(…レベルモンスターのドラゴン二体が一気に…)
自分を見下ろす様に存在する二体のドラゴン、アームドドラゴンLv5とホルスの黒炎竜Lv6の二体…状況的に最悪としか言えないだろう。
(…しかも、手札にはジークフリードやジークヴルム所か上級モンスターが一枚も無い)
そう、現在の総麻の手札のモンスターは全て☆4以下のモンスターのみ。場を保つ事は可能だが、少なくともどれもこの状況下で決定打となるカードなどではない。
(…単体ではダメ…フィールドの伏せカードと手札のカードの組み合わせは………ダメだ、精々次のターンを凌ぐだけ、逆転に繋ぐ事はできない。次のドローに賭けるとして…このターンの優先事項はモンスターを戦闘で破壊させない事での進化の阻止。特にホルスだけは進化させる訳には行かない)
アームドドラゴンの破壊効果も厄介だが少なくとも、アームドドラゴンはLv10以下ならば、上手くジークフリードやメテオヴルムを召喚できれば効果を使わずに戦闘破壊できる。
総麻のデッキの効果を考慮に入れない攻撃力の最高値はジークフリードの3000、攻撃力3000以下のモンスターならモンスター効果無しで戦闘破壊できる。
アームドドラゴンの効果はコントローラーのターンのみで総麻のターンには使用できない為に脅威は薄い。逆に魔法を封じる効果を持ったホルスの方がLv8時の攻撃力と合わせて総麻には脅威だ。
そう考えた結果、総麻はホルスの攻撃を最大限に対処する事を決める。幸いにも自分のフィールドの状況と相手のフィールドを考えれば…。
(アームドドラゴンの効果を考えると…このターンで決めに来るはず)
「手札のモンスターカード『レアメタルドラゴン』を墓地に送り、その攻撃力以下のモンスターを破壊…」
人影が手札のモンスターを墓地に送るとそれをトリガーに発動したアームドドラゴンLv5の打ち出した丸鋸の様な弾丸によって総麻のフィールドのサーベカウラスが破壊される。これで、総麻のフィールドから壁モンスターは消えた。
「アームドドラゴンLv5でダイレクトアタック、アームドパニッシャー!」
(どっちにしても、ライフは削られる…。相手はある意味、最高のパターンで行動してくれた…。)「罠カード発動、『ガードブロック』!」
総麻へと向かうアームドドラゴンの拳をカードに似た壁が防ぐ。それと同時にカードの効果で一枚ドローする。
(…このカードは違う。でも、あとはホルスの攻撃をライフで受ければ、十分…)
このターン、ライフを犠牲にしてでも二体のレベルアップの条件を満たさせない事、このターンでのライフが0になるのを避ける事。優先するべきはこの二つだ。
「ホルスの黒炎竜、ダイレクトアタック」
ホルスの打ち出す漆黒の炎が総麻へと襲い掛かる。例え、ライフが10000だろうが1だろうが最終的に勝利条件さえ満たせれば、自分の勝ちに変わりは無い。ならば、ライフも効果的に利用するべき。そう判断しているのだが、
「っ!?」
無意識の内にもう一枚の伏せカードを発動させようとした腕を慌てて遠ざける。
確かに伏せカードを発動させればダメージは軽減できるが、ホルスを態々進化させてしまう事になる。僅かなライフよりもホルスの進化阻止を優先していた筈なのに…。
(…ダメージを恐れてるのか…オレは)
思い浮かべるのは先日のタイタン(ダーク・クリムゾン)戦で受けた傷の痛み。自分の中の恐れを振り払う様に総麻は自身へと迫る漆黒の炎へと手を翳す。
《魔人》の《力》による防御用の術の一つ《力天使の緑》を使って闇のデュエルでのダメージを軽減しようとするが、何故か《力》が使えない。そう思っていると、総麻の体をホルスの黒炎竜の放った漆黒の炎が包み込む。
「ぐ…ぐぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」
全身を炎に焼かれる痛みは感じるが火傷は無い。だが、ソリットビジョンではない痛みだけは確かに感じていた。
総麻 LP4000→1700
半分以上のライフを奪われるが、これでアームドドラゴンもホルスの黒炎竜も進化条件を満たせていない。それだけでも十分に自分のライフを犠牲にしただけの価値はある。
(…これで…)
「カードを一枚伏せてターンエンド」
「オレのターン、ドロー」
相手のエンド宣言を聞き総麻はデッキからカードをドローし、手札に加えると手札のカードを一瞥する。
「(来た!)罠カード発動、リビングデッドの呼び声、蘇れサーベカウラス!」
再び総麻のフィールドにカメレオンの様な姿のドラゴンが召喚される。
「サーベカウラスを生贄に…雷よ、天を裂け! 雷皇龍ジークヴルム、攻撃表示で召喚!」
サーベカウラスと入れ替わる様にルビーが現れ、ルビーが砕けると同時に天空から降り注ぐ雷と共に真紅の体を持った流線型のドラゴン『雷皇龍ジークヴルム』が総麻のフィールドに咆哮と共に降り立つ。
雷皇龍ジークヴルム 攻撃力2100
攻撃力ではアームドドラゴン、ホルスの黒炎竜には僅かに及ばず、現在フィールドに存在しているドラゴンの中では、総麻のフィールドに佇むジークヴルムが攻撃力の面では最も弱いだろう。
(…ホルスとアームドドラゴン…。二体とも確かに強力なモンスターだけどな…)「オレの相棒(ジーク・ヴルム)の力を、見せてやる」
少なくともこのターンの間で二体のドラゴンを葬る事は不可能。この状況で優先的に倒すべきなのは、
(ジークヴルムを召喚できた以上、先ずはアームドドラゴンを。ホルスも厄介だけど、効果で破壊される危険だけは避けたい)「雷皇龍ジークヴルムでアームドドラゴンLv5を攻撃、【激突】しろ、ジークヴルム! ライトニングクラッシュ!」
咆哮を上げたジークヴルムが総麻の指示に従い空高く舞い上がり、雷を纏って一直線にアームドドラゴンへと突進する。アームドドラゴンは自身へと迫るジークヴルムを迎え撃とうと腕を振り上げてジークヴルムの突進に対してカウンターの形でパンチを放つ。突進とパンチがぶつかった瞬間、二体のドラゴンは一旦距離を取る。
「速攻魔法、突進! これでジークヴルムの攻撃力は700ポイント上昇する!」
雷皇龍ジークヴルム 攻撃力2100→2800
アームドドラゴンLv5 攻撃力2400
再び雷光を纏ったジークヴルムは先ほど以上のスピードでアームドドラゴンへと向かって飛翔する。再び迎え撃とうとするアームドドラゴンだが、攻撃力の増したジークヴルムの一撃によって容易く粉砕される。
人影 LP4000→3600
だが、ジークヴルムの攻撃はそれに留まらない。
「更にジークヴルムのモンスター効果、戦闘で破壊したモンスターの攻撃力分、相手にダメージを与える!」
人影の前に立ったジークヴルムの吐く炎が、そのまま人影へと向かい相手のライフを大きく削り取る。
人影 LP3600→1200
(これでライフは並んだ)「カードを伏せてターンエンドだ」
ジークヴルムを従えながらターンエンドを宣言すると、人影はカードをドローとなるであろう石版を増やし総麻へと視線?を向ける。残念ながら辛うじて人の形をしている赤と白の人影には目となる部分は無いが。
「…その程度か…」
「っ!?」
「…心に刻まれた恐怖を乗り越える勇気も覚悟も無い…」
「…くっ…」
人影が告げる言葉は間違いなく図星だ。その言葉に歯噛みしながら総麻は人影を睨みつけることで答える。
「…私は…」
石版の一枚が消え、それは通常のカードへと変わる。
「『星竜 レイニードル』を召喚」
「なっ!?」
人影が通常のカードへと変わったそれを投げると人影のフィールドに一体のドラゴンが召喚される。
人影のフィールドに召喚された蒼い細長い体を持ったドラゴンの存在に驚愕する。それは…本来デュエルモンスターズのカードではなく、バトルスピリッツのカード。しかも、レイニードルのカードは。
「レベル6『ホルスの黒炎竜Lv6』に、レベル2『星竜 レイニードル』をチューニング」
レイニードルの体が二つの輪に変わり、その中をホルスの黒炎竜Lv6が潜り抜け居ていく。
そう、レイニードルのカードはこの時代には存在しないはずの『チューナー』だった。
「星竜よ、その魂を糧に新たな竜を導け、シンクロ召喚」
(…レベル8のシンクロ…? しかも、あの口ぶりだとドラゴン…。何が来る?)
考えられる可能性を上げていくが、ふと一つ…いや、正しくは二体のドラゴン族の存在に考えが至ってしまう。
(…有り得るのか…? この世界だと重要な位置づけのカードだろうし。……………何年か後の未来で)
「眼前(がんぜん)の敵を屠れ、紅蓮龍『レッドデーモンズドラゴン』!」
「う…嘘だろぉ!?」
さて、現在総麻達が居るのはデュエルアカデミアの火山地帯…。その火山が突然噴火したかと思うと、溶岩の中から漆黒と赤の体色を持った悪魔を思わせる姿のドラゴンが出現する。
人影のフィールドに出現したレッドデーモンズドラゴンは唸り声を上げながら総麻のフィールドに存在するジークヴルムを見下ろす。
「…レッド…デーモンズ…ドラゴン…。何でこんな所に?」
何故シンクロ召喚が?
何故レッドデーモンズドラゴンが今の時代に?
何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故?
様々な疑問が総麻の中に湧き上がりながら、目の前に存在するレッドデーモンズドラゴンの存在感に負け、総麻は知らない内に一歩ずつ後ろに下がっていた。
「う…あぁ…」
「やれ、アブソリュート・パワーフォース」
炎を纏った拳を振るうレッドデーモンズドラゴンが一直線にジークヴルムへと向かっていく。レッドデーモンズドラゴンを迎え撃たんとジークヴルムは雷光を纏って一直線にレッドデーモンズドラゴンへと向かう。
「手札のモンスターカード『雷鳴龍リンド・グローム』の効果発動! 手札のこのカードをゲームから除外する事で、フィールドに存在する『炎属性』、ドラゴン族のモンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる!」
僅か100だがこれでレッドデーモンズドラゴンの攻撃力を上回る。後はジークヴルム自身の効果で勝利できる。
雷光の龍がジークヴルムと重なりレッドデーモンズドラゴンへと突進するジークヴルムを雷光がより巨大な姿へと変える。
だが、雷光を纏ったジークヴルムの一撃がレッドデーモンズドラゴンを撃ち抜くかと思った瞬間、
「なに!?」
レッドデーモンズドラゴンは両腕でジークヴルムを受け止め…否、攻撃力で上回るはずのジークヴルムを逆に押し返し始めていた。
「…速攻魔法、突進…」
伏せカードが表になりそのカードの効果がレッドデーモンズドラゴンに力を与える。それによって力負けしたジークヴルムはそのまま地面へと叩きつけられる。
雷皇龍ジークヴルム 攻撃力2100→3100
レッドデーモンズドラゴン 攻撃力3000→3700
「っ!?(拙い、手札にも伏せカードにも攻撃力を上げるカードは無い!?)」
地面にジークヴルムを叩きつけるとレッドデーモンズドラゴンは再び空高く飛翔し、必殺技のアブソリュート・パワーフォースの体制に入る。
慌てて次のカードの効果を発動させようとした時、ジークヴルムが咆哮を上げてレッドデーモンズドラゴンへと向かっていく。レッドデーモンズドラゴンのアブソリュート・パワーフォースに撃ち込まれながら、ジークヴルムは総麻へと向かう筈の超過ダメージの炎を全身で受け止めていく。
「ジーク…ヴルム?」
デュエルディスクに表示されているライフポイントを確認すると、確かに減少していく。
総麻 LP1700→1100
だが、総麻には何の痛みも発生していない。これが闇のデュエルの様に実際にダメージが発生する事はホルスのダイレクトアタックで確認している。
では、何故? その理由は簡単だ、超過ダメージとして受けるはずのダメージを総麻に変わってジークヴルムが己の身を盾にして一身に受けてくれている。
そして、レッドデーモンズドラゴンの炎が消えると同時にジークヴルムもまた力尽きた様に崩れ落ち、そのまま粒子になって消えていく。
「…すまない、相棒(ジーク・ヴルム)」
俯く総麻に向かってジークヴルムは最後に咆哮を上げて消えて行った。ジークヴルム自身の意思が何かは分からない。伏せカードは確かにダメージを回避出来るカードだった。ただ、あのタイミングで発動させたとしても意味は薄かっただろう。
発動させようとした理由はジークヴルムを護る為でもなければ、負けない為でもない、現実の物となって発生するダメージに怯え、ダメージから逃れる為にカードを発動させようとした。そのカードを温存させる為にジークヴルムは自らを盾にして総麻を護った。
「…無様だな…」
レッドデーモンズドラゴンを従えた人影の心が深く突き刺さる。
「逃げる事は否定しない」「蛮勇と勇気は別物だ」「覚悟が無いわけではない。だが、恐怖心が覚悟を上回っていると言う事か」
人影から聞こえる声音が変わっていく。まるで別人のように。
(…今の声。そうか、赤と白…完全に混ざり合っていないのは、別の意思が二つ揃って動かしているからか)
「安易に与えられた《力》に頼って、逃れようとするのは弱さだ」「…その程度の覚悟では、お前はこれから先の戦いに臨む者に相応しくない」「恐怖を乗り越える勇気を持って越えて見せろ」「ターンエンド」
人影がターンの終わりを宣言した事でターンは総麻に移る。
「オレのターン、ドロー」(ダメだ…このカードじゃ、レッドデーモンズドラゴンには勝てない)
ドローしたカードを一瞥すると、
「アンキラーザウルスを守備表示で。ターンエンド」
尻尾がドリルになった赤い恐竜が守備体制をとる。
アンキラーザウルス 守備力1200
「ドロー。レッドデーモンズドラゴンで攻撃」
レッドデーモンズドラゴンの噴出す炎に焼かれ、成す術も無く破壊されるアンキラーザウルス。
「この程度のデュエルしか出来ないほど闘志も消えたか、アマナギソウマ!? ターンエンドだ」
「ドロー。くっ、二枚目のアンキラーザウルスを守備表示で…。ターンエンド」
ドローしたカードもレッドデーモンズドラゴンを倒せるカードではない。仕方なく手札の二枚目のアンキラーザウルスを守備表示で召喚し、エンド宣言する。
「ドロー。手札から魔法カード《サジッタ・フレイム》を発動、相手フィールド上のカード全て破壊する! そして、コストとして手札を一枚捨てる。そして、次のターン、ドロー出来ない」
天空から降り注ぐ無数の炎の矢が守備体制を取っていたアンキラーザウルスへと降り注ぐ。それによって消えていくアンキラーザウルスの声が耳に残る。
「う…あぁ…」
「更にデブリドラゴンを攻撃表示で召喚。効果は使わずにデブリドラゴンで攻撃」
「何故雷皇龍がお前を護った!? お前は恐怖を乗り越えるだけの『勇気』は有る筈だ。本当に臆病ならば、あの時も見捨てて逃げていたはずだ」「雷皇龍の意思に答えられるだけの覚悟が有るのなら」「誰かの為に戦えるだけの勇気があるなら」「「恐怖を乗り越えてこの試練に打ち勝って見せろ」」
「っ!?」
総麻は無言のまま自身へと迫るデブリドラゴンを見据える。そして、片腕を翳してデブリドラゴンの突進を受け止めた。
「…そうだな…。少なくとも、オレを信じてくれた相棒に位は…答えないとな」
総麻 LP1100→100
「ぐっ」
デブリドラゴンの攻撃によって総麻の腕に激痛が走る。そして、ライフもまた残り100まで減少する。
「レッドデーモンズドラゴンでダイレクトアタック!」
「罠カード、ガードブロック! 二枚目だ!」
再び現れたカードの壁が総麻をレッドデーモンズドラゴンの攻撃から護る。そして、その効果で一枚ドローする。
(…このカードじゃない)
相手のターンエンドの宣言を聞きながらガードブロックの効果でドローしたカードを一瞥する。効果的なカードは有るが残念ながら逆転の一手にはなり得ない。
(…このドローで逆転のカードを引けなきゃ、あとはジリジリと追い詰められるだけだな)
少なくとも、現在の手札なら相手のフィールドに伏せカードも無い状況ならば、あのカードをドロー出来れば間違いなく勝てる。だが、そのカードをドロー出来なければ、精々がこのターンを乗り切れる程度だろう。
(…タイタンの時に初めて力を貸してもらったばっかりだけど…。もう一度、オレに力を貸してくれ、メテオヴルム)「オレのターン、ドロー!」
勢い良くカードを引き抜くと総麻はそのカードを一瞥する。
「相手フィールド上にモンスターが存在する事で、エリマキリザードを特殊召喚!」
総麻のフィールドに現れたルビーから出現する刃状になった襟巻きをつけたエリマキトカゲ、そして、総麻は先ほどドローしたカードを手に取る。
「エリマキリザードを生贄に、天より降臨せよ、流星の皇! 龍星皇メテオヴルム、攻撃表示で召喚!」
天から降り注ぐ無数の隕石が総麻のフィールドに落下した瞬間、隕石の落下によって巻き起こった土煙を切り裂き、その中から現れるオレンジの体色を持ったドラゴン、龍星皇メテオヴルムが咆哮をあげる。
「龍星皇メテオヴルムのモンスター効果、炎属性ドラゴン族を生贄にして召喚した時、召喚したターンの間だけ攻撃力を1000ポイントアップする効果が有るけど、残念ながらエリマキリザードはドラゴン族じゃない」
龍星皇メテオヴルム 攻撃力2800
「手札から魔法カード『死者転生』発動、手札のカードを墓地に送り、墓地の『雷鳴龍リンド・グローム』を手札に戻し…バトル!」
総麻の宣言と共にメテオヴルムは天へと舞い上がる。その姿はその名の如く『隕石(メテオ)』の様に炎を纏って一直線にレッドデーモンズドラゴンへと向かっていく。
「手札の『雷鳴龍リンド・グローム』を墓地に送り、再び効果発動! 行け、メテオヴルム! 【激突】しろ!」
龍星の如く天から一直線に向かってくるメテオヴルムに対して拳を振り上げて向かえ撃たんとするレッドデーモンズドラゴンだが、上空から降り注ぐ雷を纏った雷炎の流星となったメテオヴルムのパワーに次第に押され始めていく。
「行け、メテオヴルム!」
龍星皇メテオヴルム 攻撃力2800→3800
レッドデーモンズドラゴン 攻撃力3000
拮抗が崩れた瞬間、レッドデーモンズドラゴンの拳が弾かれ、メテオヴルムが無防備な瞬間を逃さず打ち抜く。そして、断末魔の咆哮を上げたレッドデーモンズドラゴンが爆散するのを尻目に炎と雷が消えたメテオヴルムが相手の正面に降り立つ。
「メテオヴルムのモンスター効果、破壊したモンスターの攻撃力…3000の効果ダメージだ!」
人影 LP1200→-2600
メテオヴルムの撃ち出す炎に焼かれて人影は完全に消滅する。
「…勝った…のか…?」
メテオヴルムの姿が消えて行くのに合わせて消えていく周囲を囲っていた白と赤の光の壁、そして総麻の手の中に三枚のカードが現れる。
「っ? レイニードルのカードに、あとは…白紙?」
何も書かれていない真っ白なカードが二枚。そして、先ほどのデュエルで相手の使ったチューナーモンスター『星竜 レイニードル』のカードが今は総麻の手の中に有る。
―残念ながら、今のお前には合格点はやれんな―
―だから、オレ達の力を持つべきかはそのカードが決めるだろう―
そんな声が総麻の耳に届く。聞こえなくなった声に何も答えず、総麻は其処から立ち去っていく。
???
二体のドラゴンの影が赤い光の龍に一枚のカードを差し出すと、そのカードは自然に赤い龍の下に行き、赤い龍は何処かへと飛び去っていく。
感謝を込めてそれを見送ると、ゆっくりと二体のドラゴンは光となって消えて行った。