ガンバライダーロード   作:覇王ライダー

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リリカルなのは〜ミッドチルダ編〜
始まりの時なの


-ここはどこだろう-

暗い闇の底、彼はここ以外の場所を知らない。無論、眠る場所も。

少年は男に蹴りを入れられ、目を覚ました。

「さっさと起きろ。訓練の時間だ。」

少年の名はロード。これも本名ではない。

本名が何か。そんなことすら知らない。彼は生まれた時からここで生活し、地下深くで死に等しい訓練を幾多も重ねてきた。

この施設は「GRZ(ガンバライジング)社」という会社が運営しているらしい。

だがどちらでもいい事実だ。彼にとっては関係ない。

彼はこれまで、そしてこれからも「兵器」でしかなく、彼にとっての自由などどこにもない。

ロードは訓練施設に向かい、ライダーシステムのテストを行った。

過去の仮面ライダーを模した「シャドーライダー」との戦闘訓練を何度も行った。無論、ロードは偽物とはいえ、仮面ライダーを何体も倒してきた。

そんな時、事件は起きた。

裏切った彼と同じライダーシステムのライダー「ガンバライダー」が暴走し、別の異空間へと逃げた。という話だ。

「で、俺にそれを頼みに来た。ってわけか」

ロードは頭をかきながら白衣の男にそう問いかけた。

「そうだ。お前は「そのため」の兵器だからな。」

そう、ロードは元々裏切り者のガンバライダーを抹殺するために作り上げられたガンバライダーで、それに耐えるための訓練を、ロードは受けてきた。

「どっちでも良いよ。俺はそのためにいるんだろ?」

白衣の男は頷き、装置へと彼を誘った。

その歩く途中、彼は問いかけた。

「で、その逃げたターゲットはどんな奴なんだ?」

「奴の名はアクート。我々が作り上げた最高傑作だ。」

「それを俺に戦わせる…と?」

白衣の男はこの話になった途端、話をそらした。

「あと、これは敵と融合して能力を剥奪する力のあるブレスだ。」

ロードはそれを渡され、困惑する。

「でもさ、敵とどうやって融合するんだよ。無理矢理でも無理があるだろう。」

男は沈黙を保った。彼は早足で歩き、その後をロードが付いて行った。

そして、機械の前に立った瞬間、また男は話し出した。

「ここから、お前は奴が逃げた世界へ移転する。」

ロードは軽く頷き、装置へと足を踏み入れた。

「よし、始めろ。」

彼の前に光が迸る。彼が目を開けた時には、砂漠地帯にいた。

広大な砂と無限に広がる青空。彼にとっては新鮮な世界だった。

「ここが……外の世界。」

彼は初めて歩き出した。この大地を。まだ知らぬ未開の道を。

-次元世界-

いくつかある世界を「時空管理局」が管轄し、管理している世界のことをそう呼んでいる。

そして高町なのはは第九十七管轄地区「地球」で魔力を手にし、現在は第一管理世界「ミッドチルダ」で時空管理局の職員として今は働いている。

「はやてちゃん。話って何?」

なのはは時空管理局の上官であり友人である「八神はやて」にそう問いかけた。

「うん。なのはちゃんを呼び出したのは他でもないんやけどね。」

はやてはモニターに映像を映し出した。

「これは・・・!?」

その映像に映っていたのは鎧を纏った戦士が管理局の職員から魔力の源である「リンカーコア」を体内から摘出している映像だった。魔法を主体とするこの世界ではこんなことがあってはならないことなのは目に見えるだろう。

「どういうこと!?」

はやては冷静に話を続ける。

「リンカーコアを取り除いてる理由は分からへんけど、どうもこれを集めてるみたいやわ。」

はやての横にいた「シグナム」は桃色の髪をなびかせて呟いた。

「守護騎士事件の再来。というわけですね。」

「シグナム!!」

はやての横にいた少女「ヴィータ」はシグナムに憤怒の目を向けた。

-守護騎士事件-それはシグナムたち「守護騎士」がリンカーコアを奪い、はやての中に眠る「闇の書」を蘇らせる。というものだった。

「ただ、どうも今回の相手は魔導師じゃないみたいやねん。」

「どういう・・・こと?」

はやては映像を拡大した。

「ここにベルトみたいなんが見えるやろ?」

なのはは小さく頷いた。

「信じ難いけど・・・、今回の事件の主犯は「仮面ライダー」という可能性が出てるねん。」

なのはは小さく固まり、はやての目を見た。

「仮面ライダーって・・・あの?」

「うん。あの仮面ライダーや。」

ヴィータはその会話を遮るようにはやてに問いかけた。

「なあ?その仮面ライダーってなんだ?」

「昔に私たちが地球にいた頃にやってた番組だよ。悪い人たちをやっつけるヒーローものかな。」

ふーん。とヴィータは後ろに下がった。

「仮面ライダー・・・、懐かしい名ね。」

そこに入ってきたのは時空管理局の上官であり、なのはたちが搭乗している戦艦「アースラ」の艦長でもある「リンディ・ハラオウン」だった。

「リンディさんご存知なんですか?」

リンディはえぇ。となのはの質問に答える。

「かつて私も肩を並べて戦ったこともありますもの。しかし今度は敵に回るとは・・・。」

残念そうに話すリンディを置いてはやては話を進める。

「今回は相手がどう仕掛けてくるかも分からへん。やからこそなのはちゃんに頼んだ。油断もしないように。」

なのはは深く頷いた。

「うん。分かってるよ。相手の事情も聞きたい。油断ももちろんしないし!」

はやてはふぅ。と一息ついた。

「では、この件はお任せします。終了次第連絡を。」

了解。となのはは一礼し任務へと向かっていった。

「大丈夫でしょうか?我が主人。」

不安そうなシグナムの髪をはやては撫でた。

「大丈夫や。なのはちゃんならやってくれるよ。きっと。」

嫌な予感がする。そう思いつつも、はやてはなのはが去っていったドアをじっと見つめるのだった。

 

地上に降りたロードは少しばかり寝転がっていた。

「風が心地いい。これが世界の風か。」

しかし、その喜びは一瞬の出来事だった。彼の前に一人の少女が降り立った。

「あんた・・・誰だ?」

ロードの問いに答えることなく少女は話を続ける。

「あなた?魔導士を襲った犯人は。」

「………え?」

「あなたなんでしょ?そのベルト。」

茶髪の少女は彼を疑うような目で見つめる。無論、ロードはその疑いを晴らそうとするように首を横に振る。

「取り敢えずこちらまで引き取り願います。」

「ちょっと待って!?俺は違うよ!俺……は……。」

「えっ!?ちょっと!?」

少女は倒れかかるロードを抱きかかえた。彼の肌に触った瞬間、これまでにはない冷たさを感じた。

「これは……!!?」

彼女は自分の所属する部隊「時空管理局」へと通信を入れた。

「こちら高町なのは。容疑者を確保。容疑者は現在、かなり体が弱っています。戻り次第、診療を要請します。」

なのはは自らのインテリジェントデバイス「レイジングハート」に指示を与え、彼女はロードと共に時空管理局へと戻って行った。

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