東方虹村録 ~虹村喫茶店へようこそ~   作:ジェイルロック

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虹村兄弟

______あれは1ヶ月ぐらいでしたっけねえ

 

 

僕達がこの幻想郷にやってきたのは一ヶ月前の話です。外の世界では僕らは高校三年生になろうとしていた時でしたので、大学受験まであと一年だったのですよ。もうそれぞれが受験勉強で必死になっていましたね。

 

ただそんな矢先、母親が突然行ったきり帰らなくなったのです。おそらく世間的にいうと「蒸発」ってやつなのでしょう。

 

母は自分らが中学生のときに父と離婚し、それ以来一人で夜出掛けることが多くなった。朝帰りなんてしょっちゅうだった。それでいてろくな仕事もせず僕らのアルバイト代を巻き上げて遊びに使っていた。抵抗してもこれはあんたたちの学費よと見えすいた嘘さえも吐きやがったのですよ。

 

殴ろうに殴ったら訴えるよと逆ギレするもんでなおたち悪いもんです。

 

こんな親だからもはや手遅れといっていいほどに親子の関係は冷えきっていた。それどころか親が蒸発したと確定したときには僕らは共に喜びあった程でした。今思えば親の事を知らない人達からみれば、親不孝めといわれそうですよホント。

 

そして、あの日は父に会い行こうかと夏休みを利用して、父の家があるM県S市にタクシーで向かうためにT県からM県を繋げる橋の上を走っているときでした。

あ、ちなみに今でも父とは交流をもっておりー母は知らなかったがーたまに電話で話していたんです。

 

僕達は数年ぶりの父との再開に、心を踊らせあっていましたんですよ。

 

 

 

そんなときだったかなあ。

 

 

 

突如、爆発音がドーーンって僕達の耳に響いたんですね。

それと同時になぜか知りませんけど浮遊感っていうのかな...そういうのも感じたんです。

 

何事かと後ろを振り向いたら、

 

 

 

 

海だったんですよ。

 

そこから後は覚えてません。

 

 

 

 

 

 

ー後に新聞で「M橋爆破事件 テロリストによる犯行声明が発表」と報道されるー

 

 

 

 

 

 

ただこの話はここで僕たちの人生というオチで終了しなかった。

 

現に僕達は生きているのだ。つまりあそこでは死ななかったということになるのです。

 

恐らくあれが原因でここにきたんです。

 

 

 

 

 

 

 

「成る程ねぇ...そんなことがあったのね」

 

 

そこにはこじんまりとしたカフェにウェイトレス姿の男二人と空間の裂け目から体半分出しただけの金髪の日傘を持つ女性がいた。

ウェイトレス姿の男二人はカウンターの中に、女性はカウンター席にー座ってはないがーいた。

 

 

「僕らのこの幻想郷に来る前の話、お気に召したでしょうか?」

 

 

虹村兄弟の次男坊、「虹村千男」が恐る恐る聞いている。何せあの大妖怪だ。兄のせいでなにか気にさわることでもあったらどうしようかと生唾ごくりもんである。

 

 

「ええ、あなた達がここに来る前のことを知れて良かったわ。それではこんな時間ですし、そろそろおいとまさせてもらうわね」

 

 

その彼女はカフェの入り口からちょうど見える位置にある時計をみながらそう言う。

ああもうそんな時間かと思い、店仕舞いをしようとすると女性が口を開いた。

 

 

「あの約束...守ってちょうだいね」

 

「分かってますよ。僕らだって折角カフェを作れたんだ。そんな努力の結晶を無駄にはしたくないね」

 

 

そうフランクな口調で虹村兄弟の長男坊、「虹村京次」は言った。

兄さんにお客様にタメグチは失礼だよと言ったのだが、いいだろそんなのと言い返してくる。

ホント目上の人にもっと敬ってほしいもんだ。

そんな光景を見て、彼女こと「八雲紫」はクスクスと笑っていた。

 

 

「まったく仲のいい兄弟だこと」

 

 

そういって微笑えんだ途端に真剣な表情になった。

 

 

「もう一度言うけどあなた達のその二つの能力は決して乱用しないこと正確にはあなたたちがもとからあった能力の方だけどね」

 

「そんな幻想卿征服でも考えてる訳でもないんだけどねえ」

 

「あら、十分に人里を壊滅できる能力よ。そんな危ないもん放置させとくわけないでしょう」

 

「う..う~ん...」

 

 

僕達には父が離婚したあたりから使えるようになった能力が存在していた。

それは兄さんにも僕にも使えるようになった能力だ。

これらをスタンドと僕と兄さんはそう呼んでいる。

 

 

「じゃ、いつでもあなたたちをみてるわよ」

 

「まじかこええな...それじゃ」

 

「またのご来店お待ちしております」

 

 

僕達は八雲紫がスキマの中に入ったのをみととげたあと、兄は後ろに振り返り何もないとこに向かってこう言った

 

 

「さあもう店仕舞いだ。第1部隊から第5部隊が今日の担当だ。各自、割り当てられた場所を掃除片付けするように」

 

そう言った途端、影からなにか小さな小人のように小さい人たち(?)がいた。

これが兄の能力、「ベイカンパニー」である。

 

 

「今日は兄さんの番だからね。頑張ってー」

 

「はあ、面倒だがやるしかないか」

 

そういい兄達はそれぞれの片付け場所へ向かっていった。

 

さて僕達は夕食を作るとしますか。

 

 





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