」
そう、ヤマトが出発した、遊星爆弾に痛めつけられ、海は干上がり赤く放射能に汚された死の星とは似ても似つかない。古代たちにとっては幼き日の思い出に過ぎない青い宝石。
古代たちのため息。一瞬の喜び、瞬時に現実を見て、その現実を受け入れるのを拒絶し、やっと受け入れたときに絶望となった……そう、三カ月以内に、赤く汚れた方の地球に帰還しなければヤマトの任務は全うされない、あちらの人類は滅亡してしまうのだ!
〈ヴォルコシガン時空にて〉
「くそ、まだ振り切れないんだ!このままじゃ地球にいってしまう」
「まあ落ち着け。まだやられてはいないんだ」
ペリグリン号の病室。ベッドから毛布をはねて起き上がろうとした、誰もがまず目を見張る肉体がベータ訛りでホロに呼びかけた。
あまりにも小さく歪んだ矮躯に、二メートルある巨漢用の堂々とした頭部がアンバランスに乗っている。若さと提督を示す階級章のギャップなど、その肉体でかき消されてしまう。
その表情は父親譲りの石のような平静を装っているが、胃を押さえる仕種もまた父親譲りであることに気づいているのか。
「見事すぎたんだよ、捕虜救出作戦が。銀河史で三本の指に入りますよ。セタガンダの連中、意地でもこのデンダリィ自由傭兵隊を皆殺しにしなきゃ気が済まないようです」
ブリッジの参謀は看護婦とエリ・クィンに気づいて口調を変え、にやりと、まるで息子を誇る父親のように病床の提督を見下ろした。
「地球も悪くないですよ、何より」
「もう少し加速できないか、タングじいさん」
提督の言葉に刺が混じった。
「ちょっと無茶ですが、あのブラックホールをかすめてみましょう。運がよければ……」
「悪くても銀河軍事史に残り報酬が遺族に行くよう、別働隊をベータとヘーゲン・ハブに送ってくれ。指示は使者に別々に与える」
病床にふたたび身を横たえた提督が部下にすべてを任せ、静かにそのときを待つ。本当はブリッジで走りまわりたいのだが、彼にはベッドで半身を起こすだけで充分な無理だったのだ。
光の柱が見えてくる。ブラックホールが両極方向に放つ強烈なジェットだ。
そして荘厳な輝く円盤、はっきりと艦内にいても重力を感じはじめる。
「計器が」
アード・メイヒューの舌打ちが響く。
「機関一杯!」
バズ・ジェセックの声が遠く聞こえる。
「無理なぐらいに寄せろ、核爆弾をブラックホールにぶちこんで、その衝撃で逃れる。古代中国の古典に断じて行えば鬼神もこれを避くという、それにこの手はカリブディスの戦いで、ピョートル・ピエール・ヴォルコシガン卿に追われたゲム貴族の」
軍事史マニアのカイ・タングが語り出したことで、奇妙な安心感がホロでつながる病室にも広がる。
祖父の悔しげな回想を思い出したマイルズが苦笑した。
「よし……振り切った」
その瞬間、ブラックホールから不気味な光がふくれあがり、小さな艦隊をのむ。
「うわあああっ!」
悲鳴が渦巻く。それはごく短かった……激しい頭痛と吐き気だけが残る。
そしてそこには青く輝く惑星。そしていくつかの、見慣れぬ形の宇宙戦艦に囲まれていた……
「ここは……うげっ」
「地球、ですな……この大陸配置……でも違う!知っている施設が色々ないし、ヒマラヤにできたてのクレーターが風穴を開けているし、レーダー!こんなコロニーは我々の地球にはあり得ない!」
カイ・タングが驚いた顔で、ホロに手を振りまわす。
「そんなばかな……別の宇宙の地球だって!?とにかく住人と連絡」
「アリエール号から連絡!我々と同様の観測結果」
「全艦連絡とれました、異常なしです」
「提督、近くにいた艦艇から連絡です」
ネイスミス提督……マイルズ・ヴォルコシガン卿中尉はベッドから飛び下りようとして、クラゲのように潰れた。
セタガンダ帝国の悪名高い捕虜収容所からの大救出作戦。その下準備……捕虜に混じって潜入した彼は、希望を失い無秩序化した捕虜たちをとりまとめるため、文字どおり身体を張ってひどい暴力にさらされた。妊娠中の母親が巻きこまれた毒ガス攻撃の後遺症で砕けやすい骨の多くを犠牲にしていたのだ。
だがその傷よりも、その作戦で失った部下の最期のほうがはるかに痛くさいなんでいる。そして一刻も早く、バラヤー情報部と接触して損失を償い皆の給料となる資金を手に入れなければならない、と使命に焦ってもいる。デンダリィ隊の皆に、普通の傭兵隊には要求できないほどの危険を冒させたのだ。
自分が完全に消えたら、両親の嘆き以前にバラヤー皇室の継承順がどう狂うか……
(父上の次がイワンになる!これというのもグレゴールがなかなか結婚しないから)
厚顔な……父アラール・ヴォルコシガンはもちろんグレゴール帝や従兄弟イワン・ヴォルパトリルも早くマイルズが結婚して男子をもうけてくれたらと思っている……思考の脱線を辛うじて押しとどめ、痛みをこらえて頭を外交モードに切り換えようとする。
〈火星航路SOS時空にて〉
*昔のスペオペでは、木星や土星に固い大地があり、その大衛星には地球同様空気があり、金星や火星にも普通に知的人類がいるのが当たり前でした。ボイジャー以前であることをお忘れなく。また真空管の時代です。
*原作あらすじ~地球から火星に飛び立ったアルクトゥールス号は未知の六肢人宇宙船に襲撃され、通信を絶たれて巨大なスイカのように切り刻まれた。
たまたま機関部にいた天才科学者スティヴンスとニュートン惑星間輸送会社社長の令嬢ナディアは破片の気密部に身を潜め、救命艇を集めて木星の衛星ガニメデに漂着、そこで鋼材をはがし石炭を掘ってハンマーを振るってタービンを鍛え、滝をダムにして発電所を築く、ナディアは弓矢で狩りをして食糧を得る、とゼロからがんばって宇宙船を修理、通信のため真空管材料を得んと土星に至る大冒険の末にウルトラ・ラジオを完成し、地球人の科学者仲間、ブランドンとウェストフォールに連絡する。
残りのアルクトゥールス乗員乗客は間一髪でカリスト人(人間型、善。六肢人に滅ぼされようとしている)に救助され、エウロパの地下都市に退避する。そのパイロットたちは高加速に耐える体質を生かしてカリスト人に協力し、木星の衛星周辺の敵を壊滅させた。
そしてスティヴンスからの連絡を参考に武装を強化し、ニュートン自ら率いる研究船シリウス号が救助に向かい、スティヴンスたちやアルクトゥールス号の乗員乗客の一部と合流する。
スティヴンスとナディアの結婚式の直後、木星の霧に包まれていたもうひとつの知的種族ヴォークル人と、六肢人の決戦が行われヴォークル人が勝利したが……*
あきれ果てた表情で、シリウス号の地球・金星・火星が誇る科学者たちは七角の宇宙船を見送った。
その本来の持ち主、木星南極の底知れぬ霧と悪夢のジャングルの奥に棲む、想像を絶する科学力と巨大なヘビのような身体に多数の手足や目、翼をもつヴォークル人たち。
彼らが宇宙の悪魔六肢人との決戦に勝利したとき、激戦の必然である犠牲となった一隻が六肢人に乗っ取られてシリウス号を追ってきた。その六肢人を全滅させ、唯一の生存者、クロモドーを多くの犠牲を払って救出し、乏しい備蓄の多くを注いで治療したというのに、他者との接触を嫌うヴォークル人たちは一言の挨拶もなく、クロモドーを収容し船を曳航して立ち去ってしまった。
「まあ、特許料をよこせと言われなかっただけましだな」
ブランドンが肩をすくめる。
彼らはクロモドーの治療と並行して、七角宇宙船を徹底的に研究し、その強力な緑色のシールドや兵器をことごとく自分のものとした。
「さて、これでもうあの、六肢人の球形艦がどれだけ出てこようと怖くないぞ!」
ブランドンとウェストフォールがハイタッチし、ナディアがスティヴンスの腕に飛びこんだ。
「いや、勝って兜の緒を締めよ。油断するな」
ニュートン船長がエウロパへの針路を命じようとした、その時にシリウス号の船体を衝撃が揺るがした。
「六肢人か?」
「いえ、スクリーンには何の映像もありません!」
「ありえない、黄道面に垂直な、まったく虚無からなにかの光が!」
「うわっ、なんだこの加速は!」
突然の加速。戦闘態勢でなければ皆が転がっていただろう。
「防御スクリーン!」
「出しています、緑のも。これはどんな波長でも防ぐはずですが、これは電磁波じゃなくて……まさかアインシュタインが予言した重力波か?」
「いや、それですらない。もっととんでもない……うわあっ!」
一瞬、全員がショックに包まれ……気がついたときには、目の前に地球があった。
「ここは……地球に戻った?何か」
「いや、違う」素早く探知波を巡らせたスティヴンスが怒鳴る。「われわれが出発した地球に、こんなスペースコロニーや衛星はなかったし、こんな船が飛びかっているはずはない。それにあのクレーター、違う時代か」
「違う!時空の奥の奥、とんでもないサブサブローザー線を見てみたんだ。ここはわれわれがいた宇宙でさえない、まったく別の宇宙のもうひとつの地球だ!」
ブランドンの叫び。いつもなら慎重に否定するウェストフォールも、少し調べて、呆然とした表情でうなずいた。
「あわてるな!何がシリウス号をここに運んだか解析し、そしてここの人たちと連絡を取れ。友好的にな!」
ニュートン船長の大声に皆が背筋を伸ばす。
言語の調整に多少手間取った……タイタンや木星の衛星で手に入れた思考交換機が必要なかったことが、スティヴンスとしては少々残念なようだった。
「あなたがたはみな、別の並行時空から来たというわけですね」
ブライトが、三者に同時に話す。もちろん怒鳴り立てる中央司令部はガン無視して。
「そういうことです。しかし我々ヤマトは元の時空に帰らなければならない、地球では皆がコスモクリーナーを待っているのです!今ここにいる時間が、向こうではどう経っているのか」
「落ち着いてください、古代艦長代理。至急帰らなければならないのは我々も同じですが、まあ我々は傭兵だ。金次第でどんな任務も受けるし、それに我々が持つ情報・技術資源もこちらでは大いに役立つことでしょう。
もちろん我々“並行時空からの客人”が、元の宇宙に帰るのに協力していただくこととも交換で、ブライト艦長」
マイルズはもう交渉モードに入っている。
「F……」ぎりぎりで口をつぐんだニュートンが顔を赤らめ、いくつもの艦を見比べた。「他になさそうだな、ネイスミス提督」
「非常に興味深い現象だ。多数の並行時空、それぞれをつなぐ時空の異変か。ブランドン、確かゲイルが似たような理論を出していなかったか?」
「そうだな、研究しがいはありそうだ」
シリウス号の科学者連中はある意味のんきである。
そのとき、突然ラサに開いた巨大クレーターに、すさまじい輝きが噴きあがった。
「スーパーロボット隊よりロンドベルへ!地下帝国の本体がヒマラヤ内にあったらしい、シャアのやつが風穴を開けたせいでぞろぞろ出てきてる!至急増援頼む!」
竜馬の暑苦しい顔が画面を埋めた。
「なんだなんだ?」
“並行時空からの客人”たちも興味津々で画面を見つめる……とんでもない化け物たちが底知れぬ穴から次々に飛び出し、それを巨大な機械人が迎え撃つ。
「これがこの地球の戦いか」
「なぜこの世界は人間型の戦闘機が多いんだ、ブライト艦長?資材とメンテナンスコストの無駄じゃないか」
マイルズがいぶかしげに問いかける。
「玩具会社の都合……いや、人間型は作業の幅が広く、宇宙でも地上でも行動でき、直感的に操作できるし機動性が非常に高い。電子妨害技術が発達し、遠距離ミサイルやレーダーや全自動機が無効で視認距離での戦いが主なこの宇宙では、彼らが主力なんだ。来てくれますか、みなさんも……ここの地球が滅んでは、あなたがたを元の宇宙に返すのに協力する人もいない」
「デンダリィ隊は安くないですよ」
マイルズはほほ笑んで親指を立てる。
「オールエックス、地球のために戦うのがわれらの使命だ!」
ニュートン船長が拳を突き上げた。
「もうあんな戦いはしたくない、でも別の地球でも、罪もない人々が殺されるのを座視することはできない……総員戦闘準備!地球に降下する」
古代が拳を握り、艦橋を見回す。
ラー・カイラム、デンダリィ隊、ヤマトが急速に地球に急降下する。
「何という性能の艦だ、なんという文明だ……多元宇宙とはこれほどに広いのか」
ブライトは静かに震えていた。
ヒマラヤ周辺は地獄だった。
5thルナの激突で破壊された大地、そこの残る生命すべてを食い尽くそうとする異形の怪物!
「よく支えてくれた、今行くぞ!」
ブライトの叫びに皆が奮い立つ。
「やっと!これが最後の……ミサイルパンチ!」
マジンガーがミサイルを撃ち尽くし、あとは拳で殴りこむ。
巨大な鳥のような怪物が次々にラー・カイラムたちに攻撃を仕掛けようとする……そこにパルスレーザーが咆えた!
光のシャワーの前に次々と敵が消え失せる。
敵が放つ必殺の炎もミサイルも、デンダリィ隊の艦船やシリウス号のシールドに淡雪の如く消え失せ、ヤマトを射程にとらえることもできない。
そして大胆にも敵の密集部に降下したシリウス号から淡い紫の光の線が延びると、それが次々に山のような敵を引きちぎっていった。
ヤマトから発射された、螺旋状の青い光の柱は何千という敵を一撃で光の塵にする。
「アリの巣穴みたいに、あそこが本拠だ……引きずり出してやる!」
ブランドンが叫ぶと、シリウス号はヴォークル人から学んだ超強力牽引ビームをクレーターの奥に向ける。地下深く、深く、深く探知ビームで探り、敵要塞そのものをつかんで圧倒的な推力で引きずり上げ始める!
「な……」
あまりに豪快なパワーに、他の皆が驚いた。
「推力七十万キロフランク、不足しています!」
「なら牽引ビームで僚艦をつなげ!通信、ヤマト、ヤマト!」
ニュートンが叫び、ヤマトが即座に答えた。
「了解、徳川機関長、波動エンジン出力120%!」
「こちらも推力は貸せる、つないでくれ!」
カイ・タングが怒鳴った。
強力な牽引ビームで繋がれたいくつもの超強力艦が、少しずつ巨大な要塞を地底から引きずり出していく。
「そうだ、月に牽引ビームを向けろ!」
スティヴンスが叫んだ。
「そうかその手があったか……よし、遠距離牽引ビーム調整」
ブランドンがにやっとする。
「73ウルトラ真空管が過熱、33に交換しろ!」
ウェストフォールが叫ぶ。
「調整を急げ、姿勢制御」
力場で強化された構造材がきしむほどの、桁外れのパワー……一気に地底要塞が浮き上がった!
それにヤマトの主砲が、デンダリィ隊のプラズマ・アーク砲が、ガンダムXのサテライトキャノンが、ウイングガンダムのバスターライフルが次々に刺さる。
「よし、あとは殴り込みだ!」
ロボットたちが地獄の門に飛び込む。
群がる、あまりに巨大で不気味な無数の触手を持つミミズの群れを、マジンガーのアイアンカッターが、ゲッターのトマホークが次々に切り刻む。
「わたしたちも続くぞ!」
頑丈な装甲宇宙服を着けたクラウニンシールド率いるビル・ニュートンはじめ惑星間警察の精鋭が、ヴォークルや六肢人から技術を盗んで改良した桁外れの威力の携帯兵器を手に降下準備に入る。
「コマンド降下準備!」
エリ・クインが手早くハーフ・アーマーに着替える。
皮膚に密着する神経破壊銃防御ネット、そして胴部アーマー、一人用プラズマ・アーク・ミラー場発生動力パック。スタナー、神経破壊銃、プラズマ・アーク銃。
「無理はするな、戦術も装備も全く未知の空間だ。我々の科学技術水準は高いが、我々の装備は人間以外との戦いは想定されていない。こちらの技術では救えない重傷者を低温療法で助けることが最優先だ」
マイルズの命令に敬礼し、部下と共に死の戦場へ勢いよく降下した。まっさきに遺伝子操作兵士の実験体、タウラ軍曹の巨体が飛び込む。
「あちらの大型人型機なら、プラズマ・アーク砲やシャトル用重力内破槍が使えます!握りさえつければ」
「よし、貸与を許可する」
ベル・ソーンの連絡にカイ・タングがすばやく答える。
MSが手にしたプラズマ・アーク砲はビームライフルをはるかにしのぐ威力を発揮し、また人間が携帯できない大きさの重力内破槍は射程こそ短いがバリア能力を持つ敵を一撃で屠る。
「恐ろしい威力だな、この携帯兵器は」
ユウ・カジマが駆るジェガンが、すさまじい機動性で重力内破槍を自在に操り、またもバリアに包まれた不定形の怪物を爆砕した。
「全く違う技術文明の兵器をろくにすり合わせず使えるようになるとは、人型兵器の汎用性と機動性は確かにすごいな」
マイルズがつぶやいた……動けない自分の体を呪いながら。
勇気と体力では及ぶもののない惑星間警察精鋭の切断ビームが、容赦なく巨大な機械化竜やミミズの化け物を寸断する。
着地したエリたちは、すばやい行動で負傷者を救出していった。腹から下がなくなったような、完全な致命傷でも対処さえ早ければ冷凍でき、将来移植用臓器を用いて治療できるのだ。脳に後遺症があることも多いが…………
そして意外にも神経破壊銃は、巨大な恐竜人を一撃で殺せることも判明した。
救助作戦のスペシャリストらしく、閉じ込められた小学校の生徒をタウラ軍曹たちが救助したときには大きな歓声が上がる。子供たちは彼女の、狼と美女を合わせたような巨体に一瞬怖がったが……
戦いが一段落した、その時。
「私は……イスカンダルのスターシヤ……」
かすかな通信が、アリエール号の超高感度通信機に触れた。連絡を受け、ヤマトやシリウス号、ラー・カイラムも通信を確認する。
「スターシヤ?」
古代がいぶかしむが、真田が
「そうか、並行時空……似たような地球があるなら、同じ位置にイスカンダルもあるということだ」
「ブライト艦長、そして皆様……ヤマトの皆さん、そしてシリウス号、デンダリィ自由傭兵隊の皆さん……あなた方と、あなたがたの故郷の同胞達すべてに大きな脅威が迫っています」
「何だって?」
「無数の並行時空……どの宇宙にも、今大きな脅威が迫っているのです。この多元宇宙全体を呑みつくそうとする、おそろしいものが……」
皆が息を呑む。
「まず海王星の衛星トリトンへ。そして、この座標に示されたテレザート星に向かってください。その戦いの中別れた者との再会があり、そして“並行時空の客人”たちも故郷の宇宙に帰ることができるでしょう。ちょうど出発した時に」
ヤマト、シリウス号、デンダリィ隊の皆の顔が輝いた。
「厳しい道ですが、どうか希望を捨てないで……戦力を整え、まずトリトンへ、そしてテレザート星へ……」
通信が途絶えた。
「だとしたら今の戦力ではどうも弱いな」
ブライトが軽く舌打ちし、奇跡的に助かっていたアストナージを振り向いた。
「現在建造中の戦艦の計画に“並行時空の客人”も参画していただけないでしょうか?いろいろな技術を学びあって」
「われわれロンド・ベルが責任を持って皆さんの面倒は見せていただきます」
「わかった、任せます」
と、マイルズがブライトにうなずきかけた。
「艦長、さすがにこれは独断では」
古代が病室の沖田に聞いたが、
「古代……甘えるな、お前はブライト艦長を信じられるか」
連邦の上層部ではなく。
「はい」
「ならそれでよかろう」
「沖田艦長、こちらの地球には宇宙放射線病のいい病院があるそうです。そちらでの検査を、医者として勧めます」
佐渡が口を出し、沖田が重々しくうなずいた。
「古代、あらためて全面的にお前に任せる。そしてマイルズ提督とブライト艦長、ニュートン船長を信じて……諦めることなく戦いぬけ。向こうの地球はお前たちを待っているぞ」
「はい!」
「なんとか上層部を脅して、テレザート星への遠征は承知させた。その前にハガネとラー・カイラムを、できるだけあなた方の優れた技術で改装しておきたいのだが」
ブライトが遠慮がちに頼む。
「オールエックス。遠慮なく使ってくれ」ニュートン船長が指を立てる。「このスティヴンスはロビンソンの島同然の衛星でウルトラ真空管以外全部組み立てた逸材だ、いろいろ使えるぞ」
「私の愛する妻ナディアも、もう超一流のメカニック助手ですよ」
とスティヴンスがナディアを抱き寄せるのを、ナディアの父であるニュートンが嬉しそうに見た。
「われわれの宇宙では天然のワームホールを利用したジャンプしかできない、波動エンジンをコピーして積ませて欲しいのだが、古代艦長」
会議室に、全身をどう固定したのか出てきたマイルズが親しげに古代に触れ、真田を見た。「代理」をつけなかったのはわざとである。
「あと機体も増やしておきたい」
ブライトは相変わらず心配そうに聞く。
「人間型戦闘ロボに関する技術はないにしても、ブラックタイガーの技術とエンジンはある程度流用できるな。それにこの緑のシールドを小型化して、重力内破槍を標準装備にすれば」
「量産機だな。アッシマー、ガザ、ジェガンなどを参考に並行時空の技術を生かした可変機を設計してみるか。カミーユやジュドーとも連絡を取ろう。くそ、チェーンの戦死が痛いな」
アストナージが早速真田と意気投合している。
「しかし、なぜ宇宙機なのに足も手なのだ?」マイルズがアストナージに聞いた。「もちろん手足が宇宙でどれほどありがたいかは、我々も無重力戦闘は多いからよくわかっている。だが、クアディーではなぜだめなのだ?」
「クアディー?」
ブライトが何の気なしに聞いた、そこにマイルズがホロを表示した。
二本の脚の替わりに二本手が生え、その四つの手で真剣に溶接作業をしている人の姿。
「うわあああっ!」
「おお、神よ!」
悲鳴が会議室にこだました……古代の顔面が蒼白になっている。
プルが激しい怒りをあらわに立ち上がり、プルツーが吐きそうになった。そしてアスラン・ザラが銃を抜こうとしたシン・アスカをかろうじて押しとどめる。
「君たちも遺伝子操作か……戦闘用の?」
「はい、コーディネートです……そのために多くの戦争が」キラ・ヤマトが燃えるような目をマイルズに向けた。
「私の故郷ベータでは普通だ、だが簡単に治せる口蓋裂の赤ん坊を絞め殺す星もある」
(厳重に禁止されてはいるがね、私もその殺害者の一人を裁いたのだ!)
マイルズはそのときの痛みを思い出し、それをさらに声に上乗せした。
「彼らクアディーも廃棄されそうになったことがある。でも彼らは宇宙のかなたに自分たちで脱出し、自分たちの国を作った。なぜ君たちもそうしないんだ?なぜ無限の大宇宙に羽ばたかず、地球圏という狭い世界で互いに争っているんだ?」
マイルズの声に力がこもる。全員の衝撃にたくみにつけこんで。
「船を作ろう、無限の宇宙にいける船を。もっと自由に動かせる作業機も!」
「だがネイスミス提督、MSは地上でも重要な戦力で……」
アストナージがおずおずと聞こうとして、自分で気づいたようだ。
「自力大気圏降下ミッションは普通にあるのかね?」
「いえ、一部可変機を除いては」
「なら必ずシャトルに収容される。その内部で歩行用の脚に換装すればいいわけだ、簡単に換装できるようにして。宇宙では四本の脚とも、慣性姿勢制御・移動用スラスター・作業マニュピレーター・攻撃武器・防御武器を兼ね備えることができる」
マイルズは前もこの手を使った……士官学校で。バラヤーの田舎から出てきたばかりの連中にショックを与え、そこに一気につけこんで主導権を得たのだ。
(このテクニックを見抜いている人は……ダイテツ、アスラン・ザラ、五飛、エクセレン、それにニュートン船長と真田四郎……)
海上基地で出番を待つ、優美な双胴の水上艦。全長は300mもあるか。
右は豪壮な、だがステルス性の高い箱形艦橋と収納式の砲塔。左はすっきりと通る全通空母甲板。
左右両舷側には異常なほど巨大な五連ガトリング全周砲塔が展開されている。
そして右舷側艦橋前後には単装長砲身二十サンチの高ステルス砲塔が前に二基、後ろに一基そびえている。
細かなパルスレーザー砲は見られず、全体にすっきりしている。
空母甲板の舷側と、右側の甲板のほぼ全面が膨大なVLS(垂直ミサイル発射機)ともなっている。
左右の艦首はそれぞれ平たい面を持ち、何かが出る可能性を暗示しているようだ。
「スーパーバトルシップX……アカガネ」
誇らしげにアストナージとスティヴンス、真田が見上げた。
「四つの世界の技術をことごとく結集した、宇宙最強の艦ですよ……人類がこれを手にしてよかったのかどうかさえ疑わしいほどの」
「そして艦載機のPTX-014・ワーウルフと万能シャトルCABEX-223コスモレトリバー」
その飛行甲板に並んでいるのは、上から見ると角の丸い三角形のような、それ自体が翼にもなる分厚いボディに四つのエンジンを持ち、左右に小ぶりの翼をつけた独特の戦闘機が八十機。全長は17mほどか。傍らにスペースシャトルに似た、全長35mの大型輸送機も十二機並ぶ。
その戦闘機が人間型をとった姿……装甲が変化した上腕部に噴射口が前腕部となった、同じ形の腕足が四本シンプルなフレームから伸びた機体がこれまでのジェガンに交替してラー・カイラムに整列する。
中央に、青く塗られた大型人型機が二機立っている。ゲシュペンストの影響を受けたと思わしい。
ラー・カイラム自体も中央部に巨大な波動エンジンを載せ、シルエットが大幅に変わっている。アークエンジェルなども波動エンジンを搭載するなどの改装が今も行われている。
「ユウ・カジマ、PTX-0074を頼む。従来機に新しいエンジンとシールド、重力内破槍を積んだだけだからまだ扱いやすいはずだ。未熟な連中を引っ張ってやってくれ」
「だが、肝心の乗員が新しい技術に対応していないぞ。ラー・カイラムだって波動エンジンに必要な機関員が不足している」
ブライトは素晴らしい艦と機体を見てもまだ不安げだ。
「メカニックもパイロットも実戦で育てるしかない、あまりにも損耗が激しすぎるな」
真田が覚悟を決めた、かなり消耗した表情でブライトを見上げる。
「頼んだぞ、テツヤ」
引き続きハガネを指揮するダイテツに背を叩かれ、アカガネ艦長に就任するテツヤが緊張気味にタラップを上がる。
そしてラクス・クラインの号令と共に、シャンパンの瓶が艦首にはじけた。
ヤマトとシリウス号が先頭、中央にアカガネ、ハガネが並ぶ。改造されたラー・カイラム、アークエンジェルとエターナル、そして後方のデンダリィ隊がかなり大規模な艦隊を作ってワープアウトした。
「全艦ワープ成功」
「位置はどれも想定内に収まっています」
「全艦異常なし」
ラー・カイラム艦上のアストナージが、ヤマトの徳川や真田がなんともいえない表情で崩れ落ち、すぐに自分自身を叱咤して立ち上がった。
「こうなったらクスハのあれで……いや、それで寝込む時間も割けない」
アストナージが呟いて震え上がった。
不眠不休で各艦を波動エンジン・ヴォークル型シールド搭載に改装していた技術陣も疲れきった目を輝かせる。
「もうすぐヒリュウ改やジュピトリス船団と合流できるぞ、カミーユとジュドーはラー・カイラムに乗ってもらおう」
「久々にレフィーナ艦長に会えますね、テツヤ艦長」
クルーが軽くからかうが、昇進の誇りとアカガネを預かる重任、ワープ酔いでボロボロのテツヤはそれどころではなかった。
そこにカミーユから、悲鳴に近い声が聞こえた。
「救援頼む!外宇宙からの攻撃だ!」
「目的地トリトンへの航路をふさいでいる!」
「よし、行くぞ!」
木星圏に近づいた寄せ集め艦隊に、膨大な数の敵が襲い掛かってきた。
「見たこともない敵だ」
円盤状の大型戦艦や巨大な触手を伸ばす細胞の群れ、球形の艦……
「DCやザフトの残党とか」
多数のMS……
「通信!通信……」
「くそっ!」アストナージが怒鳴った。「生命反応はある、だが……」
「のぞいてみる」ブランドンの探知ビームがのぞき「うげっ」悲鳴を上げる。
「どうした?」
「ひでえ……人間が、わけのわからない機械と細胞みたいなのに取り込まれてやがる」
「見るな!見ちゃいけない」
スティヴンスがナディアの目をふさいだ。
「神よ!くそうっ、ひどいことを……叩き潰してやれ!」
ニュートンが叫ぶ。
「敵機接近、多数!」
雪と島が冷静に報告。
「ブラックタイガー隊発進!主砲発射準備」
古代が、見せられた惨状に拳を握り締め、顔を伏せた雪を気遣うように振り返る。
「一気に突っ込むぞ」
カイ・タングが艦隊を再編する。
起きられないマイルズは拳を握り締めている。
「敵だったとはいえ、人間をあんな化け物に取り込むなんて……許せん!」
ブライトが叫ぶと全員を振り返る。
「全艦攻撃開始!」
ワーウルフがアカガネやラー・カイラムの空母甲板から次々に飛び出す。
MA形態の安定性と速力はすさまじい……シリウス号のブランドンらが開発した宇宙線からのエネルギー受容機による無限の航続距離、波動エネルギーバッテリーと慣性中和機構によるとてつもない加速力。
変形したときの、四つとも同じ形の手足には旧来の戦艦を動かせる出力の、推進剤不要のローザー線スラスターがあり、他に牽引ビーム、パルスレーザーと重力内破槍、ドル・ケノーの工夫で小型化された緑のシールドが内蔵されている。もちろん三本の指があらゆる作業をこなし、対艦バズーカや携帯用プラズマ・アーク砲、無反動衝撃砲が吼える。
アカガネの、ステルス性のため収納されていた砲塔が展開され、凄まじい業火を吹き上げる。
両舷側のガトリング砲は五本それぞれ別の砲。30サンチのショックカノン、パルスレーザー砲、プラズマ・アーク砲、メガ粒子砲、光速の99%に達する高密度レールガンが波動エンジン直結でほぼ同時に、毎分千発ずつ放たれる。半球を二つ合わせるように艦からあらゆる方向をカバー、制御はプルとプルツーがサイコフレームを通じて行いどんなミサイルも攻撃機も、虚空から出現する機雷さえアカガネから三万宇宙キロ以内に近づくこともできない。もちろん流れ弾も緑に輝くシールドが全て吸収する。
単装の主砲も口径こそ小さいものの、高い追従性ときわめて高い連射性能、長砲身による命中精度で次々と敵を屠っていく。ヤマトの豪放な巨砲とは対照的な、それは狙撃機関銃というべきものだ。
そして艦内に格納された、垂直射出式の超高圧力線砲が、緑の光条を吹き上げた。それが力場で自在に曲がり、敵に突き刺さって引きちぎる。
もちろんVLSのミサイルも高密度に放たれ、内部の波動炸薬が次々と敵を粉砕する。
激しい戦いの中、双胴の戦闘機がどこからともなくワープアウトして味方に加わる。
「こちらグラディウス星のビックバイパー。パイロット、ジェイムズ・バートン!敵はバクテリアンだ、本来我々の敵なのだが」
「感謝する。ユウ・カジマ、ブリット、SRX隊、レオパルド、山本隊、ビックバイパーに加勢し八時方向へ!」マイルズが叫んだ。
「三時方向主砲発射!」
「アリエール号も行きます!」
「レフィーナ艦長、後退してください!ヒリュウ改には最新のヴォークル型シールドがない!」
「ローエングリン発射十秒前、射線上の機体は退避せよ!」
「ミーティア射出、フリーダムと合体します!」
「敵カバードコアを右舷に見つつ旋回、片舷全砲門斉射!」
「圧力ビーム全力、七十万キロフランク一点集中だ!」
「五十メートルトン純粋水爆ミサイル、斉射!」
「アカガネよりエネルギー受信完了。サテライトキャノン発射五秒前、当該宙域の味方はシールド強化!」
「みろ、船団に」
かろうじて持ちこたえ、急行したラー・カイラムとハガネに護衛されていたジュピトリス船団にビッグコアとテトランの一隊が襲いかかる。
恐るべき弾幕をシリウス号が緑のシールドと圧力ビームで粉砕し、ハガネの艦首トロニウムバスターキャノンが戦列を分断、そこにヤマトの主砲が着弾してからワーウルフ隊が襲いかかった。
「これで早く移乗しろ!」
大型のシャトルが頑丈なシールドと強力なサイコミュミサイルで敵をはねのけ、船団に着艦する。
「カミーユ、ジュドー、これを!」
ZとZZが、いっそう引き締まったシルエットに改造されて届けられた。もちろんスティヴンスとアストナージが技術の限りを尽くし、中身はワーウルフにも劣らない。
「出力が桁外れだから気をつけろよ!」
「サンキュ!」
笑顔で飛びだした二機が鮮やかに敵の一編隊を殲滅し、クリスタルコアの触手を切断してヤマトの主砲の餌食に差し出す。
気がつくと戦いは終わっていた……ついにトリトンへの道が開かれた。