総麻SIDE
さて、オレの中にある『遊戯王GX』についての俗に言う原作知識…言い換えれば、90%当る未来予知は結構薄れている。
そもそも、5D’sで黒幕の三人組が変形合体した所まで見た記憶はあるけど、既にGXの序盤の話の記憶は薄い。…まあ、一学期の間は三幻魔の一件が終わるまでは…一部を除いて命の危険が無いから特に危険は感じてないけどな。
現在、クロノス先生に当てられた所を答えながら、そんな事を考えている訳だけど…。昨日の万丈目の取り巻きとのデュエルの後、十代と友達になった限り…幾つかのトラブルからは逃げられないよな…。
……うん、可能な限り回避しよう……。十代には悪いけど、逃げられる限りは逃げて原作との差を調べよう…。
SIDE OUT
「それに知識と実技は別物だろ? 現にオレやあいつなんか入試デュエルでクロノス先生に勝ったし♪」
総麻の意識が思考の中から戻った時、そんな声が響くのを聞くと周囲の視線が自分と十代に集まっているのに気付きました。
「(…ちょっと待て、確かにオレは本気のクロノス先生のデッキに勝ったけどな、あれは運が良かったからだぞ。主にジークフリードとかリザドエッジとか)いや、勝ったのは事実だけど…。」
総麻が慌てて十代の間違いを訂正しようとするが、その前にクロノスは悔しげに教室を出て行った。
(…いや、出て行くのは良いけどせめて、間違いの訂正くらい聞いてくれ…。下手に目立ちたくないんだよ、オレは…。危険なトラブルに巻き込まれそうだから!)
総麻の心の中の絶叫は誰にも届かずに終わるのだった。まあ、絶対に珍しいであろう元バトスピのカードを持っている総麻にはそんな事は無理な話だろうが…。
必要以上に目立ってしまった事を悩みながら、次の体育の授業―悩みながらも、世紀末の魔人達の身体能力を持っている総麻としては考え事をしていても簡単に過ぎ去る楽な時間帯―が終わると、十代の弟分の『丸藤 翔』君がにやけた顔をしていた。
そんな彼に対して引き気味な総麻達に罪は無いだろう。
「なあ、翔の奴どうしちまったんだ?」
「…放って置いてやった方が良い…」
そう言って総麻と十代と、十代と翔のルームメイトであるコアラ似の少年、『前田 隼人』の三人が翔の方を見ると…
「うへへへ…」
物凄く怪しかった。
「…明日には治るだろう…そっとしておこう…」
「…そうしよう…」
「…なんだな…」
(…えーと…魔人の《力》の中に、人を正気に戻す術とかって無かったっけ?)
目を逸らして放置することに決めた三人だった。
放課後、総麻は自室で未使用の四つのデッキの調整をしていた。
「…あれから何度か使ったけど、白のデッキはこんな物で良いか…」
あれから何度か実技で赤と白のデッキを使ってみたが、この世界ではまともな部類で凶悪な白のデッキは現在のカードではこれで良いだろうと判断する。
やはり問題は残る五つのデッキ。
(…使ってないけど、青と紫は白以上に凶悪すぎるな。次は緑か黄色を使うか)
次いで扱いが難しい形に仕上がった黄色のデッキと、パワー不足が問題点となる緑のデッキを含めた調整を終えた四色のデッキをケースに収め、最後に《赤》のデッキへと視線を向ける。
「あの二枚は使えないから…他のカードが変わるまで、お前達だけが頼りだな」
赤のデッキの主力となるカードに触れ、それをケースへと収める。それは六つのデッキの中で一番信頼していると言っても過言では無い赤のデッキのキーカードの二枚。
「さて、次のデュエルは《緑》のデッキの実践テストでもするかな。…闇のゲームでも無い限りは…」
伸びをしてベッドに横になった瞬間、
「大変だ、総麻! 翔が誘拐された!」
「何が有った!?」
勢い良く扉が開き駆け込んできた十代がそう叫ぶ。十代の言葉に思わず絶叫してしまう総麻だった。
事情を聞く限り、『マルフジショウハアズカッテイル、カエシテホシクバ、ジョシリョウニコラレタシ』と言うメールが送られてきたそうだ。其処で翔の誘拐事件は学園の関係者だという事が分かる。
「そうか、頑張れよ、十代」
何で自分の所に来たのか疑問に思いつつ、呼び出しには自分は無関係と考えてサムズアップと共に激励の言葉(エール)を送るが、
「それがさ、『アト、アマナギソウマモツレテコラレタシ』って有ったんだよ」
「……翔…惜しい人を無くした……」
「何言ってんだよ! 早く行くぞ、総麻! デッキとディスク持って来いよな!」
手を合わせて冥福を祈る総麻に怒り交じりで叫ぶ十代。赤デッキをケースに収め、デッキとディスクの準備は完了。
「分かった、冗談だから」
まあ、調整した緑のデッキのテストに丁度良いかとも思った事だし。(by.総麻)
そんなこんなで女子寮に向かう事になったが、時間が時間なので女子寮へと続いている橋が上がっているので総麻がボートを漕いで、湖を横断する事になった。
「おーい、交代しなくて良いのか?」
「ああ。その代わり帰りは任せた」
内心、『こう言う時、魔人の身体能力を強化する力は弁理だな~』等と考えながらボートを漕いでいた。帰りは任せたとは言っているが、総麻の性格上、結局の所帰りも漕ぐ事を引き受けるだろう。…結局の所お人好しなのだ。
そして、辿り告いだ女子寮では翔がグルグル巻きにされていた。
「アニキ~、総麻君~」
「…で、どうしてそうなったんだ?」
「翔! これはどう言う事なんだよ!?」
「それが…話せば長くなる様な、長くない様な」
「…覗きでもしたのか…?」
総麻の呟きにその場に居た女性陣の声を揃えて『そうだ』と同意してくれた。
「なんだって?」
「…冗談の心算(つもり)だったんだけど…お前と言う奴は…」
「だから違うって!」
そんな漫才のような遣り取りの後、翔の除きの一件を多めに見る為に総麻と十代の二人がデュエルする事になったのだが、そこで総麻が待ったをかける。
「あー、ちょっと待った。そもそも、当事者の彼がデュエルしないのはどうかと思う」
「せやな、じゃあ、三対三で二本先取した方が勝ちで」
「一勝一敗一分けの場合は勝者のライフポイント差か、それとも勝った者同士の延長戦か?」
「こんな時間やからな、延長線をしてる時間もないしライフポイント差でええと思うけど」
「じゃあ、こっちもそれで構わない」
ショートカットの関西弁の少女『八神はやて』との交渉で翔もデュエルする事に決まった。
「ええっー!」
翔が絶句しているが、それは全面的に黙殺された。
「それじゃあ、こっちの一番手は翔くん、君だ!」
「ちょ、ちょっと待って欲しいっす!」
そして、総麻は十代に向き直り。
「十代、オレとお前で二勝すれば大丈夫だ」
「「しかも、負ける事前提かよ(っすか)!!!」」
サムズアップと共に宣言した言葉に対して声を揃えてツッコミを入れてくれる二人だった。
なお、翔くんのデュエルだが、案の定負けた。
(…やっぱりこの頃は弱かったか…)
結果的に後が無くなった訳だが、総麻としてはこの結果は何気に予想の範囲内だった。ここで十代が負ける事はないだろうが、そうなると問題は自分の勝敗だ。
「さて、流石に時間も遅いから、オレと十代のデュエルは同時に始めようか」
と言う総麻の発言で総麻と十代のデュエルは同時に行われる事になった。
ボートに乗って十代と翔、明日香と彼女の取り巻きのジュンコとももえの二人と一緒に先にボートに乗って乗り出して行った。
そして、別のボートを二つ使い、総麻となのは、フェイト、はやての三人が湖に漕ぎ出すと、
「それで、オレの相手は?」
「私と、戦ってもらいます」
そう言ってフェイトが名乗り出る。向こうで特に話し合っている様子が無い事から、最初から決まっていたのだろう。
「OK、それじゃあ…」
六つのデッキの中から『緑』のデッキを取り出し、デュエルディスクにセットしようとした時、
「待って下さい」
「えっと…何か…?」
「あの…あの赤いドラゴンの入ったデッキでお願いします」
「別に良いけど。それじゃ、十代達も始まった様だし、こっちも始めようか」
「うん、行くよ」
互いにデュエルディスクを構え、ボートの上で対峙する総麻とフェイト。それぞれのギャラリーが二人を応援している。勝つにしても負けるにしても早く終わらせようと考えていた総麻が、今回は速攻性に優れた『緑』のデッキをセットしようとしたのだが、こうしてフェイトの言葉で『赤』のデッキを使うこととなった。
「「デュエル!!!」」
宣言と共に初期の手札となるカードを五枚ドローする。
総麻 LP4000
フェイト LP4000
「私の先行、ドロー。モンスターをセットして、カードを一枚伏せて、ターンエンド」
「オレのターン、ドロー」
手札のカードを一瞥し、戦略を立てる。手札には既に切り札となる『龍皇ジークフリード』が来ている。だが、手札にはエリマキリザードのカードは無く召喚できない。
「(先ずは様子見だな)オレは手札から『地龍 サーベカウラス』を召喚! そして、サーベカウラスで伏せモンスターを攻撃! 更にサーベカウラスは効果で攻撃力アップ!」
地龍 サーベカウラス 攻撃力1400→1800
ルビーの結晶が砕け現れるサーベカウラスがそのままフェイトのフィールド上のセットされたモンスターへと飛び掛ると、そのモンスターは表となりサーベカウラスによって粉砕されるが、
(『シャインエンジェル』…彼女のデッキは光属性か天使族が中心か?)
サーベカウラスの牙によって粉砕されたのは簡素な格好の天使『シャインエンジェル』。能力こそそれほど高くは無いが、それでも、攻撃力1500以下の光属性のモンスターを攻撃表示で召喚する効果を持った厄介なモンスター。
壁としても最大で四回は攻撃しなければ相手のフィールドを空にはできないリクルーターと呼ばれるサーチ効果を持ったモンスター。
(出てくる可能性の中でいちばん最悪なのは…ライトロードだけど…何が来る?)
「シャインエンジェルの効果で『エレキツツキ』を攻撃表示で特殊召喚!」
フェイトのフィールドに現れるのは電気を纏った赤・青・黄色の三原色のキツツキの様なモンスター『エレキツツキ』。
「エレキツツキ!?(…エレキモンスターか!? …流石に予想外だったけど…)」
「それから罠カード発動、『雷の裁き』! 自分フィールド上に雷族モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時、相手フィールド上のカードを一枚破壊します!」
「っ!? しまった、サーベカウラス!」
エレキツツキから打ち出された電気が上空で落雷となってサーベカウラスを焼き尽くした。
「(特殊召喚から罠での破壊…結構拙いな。)カードを二枚場に伏せて、ターンエンド」
先手を討たれた形になった総麻はカードを二枚伏せる。
総麻 LP4000
フィールド
伏せカード×2
手札×3
フェイト LP4000
フィールド
エレキツツキ 攻撃力1000
手札×4
「私のターン、ドロー。フィールド魔法『エレキャッスル』を発動」
フェイトの後に現れるのは電気を纏った三原色の白『エレキャッスル』。
「これで、私のフィールドの『エレキ』と名の付くモンスターを攻撃したモンスターはダメージ計算後に攻撃力が1000ポイントダウンします。それから、『エレキジ』を攻撃表示で召喚! エレキツツキとエレキジでダイレクトアタック!」
フェイトの指示にあわせて雷を纏った二体の鳥は総麻へと飛翔する。互いに攻撃力は1000と低いがエレキツツキは二回の連続攻撃が可能なモンスター。合計すると総合ダメージは3000…何もせずに居ると一気に四分の一までライフを減らされる事となる。
「悪いけど、それは通さない! 罠カード、リビングデッドの呼び声、サーベカウラスを蘇生する」
「っ!? だったら、エレキジで直接攻撃、このカードは相手にダイレクトアタックが出来る」
「もう一枚の罠カード、『クズ鉄のカカシ』を発動!」
エレキジの攻撃をガラクタで出来たカカシが受け止める。
「発動後再びセットされる」
総麻のフィールドに攻撃力で上回るサーベカウラスが居る事で残念ながらエレキツツキは攻撃できない。
「私はカードを一枚伏せてターンエンド」
「(…早めにモンスターを破壊しないと厄介だな…。)オレのターン、ドロー!」
ドローしたカードを確認すると、
「(来た!)オレは相手フィールド上にモンスターが居る事でエリマキリザードを特殊召喚! そして!」
自分のフィールドに二体のモンスターが並んだ事に笑みを浮かべ、手札に存在する皇を呼ぶ。
「(ジークフリードの攻撃力なら、下げられても簡単には破壊されない! ジークフリードの攻撃力で一気に流れをオレの方に持ってくる。)サーベカウラス、エリマキリザードを生贄に…現れよ、古(いにしえ)の赤き龍、龍皇ジークフリード、攻撃表示で召喚!」
サーベカウラスとリザドエッジが一つになり出現した巨大なルビーが砕け、その中から現れる真紅の龍、龍皇ジークフリード。
(来た、総麻君の切り札。…でも、私が戦いたいのは、その子じゃない!)
「ジークフリードでエレキジを攻撃! ドラゴンズラッシュ!」
狙うのは厄介な効果を持ったエレキジ、これが通れば一気に相手に2000のダメージを与えられる。
「うっ! だけど、エレキャッスルの効果でジークフリードの攻撃力は1000ポイントダウン」
「それでも、攻撃力は2000。まだジークフリードは戦える。だろ?」
ジークフリードのブレスがエレキジを焼き尽くすと同時にエレキャッスルからの電撃がジークフリードを襲い、電撃の直撃を受けたジークフリードが地面に倒れる。そして、総麻の声に答える様にジークフリードは頷く。
フェイト LP4000→2000
龍皇ジークフリード 攻撃力3000→2000
「オレはこれでターンエンド」
総麻 LP4000
フィールド
龍皇ジークフリード 攻撃力3000→2000
伏せカード×1(クズ鉄のカカシ)
リビングデッドの呼び声
手札×2
フェイト LP2000
フィールド
エレキツツキ 攻撃力1000
フィールド魔法『エレキャッスル』
伏せカード×1
手札×3
「私のターン、ドロー(他にモンスターが居なくて攻撃力が下がっている今があのドラゴンを倒せるチャンス。お願い)」
そして、ドローしたカードを見て微笑みを浮かべると、
「手札の『サンダー・ドラゴン』の効果発動。手札のこのカードを捨ててデッキから同名カードを二枚手札に加える。それから、魔法カード『融合』発動! 『双頭のサンダー・ドラゴン』を融合召喚!」
双頭のサンダー・ドラゴン 攻撃力2800
「手札から二枚目のエレキジを攻撃表示で召喚」
フェイトのフィールドに二つの頭を持ったドラゴンとエレキジが現れる。
「エレキジで直接攻撃(ダイレクトアタック)」
「くず鉄のカカシ!」
エレキジの攻撃をくず鉄のカカシが防ぐが、フェイトの狙いは発動させてもさせなくてもどちらでも良かった。
「今度は双頭のサンダー・ドラゴンでジークフリードに攻撃!」
「迎え撃て、ジークフリード!」
双頭のサンダー・ドラゴンの放った既にビームと呼んで良い二つの雷撃がジークフリードへと向かう。ジークフリードも炎を打ち出してそれを迎え撃とうとするが、体が痺れて動けないのか、その場に倒れ、電撃に打ち抜かれる。
「ジークフリード!」
総麻 LP4000→3200
「くっ、だけどな…ジークフリードは破壊されても主に可能性を残す。ジークフリードが破壊されたとき、ライフを1000ポイント回復」
総麻 LP3200→4200
「主人思いなんだね、その子。でも、エレキツツキで攻撃、この子は一度のバトルフェイズ中二回攻撃できます」
邪魔者がなくなったフィールドを飛び、総麻の肩に下りると…
「お、おーい;」
そのままキツツキの様に二回ほど突いてくれました。このモンスター。
「がっ!」
そして、フェイトのフィールドへと舞い戻っていく。
総麻 LP4200→2200
「私はこれでターンエンド」
「オ、オレのターン。ドロー」
カードをドローして手札を一瞥する。
(さて、手札のカードに逆転の一手は無い。手札を入れ替る『手札抹殺』のカードが有るから可能性に賭ける事はできるけど…)
フェイトのフィールドを一瞥すると攻撃力の高い双頭のサンダー・ドラゴンとダイレクトアタックが可能で厄介な効果を持ったエレキジと二回攻撃のエレキツツキ、そして、攻撃力を下げるエレキャッスル。完全に不利だ。最低でもこのターンで双頭のサンダー・ドラゴンを破壊しなければ負ける。
(さて、どうするかな…?)
「あの」
次の一手を考えているとフェイトが声をかけてくる。
「ん? 強いね、今の手札だと完全に負けるな」
「あ、ありがとうございます。でも、貴方の切り札はあの子だけじゃないですよね。私が本当に戦いたかったのは、貴方の一番信頼している最高(・・)の切り札です」
「まあ、もう少し気楽に話してくれた方が良いんだけどな。っと、十代達の方は十代が勝ったか」
『サンダー・ジャイアントでダイレクトアタック! ボルティックサンダー!』
『きゃあ!』
「やれやれ…これで翔の運命はオレのカードに賭けられたって訳か、責任重大だな」
「そう、だね。でも、私も負けないよ!」
「そうだな。まあ、折角の友達を助ける為にも…僅かな可能性に賭けさせてもらう! 魔法カード『手札抹殺』、発動! 互いのプレイヤーは手札を全て捨てて捨てた枚数だけカードをドローする」
フェイトが手札を捨てて入れ替えると、総麻も手札抹殺を除いた二枚のカードを墓地に捨て、カードをドローする。
(一枚目…違う)
一枚目のカードは望んだ切り札とは違うモンスターカード。
「(二枚目…来た!)オレは墓地のカード、『機龍 フタバニア』を特殊召喚! このカードは相手フィールド上に二体以上のモンスターが存在する時、墓地から特殊召喚できる! 君のフィールドのモンスターは三体、よって特殊召喚!」
総麻の墓地から現れたルビーが砕け散り、機械仕掛けの赤い龍が召喚させる。
機龍 フタバニア ☆4
属性:炎
攻撃力1600/守備力1200
ドラゴン族
効果
自分のメインフェイズに相手フィールド上に二体以上モンスターが存在している時、墓地に存在するこのカードを特殊召喚できる。この効果で特殊召喚されたこのカードはフィールドを離れた時、ゲームから除外される。
「そして、フタバニアを生贄に…。これが君が望んでいた…オレの最高の切り札…フェイバリットカードだ!」
総麻の宣言にフェイトが身構えると、フタバニアがルビーの結晶となり、異次元への歪みが開く。
「雷よ、天を切り裂け! 『雷皇龍ジークヴルム』…攻撃表示で召喚!!!」
空間の歪みの中にルビーの結晶が消えていくと、湖の中から咆哮を上げながら真紅の龍がその姿を現す。
翼を広げ咆哮を上げるジークフリードよりも細身で流線型をしたドラゴン。それこそが、総麻の赤デッキのフェイバリットカード、『雷皇龍ジークヴルム』!
雷皇龍ジークヴルム ☆6
属性:炎
攻撃力2100/守備力1200
ドラゴン族
効果
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、攻撃力が守備力を上回っていれば、相手プレイヤーにその数値分のダメージを与える。
このカードが相手モンスターを破壊した時、その攻撃力分のダメージを与える。
「雷皇龍ジークヴルムは十代のフレイムウイングマンと同じ効果を持っている。これで終わりだ! 行け、ジークヴルム! エレキツツキに攻撃!」
ジークヴルムは天高く舞い上がり、雷光を纏いながらフェイトのフィールドのエレキツツキに向かって突撃する。
「負けない、罠カード発動『立ちはだかる強敵』! その子の攻撃はエレキツツキの変わりに双頭のサンダー・ドラゴンが受ける!」
雷皇龍ジークヴルムの進路上に双頭のサンダー・ドラゴンが立ちふさがり今まで以上の電撃を集める。
「双頭のサンダー・ドラゴンで迎撃! 轟け、轟雷! サンダースマッシャー!」
「手札のモンスターカード『雷鳴龍リンド・グローム』の効果発動! 手札のこのカードをゲームから除外する事で、フィールドに存在する『炎属性』、ドラゴン族のモンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる! 伝説の龍、リンドヴルムとなって…【激突】しろ、雷皇龍ジークヴルム、ライトニング…クラッシュ!」
総麻が手札にある『雷鳴龍リンド・グローム』を除外する事で雷皇龍ジークヴルムの背後に雷で出来たドラゴンのオーラと融合し、纏っている雷光が力を増し、雷はジークヴルムよりも巨大な龍を作り出す。
雷鳴龍リンド・グローム ☆4
属性:炎
攻撃力1500/守備力1200
ドラゴン族
効果
手札に存在するこのカードをゲームから除外する事で自分フィールド上の炎属性、ドラゴン族モンスター一体の攻撃力を1000ポイントアップする。
雷皇龍ジークヴルム 攻撃力2100+1000(雷鳴龍リンド・グロームの効果)→3100
双頭のサンダー・ドラゴンの放った雷撃を、雷光の龍を纏ったジークヴルムの突撃が切り裂き、そのまま双頭のサンダー・ドラゴンを打ち抜く。
フェイト LP2000→1900
「更に雷皇龍ジークヴルムのモンスター効果発動、このカードが相手モンスターを破壊した時、その攻撃力分のダメージを与える! 行け、ジークヴルム!」
咆哮を上げフェイトの真上スレスレをジークヴルムが飛翔する。
「きゃあああああ!」
フェイト LP1900→-1100
「「キャアァ!」」
その一撃がフェイトの残りのライフを削り取り、同時にフェイト達の乗っていたボートを揺らす。その衝撃でフェイトがボートから落ちて湖に投げ出されてしまった。
「フェイトちゃん!」
「あかん、すぐに助けへんと!」
とっさにデュエルディスクを外してボートに居るなのはに投げ渡したのでデッキは無事だが。はやてが急いで助けようとするが、
「…ごめん…遣り過ぎた」
フェイトが湖に落ちた時にデュエルディスクを外して、直に飛び込んでいた総麻が溺れない様に彼女の体を支えていた。
「あっ。ありがとう」
「どういたしまして。まあ、これはオレのせいでも有るから、気にしないでくれ」
顔を赤くして礼を言う彼女をボートに上げると、自分も乗ってきたボートに上がる。こうしてデュエルに勝利した総麻達は翔を返してもらい、総麻はなのは達三人のPDAのアドレスを交換した。
ってな訳で、VSフェイト戦の三話目でした。フェイトのデッキは『エレキ』モンスターをメインとした雷族デッキです。シンクロ召喚無しではエレキモンスターだけではパワー不足なので、攻撃力の高い双頭のサンダー・ドラゴンを加えました。…シンクロ召喚も出す予定ですけどね…その内に。
それでは、今回の最強カードは、
雷皇龍ジークヴルム 炎 ☆6
属性:炎
攻撃力2100/守備力1200
ドラゴン族
効果
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、攻撃力が守備力を上回っていれば、相手プレーヤーにその数値分のダメージを与える。
このカードが相手モンスターを破壊した時、その攻撃力分のダメージを与える。
今回の最強カードは馬神弾のバトスピアニメの第二期の初期の切り札にして、元エーススピリット『雷皇龍ジークヴルム』です。属性は『光』でも良かったんですけど、他の龍とあわせて『炎』属性です。激突の効果は遊戯王では意味が無いので、フレイムウイングマンの上位互換、イービルの方のインフェルノウイングの効果の下位互換と言う効果になりました。今後もジークフリードと並んで赤デッキの切り札として活躍してもらいます。
アニメのバトスピでは上位スピリットのメテオヴルムが登場してからは出番が少なくなりましたが、ジークヴルムの進化系の超新星龍ジークヴルム・ノヴァの存在で現実でも採用率が高まっていると思います。何気に最終回での異界王との決着もこのカードからのジークヴルム・ノヴァへの転生してと言う流れでしたね。
此方ではノヴァの出番はまだまだ先な上にブレイブでの切り札『太陽龍ジーク・アポロドラゴン』の出番の方が先になる確率が高いんすよね。
次は緑デッキ…になるかな?
スキルサクセサーの効果に誤りが有る事を指摘されたので、新たに一枚オリジナルカードを追加しました。『雷鳴龍リンド・グローム』、バトスピではDVD一巻に付属されていたプロモーションカードです。BP(攻撃力)上昇の効果を手札からの除外で発動する効果となりました。イメージ的には除外されるので回収の難しい上に上がる値の限定されるBFのカルートですね。