龍の転生者と魔物達の転生記 決闘符禄   作:龍牙

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獄龍編
閑話02『獄龍』


総麻SIDE

 

 

さて、早速だがリスペクトデュエルと言う訳の分からないモノがデュエルアカデミアには存在している。しかも、授業のカリキュラムの一つとして、だ。ある種の洗脳に近いと思うのは気のせいだろうか?

 

(……相手を尊重するのは良いが、寧ろそれを人に押し付けている時点でどうかと思うよな……)

 

悪い言い方をすればバーンや手札破壊(ハンデス)、デッキ破壊、パーミッションと言った戦術を“卑怯だ、リスペクトに反する”と批判する思想になっている節がある。

何時からそうなったかは知らないが。主にプロデュエリストにも……特にアカデミアの卒業生に多く浸透してしまっている考え方で有るが、実はもう一つ性質の悪いモノが存在していたりする。

 

それは、“(アンチ)リスペクト”を掲げる『(アンチ)サイバー流』だ。

 

リスペクトデュエルを謡っているサイバー流に対するリスペクトに反すると言う理由で失格にされたデュエリスト達が結託して纏まった者達。

最初はインターネットサイトを利用した一種のコミュとして、リスペクトデュエルを謡うサイバー流に反対する者達の集まりだった。最初は行き過ぎたリスペクトデュエルに対する愚痴を言い合う程度だったが、何時からかアンチサイバー流デッキを互いに考える様になっていった。

 

(アンチ)サイバー流はそれを切欠に妙な方向に進み始めていったのだ。俗に言う『サイバー狩り』だ。最初はサイバー流の門下生やアカデミアの卒業生のプロデュエリストに対して(アンチ)サイバー流の関係者が互いに協力し合って倒す為、プロやアマチュアの垣根を越えて大戦相手のデッキを完璧に分析する事でアンチデッキ・対策デッキを完成させると言うモノを発端にして始まった事件だ。

最も危険なその流れはサイバーエンドドラゴンを持ったデュエリストを相手に(アンチ)サイバー流の人間がアンティデュエルでサイバーエンドドラゴンを奪った事が危険な流れが強くなった原因とされているが、非公式なのでそれは分からない。

 

そう言われているのは、真っ二つに破られたサイバーエンドドラゴンが(アンチ)サイバー流のHPに公開され、新たな集団が生まれた事が原因だ。

真っ二つに破られたサイバーエンドドラゴンを旗印に集まったサイバー流に対する無理矢理なアンティデュエルを挑む集団。通称『獄龍隊』。

 

うん、それを知った時には驚きの余り錯乱したのはいい思い出だ。いや、獄将とか名乗っている人が大将じゃなくて良かったけど。……同じ名前なのは単なる偶然のようだ。

 

過去に存在したクールズ並に性質の悪いサイバーと名の付くカードを持ったデュエリストから無理矢理アンティを挑みデッキごと奪い取る一時期デュエリストの間での恐怖の代名詞となった。

だが、問題は『サイバー』と名の付くカードはサイバー流関係もそれ以外も一般的に市販化されて持っている者もいると言うのが問題だ。

 

サイバーと名の付くカードを持っているだけで無理矢理アンティを挑まれるだけでなく、悪い時には暴力でカードを奪い取られる最悪な意味でのサイバー狩り。

 

サイバーと名の付くカードを無理矢理奪い破り捨て、燃やすと言うリスペクトデュエル、サイバー流への憎しみが関係のないデュエリストにも飛び火した事件だ。

実際、それは(アンチ)サイバー流のコミュでも賞賛される声は大きいが、少なからず(アンチ)サイバー流の中にも『流石に遣り過ぎだ』と言う意見が存在していた。

 

最も危険な時期は(アンチ)サイバー流のプロデュエリストに負け続きのアカデミア卒業生がプロ引退後に開いたカードショップへの嫌がらせや営業妨害から始まり、放火にまでエスカレートしていった。付け加えるなら、サイバー流デュエリストへの暴力事件等ほぼ日常的に起こっていた。

 

そして、その結果……獄龍隊の襲撃を恐れ、サイバーと名の付くカードを捨て、サイバー流道場の門下生達が一人また一人と去っていってサイバー流と言う流派は名を残すのみとなって行ったそうだ。

 

後に獄龍隊が共同して作り上げ、多くのサイバー流の門下生達を葬ってきたアンチリスペクトデッキの基礎部分は、獄龍デッキとして今も持ち主達の暴挙と共に恐れられ続けている。

 

それがこの世界に於けるサイバー流の終焉である。

 

サイバー流が衰退した今はサイバー流の元師範が校長を勤めているデュエルアカデミアの卒業生のプロデュエリストに対してアンチアカデミアと言う思想に傾いているが、実はそれは余り強くない。アカデミアにも(アンチ)サイバー流の考え方の人間は少なからず居る為だ。

 

獄龍隊もそれを切欠としたのかは不明だが何時しか自然解散された。だが、獄龍隊の旗印だった破られたサイバーエンドは今も(アンチ)リスペクトの象徴である。

 

初めはオレには他人事だったが、デッキ破壊の青デッキを持っている以上無関係で居られないと思うべきだったと今では後悔している。

 

 

まあ、どうでも良い事だが、パーミッションについてはカウンター(トラップ)が卑怯なカードだと言っている連中に言いたい。ほぼどんなデュエリストも採用している『攻撃の無力化』も立派なカウンター(トラップ)だ、と。お前等も使ってるだろ……。

 

 

この流れに巻き込まれる事となった時、こう叫びたくなった……『あのハゲ爺覚えてろ』と。……この恨みは何時か晴らすぞ、校長。

 

取り合えず、今回の一件ではレッド寮のレッドは後が無いと言うだけでは無かったと言うのが良く分かった。

オシリスレッドのレッドが『危険信号(レッドシグナル)』と言う意味のレッドでもあったと知ったのは、“三年生用のもう一つのレッド寮”の存在を知った時だった。

 

……特に危険なアンチリスペクト思想の生徒を隔離する様に集められた寮、誰かが呼び始めたのか、かつて多くのデュエリストを恐怖させた集団の名を取って呼ばれるようになった、その名を『獄龍獄』と言う其処を。

 

……いや、オレが獄龍獄に関わる羽目になったのは制裁デュエルから数日の後……仲の良い女子生徒であるフェイト達と話している時、彼女達のファンと言う生徒達に絡まれたのが始まりだった。

 

 

ってな訳で、決闘符禄。次回からオリジナルシリーズ、獄龍編のスタートだ。

 

 

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