龍の転生者と魔物達の転生記 決闘符禄   作:龍牙

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TURN-05『廃寮での決闘(デュエル)、敗北と決意』

レッド寮の食堂で十代達とモンスターカードをドローしてそのレベルにあった怖い話をしていた時、総麻は…。

 

「4か」

 

総麻が引いたのは☆4の魔導アーマーエグゼのカード。それを見て面白そうな笑みを浮かべ、どこからか黒いマントの様な物を取り出し、それを羽織ると…。

 

「ふふふ…じゃあ、レベルに合わせてそれなりに怖い話をさせてもらおうか」

 

「な、なんだか…物凄く怖そうだな」

 

「そ、そうすっね」

 

「そうなんだな」

 

「当然だろ…☆4とは言え2000を超えた攻撃力のモンスター…それなら、☆4でも一つ上に届くほどの奴を選ばないとなぁ~…」

 

そう、何故か魔人達のそれの中に…こう言う時にしか役に立たない妙な知識まで多く混ざっていたりする。他にも某神速の剣士のナンパ術とか、某暗殺者の手芸に関する知識とか…。何気に手芸の腕前だけは私生活でも活用できているが。

 

「え、選ばなくっていいっすよ~!」

 

「な、なんかワクワクするな」

 

「行くぞ」

 

…その時、十代達の悲鳴が上がった事を追記しておこう。そして、その悲鳴を聞きつけて入ってきた徳寺先生が☆12の話として廃寮の話をしてくれたのだが。

 

「なあ、これから廃療に「眠いからパス。明日も授業だぞ」チェ、なんだよ」

 

折角の誘いで闇のデュエル関係の中では比較的安全な事件とは知っているが、退学の危険だけは避けたいと考えて十代達からの誘いを断って一人で部屋に戻って眠ったのだが…。翌日…総麻はその判断を後悔する事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日…総麻の知っている未来予知の中に有る、廃療に入った事を咎めに論理委員会が現われた事はなかった。

それを疑問に思うが誤差として何日か有るのかと考えて十代達の部屋に入ったが…………部屋には誰も居なかった。

 

「…変だな…先に食堂に行ったのか?」

 

そう思って時計を見ても食堂の中にいるレッド生の中に十代達三人の姿は無かった。

 

(…無関係のオレの所に来て無いだけで論理委員会にでも連れて行かれたか…。まあ、次の制裁決闘を頑張ってもらおう…)

 

心の中でそう考えて朝食を食べ終えるとアカデミアに向かったのだが、教室の中には明日香やなのは達の姿まで無かった。

 

そして…授業が始まる前に聞いた鮫島校長の言葉を聞いて総麻の顔は蒼白になる。

 

 

『………今朝から以上の七名が行方不明となっています。何か心当たりのある人は………』

 

 

(っ!? 十代達が行方不明!? 闇のデュエルに負けたのか!? いや、万が一十代が負けたとしても、行方不明になるなら十代だけのはず…どうなってる!?)

 

此処は似ているだけで自分の未来予知が当てになるかは分からなかった。だが、これは確実に違う。

 

(オレが此処にいる…その影響なのか?)

 

自分が此処に居ることが原因で十代が闇のデュエルに負けた。だとしたら…。

 

(…動くしか…無いのか?)

 

手が出るほど掌を握りそれでも動く事の出来ない自分に対して苛立ちを覚える。本当なら授業をサボってでも十代達が向かった廃寮に行くべきだろう。その事を知っているのは今学園で自分だけ…そして、時が過ぎれば過ぎるほど危険に苛まれている。

 

だが、今の総麻は上の空の態度で授業を受けている。怖いのだ…死の危険に近づくのが。恐ろしいのだ…死に近づくのが。どれだけの力を持っていたとしても、一度心に焼き付いてしまった死への恐怖心からは逃れられない。

 

(そうだ…まだ負けたって決まった訳じゃない。…もしかしたら、廃寮で気絶していて授業に出られなかっただけかもしれない…)

 

逃げ出したいという願望と共に心に浮んだ都合の良い考え。それを抱きながら授業が終わった帰り道、総麻は誰とも会話する事無くレッド寮への帰り道を歩き、自分の部屋の前に立つ。そして、部屋のドアを開くと扉の間に挟まれていた封筒が落ちていくのが視界の中に映る。

 

「おっと」

 

地面に落ちる前にそれを受け止めると部屋に入ってその封筒を開く。

 

「っ!?」

 

それの中身を見た瞬間、思わず驚きのあまり声にならない悲鳴を上げてしまう。そこに入っていた物は彼の中に有った微かな希望を砕くのに十分過ぎる代物だった。

 

「ハネクリボー…」

 

一番先頭に置かれていたカードを手にとって震える声でそう呟く。それは十代の持っている『ハネクリボー』のカード。まるで…十代がどうなったか教える様に…

 

『ク…クリ~…』

 

『グルゥ!』

 

総麻がハネクリボーのカードを手に取った瞬間、半透明のハネクリボー…ハネクリボーの精霊が現われた事でそれが間違いなく十代の物だと伝えていた。

 

フラフラと弱った様子のハネクリボーの精霊を総麻の影から現われたジークヴルムの精霊が受け止め、慌てて表れた白い翼を持った天使の姿の精霊『天使長ソフィア』へと託す。

 

「他には、スチームジャイロイド、デスコアラ、エレキジ、サイバーブレイダー…後の二枚は見覚えないけど…高町と八神のカードか」

 

一枚一枚カードの名前を読んでいくと…そのカードが行方不明になっている者達のカードと言う事は精霊の宿ったハネクリボーのカードの存在だけで確信できる。

 

そして、カードと一緒に入っていた手紙には『今夜十時、廃寮ヘ来イ』とだけ書かれていた。

 

『ガンッ!』と言う音を立てて総麻の手が壁に叩きつけられる。

 

「何が有った…?」

 

そう言わずには居られない。十代が負けた事も信じられなければ…廃療でのデュエルの相手はインチキ闇の決闘者(デュエリスト)『タイタン』のはずだ。デーモンデッキは強力だが、十代の運の強さはそれを凌駕していたはずだ。

 

「っ!?」

 

疑問を思いながら、ゆっくりと七枚のカードに触れると頭痛が襲う。………本来、世紀末の魔人達の中でそれは敵側に位置していたはずの《力》のはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私はスカルデーモンを生贄に捧げ…』

 

「っ!?」

 

夢とも現実とも取れない空間…総麻はそこで黒い闇に包まれた場所で十代とタイタンのデュエルの最中に居た。

 

本来なら此処に居るのは十代とタイタンだけのはずだった。だが、闇の決闘(デュエル)に巻き込まれたのか、気絶している明日香と翔に隼人の他になのは、フェイト、はやての三人の姿まで有った。

 

デュエルの状況は十代のフィールドには攻撃力2600の融合しないE・HEROの中では最高の攻撃力を誇る『E(エレメンタル)・HERO エッジマン』の姿が、それに対して相手のフィールドには攻撃力2500の『迅雷の魔王スカルデーモン』のカードが存在している。そして、タイタンはスカルデーモンを生贄に捧げて更なるモンスターを召喚しようとしている。

 

(妙だな、スカルデーモンの攻撃力は2500、生贄一体で召喚出来るモンスターの中じゃ高攻撃力のはず…なんでそれを生贄に…)

 

総麻の疑問は新たに現われたモンスターの出現と共に驚愕へと変わる。

 

『我は『魔龍帝騎ダーク・クリムゾン』を召喚する!』

 

タイタンのフィールドにスカルデーモンと入れ替わる様に二本の槍を持った闇蒼の体色を持った龍人が現われる。

 

「なっ!? あれは!?」

 

咆哮を上げて現われた邪悪なドラゴン達の主の姿に驚愕を隠せない。そのカードは元々デュエルモンスターズのカードではなく、まだバトルスピリッツのカードのはずだ。

 

「ダ、ダーク・クリムゾン!!! 何で魔龍帝騎のカードが!?」

 

『な、なんだよ、このモンスター?』

 

ダーク・クリムゾンが両腕の鎖を引き上げるとそれに引き摺られる様にフィールドに漆黒の体色の総麻の持つ龍皇ジークフリードに似たドラゴンが二体現われる。

 

「あのカードは…」

 

『ダーク・クリムゾンの召喚に成功した時、デッキのカードを上から十枚確認し、その中に『龍帝』と名の付く儀式モンスターが有る時、召喚条件を無視して特殊召喚できる!!! 出ろ!』

 

『「魔龍帝ジークフリード!!!」』

 

『バトル! やれ、魔龍帝ジークフリード、ダーク・クリムゾン!!!』

 

総麻の目の前で魔龍帝の炎によってエッジマンが焼き尽くされ、残ったもう一体の魔龍帝とダーク・クリムゾンのダイレクトアタックが十代を飲み込む。

 

『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!』

 

それと同時にタイタン以外の全員が周囲の闇に飲み込まれていく。それが闇の決闘(デュエル)に負けた敗者の末路であると示すように。

 

「あっ…ああっ…。」

 

姿は見えないはずなのに…総麻へと向かって助けを求めるように伸ばされた手が…

 

「十代! 翔! 隼人!!! 明日香!!! なのは、はやて、フェイト!!!」

 

無力にも助けようと掴もうとした手はすり抜けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」

 

気が付くと自分の部屋に居た。

 

「…くっ!!!」

 

床に拳を叩きつける。

 

「…あれが昨日有った事だって言うなら…。」

 

妙に現実的(リアル)な夢として捉えることか出来るが…。

 

「あれは…オレの責任だ…。」

 

魔龍帝のカードを早く奪い返さなかったから…今回の十代の敗北は起きて、七人の人間が行方不明になった。

 

「…上等だ…。行ってやろう…絶対に助け出す…オレの…友達(なかま)を!!!」

 

呼び出しの手紙を握りつぶしながら決意を込めてそう宣言する。

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