龍の転生者と魔物達の転生記 決闘符禄   作:龍牙

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デュエルAD入学編
TURN-01『DA試験 咆哮せよ、龍皇ジークフリード』


「はぁ……」

 

 緋勇龍斗、異界王、ファーフニルの三人(?)に転生させて貰った彼『天凪 総麻』は思わず溜息を吐く。

 

 現在自分が居る世界は【遊戯王】と呼ばれる漫画の中の世界で有り、貰った力の大半が役に立たない世界だろう。直接的な戦闘力に位置する【魔人】達の《力》もこの世界ではあまり意味は持たず、まだ届いていない爆丸達も同様である。

 

 バトルスピリッツのカードもそうだと思っていたが、何故かそれらのカードはモンスターに位置する【スピリット】のカードの何枚かだけは遊戯王の世界のカードに変化していた。…………この時、バトスピのカードをくれた異界王には心から感謝した。自分の持っているカードも幾つかは存在していてくれたので新たなデッキも作り易かった。

 

 さて、総麻はその日、デュエルアカデミアを受験する為に童実野町の海馬ランドを目指していたのだが、電車の事故により足止めを受けていた。

 

「はぁ……運がないな……」

 

 受験会場への事故で足止めを受けている旨での電話連絡は終わっており、事故証明書も貰っているのだが、

 

(あー……時期的に十代達の時代…じゃないよな……?)

 

 セブンスターズ、光の結社、ユベル、ダークネスと危険極まりない事件が重なる年である事を考えると頭が痛くなる。幸いにも最も危険であろう、ユベルの事件でも龍斗から貰った【魔人】達の《力》が有れば十二分に生き残れるから心配は無いが、それでも、一度死を経験した彼としては危険からは逃れたいと思ってしまう。

 

 それなら、デュエルアカデミアに行かなければ良いと思うだろうが、それでも、純粋にデュエルモンスターを楽しみたいと言う気持ちだけは裏切れず、デュエルアカデミアに行く事になったのだ。可能性としては、十代達の年代とは違うと言う可能性も有ったのだし。

 

 そんな事を考えている間に一時間ほど過ぎて待って運転が再開した電車に乗り込み、総麻は受験会場に向かう。

 

(……まあ、精々今を楽しもうか……お前達)

 

 試験に使う予定のデッキに触れ心の中でそう呟くと、総麻の背後に現れた半透明の二体の真紅のドラゴン達が彼の言葉に答える様に唸り声を上げながら頷く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 総麻が海馬ランドに着くと丁度、受験番号1番の『三沢 大地』のデュエルの決着が着く所だった。三沢は自分フィールド上に存在するブラッドヴォルス(攻撃力1900)にモンスターを破壊し、互いにその攻撃力分のダメージを受ける罠カード『破壊輪』を使い、試験官に勝利する。

 

 もう少しダメージを受けライフが1900を下回っていれば、同じ手では引き分けにしか出来なかっただろう。その時は他の手も考えたのだろうが、そう考えると危なかったと考えられる。

 

(あー……やっぱり、今は十代達の……GXの時代か……)

 

 そう考えるとGXの主人公である『遊城 十代』の原作通り、『クロノス・デ・メディチ』教諭を相手にした実技試験が始まっている所を見て、未来への不安が大きくなる総麻だった。

 

「くらえ! 『スカイスクレイパー・シュート』!」

 

「マンマミーア! 我が『古代の機械巨人(アンティーク・ギア・ゴーレム)』がぁ!」

 

 崩れ落ちる『古代の機械巨人(アンティーク・ギア・ゴーレム)』。さらに十代のモンスター『E・HERO フレイム・ウイングマン』の効果により破壊したモンスターの攻撃力分の効果ダメージを受け、合計3100のダメージを受け、敗北するのだった。

 

 そして、僅かな時間を挟み、総麻の試験へと移った。相手は十代に続きクロノス教諭。

 

(……オレを相手に名誉挽回とか考えているんだろうな……)

 

(名誉挽回ナノ~ネ、こっちのドロップアウトボーイだけで~も、ボコボコにしてやるノ~ネ)

 

 総麻の想像通りだった。付け加えておくと総麻の受験番号は5番。流石にこの世界と関係ない自分が下手に上に行っても拙いと考えた結果、多少試験の終わりで手を抜いた結果であるが。だが、勝利できれば、十分に名誉挽回になるだろう。

 

「準備は出来たノ~ネ?」

 

「はい。それじゃあ、お願いします。」

 

「「デュエル!」」

 

 

 

総麻 LP4000

クロノス LP4000

 

 

 

「先行は上げるノ~ネ」

 

「それじゃあ、遠慮なく頂きます。ドロー!」

 

 手札のカード六枚に視線を向け、戦術をくみ上げる。

 

「オレは『地龍 サーベカウラス』を攻撃表示で召喚!」

 

 

 

『地龍 サーベカウラス』☆4

属性:火

攻撃力1400/守備力1200

ドラゴン族

効果

このモンスターは恐竜族としても扱う。

このモンスターがバトルする時、攻撃力は400ポイントアップする。

 

 

 

「そして、カードを一枚伏せてターンエンド」

 

 総麻のフィールドに現れるのは剣の様な角を持ち鋭い突起物が緑色の恐竜の様なモンスターが現れる。

 

「私のターン、ドロー。ニヒッ」

 

 良いカードを引いたのか笑いを浮かべるクロノス教諭。戦闘時のみとは言え攻撃力が実質1800のサーベカウラスは簡単には倒せないだろうが、

 

「トロイホースを召喚。さらに魔法(マジック)カード、『二重召喚(デュアル・サモン)』を発動するノ~ネ」

 

「地属性のダブルコストモンスターで召喚権の追加……来るか、さっきの切り札」

 

「その通りナノ~ネ。流石は試験番号5番、頭が回るようナノ~ネ。私は、トロイホースを生贄にして、古代の機械巨人(アンティーク・ギア・ゴーレム)(攻撃力3000)を召喚するノ~ネ」

 

 先ほどの十代とのデュエルで登場した最上級モンスターが現れると、観戦している者達から一斉に歓声が上がる。3000の攻撃力と魔法・罠を防ぐ効果と貫通効果を持っているが、特殊召喚はできないモンスターだが、こうも簡単に最初のターンから存在されると厄介この上ないモンスターだ。

 

「ウオーッホホホッ!! 行くのでス~ヨ! アルティメット・パウンド!!」

 

「くっ!(伏せカードは『くず鉄のカカシ』…アンティーク・ギアゴーレムの効果で発動できない!)」

 

 振り下ろされるアンティーク・ギアゴーレムの拳に果敢にサーベカウラスが向かって行くが、攻撃力の差は歴然、簡単に粉砕され、総麻は超過ダメージを受ける事となる。

 

 

 

総麻 LP4000→2800

 

 

 

「私はこれでターンエンドナノ~ネ」

 

(ああ……これだよな……)

 

 自然と笑みが零れる。今の手札ではアンティーク・ギアゴーレムは倒せない。だが、それでも、今此処に心からその状況を“楽しい”と感じてしまう自分が居る。

 

「どうしたんデス~ノ、あなたのターンなノ~ネ」

 

「すみません。オレの……ターン!」

 

 今の自分のデッキでアンティーク・ギアゴーレムを倒す事の出来るモンスターは限られる。確かにそのカードを引き当てる可能性は低い。

 だが、その一枚のドローによって、たった一枚のカードで勝負が左右されるのが、このデュエルモンスターズと言うゲームの楽しさ。

 

(来た!)

 

 先ほどドローしたカードに視線を落とし、待ち望んでいたカードが来た事に笑みを浮かべる。

 

 外野から『あいつ終わったな。』とか、『あのデッキに勝てる受験生が二人もいるか』、『もうダメだよ』等と言う声が聞こえてくるが、手札のカードに視線を向けながら次の流れを考える。このカードならば確かにアンティーク・ギアゴーレムは倒せるが、このターンで勝負を着ける事は出来ない。

 

「(……まあ、逆転くらいはさせてもらうか。)オレは手札の『エリマキリザード』の効果発動! このカードは手札から特殊召喚できる! オレは二枚のエリマキリザードを召喚する」

 

 

 

『エリマキリザード』☆1

属性:火

攻撃力500/守備力300

爬虫類族

効果

このカードは相手フィールド上にモンスターが存在する時、手札から特殊召喚できる。

 

 

 

 総麻のフィールドに現れるのは二体の白いエリマキトカゲ。

 

「そして、二体のエリマキリザードを生贄に、『竜騎将ディライダロス』を召喚!」

 

 二体のモンスターを生贄に現れるのは大剣を持って黄色の鱗の地竜に跨った竜人『竜騎将ディライダロス』。

 

「何かと思えば、攻撃力2000ではアンティーク・ギアゴーレムの敵では無いノ~ネ」

 

「確かに攻撃力ではアンティーク・ギアゴーレムには太刀打ちできない。だけどな! 竜騎将ディライダロスのモンスター効果!」

 

 総麻の宣言に合わせて竜騎将ディライダロスが走り出し、アンティーク・ギアゴーレムを切り裂く。

 

「なんでス~ト!? どういう事なノ~ネ!?」

 

「竜騎将ディライダロスは生贄召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスターを一体破壊し。更に!」

 

 さらにディライダロスが持っていた剣をクロノスへと投げ付ける。

 

「そのレベルの100倍のダメージを相手に与える」

 

 

 

クロノス LP4000→3200

 

 

 

『竜騎将ディライダロス』☆8

属性:火

攻撃力2000/守備力1200

ドラゴン族

効果

このモンスターは通常召喚された時攻撃できない。

このカードの生贄召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスター一体を破壊し、そのレベル×100のダメージを相手に与える。

 

 

 

「このカードは通常召喚に成功した時、攻撃出来ない。カードを一枚伏せて、ターンエンド」

 

「ふふん、中々やるようなノ~ネ。私のターン、ドロー」

 

 気分良さそうな笑いを浮かべながら、カードをドローする。攻撃力2000の下手をすれば半上級モンスターにも簡単に倒される攻撃力のモンスターとは言え、今の所、優位に有るのは総麻の方だと言うのに。

 

「私はカードを二枚伏せて、『古代の機械兵士(アンティーク・ギアソルジャー)』(守備力1300)を守備表示で召喚するノーネ。私はこれでターンエンドなノ~ネ」

 

「オレのターン、ドロー」

 

 片腕が銃となった機械仕掛けの兵士が相手のフィールドで守備体制を取る。伏せカードの存在も気になるが今は攻め時と判断し、新たに引いたカードへと視線を向ける。

 

「(……『竜の逆鱗』の罠カードか。手札に今のタイミングで出すべきモンスターは居ない。仕方ないか)竜騎将ディライダロスでアンティーク・ギアソルジャーを攻撃!」

 

 総麻の指示に従いディライダロスが大剣を振りかざし、相手が罠カードを発動させる様子も無く守備体制のギアソルジャーを切り裂き、爆散させる。

 

「カードを一枚伏せて、ターンエンドだ」

 

「私のターン、ドロー。私は『グリーン・ガジェット』を召喚、グリーン・ガジェットの効果で『レッド・ガジェット』を手札に加えるノーネ。更に罠カード発動『血の代償』、その効果でライフを500払い、レッド・ガジェットを召喚、そして、効果で『イエロー・ガジェット』を手札に加える~ノ」

 

 クロノスのフィールドに二体、緑の歯車に手足の生えた様なモンスターと、赤い歯車に手足が生えた様なモンスターが並ぶ。

 

 

 

クロノス LP3200→2700

 

 

 

(古代の機械でガジェット……って事は……拙い)

 

「更にライフを500ポイント払い、イエロー・ガジェットを召喚、効果でグリーン・ガジェットを手札に加えるーノ。これで準備は整ったノーネ」

 

 

 

クロノス LP2700→2200

 

 

 

 更に黄色い歯車に手足が生えたようなモンスターが召喚されると、クロノスは自分のフィールド上に並んだ三体の歯車達を眺め、ニヤリと言う様な笑みを浮かべ、手札から新たにモンスターを召喚する。

 

「私はイエロー・ガジェットを生贄に『古代の機械合成獣(アンティーク・ギアガジェルキメラ)』(攻撃力2300)を召喚するーノ」

 

 イエロー・ガジェットの背後に現れた名の通りキメラの様な機械の獣の中にイエロー・ガジェットが収まるとアンティーク・ギアガジェルキメラは咆哮を上げる。

 

「更に残ったグリーン・ガジェットとレッド・ガジェットを生贄に、『古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン)』(攻撃力3000)を召喚するノーネ」

 

 

 

クロノスLP2200→1700→1200

 

 

 

 グリーン・ガジェットとレッド・ガジェットの背後に現れた瞳に光を宿さない機械仕掛けのドラゴンの中にグリーン・ガジェットとレッド・ガジェットが収納され、瞳に光が宿ると共に咆哮を上げる。

 

(拙い。ガジェルドラゴンの攻撃は伏せカードじゃ防げない。それに効果ダメージも…)

 

「ガジェルキメラでそのモンスターを攻撃するノーネ」

 

「罠カード発動、『くず鉄のカカシ』!」

 

 咆哮を上げて向かって来るガジェルキメラの攻撃をガラクタで作られたカカシが受け止める。

 

「攻撃を一度だけ無効にし、もう一度伏せる」

 

「それなら、アンティーク・ギアガジェルドラゴンでディライダロスを攻撃するノーネ」

 

 今度は攻撃を防ぐ物も無く、ディライダロスはガジェルドラゴンによって噛み砕かれ爆散する。

 

 

 

総麻 LP2800→1800

 

 

 

「更にレッド・ガジェットを生贄にしたアンティーク。ギアガジェルドラゴンがモンスターを破壊した時、相手に400ポイントのダメージを与えるーノ」

 

「くっ!」

 

 更にガジェルドラゴンの噴出した炎が総麻を包む。

 

 

 

総麻 LP1800→1400

 

 

 

「私はこれでターンエンドなノーネ」

 

 

 

『さっきの110番よりもとんでもない状況だぞ』

『完全に終わったな』

『あんなの無理だよ、勝てる訳無いよ』

『恥をかく前にサレンダーした方が良いんじゃ無いのか?』

 

 

 

 好き放題言ってくれている外野のギャラリー達。特に勝手に無理だとか言ってくれている連中まで居る。

 

「(……さてと、手札のカードは『リザドエッジ』。生き延びる事は出来るけど、この状況で何とかするには手札が足りない)オレのターン、ドロー! 更に魔法カード、『強欲な壷』を発動。カードを二枚ドロー」

 

 ドローしたカード二枚に視線を向けると、思わず笑みが零れる。待ち望んだカードが来てくれたのだから。

 

「手札から魔法カード『大嵐』発動。フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する」

 

「マンマミーヤ、私のリミッター解除が!?」

 

(うわ、ここで大嵐を引かなかったら危なかった;)

 

 吹き飛んで破壊される『リミッター解除』のカードを見て思わず冷や汗を流す総麻。上手く破壊できなかったら危ない所だった。

 

「さて、これで心置きなく攻撃出来るって訳ですね」

 

「ふふん、伏せカードは破壊されたとは言ってーモ、私のフィールドにはアンティーク・ギアガジェルキメラとアンティーク・ギアガジェルドラゴンが居るノーネ」

 

「オレは手札から『リザドエッジ』のモンスター効果発動。手札のこのカードを除外する事で墓地のモンスターカードを合計レベル6まで特殊召喚できる。蘇れ、エリマキリザード、サーベカウラス!」

 

 

 

『リザドエッジ』☆4

属性:火

攻撃力500/守備力200

爬虫類族

効果

このカードをゲームから除外する事によって墓地に存在する火属性モンスターを合計レベル6になるまで特殊召喚できる。(この効果で特殊召喚する時、レベルの合計は必ず6で無ければならない。)

この効果で召喚されたモンスターがフィールドから離れた時、ゲームから除外される。

 

 

 

 刃になった鶏冠を持った可愛らしい爬虫類の様な姿をしたモンスターが回転しながらジャンプして弾けると、フィールド上にルビーの様な結晶が三つ現れそれが砕け散ると同時にエリマキリザード二体とサーベカウルス一体が総麻のフィールド上に召喚される。

 

「そして、エリマキリザード二体を生贄に…現れろ、始まりの赤き竜! 『龍皇ジークフリード』、攻撃表示で召喚!」

 

 エリマキリザード達を飲み込んだ赤い結晶が砕け散り、その中から炎の如き真紅の体色を持ったドラゴン『龍皇ジークフリード』が現れ、咆哮を上げる。

 

 

 

『龍皇ジークフリード』☆8

属性:炎

攻撃力3000/守備力2100

ドラゴン族

効果

このカードがバトルする時、バトルを行っていない自分フィールド上のモンスター一体を生贄に捧げる事でそのモンスターの元々の攻撃力分このモンスターの攻撃力はアップする。

このカードが破壊された時、このカードのコントローラーのライフは1000ポイント回復する。

 

 

 

 

『何だ!? あのカードは!?』

『見た事の無いモンスターだ』

『攻撃力3000!? 伝説の青眼の白龍や古代の機械巨人と並ぶレアカードなのか!?』

『カッコいい!!!』

 

 

 

 

 騒ぎ出す外野を他所に総麻はバトルフェイズへと移行する。

 

「し、しかーし、攻撃力はアンティーク・ギアガジェルドラゴンと同じ、ガジェルキメラが破壊されても、まだ私のライフは残るノーネ」

 

「確かに。だったらジークフリードのモンスター効果発動! このカードはバトルを行っていない自分フィールド上のモンスターを生贄に捧げる事で元々の攻撃力を得る。【覚醒】せよ、ジークフリード!」

 

 サーベカウラスの体が無数の透明な結晶となり、ジークフリードの中へと消えて行き、ジークフリードはその力強さを増す。

 

 

 

龍皇ジークフリード 攻撃力3000→4400

 

 

 

 仲間の力を受け取った真紅の龍皇の力は今、大地の神を超えて究極竜へと迫る。

 

「こ、攻撃力4400ですート!?」

 

「ジークフリード、ガジェルキメラを攻撃! ドラゴンズラッシュ!!!」

 

 

アンティーク・ギアガジェルキメラ 攻撃力2300

龍皇ジークフリード 攻撃力4400

 

 

 空高く舞い上がったジークフリードが咆哮を上げながら、炎を吹き出し、そのまま炎に包まれたアンティーク・ギアガジェルキメラに殴りかかり粉砕する。

 

「ペ、ペペロンチ~ニョ!」

 

 

 

クロノス LP1200→-900

 

 

 

「ありがとうございました。」

 

 呆然とした様子で崩れ落ちるクロノスに背を向けてリングから降りていく。二度も本気のデッキで教師であるクロノスが負けたのが信じられないのだろう、既に会場全体が黙りこんでいる。

 

 

 

 

 

 

「すげぇ、すげぇよ! くぅ~、オレもアイツとデュエルしてぇ!」

 

 観客席の一角でそんな言葉が響いたのだが、総麻には聞こえていない様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう。何とか勝てたか…」

 

 クロノスがアンティーク・ギアガジェルキメラを召喚していなければどうなるかは分からなかった。最後のターンでジークフリードを引き当てなければ、先ほどのデュエルは負けていただろう。結局の所幸運と勝負を焦った相手のミスに助けられた結果だ。

 

「ん?」

 

 ふと、使用する物とは違うデッキケースから一枚のカードを取り出すとBS(バトルスピリッツ)のカードがデュエルモンスターズの物へと変化していく。

 

(これで、切り札が増えたか。まあ、上手くラーイエローまで上がれば十代に関わらずに居られるだろうし、三幻魔の事件は命の心配は無いだろうから…一番危険なのはユベルの事件の時だ。少なくとも、ユベルの事件の時に関わらなきゃ安全に過ごせるだろう…。多分…)

 

 新たにデュエルモンスターズのカードに変わった【巨大ロボットの様な白い鎧巨人】のカード『鉄騎皇イグドラシル』をデッキへと収め、総麻は試験会場を後にする。

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