龍の転生者と魔物達の転生記 決闘符禄   作:龍牙

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TURN-02『アカデミアの洗礼、白亜の城砦、鉄騎皇イグドラシル

試験に無事合格した総麻は合格者を乗せたフェリーに揺られていた。

 

(比較的デッキは完成出来たけど…。使わない方が良さそうなカードが多いな)

 

自分の手元にある六つのデッキの中の二つへと視線を落としながらそんな事を考える。

バトルスピリッツの六属性をテーマとしたデッキの中の二つ、モンスターを破壊する効果やハンデスの効果の多い『紫』(悪魔等が多いが何気にバトルスピリッツではヒロインの使用したカード群だったりもする。) と、デッキ破壊の『青』の二つだ。

 

(…『紫』は兎も角…青はな…)

 

この世界では特に嫌われる事間違い無しであろう青のデッキを一瞥しながらそんな事を考えてしまう。

 

だから、デュエルアカデミアではBS(バトスピ)の六属性における『赤』、『白』、『緑』、『紫』、『黄』の五つの属性をモデルとしたデッキ、その中でも特に使いやすい赤と白の二色のデッキを主力に使って行く事を決める。

 

(まあ、向こうじゃ頼んだぜ、お前達)

 

虚空に浮かぶ六体の半透明のモンスター達を一瞥しながら心の中でそう呟くと半透明のモンスター達は総麻の言葉に頷く事で答える。

 

浮かび上がる半透明のモンスター達は流線的な姿の赤き龍、白い装甲の騎士、白い服を纏った清楚な天使、紫の体色をした悪魔、そして甲冑を纏った巨人の六体だった。

 

それは総麻の持つ六属性のデッキの主力となるスピリッツだったモンスター達、そのカードの精霊達だ。

 

まだバトスピのカードのままな物も多いが、そのカード達も手元に有るので、デュエルモンスターズのカードとなるのを待つだけだ。

 

………もっとも、そうなった場合はデッキの構築を最初からする必要があるが。

 

(…それにしても…)

 

心の中で溜息を吐きながら、自分の記憶の中にある…この世界の未来で起こるであろう四つの事件を思い浮かべる。

 

(…『三幻魔』、『光の結社』、『ユベル』、『ダークネス』…か。直接的に命に関わる危険が有るのは、ヤンデレ…ユベルの事件か…)

 

この世界では意味は無いが、『リアリスト』としてやって行けそうな、世紀末の魔人達の《力》を持っている以上、生き延びる事は出来るのだが…。それでも、

 

(…やっぱり、怖いよな…関わらない様に努力しよう…。他の事件は十代がなんとかしてくれるだろうし…)

 

直面した『死の恐怖』…それは総麻の心の中に大きく巣くっている。特に死の危険が強いのは二つ目の光の結社の事件もそうだが、他の事件に比べてモンスター達の世界に迷い込む事となる三つ目のユベルの事件だ。心の中で再びの溜息と共に海へと視線を向ける。

 

「まあ、死なない程度に楽しみながら過ごすか…」

 

…そもそも、一番危険を感じているユベルの事件の時になるべく十代達と行動を共にしないようにすれば事件に関わるのを回避する事が出来る。最悪は授業以外には寮にでも居れば良い。

 

そう考えると少しは未来への不安も薄くなっていく。第一、この世界は既に自分と言う異物が存在している事で、自分の知っている知識通りに進むとは限らない。最悪は事件が起こらないで済む可能性もある。

 

………………………………………………………もっとも、自分と言う異物が居る事で各事件の決戦の何れかで十代が負けると言う可能性だけについては、自分の精神的安定の為に考えない事にしているが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、オレとデュエルしようぜ!」

 

さて、アカデミアに着いて『オシリスレッド』の赤い制服を受け取り、長い校長の話が終わった後の『遊城 十代』からの台詞がそれだった。

 

なお、制服の色についてはクロノス教頭の本気のデッキに勝利した上に、受験番号も一桁と言うのにオシリスレッドなのは、クロノス戦が薄氷の勝利だったからだろうと考えている。(実際には本来はラーイエローだったのだが、一部の教師が遅刻を理由にオシリスレッドにする事を主張していた為である)

 

「なあなあ、試験でお前のあのドラゴンを見た時から、ずっとお前とデュエルしたかったんだ! デュエルしようぜ!」

 

早速デュエルを挑まれた総麻くんでした。十代の言っている龍とは間違いなく龍皇ジークフリードの事だろう。つまり十代は『赤』のデッキと戦いたいと言う事なのだろうが…。

 

「ああ、オレもデュエルしたいけど、どのデッキにするんだ」

 

そう言って六つのデッキを見せる。

 

「おお、そんなに沢山デッキがあるのかよ?」

 

「まあな。種類やデッキの傾向は全部バラバラのデッキだけどな。どれと戦いたい?」

 

「くぅ~、全部とデュエルしてみてぇ~!!!」

 

そう言って十代が選んでしまったのは運が悪い事に、手札破壊とモンスターの効果破壊主体の『青』と並んである意味極悪な『紫』のデッキだった。哀れ。

 

「あー…考え直すなら今だぞ; お前が戦いたいって言ってたジークフリードの入ってるデッキでも無いし」

 

流石に総麻がなるべく使わない方が良いと考えていたデッキを対戦相手に選んでしまった十代にそう告げるが、それでも、そのデッキと最初にデュエルすると主張する十代。

 

『仕方ない』と思いながらデッキ調整をしたいからと十代とのデュエルを先延ばしにしつつ、総麻は自分が暮らす事になるオシリスレッドの寮まで向かう。

 

「…十代…あいつって運は良いほうじゃないのか…?」

 

十代の運が悪いのか、自分の運が悪いのか、それについては考える必要が有るが、一応どんなモンスターが居るのか見せる事になり、『紫』のデッキの切り札となるシリーズ『魔界七将』の中の一枚を見せた以上紫のデッキで戦うしかないだろう。

 

「…凶悪さを減らすべきだろうか…?」

 

割り当てられた一人部屋の中でそう呟く総麻に対して『それだけは止めて~』と泣き付いてくる魔界七将の一体が怖かったので、出来なかったが…。

 

『ポンポン』と肩を叩いて魔界七将を慰めるジークフリードの精霊に微かに呆れた視線を送りつつ、六つのデッキの調整を始める総麻だった。付け加えておくと十代からのデュエルアカデミアの散策は断った。

 

(まあ、万丈目当りに目を付けられても面倒だしな…)

 

ふと、漫画版とアニメ版で性格がまるで違う人の事を想像しながらそんな事を思い、赤のデッキに最後の一枚『雷皇龍ジークヴルム』を加える。

 

付け加えておくとパワー重視の赤のカードだが、実は他に使える二枚の強力なカードは何故か常に禍々しいオーラを纏っている為に使う気がしないので放置している。

 

(…当分の間はこの二枚を主力で戦うしかないか)

 

無言のままその二枚を仕舞いこむと、完成した六つのデッキをそれぞれ別々の…六色に塗り分けられたケースに収め、歓迎会に出席する。

 

…流石に食事の質素さは目の当たりにして驚いたが、それ以上に普通に美味しい事に驚いていた総麻だった。

 

そして、歓迎会が終わり、まだデュエルモンスターズのカードに変化していないバトスピのカードを眺めていると、ふと入学時に渡されたPDAが鳴る。それはアンティのデュエルの申し込みだった。

 

「…なんでオレのアドレスを知ってるんだ?」

 

生徒間なので名前さえ知っていれば直に分かるのだろうと予想は出来る。記憶の中にある的中率の高い未来予知によれば、このメールの送り主は…。

 

「…やっぱりな」

 

『万丈目 準』と記憶と現実は一致を見せる。

 

「…オレに目を付けた理由はオレもクロノス先生に勝ったから…って所だな。迷惑な話だ」

 

別に無視をしても良いのだが、逆にこれは自分が存在する事による知識と現実の差異を知る為の良い機会だろう。

 

それに…。

 

「白のデッキのテストには丁度良いか」

 

二つ目のデッキ…白のデッキへと視線を向けながら静かに笑みを浮かべながらそう呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅かったな」

 

「いや、遅かったって時間前に来てたのかよ…」

 

デュエル場に着くと既にそこには十代と万丈目とその取り巻き二人が居た。

 

「うるさい! 遊城十代はオレとアンティ・デュエルをして貰う。天凪総麻はこいつとだ!」

 

そう言って取り巻きの一人を指差す万丈目に対して内心、『こいつ、無視したら朝まで待っていたんじゃないか』と思わない事も無い総麻だった。

 

「はい、お任せください、万丈目さん。オレが勝ってお前のカード破り捨ててやるよ」

 

(…流石に頭に来るな…。決めた…遊びなく潰す)

 

冷たい笑みを浮かべながら白いデッキケースからデッキを取り出しデュエルディスクにセットする。

 

白のカードはバトルスピリッツでは守りが主体の防御型のカード。だが、デュエルモンスターズのカードに変わった時、白のカードは…。

 

「「「「デュエル」」」」

 

 

総麻 LP4000

取り巻き LP4000

 

 

「オレのターン、オレは『フェンリルキャノン』を攻撃表示で召喚」

 

 

『フェンリルキャノン』☆4

属性:光

攻撃力1500/守備力1200

機械族

効果

このモンスターは獣族としても扱う。

このカードが攻撃される時、攻撃力は300アップする。

 

 

「カードを三枚伏せてターンエンド」

 

総麻のフィールドに出現するのは砲塔を背負った白い機械の狼『フェンリルキャノン』。

 

「へっ、そんなモンスター程度直に始末してやるよ、オレは『切り込み隊長』を攻撃表示で召喚。そして、切り込み隊長の効果発動、切り込み隊長が召喚できた時、手札からLV4以下のモンスターを召喚できる! オレは『荒野の女戦士』を攻撃表示で召喚!」

 

(…戦士族のデッキか…二体とも、オレのフェンリルキャノンより攻撃力は低い。…魔法カードで強化か…でもな…)「…荒野の女戦士と切り込み隊長を並べてどうする? 手札事故でも起こしたのか?」

 

ついそう言ってしまう。明らかにリクルーターの荒野の女戦士と他の戦士族への攻撃を封じる切り込み隊長を並べては意味が無い。

 

「う、うるさい! オレは永続魔法『連合軍』を発動! この効果でオレのフィールド上の戦士族・魔法使い族一体につき、戦士族の攻撃力を200ポイントアップする。合計400ポイントのアップだ!」

 

切り込み隊長 攻撃力1300→1700

荒野の女戦士 攻撃力1100→1500

 

(切り込み隊長の攻撃力がフェンリルキャノンを上回ったか)

 

「行け、荒野の女戦士でそのモンスターを攻撃!」

 

「なるほど、攻撃力を上昇させた荒野の女戦士で相打ち狙いって訳か。迎え撃て、フェンリルキャノン!」

 

そう、破壊されることで効果を発揮するモンスターを利用した相打ちならば、相手のモンスターを破壊した上でダイレクトアタックが出来る。一度はミスとも思ったが、悪く無い手だ。

切り掛かる女戦士にフェンリルキャノンが噛み付き、背負う大砲からの砲撃で粉砕する。

 

取り巻き LP4000→3700

 

「なに!? 何で攻撃力は同じなのに、荒野の女戦士だけが…それにオレのライフも!?」

 

「フェンリルキャノンは攻撃を受けるとき、攻撃力が300ポイントアップする。事実上相手ターンだと1800のモンスターだ」

 

「くっ、オレは二枚目の荒野の女戦士を攻撃表示で召喚して、カードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

取り巻きは破壊された荒野の女戦士の効果で新たなモンスターを召喚し、ターンエンドを宣言する。

 

「オレのターン、ドロー」

 

ドローしたカードに視線を向け、静かに笑みを浮かべる。このデッキのキーカードの一枚が来たのだ。

 

「フェンリルキャノンを生贄に、オレはレベル6のモンスターを召喚!」

 

フェンリルキャノンがダイアモンドの結晶に飲み込まれ、光り輝くと同時に雪の結晶がダイアモンドに重なる。

 

「聳え立て、鋼鉄の白き城! 『鉄騎皇イグドラシル』を攻撃表示で召喚」

 

 

鉄機皇イクドラシル ☆6

属性:光

機械族

攻撃力2400/守備力1200

効果

このカードの生贄召喚に成功した時、互いのフィールド上の元々の攻撃力1500以下のモンスターをすべて手札に戻す。

このカードが生贄召喚に成功した時、一度だけ相手が魔法・罠カードを発動させた時、フィールド上に存在する伏せカードを一枚墓地に送る事で効果と発動を無効にして破壊する。

 

 

「イグドラシルのモンスター効果発動、全てのフィールド上の元々の攻撃力1500以下のモンスターをすべて手札に戻す」

 

ダイアモンドの結晶が砕け散り、現れたのは鋼の甲冑を身に纏った鋼鉄の騎士、『鉄騎皇イグドラシル』。

北欧神話における世界を司る巨木の名を持つモンスターの発生させた衝撃波によって取り巻きのフィールドのカードが手札に戻る。

 

「な、なんだと!?」

 

「リバースカードオープン、速攻魔法『リミッター解除』。これでイグドラシルの攻撃力は4800に。ダイレクトアタック。砕け! 鋼の騎士よ!」

 

鉄騎皇イグドラシル 攻撃力2400→4800

 

リミッター解除の効果を受け全身を紅く輝かせ、装甲の隙間から蒸気を上げながら拳を振り上げ、取り巻きへとイグドラシルが殴りかかろうとするが、

 

「へっ、バカが! 罠発動、『聖なるバリア‐ミラーフォース‐』! これでお前のモンスターは全滅だ!」

 

「…イグドラシルの効果、自分フィールド上の伏せカード一枚を墓地に送り、魔法・罠の発動を無効にする!」

 

そう、一度だけとは言え罠・魔法の効果を恐れずに攻撃できる…それが、このデッキの主力の一枚、イグドラシルの効果なのだ。

 

イグドラシルの拳が取り巻きの前に現れたバリアに叩きつけられる。一度バリアに拳が弾かれると、イグドラシルは地面に拳を叩きつける。それによって総麻のフィールド上の伏せカードが氷柱に変わると、同時に打ち出された氷の礫がバリアを砕く。

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

「改めて…鉄騎皇イグドラシル…ダイレクトアタック!」

 

イグドラシルの拳(ダイレクトアタック)が叩きつけられ、倍化した攻撃力のダメージによって取り巻きのライフが一気にゼロになる。

 

取り巻き LP3700→-1100

 

(…手札には保険のカードも有ったけど、十分に勝てたか。だけど、白のデッキのテストにはならないな…)

 

最後に残った手札へと視線を向けながらそんな事を思う。実際、使ったカードはフェンリルキャノン、イグドラシル、リミッター解除の三枚とイグドラシスの効果のコストにしたカードの一枚だけなのだから。

 

「そう言えば、デュエル前に賭ける対象のカードは決めてなかったな。今回はアンティ・ルールは無効って事で良いぞ」

 

面倒と言う態度を隠そうともせずに手を振りながら負けた取り巻きにそう告げて万丈目達の方に視線を向ける。

 

(…何度か使って試すとするかな…。そんな事よりも…)「おーい、こっちはもう終わったぞ」

 

項垂れている取り巻きを一瞥もせずに最優先で確認するべき事は別にあると、総麻は十代とデュエルしている万丈目へと声をかける。向こうの状況は十代のフレイムウイングマンのコントロールを万丈目が奪っていた所だった。

 

『十代を倒してからお前の相手をしてやる』と万丈目が言っているので、デュエル場の壁に背中を預けながら観戦する。元々最後まで見ていく予定だったので問題は無い。

 

(…そう言えば、HEROのカードも何枚か有ったよな…。十代のデッキに良さそうなカードも…。決めた…オレの安心の為に十代のデッキの強化をしよう。…取り敢えず、融合HEROを渡すのはもう少し先だとしても…)

 

デュエルを眺めながら主に自分の安心の為に十代に渡すカードとデッキの強化案を考えていると、数人の人間が近づいてくるのに気が付く。足音からして警備員とは違う。

 

「何をしているの!」

 

「ん、あの二人はアンティ・ルールのデュエル。オレの方はただのデュエルだったけどな」

 

「アンティ・ルールは禁止されてるんだよ!」

 

別の声が聞こえて来た事には多少驚きながらそちらへと視線を向けると、彼女『天上院 明日香』の他にも二人ほどの人影が見えた。

 

(…何故だろう…どこかで見た記憶が)

 

「そう怒らないでくれ、高町さん。オレは、ちょっと現実の厳しさって奴を教えてあげようとしただけなんだ」

 

「そんな理由でアンティ・デュエルしていいはずが無いよ」

 

「…付け加えると、逆にお前のお仲間は現実の厳しさって奴に打ちのめされてるけどな。(高町って…まさか!?)」

 

そう叫ぶもう一人の金髪の女生徒の叫び声に付け加えるようにそう言うと万丈目は、

 

「う、うるさい! 次はお前の番だ、覚悟しておけ!」

 

「はいはい。期待しないで待ってるよ。(…オレの記憶に間違いがなければ…あの二人って、リリカルなのはの『高町なのは』と『フェイト・テスタロッサ』…だよな)」

 

万丈目と会話を交わしながら明日香と一緒に居る女生徒を見てそんな考えに至る。万丈目が呼んだ名前といい、容姿といい、確かに似ている。

 

(…ま、まあ…魔法とかそう言う…《力》が有効活用できる物が無ければ誰が居ても問題ないか。…似てるだけって可能性も有るし。結局の所、オレが居る限り100%オレの知っている通りに進むとは限らないんだしな)

 

「やだね、負けるか分からないデュエルを止められるかよ」

 

(本当にデュエルバカって所だな…)

 

切り札を奪われて圧倒的不利な状況にも関わらず止める声を楽しそうに拒否する十代。

 

「はあ。貴方の方はもう終わったようね。どうだったの?」

 

十代の言葉に呆れた様子で溜息を吐き、明日香は総麻にそう問い掛ける。

 

「ああ、勝った。もっとも、アンティはしてないけどな」

 

「あっ、入学試験の時の珍しいドラゴンのカードを使っていた人だよね」

 

「珍しいドラゴン…ジークフリード…えーと、このカードの事?」

 

彼女の言葉にデッキから龍皇ジークフリードのカードを抜いて見せる。

 

「龍皇ジークフリードって言うんだ」

 

「本当に見た事の無いカードね。そんなカード、何処で手に入れたの?」

 

「あー…とあるお爺さんから貰ったカードだけど…」

 

嘘は言っていない。異界王と言う『老人』から『貰った』事には間違いは無いのだし。

 

「………」

 

金色の髪の少女はボーッとした様子でジークフリードのカードに魅入っていた。いや、正しく彼女の視線を追っていれば、彼女が見入っているのが、別の物だという事が分かるだろう…そう、総麻の精霊の一つへと。

 

「それで、君達は?」

 

ジークフリードのカードをデッキに戻してそう問い掛ける。

 

「あ、私は『高町 なのは』。よろしくね」

 

「『フェイト・テスタロッサ』です」

 

「私は天上院明日香よ」

 

「オレは天凪総麻。まあ、よろしく。(…同じ容姿で同じ名前か…;)」

 

二人の少女の名前を聞いた瞬間、内心焦りながらも表には出さずに自己紹介をする。

 

「っと、そろそろ警備員が来そうだな。先に帰らせてもらうかな。君達も見つからない様にな」

 

フレイムウイングマンが墓地に送られた所を見て、そう言って彼女達に手を振りながらその場から立ち去っていく。総麻は確実に警備員らしい人間の気配が近づいて来ているのを感じ取っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、十代から万丈目とのデュエルの結末を聞いたら決着が着く前に警備員が近づいていた為に無効になったらしい。

 

「…最後のターン…お前の引いたカードって、『死者蘇生』か?」

 

「ああ、このカードでフレイムウイングマンを復活させればオレの勝ちだったんだぜ」

 

そう言って死者蘇生のカードを見せる十代に対して一言、

 

「…フレイムウイングマンの効果テキストを、よーく読んでみろ…」

 

「何でだよ? あっ!」

 

「…フレイムウイングマンの蘇生…出来ないだろ?」

 

「あ、ああ…」

 

「…ま、まあ、クレイマンも蘇生出来た様だし、決着は分からなかった訳だから気にするなよ。このカードやるから」

 

そう言って落ち込んでいる様子の十代に『ミラクルフュージョン』のカードを渡す総麻だった。




本日の最強カードは…


鉄機皇イクドラシル ☆6
属性:光
機械族
攻撃力2400/守備力1200
効果
このカードの生贄召喚に成功した時、互いのフィールド上の元々の攻撃力1500以下のモンスターをすべて手札に戻す。
このカードが生贄召喚に成功した時、一度だけ相手が魔法・罠カードを発動させた時、フィールド上に存在する伏せカードを一枚墓地に送る事で効果と発動を無効にして破壊する。


…今日の最強カードは、本当に最強なカードの鉄騎皇イグドラシル。バトルスピリッツのアニメの第二期の主人公のライバル白の戦士『百瀬 勇貴』の切り札です。
白の効果『装甲』と召喚時効果を再現したら、完全に遊戯王の世界だと反則級のカードに。いや、一ターンにスピリット(モンスター)を二体以上召喚できるバトスピに対して遊戯王は一ターンに召喚できるモンスターが一体限りですからね。『帝』に効果をプラスしたようなものですから。…攻撃力は下げても良いかと思いましたけど…。遊戯王での防御…相手ターンに発動する効果が多いカードの白属性再現デッキです。
ってな訳で今回総麻が使用したデッキは鉄壁ブロックの白のデッキでした。
イグドラシルの効果を修正しました。『帝』シリーズと同じく生贄召喚に成功した時のみに効果発動可能です。なお、二つ目の効果は任意のタイミングで使えますけど。
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