魔法と光の使者   作:形右

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無印編完結です。


~エピローグ~ 『Ending is beginning』

 

 ~~エピローグ~~

 

 

 

 

 

 

 

 あの後、由宇が発見されることはなく……。かといって死んだと断定されるわけでもない。

 

 あの状況では死んだとしてもおかしくはないが――

 

 

 

 

 ――あの最後の爆発……。あの際に確認された光はコスモスの物だったということから、二人はどこか別の世界に飛ばされたのではないかという判断がなされ、時空管理局によって全世界に捜索願が出された。

 

 その捜索願いには、こう書かれていた。

 

 

 

 

 光に導かれた少年:ユウ・アキゾラ

 

 

 勇敢な行動により、ある事件を解決に導くために尽力し行方不明に……。

 

 もし、目撃情報があれば……すぐに管理局まで連絡を。

 

 

 

 

 

 と、大体こんな感じだ。

 そんなわけで、管理内・外の力世界へと捜索が続けられている。

 

 由宇のことは、両親には説明された。

 ただ、魔法やウルトラマンに関わることは全て隠され……事故により行方不明だと伝えられた……。だが、両親は意外にも落ち着いており、管理局員が出向いても息子の事故に関して怒鳴り散らしたり、喚いたりすることはなく、ただ一言。

 

「あいつは、〝やりたかったこと〟を成し遂げられていましたか……?」

 

 とだけ聞いて来た。

 

 それに管理局員がもちろんです!と答える。

 あの時の由宇の活躍で一つの『家族』は再びまとまることができたのだから……。

 

 それを聞き、息子はこんなにも分かってくれる人がいるほどのことを成し遂げたのだな、と由宇の両親寂しそうながらも……決して泣いたりはしなかった。

 

「涙は流すわけにはいきません。あいつは、行く前に約束していったんです。必ず帰る、という約束をね……。だから、それを最後まで信じてやるのも……親でしょう?」

 

 それを聞き、此方の方が泣いてしまうという事態になるほど由宇の両親の思いは深かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、フェイトはというと……――

 

 

 

 

 

 ――今回の事件の重要参考人……とのことだが、プレシアの過去が管理局に調べられ加えて彼女の病についても過去の事件の裏の部分が明るみでて、情状酌量の余地有りとして処理された。

 それには消えてしまった少年の功績も大きい。

 彼があそこまで命を張ったのだという部分も、普通ではないこの事件には適用された。

 

 さらに、プレシアは優秀な魔導研究者である。それを含めて、罰するよりも協力して頂きたいということが言い渡され……。

 そんなわけで当面の間、ハラオウン家が監視役を務めることになった。(この後も、関係は良好に維持され…半分親戚みたいな感じになってしまうのだが、まぁそれはまた別の話である。後にクロノは、フェイト・アリシア両名からお兄ちゃん呼びが確定となった。本人もまんざらでもなかったとかなんと(ry……)

 

 というわけで、奇跡的なほどにプレシアとフェイトはいう程大きな罪は問われず、プレシアとフェイト加えてアリシアはそれぞれが抱えある身体的不安の改善のために療養が言い渡された。

 ただし、それでも暫くは本局のあるミッド周辺での監視付きでその期間終了後にハラオウン家の監視付きという名目で自由となることが決まった。

 

 とはいえ、三人とも特に異常はなく日常的な生活に戻れたのでこの件は万事順調。

 

 

 気になるのは、プレシアとフェイトの件だが……。

 

 

 あの後、プレシアはフェイトに涙ながらに謝罪したという。

 それを受け、フェイトも泣きながら母の胸に飛び込んだことは言うまでもない。

 

 二人とも、色々な意味での由宇の尽力で仲直りができた。

(しかし、仲直りのし過ぎでプレシアが親ばかになってしまうことになるのだが……。まぁ、これもまた別のお話というやつだ)

 

 

 ちなみにアリシアは、あの由宇の蘇生光線の副作用か……何故か多少成長していた。驚くべきことに少しだが、外の記憶も持っていた。

 とんでもないおまけつきである……。

 

 

 

 余談だが……。

 

 アリシアは、結局フェイトよりは小っちゃかった……。(ま、まだまだ成長するんだからぁ~!!:本人談)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、幾度となく、ぶつかり合った……。なのはとフェイトは―――――

 

 

 

 

 テスタロッサ家が、地球のある第97管理外世界を立つ日……。フェイトが去る前になのはに話がしたいということで、二人はそこでお別れの挨拶をすることになった。(残念ながら、プレシアとアリシアは療養優先の為来られなかった)

 

「いっぱい話したいことがあったのに……フェイトちゃんの顔見たらうまく言葉が出てこないや……えへへ……」

 

「私も……そうだね、こういう時なんて言ったらいいのか……上手く言葉にできないや……」

 

 二人は、そういって海の方を眺める。そして少しの沈黙の後フェイトがなのはに話し出した。

 

「でも、凄く……嬉しかった」

 

「えっ……?」

 

「君も、あの人……ユウも……真っ直ぐに私を見てくれて、凄く嬉しかった」

 

「うん!友達になれたらいいなって、そう思ったの!ユー君みたいにフェイトちゃんをたくさん助けてあげられなかったけどね……たははは」

 

「そんなこと、ないよ……。だって、あの戦いのときも……どの戦いの時も……君はずっと真っ直ぐに私と対等に向き合ってくれた。守ってくれるだけじゃなくて、隣にいてくれるような…そんな感じだった」

 

「そんな……、私はただ……。ただひたすらに、我武者羅に、友達になりたいっていう気持ちを素直にぶつけただけで……」

 

「それでも……嬉しかった」

 

「なら、よかった……」

 

 そうして二人を、まだ安らかな沈黙が包む。そして今度はなのはが切り出した……。

 

「この後、フェイトちゃん……アリシアちゃんやプレシアさんと、ミッドチルダの方に行っちゃうんだよね?」

 

「うん…。今回の事件で私や母さんのしたことは、一応許してはもらえたけど……。まだ、完全に自由っていうわけじゃなくて……少し監視・隔離みたいな状態から何回かの手続き的な公判や手続きを経てから……やっとハラオウン家の監視付きで、自由になるっていう感じだからね……」

 

「でも、また……会えるよね?」

 

「うん、きっと……ユウも、きっと帰ってくるって言っていたから……私と君だって、必ずまた会える」

 

 そしてフェイトは、なのはに今日のお別れに来てもらった一番の理由を告げる。

 

「そして、今日来てもらったのは……返事をするため」

 

「……?」

 

「君が言ってくれた、友達になりたいっていうのの返事をしたくて……」

 

「うん…うん……!」

 

「私にできるなら……私でいいなら! ……って。……でも私、どうしたらいいか分からない……。

 だから、教えてほしいんだ。……どうしたら友達になれるのか………」

 

 それを聞き、なのははにっこりと笑い、こういった。

 

「簡単だよ」

 

「えっ……?」

 

「友達になるの、凄く簡単」

 

 そういってなのはは、フェイトの目を見ながらゆっくりと〝友達〟になる方法をフェイトに教える。

 

「名前を呼んで……。初めはそれだけでいいの……。『君』とか『貴方』とかそういうのじゃなくて……、ちゃんと相手の目を見て、ハッキリと相手の名前を呼ぶの。

 私、高町なのは……なのはだよ」

 

「…なの、は……」

 

「うん」

 

「なのは……」

 

「うん…!」

 

「なのは」

 

「うん!」

 

 そういってなのはは名を呼んでくれたフェイトの手を握り、見つめ合う……。

 そして、フェイトは……なのはにお礼を言う。

 向き合ってくれたこと、友達になってくれたこと……。

 そんな…色々な意味と、いっぱいの感謝を込めた、お礼を……。

 

「ありがとう、なのは……」

 

「…うん……!」

 

 そして、再び……名を呼ぶ。

 

「なのは……」

 

「うん!」

 

「君の手は、温かいね……。あの人――ユウもそうだった。事件が終わった後の母さんやお姉ちゃんもそうだったけど……ああいう包み込まれるような感じじゃない。

 なのはのは……いつも隣にいてくれるような、温かさだ。隣にいてほしくなる温かさ……こういうのも、友達だから…なのかな……」

 

「うん……きっとそうだよ。包んでくれる温かさは、自分よりずっと強くて前で守ってくれて、支えてくれる強くて優しい人たちだから……。

 隣にいてほしくなるのは、肩を並べて一緒に歩いたり時には競走したりして……お互いをに支え合いたくなるから……だと思うよ」

 

 多分それだけじゃないんだろうけど……、となのはは最後にそう付け加えた。

 

「でも、多分…きっとそうだ。母さんや、お姉ちゃんの包む感じも……ユウの光も、たぶん私よりもずっと強いから、守られる方になっちゃうんだと思う。

 でも……、これは違うと思う。成長するためにお互いが、何度も並んで隣を見ながら進んでいくからなんじゃないかなって、思うんだ……」

 

「うん…そうだね……きっと、そうだ…」

 

 守られるだけでなく、隣にいる友との支え合いが……その時点の自分達を、前に進める。

 いつまでも、前から引っ張ってもらうだけじゃない……。自分たちで先へ進むために支え合うような――そんな関係が…〝友達〟なのかも知れない。

 

 二人の瞳からは……自然と涙が流れた。それは、一体何の涙だろう……。

 別れの悲しみか…それとも、やっと分かり合えた嬉しさなのか……。

 それは分からない。でも、一つわかることはあった……。

 

「一つ分かったことがある……。友達が泣いてると、同じように自分も悲しいんだ…」

 

「…ウッ…ウッ……フェイトちゃん!」

 

 二人は抱き合った。互いの存在を確認するように……。そして、ようやく分かり合えたことを確かめる様に……。これからすぐに別れてしまうことを惜しむように……。

 

「ありがとう、なのは……。きっとまた会える…また会ったら、君の名前を呼んでもいい……?」

 

「うん……うん…!」

 

「会いたくなったら……きっと名前を呼ぶ……。だからなのはも……私を呼んで……。

 なのはに困ったことがあったら、今度はきっと……私がなのはを助けるから……」

 

 そして、二人は抱きしめあったまま……静かに泣いた……。

 

 その様子を見ていたアルフは…ユーノにこういった。

 

「あんたんとこの子はさあ……なのはは、ホントにいい子だねぇ……!

 それにユウも、この世界に来てから出会った人は、みんないい人ばっかりだったよ……。

 フェイトが、あんなに笑ってるよ……」

 

「うん……。この世界の人たちはみんな、優しい人たちばっかりだったよ……。僕も、たくさん救われた……」

 

 しかし、安らかな時間は……あっという間に過ぎていき――

 

 

 

 ――別れの時が来た……。

 

 

 

「時間だ……そろそろいいか?」

 

 クロノは、少々残念そうに告げる。彼だって、もう少し暗い彼女たちを一緒にいさせてあげたい。

 だが、執務官としては出向時間をずらすわけにもいかないので……。残酷なようだがフェイトとなのはに、時間切れを合図を送る……。

 

「フェイトちゃん!」

 

 時間切れを告げられたなのはは、フェイト名を呼び…自身の白いリボンをほどき始める。そして、フェイトにそれを差し出す。

 

「思い出にできるようなもの……。こんなのしかないんけど……」

 

「じゃあ、私も……」

 

 そしてフェイトも自分の黒いリボンをほどく。

 二人の髪……美しい茶髪と、金髪が…海風になびく……。

 そうしたなかで、二人は互いのリボンを交換し合った……。

 

「ありがとう、なのは……」

 

「うん、フェイトちゃん……」

 

「きっとまた……」

 

「うん、きっとまた……」

 

 そうして二人が言葉を交わした後、歩み寄ってきたアルフがフェレット状態のユーノをなのはの肩に乗せる。ユーノはこの後も次元船が治るまでは暫く、高町家に居候だ。

 なのははアルフやクロノにもお別れを告げる。

 

「ありがとう、アルフさんも元気でね」

 

「ああ、色々ありがとね。なのは、ユーノ」

 

「クロノ君もまたね」

 

「ああ…」

 

 

 バイバイ……またね。

 

 ――クロノ君

 

 ――アルフさん

 

 ――フェイトちゃん……。

 

 

 こうしてなのはとユーノは、三人に手を振って、別れた……。

 

「なのは……?」

 

 ユーノは心配そうになのはに声をかける。それになのはは、大丈夫と告げる。

 

「きっとまた……すぐに会えるよね!」

 

「うん、必ず……きっと、また会えるよ」

 

「……だよね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、青い宝石をめぐる。二人の魔法少女と、ウルトラマンの物語は……。一度幕を閉じることとなった……。

 

 

 しかし、まだ……物語は――終わっては、いない……。

 

 

 新しい騒乱の種は……きっと、すぐそこまで―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

【マルチバース】

 

 

 

 次元世界の先にある、また別の次元世界。

 

 

 そんな、別の次元のどこかにて……―――

 

 

 

 ―――一人の少年が、倒れていた……。

 

 その少年が倒れているのは、どこかの湖のほとり……。そこへ、一人の老人がやって来た。

 

「こんなところに、子供……?異星人――というわけでもないようだな…。いったい……!?なんだ、この傷は…!?」

 

 その少年は……ひどい傷を負っていた。

 だが、いまだに〝生きている〟。

 

(これ程の傷にもかかわらず……いまだに生きている。この少年は……いったい?)

 

 その時、少年の手から一本のスティックのようなものが落ちた。

 

「これは……?」

 

 そのスティックからかすかに『光』の力を感じた老人は、一つの回答に至る。

 

「そうか…この子も、私と同じ……」

 

 老人はそう呟き、少年の手当てを始めた。

 まだ知らぬ異世界から来たらしい〝同胞〟を助けるために……。

 

 

『光』にまつわる、別次元での物語は……こうして始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『第二部:2nd A's 《前章》』

 

 

 

【マルチバース編】 

 

 

 

 ――始動――

 

 

 

 

 

 

 





ではここから、なのは達の出ない【マルチバース編】へと移行していきます。

しかし、マルチバース編はあくまで前章なので、どちらかというと短編寄りになります。

それでは、次章でお会いしましょう。
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